2011年09月30日

素敵な空間「音のプロレス初級編・レコードを聴く会」

きよあな9月28日、閑静な吉祥寺の町の一角がプロレス講義室に早変わり。
プロレスがわからない女の子も、今からでも大丈夫!
吉祥寺「キチム」にて初心者向けのプロレストークイベント
「音のプロレス初級編・レコードを聴く会」が開催された。
司会進行、レコード提供はプロレス実況アナ・清野茂樹アナウンサー。
プロレスファンのギタリスト木暮晋也さん(ヒックスヴィル)に、
プロレスを知らない歌手・IMALUさんを従えて、はてさてどんなイベントになったやら?
「プロレスなんてわからない」「でも今、人気あるんでしょ?」そんな女子の期待にこたえて(?)
音楽から入ればとっつきやすくて大丈夫と、プロレスレコード収集家である清野アナが「音のプロレス」を初開催。

こぐれギタリスト木暮さんはアントニオ猪木時代からのプロレスファンなれど、
プロレスが好きだということをほとんど公にしておらず、関連イベントは今日は初めて。
仕事自体も、小さい判型の紙のプロレスに寄稿したことがあるくらいだとか。
しかし音楽とプロレスは似ている! ということで、オファーが来たら出演即決。
清野アナとは広島FM局アナ時代からの10年来の知り合いということです。




いまるしかし問題は2人だけでは華がない。ほんわかしたおしゃれスポット吉祥寺の町で、
こじんまりとした音楽イベントを多く行なうキチムの場所でと、プロレス側が絶対的アウェイ。
そこでまったくプロレスを知らない女の子、それでいて興味を持ってくれそうな子ということで、
平成生まれ、22歳の歌手IMALUさんをダメもとでブッキング。
事務所からOKが出たものの、プロレスは「全然しらない」「観たこともない」。
一番最初の問いかけは、「プロレスってひとつのジャンルですか? 全般的なものですか?」
そんなプロレスのプの字もわからないIMALUさんにプロレスをプレゼンして、
ちょっとでも興味を持ってもらおうというのが今回のイベントのコンセプト。果たして成功、なるか。

ちなみに集まったお客さんの3分の1ほどは女性、半分ほどがプロレスを観たことがないというお客さん。
「仲間がいた〜」「安心した〜」とIMALUさんは喜びます。

ではまず、IMALUさんへ基本的な質問です。プロレスラー、つまりプロレスをする人でというと誰を思い浮かべますか?
悩みながらも出たのは、「アントニオ猪木、ジャイアント馬場、長州力」。
ただし試合うんぬんでなく芸人さんの物まねで知ってる程度。きちんと顔がわかるのは猪木さんくらい。
小力さんの元ネタ長州さんは、この間の24時間テレビで、初めて顔を知ったそうです。
そこで清野アナは選手の出囃子=音楽から学んでいこうと提案。まずは顔と名前が一致する猪木さんを入り口にします。

きよあな01.「炎のファイター〜INOKI BOM-BA-YE〜」アントニオ猪木とザ・ファイターズ
02. 「ALI BOM-BA-YE - 」マンドリル

「あ、知ってる!」とIMALUさん。レコードの溝に針を落とすのが楽しそうなキヨアナ。
あの有名な曲は実はカバーなんですねえ。友情のあかしで送られた逸話でみな、感動。
モハメド・アリのことはウィル・スミスの映画で知ってるとのこと。
この2人が戦ったことがあるというとちょっとびっくり、驚きの顔。
リスペクトを込めたカバーといえば、INOKI BOM-BA-YEをさらに日本語詞カバーしたこの作品。

03. 「いつも一緒に」 倍賞美津子
小暮「女性目線のアンサーソング。泣きが入ってますね。(当時アントニオ猪木夫人だった)内助の功ですよ」。
ほかにもINOKI BOM-BA-YEはカバーのカバーを多くされている作品と、
清野さんはお宝レコードを次々紹介、針を落とす。

