March 16, 2007

「大人」がいない、という本の読後感

清水義範著 「大人」がいない(ちくま新書)を読み終わりました。

示唆に富む本であった。

その趣旨は、「大人」と「大人でない」の区別は年齢や性別に関係なく、

また肉体的に成熟しているか否かではなく、

知恵や分別があるか否かである。

確かに現代は、経済的に豊かになり、「大人になりたくない」か

「大人になれない」若い人が多くみかけられる。

例えば、同じ動物でも野生の動物と、動物園の動物の違いは、

餌を自分でとれるか、人が与えてくれるかの違いである。

このように、経済的に豊かになると必死に餌をとる努力をしなくて、

「楽に生きる」風潮が強くなるのである。

この本の一つの例として今の日本の市場規模で

最大は自動車産業の21兆円、鋼鉄産業は5.2兆円に比べて、

アニメやゲームを中心とするコンテンツ産業は11兆円の規模で、

我が国は子供文化で世界をリードしている。

いわば、「お子様文化」にどっぷりと浸かっているともいえる。

今、問われているのは、社会の中で個人というものが確立されているかどうかであり、

日本人がどれだけ個人として独り立ちしているのかが問われていると思う。

今、種々の改革を進めなければならない時代であり、

どんな悪い状況でもそれを受け入れて耐えてそれを乗り越える。

それが、大人の知恵であり、分別である。

それ故に、大人であることが求められているのである。

この本は、そのことを指摘している。是非、ご一読をお勧めする。

バナー

クリックよろしくおねがいします。




ryosuke_hara at 15:02│ 雑感記〜日々私が思うこと〜