2007年02月16日
膝や腰の痛みがみるみるとれる細絡刺絡
ここしばらく外来でやっている細絡刺絡がとても効果があって順調なので,患者説明用の用紙を作ってみた.
運よく私の外来にたどり着いた人には奇跡が起きるかもね.っていっても手技は誰でも出来る簡単なものなんだけど.もっと普及するといいなぁ.
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細絡刺絡(さいらくしらく)について
年齢を重ねるにしたがって膝や足首周辺の皮膚に浮き出てくる細い血管(静脈)を漢方医学では細絡(さいらく)といいます.また,いわゆるツボの並んでいる道を経絡といいます.このように,昔の中国ではなにか医学的な意味のあるすじに絡という字をあてたわけですが,そこに針を刺したりする治療を刺絡といいます.
昔の人は痛みのある膝や足首などに浮き上がる細絡には“毒”がたまっていると考え,針で刺して抜くことで治療していました.現代医学の普及によってこの考え方はほとんど忘れ去られていますが,かなり治療効果のある場合が多く,私は診療へいかすことにしました.鍼灸をしている先生方の一部にも行っておられる方がいらっしゃるそうです.
やり方としては太い針の先だけを使い,アルコール消毒した皮膚に小さな(1〜2mm)切れ目を入れ,自然に血が流れるようにします.刺すときにはちょっと痛みがあります.なるべく治療効果の出るように何ヶ所も刺します.血というのは見た目に迫力のあるもので,数ccでもかなり出ているように感じられますが,実際にはごく少ない量です.
時間は15分から30分ぐらいで,ほとんどの方が治療終了時には
・ 痛みが取れた
・ 軽くなった
などの効果を実感されます.改善の程度は,ほとんど症状がなくなるという著効から,半分程度になる方までいろいろです.適切に行っている限り,いままで効果の全くなかった人はいらっしゃいません.効果の持続期間も三日から数ヶ月以上といろいろです.
皮膚のごく浅いところを刺しているということ,薬物を入れているわけではないこと,などからほとんど副作用はないといっていいのですが,技のしくみからして青なじみ(皮下出血)が出来てしまうことがあります.これも心配はなく,1週間程度で自然に消えていきます.
お風呂は大丈夫だと思いますが,当日は控えてもらうようにしてます.血は自然に流れるようにして,止まるまで様子をみますが,技を行った後に歩いたりすることでごくまれに出血があります.
保健医療ではないので,現在料金はいただいておりません.また,細絡という血管がない人には出来ませんので,症状によっては細絡刺絡を行わない(指す場所がない)場合があります.
○○○○○病院神経内科
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