04. 「炎のファイター・サンババージョン」
05. 「炎のファイター・レゲエバージョン」

サンバはともかく、闘争心のわかない、ゆるゆるのレゲエバージョン。
清野アナいわく80年代は空前のプロレスブームで、
なにを作っても売れたため、プロレスレコード業界も豊作の年らしい。
実は小暮さんもこの名曲のカバーをしてるんですよと清野アナがうながすと、木暮さんがPCから音源アップ。

06. 「疾風迅雷〜命BOM-BA-YE〜」DJ OZMA
IMALU「この曲は知ってます!」。この曲でギターを担当した木暮さんによるとアントニオさんからも許諾済み。
レコードから直接音源をサンプリングした甲斐がありましたと、
DJ OZMAさんの楽曲の中でも、1、2を争うライブで盛り上がる曲らしいです。

続いて話題はライバルであるジャイアント馬場さんへ。猪木さんがぶっころせ! と戦闘的な盛り上がる曲なら、
ジャイアント馬場さんは体も大きく、その真逆。テンションはあがらないが、黙々と歩みを続けるような悠然とした曲。
このキャラクターの違いによる曲調の違いを楽しむのが、入場曲のよき嗜み方。

07. 「王者の魂」作曲:実川俊晴
作曲の実川さん=キテレツ大百科「はじめてのチュウ」を歌っている“あんしんパパ”さんだという豆知識。
ここで実演編として、清野さんが持参した録画ビデオで入場勉強会。
「ラジャ・ライオンvsジャイアント馬場」
IMALUさんのプロレス初体験はこの試合になりました。
とはいえ入場終わると「ま、試合はいいです、コレ」とそそくさ停止ボタン。
あとは想像でふくらますのが、プロレスマインドの良い育て方なのです。

清野「入場曲の始まりは、INOKI BOM-BA-YE(1979年)からさかのぼること、1974年。
 スーパースター・ビリー・グラハムからでした。そして1979年、ある曲からドカンと火が付きます」。
木暮「プロレスレコード界のキラーチューン。ビートルズでいうイエスタデイですね。
 IMALUさん、音楽の仕事をやるからには、知ってないとまずいです!」

08. 「スカイ・ハイ」ジグソー
日本では映画のサントラ曲としてよりも、プロレス入場曲として爆発的に売れた曲。
マスカラスブラザーズの映像を鑑賞したのち、同じく「ありものの曲から引っ張ってきた名曲」を紹介。
音源自体はけしてレアではない大ネタ。しかし選手のイメージと合うものを探すのは至難の業と木暮さん。

09.「吹けよ風、呼べよ嵐」ピンクフロイド
10. 「移民の歌」レッドツェッぺリン

使ってるのはどんな人たちか想像してもらったところで、ブッチャーvsブロディの入場映像を鑑賞。
試合始まる前からなんで戦ってるんですか!? 鎖持ってますよ!! と2選手の異形に驚きを隠せないIMALUさん。
興味を示したところで、ここからは黒板を使った、清野アナのプロレス講座入門編。
■プロレスのルールは簡単。決着方法はおおまかに2つ。
■相手の両肩を地面につけて3秒=フォール。これで勝ち。もうひとつは関節技などで降参(=ギブアップ)させた者が勝ち。
シンプルで分かりやすいでしょ? と清野アナ。基本はこれだけで終わりです。

■例外として、リングから落ちて20秒以内に戻ってこれないと負けという「リングアウト」を説明し、
 最後にもう1個大事なルールがあると講釈。これがプロレスで最も大事なルール。
■プロレスの反則。目を突く、喉を絞める。急所を突く。指の関節を2本以上反対に曲げる。
 これらは反則なんですが、5秒を超えて行うと、これも負けになります。
 逆に言うと、5秒以内ならなにをやってもいいんです。
(IMALUさんほかから「ええーーっ!?」の声)
■普通は反則=本来やっちゃいけないことだから、一発でダメなんですが、プロレスは5秒を超えなければ許される。
 しかも厳密にいうと5秒でなくて、5カウント。これレフェリーのカウントなんです。
 人によって誤差がある。実に人間味があふれている。これがプロレスの楽しさで観る者を離さない不思議なポイント。
 5秒以内ならチェーン、ファイヤー、サーベルなにを使ってもOKなんです。

