2006年02月16日

哭声(1)

外来ブース全体に恐怖におびえるような大声が響き渡る,処置室で90歳をこえる盲目の女性が車椅子の上で叫び続けているのだ.つきそってきたらしい介護施設の職員二人は疲れきって,なかばあきらめたように呆然としている.看護士に聞いてみると常連さんで,時々こういう風に大声で叫びだし,処置なしの状態になってしまうのだという.

叫ぶ人はたくさん見てきたが,この時ふと「こういう人はなぜこんなにも叫んでしまうのかいるのか」と,興味をもった.目の見えない世界の中で,恐ろしい夢にうなされているのだろうか,それともひどく傷ついているのだろうか?.

試しにレスキューレメディを20滴ほど口の中に入れてみたが,まったく効果ない,こんなに効かない人はめずらしい.長い人生でつらい記憶がこびりついているため,こんなにも効き目が悪いのだろうか.あまりにも効果がないので強く印象に残った.レスキューに含まれているもの以外のマイナス感情も癒す必要があったようだ.



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