2009年12月28日

語り継ぐべき傑作(いろんな意味で)「闘魂ヒート」 レビュー

木戸修早すぎた伝説の野心作。ゲームボーイアドバンス用ソフト
「闘魂ヒート」を時を経た今、レビューしよう。
現実とゲームをリンクさせるという、かつてない発想を引っ提げて登場も
肝心のゲームの一本道さと単純労働っぷりに、
全国のチビッ子が泣いて捨てた壮大さをとくと味わえ!
織部つむぎ常にnWoシャツを着ている先生や、プロレスに博学なクラスメイトという
プロレスファンにとっては夢のようどころか、
一回転して恥ずかしい展開からスタートしますが、
長くなるので冒頭部分ははしょります。
っていうかなんだ、プロローグ的なものはこちら。
多重ロマンチック:闘魂ゲームをやってみよう!

ちなみに主人公はプロレスに興味がなかったという設定。
しかし(輸血で間接的に)偉大なるプロレスラーの血を引くことから
次第にプロレスに目覚めます。

そこで狂言回しとして重要になるのが、本作のヒロイン・織部つむぎ嬢。
周囲が羨むかわいい顔した幼馴染であり、ボーイッシュを超越した極端なまでのプロレスバカ(誉め言葉)。
飯伏幸太選手登場以前に公園でのプロレスを提案し実行(主人公は餌食に)、
会話のツッコミとして「クラッチ式フィシャーマンバスター」を用いるなど、
幼年誌に掲載されるようなライトなゲームを装いながら、
どうだこのプロレスに疎い常人を突き放したかのような世界観。

でもこんなプロレス検定特1級を持っていそうな彼女でも、
主人公・大羽火人くんが、人気プロレスラー・ヒートであるという真実はまだ知らない。

突然レスラーとしてデビューしてしまった中学生・大羽くんは、
放課後毎日のように世田谷のワンダーランド、野毛道場に通うことに
(学校生活の淡々としたかったるさも、そのままリアルに再現!)。
道場には常に木戸修コーチがいらっしゃいますが、それ以外にも愉快な戦士がいっぱいです。
番長蝶野&服部さん柴田





ジュニアの番長・金本選手。発言がアメリカンな蝶野&服部コンビ。ケンカッ早い柴田勝頼選手。

サムライサムライ成瀬





顔が赤いよと指摘しつつ競馬新聞を買いに行くサムライさん。武士道を重んじる成瀬さん。

井上稔ヤスティ





とっても几帳面・井上選手。ヒートとは他人の気がしない稔選手。
やっぱりパチスロに狂ってる安田選手。ゲーム中には永田さんや中西選手も登場しますが、
このメンバーだとはっきり言って影が薄い。
なおヒート選手がジュニアヘビー戦士なため、本編ではジュニア戦士のほうが大活躍。
とはいえファイトスタイルに変化を付けないという斬新な当ゲームでは、
ジュニアの展開を味わうのに豊かな妄想力が必須なので注意せよ。
Amazon.co.jpで1円から落札できても、操作方法がわかるまでに1日費やす。これがプロレスの奥深さだ。

また道場だけでなく、公園や神社、闘魂ショップ(渋谷店?)と思わしきお店にも出かけることが可能。
裸一つで闘うプロレスに不要だろうと、アイテムなんぞは売っていませんが、
こんな人が店主として待っている。

闘魂ショップにいるアントンさん「マスクド・アントン」。あまりにも怪しい雰囲気バリバリで、
ゲーム中どんな効果があるか分からない張り手を顔面に入れてくれます。
このキャラが後半、伏線をもって大活躍…。
すると思いきや、その伏線がまったく回収されないアクシデントとなりますが、
気になる伏線の内容はプレイしてのお楽しみだ!
(どこかで分岐点でもあったのだろうか…)

また、アントニオ猪木に対するジャイアント馬場。藤波辰巳に対する長州力。
タイガーマスクにとってのブラックタイガー、アンパンマンにはバイキンマン、
山岡士郎には海原雄山と、ヒーローにはそれぞれライバルがいるように、
話が進むとヒート選手にも終世のライバルが登場します。それが月よりの使者「月鬼(ゲッキ)」。
ゲッキゲッキ





正体を伏せながらも、IWGPジュニアをかっさらいスーパージュニアにも出場。
一時はヒロイン綾部さんが中の人? と醸させますが、その真実は!?
さらに物語も中盤に入ると、お約束のように、ヒートの正体を見破るキャラクターも登場。
おいおい! 中身が小学生だってバレたら、プロレス業界の一大スキャンダルだぜ!
百舌鳥百舌鳥