休憩をはさんで、ここからはオリジナル編。いつかレスラーの入場曲を作ってみたいと木暮さん。
清野「ヒックスヴィルの感じだとホンワカ系?」
木暮「いや、ヒール系の曲がいいですねえ」
プロレスラーのためだけに作られた、オリジナル楽曲のレコードをかけていきます。

11. 「ジャイアント・プレス」E-Project
入場曲でどんな選手か想像してもらい、いざ映像鑑賞。「大きい」、「色白」というIMALU予想は大当たり。
フランス人ゆえのオシャレな色遣いタイツがポイントと清野アナ。IMALUさんは「オーガニック」と表現。

12. 「パワーホール」異母犯妙
木暮さん分析「AメロとBメロしかないやっつけ仕事がひょうたんから駒」。
しかしそのシンプルさが長州さんにピッタリなのです。
IMALUさんはこの曲から、小力さんしか浮かばない。

13. 「明日への誓い」長州力
宇崎竜童作曲。木暮「これは知らなかった!」清野「(歌声は)ハウンドドッグっぽいんですよ」。
そしてそのライバルもシンガーだったと出されたレコードは…。

14. 「マッチョドラゴン」藤波辰巳
IMALU「アイドルみたいなピンクのセーター!」
“プロレスを知らないIMALUさんでも、この曲がおかしいということはわかると思います”とのあおりでミュージックスタート。
いまる場内は笑いに包まれ、IMALUさんはリアクションに困る。

やばい。レコードから流れる生音。さらに大音量サラウンドで耳に入るマッチョドラゴンは、
そんじょそこらのデジタルマッチョドラゴンをしのぐ破壊力!!

木暮「インストは最高ですよね。オケはスゴい。
 ただし歌は今の技術をもってして修正できない…」
清野「藤波さんは実際アイドルで、12インチレコードも出してます」。

15. 「ROCK ME DRAGON」藤波辰巳
ドラゴンによる幻のラップ曲。木暮「間違ってるけど、正解だと思います。ただこれ、ラップですかねコレ。
 インストですよね。クラフトワークの出来損ないというか。でもオケは完璧!」

さらなる発展。シンガーソングレスラー編。作詞作曲もできるレスラーズ。
大学からレスリングを始め五輪に行った天才は作詞作曲もできるマルチなアーティスト!

16. 「ローリングドリーマー」ジャンボ鶴田
該当曲は作曲してないものの、得意な楽曲は白いギターで奏でるラブバラード。

17. 「一番」ハルク・ホーガン
もともとがバンドマンのホーガンさん。IMALUさんも娘のブルック・ホーガンさんを通じて知っている。
プロデュースはジョニー・ルイス&チャー。作詞作曲歌唱にベースがホーガンさん。
発売は日本でだけなので、アメリカに持っていくと驚かれるという逸品。
木暮「歌というよりおしゃべり。自分をほめてるトーキックボーカルですね。
 声とオケをどうにかして切り離したいほどカッコいい!!」
出た結論、ピクチャーレコード(表面に写真の印刷されたレコード)はカッコいい!
CDや配信にできない芸当つながりで、またまたピクチャーレコードから3連投。

18. ザ・グレート・カブキレコードより「道場の練習風景」ナレーション:竹中直人
IMALU「これはファンの人が聞いてうれしいんですか?」
清野「いやー、ピンとこないですね。これ聴いてどうするのっていう」
これだけの人がここにきて、淡々と受け身によって鳴るマットの音を聞く。異常です。

19.「好きにならずにいられない(エルヴィス・プレスリー)」初代タイガーマスク
タイガーマスクが日本人だということを初めて知るIMALUさん。
おおまかにいうと、初代タイガーマスクは山口百恵。引退の後はPRIDEとかの土台を作った。そんな感じで大丈夫。
そしてタイガーマスクはいままでで5代目までいる。これを覚えれば君も今日からタイガー博士だ。新武道・掣圏!

