October 2008

October 29, 2008

東京タワー その

「東京タワー物語」の中で、中沢新一が指摘していること。
「保田与重郎は『日本の橋』という名著のなかで、西欧の橋と日本の橋のちがいを、うまく表現している。
西欧の橋は、橋のこちら側には人間の住む堅固な社会があり、橋の向こうにも同じように堅固な世界があって、石造りの橋はそのふたつの世界の間を繋いでいる。
日本の橋は、華奢な木造橋がほとんどだったから、実にはかない存在だった。橋を描いた絵は、橋のこちら側には確かに人間の住む世界があるけれど、橋の向こう側となると、雲や霞がたなびいていて、橋はいつしか夢の世界に消え入ってしまうように描かれている。」と

橋は文字どおり「端」であり、この世とあの世との境界にかけられた存在だった。
東京タワーは、天に向かって伸びていくもの、見上げるものだった。
その「地」とは、現在の煩悩・労苦の世界。
その「天」とは、いずれ行く安息の地。
その「天と地」を繋ぐ東京タワーは、日本人の無常観の象徴的存在だったのだ。

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ryosuke_hara at 15:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)雑感記〜日々私が思うこと〜 

October 27, 2008

東京タワー その

「東京タワー物語」を読了。
みんなが上を向いていた。熱い時代の主役・象徴としての存在。
建設50年。その使命を終え、新東京タワーが建設に着手されんとする機に、15人のエッセイストが思い出を語っている。

私がこのタワーに登ったのは昭和40年。
母の姉(この人は新婚一ヶ月の夫を戦地に送り未亡人となった)が、軍恩連盟の旅行で上京した際、この伯母に請われて登ったのが唯一の機会である。
タワーの展望台からの東京の夜景を見て、伯母が漏らした一言。
「東京は川の多い街ネ」
車のヘッドライトの繋がりの光の線を、川の流れのように感じたのだ。

茫々、40年昔の話である。
この伯母は、女学校の裁縫の先生として独身を貫いたが、先年亡くなった。
この人が母の実家の墓を守ってくれていたが、今はもう墓守りする人がいない。

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October 24, 2008

史実 縦横に駆使

_SL160_[1]一坂太郎著「ひょうご幕末維新列伝」を読了。
幕末維新期は内憂外患の激動期。過去、多くの学者や作家が変革の時代を読み解く著作を発表してきた。 ただ学術本は厳密性を重んじるあまり面白みに欠け、歴史小説は脚色が過ぎると史実がかすむ。
歴史を興味深い読み物に仕立てようとすると、このジレンマが付きまとう。
兵庫県出身の著者は、兵庫県下の各地での大物元勲に絡む意外なエピソードや、決して人物事典には収録されない超マイナーな男女が舞台裏でうごめく姿を活写している。

明治維新の象徴たる「王政復古」の宣言は、神戸の地でなされた。まさに「維新発祥」の地と言えよう。
その激動の時代を歩んだ先人たちの生き様を、地元紙である神戸新聞が発刊したことに意義がある。

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October 22, 2008

脱藩官僚  その

小さな政府の実現には、地方分権は欠かせない。
しかし、国が決める法律は全国一律である。
国が税金を取って、地方に配分するという今のやり方では、地方の自立には繋がらない。
税そのものを地方へ移譲し、地方のパイを大きくして、地方の独自性に対応した政策をキメ細かく実現することが、真の地方の自立に繋がる。
これができないのは、既得権益を手放したくない中央省庁が反対しているからだ。
中央省庁の官僚はとくにこの感覚が強く、「国庫にいったん入ったカネはすべて自分たちのものだ。使い道を決めるのは自分たちで、他の者には手を一切触れさせない」。特に予算の配分権を握っている財務省にその傾向が強い。

役人の採用は「国民全体の奉仕者」として一括採用し、採用後各省庁に横断的に配置換えをさせることによって「省益よりも国益」を実現させることが必要であろう。

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October 20, 2008

脱藩官僚

高橋洋一著「さらば財務省!・・・官僚すべてを敵にした男の告白・・・」を読了。
「官僚は年功序列に守られ、ノーリスク・ハイリターンで仕事している。国民から信任投票を受けることのない官僚が、身分を保証されながら政策を立案し、国を動かそうとしているのだ。
政治家は選挙の洗礼というハイリスク・ハイリターンの世界に身を置きながら第一線で戦っているのに、自分たちは弾の飛んでこないローリスクの後方にいて、ハイリターンを得ようとしているようなもので、これほど虫のいい話はない。」と
政治家が官僚を主導する力量・見識がない場合、官僚の作る政策はほとんどが霞ヶ関のための政策になっており、国民のための政策になっていない

異色の経歴の官僚の財務省官僚への、まさに訣別の書である。
安倍内閣崩壊の実情の一面が証かされている。

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ryosuke_hara at 10:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)雑感記〜日々私が思うこと〜 

