May 2011

May 30, 2011

自戒を込めて

曽野綾子著「老いの才覚」を読了。
「貴方も第二の人生を始める前にこの本を読んでおきなさい」と薦められたもの。
著者は、人間の基本は「自立」と「自律」である。それ故に
 ]群重戮鯊る目安は「くれない指数」。
    「老人だからしてもらって当り前」「親切にされて当然」なのに、       
      「何々してくれない」と甘えてぼやく程、醜いものはない。
◆ 岼き算の不幸ではなく、足し算の幸福を」
    今の日本は皆の意識が「引き算型」になっている。豊かさであれ
      安全であれ、全て世の中が与えてくれるのが当たり前、と
        百点満点を基準にして望むから、不満ばかりが募って不幸
         になっている。

その典型として神戸では、無料の敬老パスを有料化せざるを得ぬ時、「せめて子供料金よりも安く」という声があり、地下鉄料金はそうしたのであった。
「昔の親は自分は質通いしても、子供には修学旅行に行かせた」のであった。
「この親にして、この子あり」か。

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May 26, 2011

新しい時代

大佛次郎著「天皇の世紀」第十一巻を読了。
この巻は、それまで一途に描いてきた明治維新の主潮から離れて、浦上キリシタンの迫害がテーマとなっている。
王政復古により神仏分離令が出た時、僧侶が悉く環俗して、一人の反抗者も出なかった事実にくらべて、浦上キリシタンは禁制の時代を通して守り抜いた信仰を貫き通した。
良心の自由を模索しつづけた著者故にこそ、明治維新の歴史叙述の中に、長い歴史の片隅に置き去られていたこのキリシタンの堅固な美しい魂に感動し、あえてこの章を設けたのであろう。
新政府も公卿も志士たちも新しい時代を作る為には、破壊以外に何もして居なかった。浦上のキリシタンは、権力の前に庶民が強力に自己を主張した点で、封建世界の卑屈な心理から脱け出て、新しい時代の扉を開く先駆と成ったのである。
社会的にもまた市民の「我」の自覚の歴史の上で、不徹底に終わった一時代前の百姓一揆に比べても、新しい次代を荷う精神の松明を力強く掲げるものであった。


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May 23, 2011

国技の特権

大相撲の異例の技量審査場所が千秋楽を迎えた。
大相撲の世界には「あうんの呼吸」が存在し、かど番大関が七勝七敗で迎える千秋楽ではまず負けない事は、人々は漠然とながらも承認していた。それが今回、地位保全の為の甘えの構造である事が判明し体質改善を迫られいてたのである。

「八百長は善か悪か?」と表立って問われれば、「悪」と答えざるを得ぬ。
しかし、形式論で善悪を問う姿勢、それが本当に望ましいのか? 「競争原理主義の導入によって何が失われたのか?」が、問い直されている今日、国民の娯楽に属するものには今少し余裕のある見方も許されるのではないか。
それにしても、何秒間かの瞬間で決する勝敗は、TV放映なく翌朝の新聞で結果発表だけでは、いかにも物足りないものであった。

大相撲の世界がその歴史に甘えて享受してきた「国技」の特権、NHK放映無しでの再出発であった。この結果、大相撲が数あるプロ・スポーツの一つとなるのか、 国技として特別視を許されるのか? 国民が決める事である。


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May 18, 2011

人間力

大佛次郎著「天皇の世紀」第十巻を読了。
江戸時代末期に自ら率いて海外渡航を成功させた勝 海舟は、世界に「国」というものが在るのを知った。「幕府でも薩長でもない近代国家日本を誕生させる」、という長期の大目的を平和的に実現する事を念願とした。
同時に幕臣でもあった彼は、自己崩壊を避けられぬ幕府への奉公のために、江戸無血開城、慶喜助命、そして幕臣の生活保障を当面の目標としていた。
その交渉を「いかにせんか」と思案していた勝は、無骨な面構えで突然押しかけてきた山岡鉄太郎の人と為りを観て、この禅と剣の修行を積み何事にも一心不乱に直進出来る男が、「この一大困難事の交渉の窓口足り得る、是に賭けよう」と決断した。
総督府の前線を突破して駿府まで歩いて来た一人の生身の山岡鉄太郎は、この西郷にも何かを悟らせた。西郷もまた武力討幕の自説をさらりと捨てて、新国家建設という新しい見方で将来を考えるように成り、同様の考えの勝 海舟との会談を実現させた。
この両者が会談する事で、一大戦乱は避けられた。まさに「英雄、人を知る」であり、この両者を結びつけた山岡鉄太郎の存在は、もっと評価されるべきであろう。


