そうだ、京街道、歩いてみよう。



【動機】----------------------------------------------------------

広重が描いた江戸八景や東海道五十三次の浮世絵に
北斎にはない“そこに生き暮らす人々の息遣い
を感じ、
東海道中膝栗毛の現代語訳を読み、

東海道五十三次を踏破するのも「あり」ではないかと思った。

  ●

実際、調べてみた。

全長492km。完歩に必要な日数はだいたい16~20日。
ネットで体験記も読み、歩くことを目的にした地図ガイドもあることを知った。

ただ「歩くのは土日だけ。次は翌週」というふうに
五十三次を分割で歩くのは自分の性に合わない。一気に歩きたい。


歩くのなら京から江戸へ下る。
見えていた富士山と別れを告げる歩き方よりも、富士山に出会う旅をしたい。
(島津家から将軍家へ輿入れした「篤姫」がそうだった)



「でも、山ではなく町を歩き続けるのは本当に面白いのだろうか?‥‥」



その疑問と迷いをなくするために、
試しに東海道五十七次と言われる京街道を歩いてみることにした。

ちょうど「ブラタモリ」で京街道を特集したことも後押しになった。

   ●

出発地点は高麗橋(北浜)。
そこから京橋、守口、枚方、淀、伏見と京阪沿線の駅にも近い道を通りながら、
目的地は滋賀の追分。名神高速の京都東ICの北。

1日では無理なので、1泊二日で歩く予定を組む。

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【準備】----------------------------------------------------------

■地図…………

紙の地図は「大阪から京都へと至る 京街道」から無料のpdfを入手。
(販売している地図は未確認)

ただ、五十三次ブログでも「紙の地図だと道に迷う」話があったので、
登山用のGPSアプリでも準備。

※アプリは歩いている位置をGPSで教えてくれるだけでなく、
 道迷い=ルートを外れた時に音声で教えてくれる

アプリは次の2種。
ずっと使ってるヤマレコとちょっとインターフェイスが苦手なYAMAP。

●ヤマレコ→
京街道のルートはヤマレコのデータになかったので、
紙の地図を参考にしながら、
歩く
全ルートマップに“手動トレースしてからダウンロード。
データにある登山道なら時間表示をしてくれるのだが、
それがないので歩く標準スピードは少し遅めの4kmで設定。

●YAMAP→
京街道のルートデータはあるものの、4つの地図に分かれていた。
無料だと2つしたダウンロードできないので、
1か月無料の有料のプレミアムを申しこむ。
ただこっちも“登山計画
は立てられない。
また1枚のマップが終わると次の地図に切り替えないといけない。

今回、基本はヤマレコで、YAMAPはサブで使用。
  ↓
  ↓
  ↓
結果、登山系GPSアプリがあって大正解。

両方のアプリと
紙の地図を比べると、
やはり紙の地図はそれほど細かくはなかった。
実際の道に時々「石の道標」があるものの、
紙の地図だけでは迷わず歩くのはしんどい。

地図だとわからないルートも多かった。

「予定ルートを外れたようです」というアナウンスは、
10mくらい間違ってから教えてくれる。結構、めげた。
ま、迷ったままだと、もっと大変になるんだけどね。



■ウエアや用具など…………

考え方としては手持ちの登山用具にプラス・マイナスして構成。

ザック→
登山用30L。
カリマー 登山リュックサック cleave 30 medium。
収納ポケットもありながら軽い。

cleave 30 Medium | karrimor カリマー | リュックサック・アウトドアウェア | karrimor official site



ウエア→
寒波が来ているし、そんなに汗はかかないだろうし、
冬の街歩きで考えればいいだろ」と、

上は
●モンベルの保温インナー
 +
●夏用登山のロングTシャツ
 +
●パタゴニアR1フリース
 +
●ナンガのダウン

下は
●モンベルの保温インナー
 +
●ノースフェイスの アルパインライトパンツ


これが暑すぎた!

