April 2013

April 13, 2013

少年十字軍

皆川博子著「少年十字軍」を読了。
このテーマは、大学のフランス語の教材として、マルセル・シュワーブの作品に触れて以来、多くの翻訳本を求めたが、その期待に沿うようなものに巡り合えなかった。
この度ポプラ社から皆川博子著「少年十字軍」が出版、その産経新聞の書評によると、「群像劇にして下敷きが悲劇であるのに、読み易いのだ。緻密な考証を踏まえ、異国・異時代の空気をさらりと再現・・・、齢80を超えて皆川博子が、潤色した「華」と史実の「実」を自在に操る才能を遺憾なく発揮した一冊である」に魅かれ、待望の翻訳と思い購入した。
しかし、同じテーマを扱った別物であった。
当時の西欧世界、キリスト教会の実情、何故子供たちが聖地回復の熱狂したのか、史実を忠実に再現している点は評価できるが、ハッピーエンドで終幕するこの皆川の作品より、
「この子供達は、聖地までの途上で悲劇的な困難の内に倒れるであろう。しかし、其の時にはエルサレムの方からが彼等の身に近づいてくる。同時に、盲目の少年は視力を回復でき、キリストを観るとともに、その苦難の旅路の間世話を焼き続けてくれた優しい少女の顔を見るであろう」と終幕する作品、短命30歳でなくなったシュワーブの「少年十字軍」のほうが「詩情溢れる」ものである、と評価する。


バナー

クリックよろしくおねがいします。

ryosuke_hara at 16:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

April 07, 2013

立川談志の芸

NHKの特番で、聴衆を悲嘆愁傷の気分に引き込んで熱演中の談志が、突然聴衆の一人を睨んで、「こんな所で笑うかネ」とポツリと言い、すぐ落語に戻ったシーンがあった。談志は、ハナシを熱演中でも、会場の聞き手の一人ひとりの反応を観る余裕を持っているスゴイ芸人だなと、思わせたことがあった。
「人としては、幸せなのかも知れないが、困ったことに、談志という評論家が、家元(談志)よりもっと上の所にいて・・・」と普段から自負する如く、談志は、当代の落語家として他の追随を許さない存在であろう。
その一番弟子の立川談春の、4月末の神戸での独演会のチケット入手。その会に先立って師匠の談志のハナシを聴いておこうと、竹書房発刊のD坑鎮婿屐峺電詰邯貽蛋」を購入。
全5巻9題の内容。それぞれ評論家が「ハナシ家として頂点に立つ・・・。変幻自在の芸・・・」とべた褒めであるが、このD坑弔涼婿屬陵邯譴蓮其の時の気分任せで一人よがりの思い込みが過ぎて、良い出来でなかった(録画中本人が、家元ならチャンとやれ、と言っている位)。
感想として、談志は「いかにでもハナシは展開しうる。その場その場で勝負」として、席に臨み、会場の聴衆も、「談志の落語を聞くというよりも、談志その人を見に来ている。そういう芸人なんだ」と改めて思わせた。


バナー

クリックよろしくおねがいします。

ryosuke_hara at 16:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)