政府「危機管理」で謎の縦割り
国民は翻弄されるばかり
国民は翻弄されるばかり
日刊スポーツ 2026年4月11日8時0分

★外国からの武力攻撃を想定したシェルターの設置について「緊急事態を想定した避難施設(シェルター)の確保に関する基本方針」が先月31日に閣議決定された。「市区町村単位で人口カバー率100%」など目標値は高いが、一体どんなことを日本がやらかすと、どんな国からミサイル攻撃を含めた武力攻撃を受けるのか。
シェルターの前に外交を機能させる気があるのかと国民に大した説明のない現代の防空壕(ごう)は2030年までにそろえるそうだが、現実的なのか。無論シェルター設置はむきになって行うかもしれないが、そもそも日本中に爆風から守る施設ができるのか。わからないことだらけだ。
★22年に策定した「国家安全保障戦略」に基づき、有事の際の自衛隊や海上保安庁による円滑な活動を支えるための整備や訓練を行う「特定利用空港・港湾」を指定し、民生利用を優先しつつ自衛隊や海保の航空機や船舶も使える指定空港・港湾は国の予算で整備するが、「公共インフラ整備」と呼ぶ。
また自衛隊の人員と物資輸送のために空港から駐屯地までの道路を整備するなどが進められているが、今月8日までに既に24空港、33港湾が特定利用空港・港湾に指定されている。
★思えば11年の東日本大震災の後、既存建物に対する耐震改修促進法が改正され既存の病院・学校・避難所など公共施設や老朽化したマンションなどに、耐震補強工事を義務づける自治体も増えた。そのあと自民党と政府は国土強靱化(きょうじんか)政策に発展させ、老朽化した重要インフラの点検と対応を進めた。
2月の総選挙で首相・高市早苗は国民に「危機管理投資」の重要性を説き、その結果「強い経済」が生まれるとした。中身は多岐にわたるが「危機管理」を枕に置くと公共インフラ整備やシェルター整備は新たな公共事業の目玉になるようだ。
しかし先月防災庁設置法も閣議決定されたが、連動するものは皆無。台風、地震、津波とミサイル攻撃を分ける発想もよくわからない。いずれも国民の生命・財産を守るのが目的なはずだが、謎の縦割りに国民は翻弄(ほんろう)される。(K)※敬称略