パタゴニアR1は脱いでザックに入れられるが、ダウンは無理。
また、ダウンは衣服内に風を通すベンチレーションがついていなかったので、
時折前のファスナーで調節したが限界はあった。
寒さを感じてダウンがありがたい時もあったんだけどね。
ほぼ汗をかきながら歩いた。


シューズ→
普段も履いているメレルのジャングルモック。
20年以上はリピート購入してるかな。
ホールド感とクッション性、履きやすさは文句なし。価格もリーズナブル。
JUNGLE MOCジャングル モック[メンズ] – MERRELL 公式オンラインストア

その他→
●水はナルゲン500mL+フレックス ウォーターパック 1.0L
※プラクティスよりも柔らかく、口も広くて使いやすい。
 まぁ、自販機対応でもよかったんだけど、
 東海道を歩くとなると節約しないといけないし、
 負荷をかける意味でも持っていった。



フレックス ウォーターパック 1.0L|モンベル

●傘.モンベルの
ロングテイル トレッキングアンブレラ
※レインウエアも考えたが、店などには入りにくくなるし…。
 この傘だと後ろが広がっているので、ザック部分もカバーできる。
 今回は小雨が降りだした3分だけさした。

●その他(ほぼ登山でも持っていくモノ)
・行動食…スポーツようかん、ナッツバーなど
・充電セット
・宿泊セット
・救急セット
・カイロ
・ビニーや手袋などの防寒
・手ぬぐいとタオル
・ガムテープ
・タブレット(今回は不要だが53次には持っていくだろうから)
・トレッキングポール(念のため。転ばぬ先の杖)
・キャップ
・定期券やお金、クレカなどその他必需品

※登山の時も札入れ財布は持たない。
 カメラを入れるサブバックのファスナー付きのポケットに
お札を入れてバックごと財布代わりに。

パーゴクスのパスファインダー。
PaaGo WORKS(パーゴワークス) PATHFINDER(パスファインダー) HB201 | バックパック,パーゴワークス | 楽山荘





【行程プラン】----------------------------------------------------------

ルート的には京阪の駅に近い道を歩くので、
万一の積雪や雨で辛くなれば登山で言うエスケープルートはいたるところにある。

ただ1日で京街道を完歩するのは無理なので、1泊。
初日の到着時間を考えても自宅にいったん帰って2日目の出発点に戻ることもできるが、
五十三次の予行演習だからビジネスホテルに泊まった。
(実際、とてもじゃないけど帰れる脚/足ではなかった)

泊ったのは宿場のあった枚方…ではなく
中間位置に近い樟葉。

ELE Hotel 樟葉。この日は
シングル1泊8,910円。
テレビはアンドロイドテレビで民放/NHKは映らないなど節約志向のホテルw
バスにはバスタブはなく広めのシャワー室。これで十分でした。
部屋もきれいで快適だった。

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そしてブッフェ方式の朝ごはん付き(ごはんとパンがあった)。
種類は少ないけど、これで十分。

DSC04484




そして、実行。



【実際に歩いたデータ】----------------------------------------------------------


1日目も2日目も7時半すぎに出発。


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1日目 7時間45分
 時速4.5km
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高麗橋 7:36出発

 ↓
 ↓
 ↓---------< 33.6km
 ↓
 ↓
樟葉宿15:22到着


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2日目 7時間29分 時速3.9km
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樟葉宿 7:46出発

 ↓
 ↓
 ↓---------< 29.6km
 ↓
 ↓
追 分 15:17到着



記---------------
京街道沿いにはコンビニは多かったが、
カフェを含む飲食店は思ったほどなかった。
(駅周辺は除く)

今回、タイミングが悪く、
12時前後に歩いているときに見つからず…。

2日目の昼は墨染駅そばの中華料理店に入ったが、最悪だった。
(炒めなおしのパサパサ炒飯)

駅が目の前にあるし、歩き続けるかどうか、迷っていた段階だったが、
「ここでやめたら、悪い印象で京街道の旅は終わってしまう」と
この最悪の炒飯が残りの道を歩く原動力となったw





では、上記の行程で歩いているときに、
じぶんはいったい何を感じたのか?


つづき