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しばらく空虚な生活を送っていた。
男とは勝手なもので彼女とどこ行ったとか何話したとか
思い出なんてどうでもよく、とにかくあの燃えるような
夜が二度と来ないという現実だけがひたすら辛かった。

それと俺の事を、ゲスな部分も含め真に理解してくれていたので
その理解者がいなくなってしまった事に孤独を覚えていた。

これからどうしていこう…もう二度と俺の事を理解してくれる
女に会う事はないんじゃないか…

外で女をひっかけても、俺は偽名だし、俺の事を話すことなんて
ほぼ無い。SEXには困らないかもしれないが、虚しい。

要は俺の事をある程度知っていて、既婚、子持ち、性格
その上で付き合える女が必要だったのだ。

俺は弱い人間だから誰かに寄り添ってもらってないと
生きていけない。屑のような男だ。そのくせ、何かしら大きな
目標を立ててそれに向かって突っ走っていかないと生きられない
ややこしい性格だ。
高みを目指す、ネガティブってやつだ。

ただ、一つ決めていることは、どんなに嫉妬して、彼女に戻って
欲しいと思っても、絶対に口に出したり、態度に出したりしないことだ。

それだけが俺のGood genesとしての誇りだ。
男の嫉妬がこの世で最も醜悪だ。

そんな悶々とした日々を過ごしていた時、ある事件が起きた。

人事部に若い綺麗な女子社員が入社した。
スレンダーで美人。二十代後半。
やる気に満ちていた。

俺の部で、人員強化の為に打ち合わせすることになったのだが、出席者は俺と俺の上司の本部長。人事ちゃんの3人。
その打ち合わせの席で、本部長が、
「若い女の人事って使えないんだよなあ」と発言。
可哀想な人事ちゃんは、泣きそうになっていた。

俺はその景色を見て、本部長は、若い女の前で、権力を振りかざし好き放題に言うことで、ある種、性的な衝動を覚えているのではないか?いや、そうに違いない。要するに調子にのりたいだけなのだろう、愚かな非モテだな、、
と感じた。

ミーティングが終わった後、俺はすかさず行動に出た。
チャットで人事ちゃんに対し、さっきはキツかっただろうね。大丈夫?と送る。
俺もこういう事する時点で相当なゲスだが、
好奇心が抑えらない。いつもそうだ。リスクが伴う、刺激と興奮が必要だ。
ただ俺はどんな状況も乗り越えてきた。
その自信がチャレンジへと向かわせる、、、

人事ちゃんから返信。
相当傷つきました。。
でも頑張ります!

俺の返信。
君は頑張っていると思う。
大丈夫。今度ランチでもどう?

人事ちゃんから返信。
行きましょう!

すかさず、ランチセッティング。
新たな戦いが始まろうとしていた。