なお、レコードをかけると会場全体から感嘆の声。
木暮「マジすか! 最高じゃないですか!! コレ本物(プレスリー)と間違えますよ! これはヤバイですね!」
IMALU「すごい。発音もいいですね」
当時23〜24歳。早熟の天才は格闘の世界だけならず、歌の世界でも天才だ。

きよあな20. 「燃えろ!吼えろ!タイガーマスク」古舘伊知郎
タイガーつながりでこの楽曲。
報道ステーションのあの人は、プロレスの実況もやってたんです。さらに歌まで!
入場曲としても使用していたので、一時期うた・古舘、実況・古舘。
古舘だらけのプロレス空間が存在していた。
学生時代に“あこがれの人”と話す機会があったものの、
アナウンサーになってからはまだ古舘さんとお会いしたことがないという清野さん。
清野アナにとっては繰り返し聞いた思い出の曲だが、残念ながら全国のカラオケには未収録だ。

21. 「トゥモロー(ミュージカル「アニー」より)」猪木寛子
イベントを締めくくるラストナンバーはIMALUさんにちなんで、偉大な才能を持った2人の血を引いた1986年の楽曲を。
奇遇にもIMALUさんもミュージカル・アニーが好きだった。
木暮「よく考えたら、これ、プロレス関係ない!」

音のプロレス初級編を終えて。感想。
木暮「プロレスレコードをまとめて聞ける機会がないので、すごく嬉しかったです。
 映像が(入場までの)寸止めだったので、ぜひ、中級編もおねがいします(笑)」
IMALU「音楽を通して、プロレスの歴史はとても深いんだなとわかりました。
 今までプロレスを観たことがなかったんですけど、反則は5秒以内とか、今度観たら見方が変わるかなと。
 どんな選手がどんな入場曲使ってるのかだとか、興味湧いてきました」。

音楽はプロレスに欠かせないもの。すなわち音楽からプロレスに入ることも、なんらおかしなことではない。
なによりレコードをかける清野さんの嬉しそうなこと、嬉しそうなこと。
プロレスの試合は一切流さない構成でしたが、それにより想像をはたらかせ、
IMALUさんも含め、プロレスに興味がわいてきたというお客さんも多かったようでした。企画コンセプト大成功!

持ち込んだ資料はレコードにVHSビデオと基本的にすべてアナログ。
一発頭出しもできないけれど、そこは長年の経験による記憶と勘でなんとかする。
前後の絵や音が出ちゃっても、それをおまけとして楽しむ。そんなところもなんだかプロレス的でありましたね。
出演者、会場スタッフの皆様、素敵なイベントをありがとうございました。
終わってみれば会場狭しと満員御礼。さあ、行こう、中級編! そして音を聞きにぜひ、プロレス会場へ!

ごまとししゃも揚げ(\500)、香ばしくっておいしかったなぁ。

音のプロレス★初級編 レコードを聴く会
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この記事へのコメント
ヒックスヴィル木暮さんと寿司ピッツァIMALUさんなんてスペースシャワーTVみたいな顔合わせですね。
プロレスへのアプローチって多角的なんだなーと思いました。
Posted by TJS at 2011年09月30日 12:59
杉本パパのお話は出たのでしょうか。
触れる機会が増えるのは喜ばしい!
Posted by マウンテン at 2011年09月30日 13:28
●TJSさんへ
清野アナもスペースシャワーTVでブルック・ホーガンさんにインタビュー経験あり。
この日はその時一緒に来日していたハルクパパとブルックさん2人にサインをもらった
レコードジャケットも披露しておりました。

●マウンテンさんへ
「さんまさんはおうちでもプロレスを観ていたんですか?」
「2歳で離婚してるので記憶が(ショボン)」
この場面はありましたです!
Posted by 漁師JJ at 2011年10月01日 09:06