October 16, 2008

「成金」と「セレブ」

アメリカ発の住宅バブル崩壊に端を発した、金融恐慌が吹き荒れている。
その対策に世界各国が協調して対応せんとしているが、株価は乱高下を繰り返し、まさに「ジェットコースター」相場である。
我が国も大迷惑を被りつつ、その対策に協力している。その我が国の「拉致問題解決」の意向を無視する形で、「北朝鮮テロ支援国家」の解除を一方的に決定したアメリカに対し、不信感を抱かざるをえない。
アメリカは礼儀と仁義を心得ぬ、いわば「成金」国家かと

日本では簡単に稼いだ金を「あぶく銭」と呼び「成金」と呼んだ。しかし今は、”あぶく銭”をつかむ者が尊敬される。手段ではなく、目的優先の時代なのだ。
「成金」という、一代で財を成した者へ使われる侮蔑的な呼称もいつからか使われなくなった。かわりに蔓延しているのが、「セレブ」とかいう訳の分からない呼びかただ。
金さえもっていれば「セレブ」。それを見せびらかすことで憧れられる存在になるのが人生の目的、と自ら認める人間の増えた日本の現状から言えば、他国の事をそう呼ぶのは、それはまさに「天に唾する」ことになるのか?

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October 14, 2008

「切り札」と「カス札」

大沢在昌著「黒の狩人」を読了。
中国大陸の地方政権内部の腐敗と闇社会の実態。
日本における反政府活動の排除とその闇社会の暗闘の物語。
我が国の主権を無視した動きと、日本の公安当局との情報交換を含めた対決の物語。
複雑すぎる人間関係とサツバツたる殺人事件の連続は、いささか現実離れをしたものである。
「騙し合い」の世界の中で、救いは人間としての信念を持つ人々の存在。
主人公の刑事の独白。  「俺は切り札ではない。しかし、クズ札にはならない。カス札だがカス札なりの意地がある」

これらの闇社会の実態を、日本のマスコミは全く取り上げない。
これらを扱った小説の書評も、どこも扱わない。

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October 10, 2008

清冽な生き様

葉室 麟著「いのちなりけり」を読了。
一途なまでに求める心の美しさ、男の切なさがひしひしと伝わってくる。そして、真の「忠義」とは何かを考えさせる。
江戸幕府の政策と藩主の主張が異なった時、家臣としての「忠義」はどうあるべきか。
それをヨコ糸に、男女の秘められた想いをタテ糸にした清冽な時代小説である。

この著者は九州出身であろう。
この著者が最近の三つの小説で描き挙げたもの。すなわち
  「銀漢の賦」で、男の友情のあり方
  「風渡る」で、黒田官兵衛の生き様(軍師として、キリシタンとして)
  「いのちなりけり」で、凛とした男女の生き方  である。  
これらは武士道精神を謡い挙げた「葉隠」に結晶する。
この「いのちなりけり」は「忍ぶ恋こそ至極の恋に存じ候」の原型であろう。

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October 08, 2008

新行革プラン

兵庫県議会は新行革プランを承認可決した。
通常、自治体は原則単年度予算方式を採用。年度内に予算を執行できなかった場合、翌年度予算で減額される場合が多い。この無駄遣いの温床である「予算の使い切り」を見直し、経費を節減した場合相当額を翌年度に加算する「予算節約インセンティブ制度」を導入することにした。これは全国14番目の導入である。
今後10年間で1兆円余の行革効果を見込んでいるが、初年度から景気低迷により税収減が見込まれる厳しい状態でのスタートである。絶えざるフォーアップが必要であろう。

国の組織が縦割りのためその弊害として、各自治体では効率的な財源配分がなされない。
今後は予算編成を「線」ではなく「面」で見る必要があるであろう。
即ち事業を組織と政策テーマ、「縦と横」つまり「面」でとらえた予算編成であり、単年度予算ではなく「予算の複数年度予算」や「予算流用権」の考え方も必要であろう。

行財政構造改革は、県だけではなく県と県下自治体の二重行政にも着目しなければならない。

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October 06, 2008

少子化問題―その2

15年来の就職氷河期により、本来正規社員になるべき若年層が派遣社員やフリーターとなり低賃金を余儀なくされている。これらの人々を正規雇用とし、安定した所得を保証することによって結婚させること。これが少子化の対策の本筋であることを指摘した。
現在正規雇用の枠外にある若年層は、将来の無年金者や生活保護の対象者となる可能性が大変高い。将来の社会の安定性を考える時、これらの人々を正規雇用に結びつける対策を講じておくことこそ、喫緊の課題であろう。

国は雇用保険特別会計で、雇用開発に関する助成制度を設けている。
兵庫県の平成19年度の、高齢者の雇用開発助成金の対象者は1400人で支給総額は3億円。
一方、若年者のトライヤル雇用を含む助成金は100人未満で合計1億円、というのが事態である。
雇用保険特別特会の若年者雇用特別奨励金をより充実させ、若年者の正規雇用を促進させるべきであろう。

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ryosuke_hara at 15:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)雑感記〜日々私が思うこと〜