その名は百舌鳥円(もず・まどか)。かわいい彼女はなんと新日本プロレスの協賛スポンサー令嬢。
逆らえないにもほどがあるっ! 秘密を握られた王者・ヒート!
揺さぶられる小学生・大羽火人! 後には戻れない大ピンチ! どうするんだヒート!
と、ここで劇的な展開があると見せかけて、その後まったくお話に絡んでこないというサプライズ。
「闘魂ヒート」はもってこいの伏線を一切回収しないという常識破りをとことんやります。やり貫きます。
だってオメェ、普通に盛り上げたら、普通のゲームになっちまうだろ、ムフッフフフ。

さらに闘魂ヒートはプロレスの斜め前へ。月鬼とのIWGPジュニア王座戦を終えハッピーエンドも、
ここで耳覚えのない音楽が突然掛かり、ケロちゃんが禁断のワードをぶち込むぜ!
「こんなのリハーサルにはなかったぞ!」
リハーサル





いくらプロレスがオープンキッチンになってるからって、その言葉はちょっとデリケートなサンクチュアリ。
そして登場したのは裏ボスともいえるキャラクター、褐色の弾丸・ショウくん(notモヤモヤさまぁ〜ず2)です。
ここからは輪をかけて一寸先はハプニング。ストーリーは斜め上へとドラゴンロケット出発だ!
ショウくん衝撃の発言ショウくん衝撃の発言ショウくん衝撃の発言





新日本プロレスのリングは、まるで羽毛布団じゃねえか。柔らかすぎる」。
ファイティングオペラ侵攻よりも強烈なキング・オブ・スポーツの汚され方!
まだチャラくなかった棚橋弘至選手がこの言葉にストップを賭けにリングに登場。
そしてストップといえばもちろんこの人。藤波辰爾社長(当時)がお出ましです。
僕らのドラゴン僕らのドラゴン





「ちょっとちょっと、きみ、それどういうことだい?」
「うーん、よく話が見えないんだよね…」

お、おでんッ!!!

さらにショウくんは衝撃のカミングアウトを続けます。
リアル神の子リアル神の子風元くん





「親父の名は…神。アントニオ猪木だ」
なんとアントニオ猪木氏の実子だと言う。大羽くんの前には謎の少年・風元照くんも登場。
こうしてかたや輸血で、かたや真の息子として。
リアルドーター寛子さんやリアル娘婿サイモンさんは蚊帳の外に、
アントニオ猪木の血を継ぐ正統王子を決める戦いが火蓋を切って落とされるのだった。
決戦の地は巌流島! ドーン! 続く。


西村説法西村説法西村説法





ヒート「よくわからないけど、ありがとう西村さん」

さて、そんな波瀾万丈の展開を見せる新日本プロレスにさらなる恐怖。
たまたま木戸コーチが非番の日に、野毛道場に道場破りが現れた。
なんとその正体は覆面姿の女の子!!
月姫





今日のちゃんこ番は小鉄さんにブン殴られるぞ! うさぎを模した覆面ガールの名は
月の姫とかいて「月姫(ゲッキ)」。前述の月鬼(ゲッキ)との関係性も思いっきり気になるけれど、
一切フォローしないのがストロングスタイルだ。
途中で登場するクラスメイトが中の人だと思うんだけれど、その正体も明かされない。
前後のつながりはテメェの胸に手を当てて考えろってことですよ。ムッフフフ。

リングの上に男女はないと、月姫選手に勝利すると、最終決戦・巌流島へ。
巌流島の決戦巌流島の決戦巌流島の決戦





ごちゃごちゃ言わんと、どっちがアントニオ猪木の息子か決めればええんやっ!!
闘魂伝道(デンドー)するのはどっちだ!?
しかし、ここで勝利を収めるとさらなる未知の玉手箱が開かれる。オープン・ザ・パンドラボックス!
巌流島の決戦巌流島の決戦巌流島の決戦





負け犬は去れと、アントニオさんがまさかのショウくん突き放し!
そしてヒートは「あなたは僕の知ってる猪木さんですか?」と、オカルト映画真っ青なパラダイス!
アントニオさんは背広を抜き出し、ケロさんに向かい「ケロ、ゴングだ!」
うわぁぁん! 胸がワサワサしてきたよぉ〜〜!!!
「闘魂ヒート」はアントニオ猪木プロデュースによる新感覚プロレスゲームです!
例え引退していても、アントニオさんと戦いたいと叫んでしまうのも納得ですね!

