2014年04月06日

ウソがウソであるとわかっても/「カタムツリマッシュムール」

カタムツリマッシュムール快く生きていくためには、人はウソをつかなくてはいけないのかもしれない。
ウソをついたほうが生きやすいのかも、しれない。
ではそのウソがウソとばれた時、ひとはどう行動し、どう豹変するのか。
演劇チーム“FlooR”第三回公演「カタムツリマッシュムール」は
そんな夢と虚像に満ちた公演でした。
“FlooR”第三回公演「カタムツリマッシュムール」。それは夢と虚像をめぐる物語。
登場人物のほとんどが2面性を持つ入り組んだシナリオで、
「カタムツリマッシュムール」というタイトルも、脳内変換で「カタツムリマッシュルーム」と読んでしまう
虚実の入り混じりを表現しているそうですよ。言いにくいけれど、「カタムツリマッシュムール」。

そういえばプロレスというスポーツもまた、ほかのスポーツと違い虚実入交り、それが物語となる稀有なスポーツ。
一番わかりやすいのは、謎の覆面レスラーがいる、という点でしょうか。
タイガーマスク選手は虎の穴出身の正義のヒーロー。
ブラックタイガー選手は虎の穴の刺客として、タイガーマスク選手を倒すためにやってきた悪のプロレスラー。
大人なら誰もが「虚」だとわかるのに、誰もが「実」のフィルターで通して観る。
そして仮面で過ごすうち、戦ううちに、いつしか虚実が溶け合い、仮の面こそが真実となる。

それでも現実に引き返されることがある。
新日本プロレスにおいて、2009年4月に登場した5代目ブラックタイガー選手は、同年6月に4代目タイガーマスク選手と
「マスカラ・コントラ・マスカラ(敗者覆面剥ぎマッチ)」で戦い敗れ、正体をさらけ出されます。
マスクの下は薄い頭髪と無精ひげ。黒い虎の素顔は、元新日本プロレスの屈強鉄人、高岩竜一選手だったのです。

ウソがウソとばれた時。劇中では発狂する人。落ち込む人。どうしようと我を失う人。
怒りに震え逆切れする人。それぞれの登場人物たちが様々な顔を見せました。
高岩選手の場合、どういう行動をとったかというと…。
同じ覆面を被り直し「ブラックタイガー5」として、正体バレバレだろ! とツッコまれつつ
剥がされたことが無かったかのごとく独立系団体で戦い続けているのです。

この間、新日本プロレスでは新たなる暗闇の虎、「6代目ブラックタイガー」も出現。
面の皮。否、覆面の厚さにどうかと思うこともありましたが、
劇中登場人物の「カフェ ダウトは居心地がいい。このカフェを失いたくない」という告白と同じく、
高岩選手にとっても、この不器用な使い分けが、なにより心地よいのでしょう。
実力が高くても知名度が薄い高岩選手にとって、せっかく手に入れたキャラクターなんですもの。
「5代目ブラックタイガー」時代から高岩説が思いっきり囁かれていましたが、
正体がバレバレになってから、「ブラックタイガー5」選手はなんともいえない味を手に入れた気がします。
素顔が「叩きつぶすパワーファイター」という高級ラベル付きなのに対し、覆面姿はファイトスタイルは変わらないのに、
どこか遊びを覚えた下町の駄菓子屋的というかなんというか
(その駄菓子屋的雰囲気を作るのに、ブラックタイガーブランドを使うなというのもまあ、確かなのですが)。
以前より場や対戦相手を問わず戦っているのが、マスク越しにスゴく楽しそうなんですよねえ。

「カタムツリマッシュムール」。
会場となるのはオープンカフェの設備を備えたレンタルスペースである、magari中野店。
ここを公演中は借り切り、上演前後は劇中舞台となっている「カフェ ダウト」として運営しておりました。
公演が終わればまっさらなレンタルスペースに戻る。その空間ですら「虚」と「実」。

あなたはウソをついてますか? それは「実」と重なりますか?
演劇チーム“FlooR”第三回公演「カタムツリマッシュムール」は、
そんな夢と虚像に満ちた公演でした。

※※※※※
FlooR「カタムツリマッシュムール」
作・演出:角畑良幸 4月3日〜8日(全8公演)
出演:
芦原健介
小崎愛美理

鈴木はるか
駄場詩織

岡田昌也
矢野杏子
品田誠

角畑良幸
【公式サイト】
小崎愛美理オフィシャルブログ Powered by Ameba
FlooR blog
カタムツリマッシュムール
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/ryosijj/52065647