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今日は過去の思い出を語りたいと思う。
俺は、大学卒業と同時にバンドをやるため就職せずに
上京した。上京当時は、ライブハウスに出ても当然客はいない。

メンバーとどうするか試行錯誤した後、
立川で路上ライブを決行し、そこで無料券を配り集客する戦略に出た。

路上ライブの後は、アンケートを書いてもらい、
そこに当時はLINEが無かったため、メルアドを書いてもらい
1人1人メールしてライブにきてもらった。
この作戦が功を奏し、動員0人から50人くらいまで安定的に
集客できるまで成長した。

俺は地元から、彼女を連れて来ていたが、その彼女は年下で
専門学校に入ると同時に海外旅行など楽しむようになり、
会った当初は、俺が主導権を握っていたが、色々な世界を知るように
なり、やがて離れて行った。

貧乏で、明日もどうなるかわからない生活の中で
1人になった寂しさは想像以上であり、
手当たり次第に女に手を出し始めた。

そんな中、女優を目指しているという女性にあった。
彼女は心が穏やかで、家族に優しく、自愛に満ちていたし
俺がめちゃくちゃでも決して怒ったりしなかった。

料理がうまくて、よく家に作りに来てくれた。

俺は孤独に耐えられなくなり、彼女と付き合うことにした。

好きだったか?否、決してそうではなかった。

とにかく孤独に耐えられなかったから、彼女の温もりに
甘えたかった。

心底クズ野郎である・・・

自分でやりたいことをやりたくて東京に出てきて
人に縋り付いて生きて行こうとする。
それも恋愛というツールを使って。

しばらく一緒に居たが(恐らく二か月くらい)
クズの俺は優しい女優ちゃんに物足りなくなっていった。

刺激がないのだ…

俺はまた他の女と遊びはじめ、女優ちゃんを相手にしなくなっていった。

女優ちゃんは文句を言うでもなく、

「私ではつまらないのですね・・・」

と潔く去って行った。

俺はその後もあらゆる女の元を転々と渡り歩きながら、クズとして、なんとか生きていき、
ついにバンドを引退し、社会人になり、
今の嫁とあった。

女優ちゃんとは、その後音信不通であったが、
電話番号で、LINEが繋がった。

俺は、以前に書いた別れ
http://blog.livedoor.jp/ryopau/archives/170608.html

があった後で、この先どうして行こうか、途方に暮れていた。

これは、俺にとってSEXというものが、
最終ゴールではなく、この歳になってもまだ、
女性に甘えたいという、願望が心の奥底に疼いている証拠だった。

孤独な自分を解って欲しい、、、

まだ、そんなことを欲しているのだ。

全くクズでどうしようもない男だ。

10年ぶりくらいに、女優ちゃんに連絡してみた
ところ、もちろん覚えていると。
そして、まだ、独り身でいるとの事。

俺は、当時のクズだった俺が社会人として
立派に生きていることを知って欲しいと言う気持ちと、今の俺なら、女優ちゃんの良さがようやくわかるはずだから会ってみたいと言う気持ち、それと、もしあわよくば、俺を理解してくれる、クズな時も一緒にいてくれた彼女なら色々話して、孤独が癒えるかもしれない、
彼女と別れたキズが癒えるかもしれないと言う、さらなるクズ理論に支配され、彼女を食事に誘ってみた。

女優ちゃんからは、
「ぜひ!」

と、返答があったが、日程を詰める段階で
連絡が取れなくなってしまった。

女優ちゃんには、俺は結婚して子供もいる事を伝えており、騙眩かすつもりは毛頭無かった。
そんな事、出来るはずもなかった。

そして、一週間が過ぎた頃以下のようなメッセージが届いた。

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Ryoさんと久しぶりに連絡を取る事が出来て、ありがたかった。とても癒された自信も貰えた。
そして、Ryoさんがしっかり生きている事を知る事が出来た。

なので、伝えたい。

今ある、ものを大切に過ごして欲しいです。
私に会うことを提案してくれたけど、もし自分が貴方の奥さんだったら、絶対に良い気分じゃない。
そして、大切な子どももいる。すぐに大きくなってしまう。
私と過ごす時間があるなら
少しでも子どもと過ごして欲しいと心から思います。

Ryoさんは絶対にモテるのがわかるけど、女性がほっとかないのも、よくよくわかる。

どうか今ある愛しい者のために、過ごして欲しいと願います。

以前、貴方を心から愛した私からの願いです。
どうか、幸せであれ
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俺は、何というか、温かい気持ちになり、
ああ、良い女っつーのは、いつまでたっても
良いものなんだなぁ。
と心から思ったのだった。

「分かった!流石女優ちゃんだね。
俺は、そんな君が素敵だと思う。また、いつか!」

と、あっさり返した。

俺はもし、あの時女優ちゃんと付き合い続けていたなら、どうなってたか?
皆んな一度はそんな女性がいるだろう。


、、、俺は、やはり平和な暮らしに満足出来ず、別れる事になっただろう。

こういう生き方を自分で選択して生きてきたのだから、もう、引き返せない。

女優ちゃん。
いつか、素敵な人にあって幸せになってな!