2006年02月09日
副情報操作(2)
副情報操作がもっともうまくいった例は以下のようになる.
老年男性,少し神経質な印象.軽い脳梗塞後にマヒ症状がほとんどなくなって外来通院をしている.訴えとしては,ここ数年両目のまわりが”痛がゆい”という.眼科,耳鼻科とも問題なし.神経学的にも異常なし.通常なら”気のせいですよ”とか”とくに以上はありません”などと説明をして終わりになるところだ.
「イメージで治してしまう治療を試してみませんか?」などと言って,簡単に説明して,セッションに入る.目をつぶってもらい,リラックスを促す.呼吸の動きに注意して,なるべく合わせるようにする.
質問するのは色・形・重さ・手触りなど.この例では
「その”痛いがゆさ”に色があるとしたら,どんな色ですか?」と聞けば「濁った白から黄色」などと答えてくれた.
同じようにしてその他の副情報イメージを聴取してみると,痛みの大きさは3cm程度(両手で胸の前に大きさを示してもらっている),重さは2g,感触は木の表面のような感触,などとなる.
次にこの副情報イメージを,こちらが言葉を使って促しながら操作していく.まず「色を”きれいな空色”にして下さい」と言うと,この時点で痛みは消失した.次に形や手触りを”まんまる・つるつる”にしてもらい,大きさをどんどん小さくしていく,さらに重さを軽くしてもらうよう促す.最後に,その”痛がゆさ”に風船をつけてとなりの市へ飛ばし,セッション終了.
この方はここ4年間再発してない.