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May 13, 2011

震災復興財源

東日本大震災からの復興には、多大の財源が必要になる。これを国民全体で負担する事は合意を得られている。
その財源に何を充てるかが議論されている。
一方で、この経済不況期に、増税は避けるべきとの議論がある。
消費税率の上乗せは、この税の逆進性また被災地を除外する困難性から、反対論が強い。
あくまで震災復興財源として、目的税として時限立法としなければならない。
経済の悪化を避ける為、この負担を余裕のある層が荷うべきとするなら、一種の富裕税とすべきであり、利子配当課税の軽減措置を廃止または税率引き上げを課すことを議論すべきであろう。特に、配当課税は景気対策として20パーセントの課税を10パーセントに引き下げられており、これだけで年間2500億が減税されている。これを本則に戻す。
また、わが国の国民貯蓄残高の1500兆ともいわれるが、年平均利息を1パーセントとして、利子配当だけで15兆 それに対する課税を10パーセントの税率引上げすれば、これらで年2兆の税収増となる。これを十年間時限立法とすれば、これにより20兆ともいわれる復興復旧財源は確保される。この担保があるなら新たな国債発行による金融不安は起きないであろう。これを政策提言する。



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May 10, 2011

歴史は勝者の成功物語

大佛次郎著「天皇の世紀」第九巻を読了。
明治維新の歴史は、勝者である朝廷側から観たものであって、敗者である幕府最後の将軍 慶喜は頭脳明晰だが、歴史の流れを逆行させた人、決断力に欠ける人としての評価が定着している。
しかし、慶喜は誇りだけの古色蒼然たる政治体制を改め、来るべき国際社会に対応する為に、平和的に政権移譲すべく「大政奉還」という苦渋の決断をした人物なのではないか。
むしろ朝廷側の岩倉具視や大久保利通の方が、政権略奪の為に非情な判断で強引に戦乱を引き起こしたのであり、「策を弄した悪者が勝者である」と言うのが真実の姿であろう。

ただ 潔かった大政奉還の決断以後、慶喜は国際的勢力対立の渦に巻き込まれ、外国の介入や、封建的な特質であった君臣の密接な紐帯の誘惑に迷い、森の中に迷い込んで出口を求めて右往左往する如く、覚悟がその場その場で動揺したことは事実である。

しかし、歴史として後世に語り継がれるのは、常に勝者側の論理である。



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May 05, 2011

子供の日に

最近の子供の遊びは、様変わりしている。
近所の広場で、子供達が一緒になって遊ぶ姿が見られなくなった。
子供の遊びが、集団よりも個人で、屋外よりも室内で、遊ぶようになったからである。
「ままごと遊び」などは、その典型である。
この特徴は、「ご飯をイタダキマス・ゴチソウサマ」のご挨拶即ちお行儀の表れであり、
遊びの主人公は母親役、即ち女性である事である。
これは日本社会の伝統文化の原点が、「女性中心である」ことの現れであつた。

その「ままごと遊び」が見られなくなったのは、今日のわが国を象徴的に示すことであろう。
「文明は新しいもの程便利、文化は古いもの程貴重」といわれる。
「ままごと遊び」が近年見られなくなっていること、それはお行儀・躾のみならず、日本人の伝統文化が失われていることの現れであると思うからである。


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May 01, 2011

大政奉還と倒幕

大佛次郎著「天皇の世紀」第八巻を読了。
竜馬は時代に適合し得る政治体制を作るには、藩同士の根強い怨念や競争意識が障害であり、それを打破せんとした。藩の枠の中に居る人間には出来ないこの無償の行為によって 平和的政権移譲を目指した。
一方幕府側は、病弊した経済が幕府の土台まで腐朽させている現状から、大政奉還を決意した。幕府が決断できたのは、困難な問題は先送りする従来の遣り方から見れば、幕府がこの決断をなし得たのは、将軍が凡庸でなく英明の慶喜だから出来たのである。

それに対して、「征夷大将軍の職を廃止し、大政を朝廷に収復し皇国の大基礎を確立する」為に、武力で幕府を崩壊させる革命路線、一種のクーデターを目指すものである。これを主張したのは下級公卿や下級武士階級の現状打破を願う人々であった。その象徴は「錦旗」であり、これに逆らう者は朝敵であり征伐打倒されるべきとした。

策を弄した後者が大勢となり、大政奉還ではなく大政略奪・倒幕となったのである。



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ryosuke_hara at 11:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)