イラン攻撃1カ月 まず停戦して交渉進めよ
信濃毎日新聞 2026/03/28 06:00
高い要求を掲げず、交戦終結を最優先にするべきだ。
米国とイスラエルのイラン攻撃である。きょうで交戦開始から1カ月となった。
トランプ米大統領は、イランの発電所とエネルギー施設への攻撃を警告。その後、2度にわたって攻撃開始を延期し、停戦に向けた協議入りを模索している。新たな期限は日本時間の4月7日だ。
米側は交戦終結に向けた15項目の条件をイランに提示した。内容は核施設3カ所の解体やウラン濃縮活動の停止、封鎖状態のホルムズ海峡の開放などが含まれる。
これに対し、イラン側は侵略と暗殺の完全停止や被害の賠償、ホルムズ海峡でのイランの主権行使など5項目を示している。
イランは核兵器保有の意思は否定しているものの、核兵器級に近づく高濃縮ウランの製造を加速させた。核拡散防止や中東の安定のためにも核開発は認められない。
ただし、米側の要求にはミサイルの保有数や射程の制限なども含まれる。要求の水準が高い上、これまでの交渉の経緯から米側に対する不信感が根強い。
米国とイスラエルの攻撃は国際法違反であり、米側が警告した発電所やエネルギー施設への攻撃も同様だ。さらに数千人規模の空挺師団や、陸上兵力を上陸させるための強襲揚陸艦を派遣している。攻撃激化の構えを示し強引に要求受け入れを迫るだけでは、イラン側の姿勢が硬化するだけだろう。
米国が攻撃した目的も二転三転しており、イランの体制転換を目指すイスラエルに米国が引きずられ、政権が暴走した疑念が拭えない。米国とイランが核問題を巡る高官協議を進めている中、不意打ちに近い形で攻撃を始めたことも見過ごしてはならない。
米側は交戦終結に向けた会合を早期に開くことを調整しているとされる。イラン側は攻撃を受けている中での交渉は非現実的として交渉入りに消極的だ。まず長期間の停戦をした上で、交戦終結に向けた交渉を進めるべきだ。
イランは攻撃の報復として湾岸諸国を攻撃し、被害が拡大する一方だ。ホルムズ海峡の事実上の封鎖は各国のエネルギー需給と経済に多大な悪影響を与える。湾岸諸国が耐えきれず参戦すれば、さらに泥沼化する。
米国もガソリン価格が高騰し、既に11月の中間選挙の結果を左右する事態になっている。交戦の継続は限界に来ている。一刻も早く停戦し、交戦の終結を目指すべきである。