(C)(株)猪木事務所 / INOKI INTERNATIONAL,INC. / INOKI INTL,INC.
/ NJPW / All rights reserved, PCCW Japan 2002
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この記事へのコメント
どうでもいい話で恐縮ですが、月姫を見てペッキー(大阪プロレス)を思い出しました。
Posted by りゅう at 2009年12月28日 02:06
SFCで新日や全日のゲームが出てた辺りの
昔のファミ通でプロレスゲームを作ってる会社の
人が団体側はノーチェックだったと言ってた気が
します。
その名残なんでしょうか。
それでFMWとかの奇ゲーが生まれたんでしょうね。
Posted by バナザード at 2009年12月28日 06:59
●りゅうさんへ
僕が思い浮かんだのはロゼッタ(夢ファク)でした。
ヒートは島本和彦デザインですけど、他のキャラもそうなのかな?
Posted by 漁師JJ at 2009年12月28日 08:24
●バナザードさんへ
顔が似てないからもうちょっとカッコよく! とか
チェックしすぎるのもたまにキズですけれどね。
新日本レスラーズとブレイクバニーが闘ってもいいじゃないかという
遊び心がやっぱりないと。
ということでユークスさん、レッスルキングダムの新作まだ〜!?
Posted by 漁師JJ at 2009年12月28日 09:11
同時期に出たPS2ソフト「闘魂ぱずるDEダァ〜ッ!!(だったっけ)」については忘れたままにしておいていいのか…?たぶんいいのだ(ハードオフのジャンク棚を見やりながら)。
Posted by ほにょほにょ at 2009年12月28日 09:32
中古200円で買ったままプレイせずに寝かせてます。
JJさんの鬼気迫る迫真のレビューにまたプレイが遠退いたような。
でもドームに向けてプレイしてみようかと思わせるズンドコ臭がたまらないですね。
教子ちゃんにプレイさせて間違ったプロレスのイメージを刷り込ませたいですね。
ケロ、何を言ってんだ、ケロ…
Posted by TJS at 2009年12月28日 09:44
●ほにょほにょさんへ
http://www.jalecogames.co.jp/inokimichi/
浜岡賢次さんデザインのキャラだけが魅力でした(買わなかったけど)。
続編(?)の携帯アプリでは新日本の許諾が取れずに、
ゲッキたちが出演して、夢のコラボしてたのも今昔。
あ、今までずっと「ぱずるだま」シリーズだと思い込んでた。違うのか!
Posted by 漁師JJ at 2009年12月28日 09:58
こういうB級テイストの王道を往く(逝くとか言わない)ノリ、嫌いじゃないです(笑)
イケメンや美女が超重武器をブン回してワールドをヘルプするより、よっぽどプロレスしてるストーリーじゃねぇか!(当たり前だ)

これでゲームシステムがもっと練り込まれていれば・・・いわゆるキャラゲーの宿命でしょうか。
とはいえ、実質プロレスゲームのリリースが期待できない現状を鑑みると、ゲームになっただけまだ景気のよかった時代だったんだなと。

要素でプロレス技が使われたり、キャラにプロレスラーがいる格ゲーとかじゃない、
ファイプロやキンコロの新作・後継作が出るのはいつの日か・・・
Posted by トロピカリ at 2009年12月28日 10:40
二代目ヒートは好きでした、特に最後の試合の赤黒バージョンは。
しかしこれは・・・意外と面白そう。
Posted by at 2009年12月28日 10:54
むしろ、月姫はヴァニーナイツだと思う(笑)
Posted by バグ at 2009年12月28日 11:06
元々仮面ライダークウガとのタイアップの予定が流れて、それを無理矢理形にしたのがヒートだと思っていたんですけどどうなんでしょう?
Posted by 通りすがり at 2009年12月28日 12:16
安田の絵が高岩に見えてしまいました。

ゲームやらないでも、漁師さんの解説が面白すぎて満腹状態です。しかし、新日舞台にする割に早すぎるカミングアウトゲームですね(苦笑)
Posted by みかん at 2009年12月29日 00:12
ラストの猪木との台詞の掛け合いは燃えた
アントン、まさかアナタが!
Posted by あ at 2018年09月07日 10:09