不可解な事今年の漢字

December 05, 2010

戦争の裏面史

後藤基治著「日米開戦をスクープした男」を読了
また、日本の歴史で「忘れられぬ日」が巡って来る。70年前12月8日の毎日新聞朝刊の第一面には、「断乎駆逐の一途のみ」「驀進一路・聖業完遂へ」の大文字が踊っていた。
我が国の新聞の歴史は約140年になるが、その中でも最大のスクープは戦時非常体制の厳しい検閲と報道規制の中で、「大東亜戦争開戦」という最高国家機密のスクープであった。
このスクープをものにしたのが、この著者である。この開戦を決定するまでの情勢(政府も陸海軍も日米の戦力差から「勝算なし」は共通理解であった。)と、敗戦に到るまでの取材記録でもある。
「最強の皇軍」と自称しつつも、陸海両軍間で戦争物資の取り合いは、「誰が真の敵か判らぬ」ほどのイガミアイをする等、効率的な戦争態勢から程遠いのが実態である事を指摘している。
立場上海軍側からの分析であるが、その海軍も戦果の実態の隠蔽体質や、将官の無責任な官僚体質への指摘も厳しいものがある

新聞記者と取材対象との距離のとり方等は現代のマスコミと通じるものがある。


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ryosuke_hara at 17:00│Comments(0)TrackBack(0)

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