2006年08月26日

ダンス(6)

体の病気が原因でない痛みやしびれなら副情報操作でその痛みやしびれを変化させてしまえることを第一に考えるのだが,この方の主な訴えは“痛みの次の日は脱力する”というとらえどころのないものなので,そう単純にはいかないし,心理機転としていくつかの要素が組み合わさっているようだ.流れの中で臨機応変に対応しなくてはならないことが予想されるから,まずなにか取っ掛かりというか,こちらの診療ペースにもってくるつかみが欲しい.

 

そこで,まずO-ringからやってみた.O-ringというのは,まず被験者が右手の人差し指と親指で丸く輪を作り,いわゆるOKの形にする.検者は自分の両人差し指を被験者がつくった輪のなかに入れ,人差し指と親指にしっかりかける.そして合図をして,被験者は輪が開かないように親指と人差し指にしっかり力を入れ,検者は輪をあけるように両方の人差し指でひっぱるというテストである.

 

同じぐらいの体格の人同士がこれをやると,輪を作ってるほうががんばってもだいたい人差し指と親指が離れ,輪が開いてしまう.だが,輪を作っているほうが特定の言葉を口にしたり,意識を変えたり,左手に何か持ったりすると,この輪を閉じる力が劇的に変わるのだ.

 

ブログランキングありがとうございます.



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