「赤坂」地名の由来には、赤土の坂だったからなど諸説あるようですが、私は今の赤坂御所、迎賓館のあたりがかつて茜草が群生していたことから「赤根山」と呼ばれ、そこに至る坂、つまり今の赤坂見附から四谷へ上る坂でしょうか、そのあたりを赤坂と呼んだことに由来する、という話が詩的で好きです。元の赤坂は我々が認識している場所より少し北にあったわけですね。
現在の赤坂の繁華街は外堀通りの西側に位置しますが、この外堀通りには江戸時代にはため池があって、ちょうど赤坂見附から内閣府下交差点のあたりまで池が広がっていたようです。その名残が今でも「溜池」の地名で残っていますが、これが江戸城の外堀の一角を形成し、情緒ある水辺の風景を作っていたと言われます。残念ながら江戸期を通じてこのため池は埋められていき、明治期になると完全に消滅しましたが、一方でそのため池の向こう側には江戸から西へ向かう街道の人馬継立所があり、やがて江戸期を通じて繁華街に成長していきました。今ある「一ツ木通り」は「人継(ひとつぎ)」が転じたものとも言われます。一ツ木通りから少し奥まったところに「うまや」という和食の店があるのもそれが由来でしょうか。ともあれ、溜池の東側に建てられた山王神社参拝と相まってこの地域は繁華街として発展したようです。
明治以降になると国会や官庁街に近いという地理的特性から政財官を中心とする夜の舞台となっていったようで、古くからの方に昔の話を聞くと、芸者さんがたくさんいたというような話も出てきます。赤坂と言えば「料亭」という言葉が浮かぶように、外堀通りと一ツ木通りの間の狭いエリアに数多くの料亭が立ち並び、華やかな一時代を築きましたが、昭和が終わりバブルがはじけた頃から政官のこうした慣行に社会の批判が集まるようになると、料亭文化は廃れていきました。現在の赤坂エリアでは韓国系、中国系のお店も多く見られますが、こうした新興勢力が料亭が消えた隙間を埋めていったのでしょう、おそらく昭和までの赤坂とはずいぶん違った安っぽい街並みとなってしまいましたが、それでも高級店を連ねる繁華街としての地力から、今でも良質なお店の多いエリアでもあります。
こうした赤坂の街が提供するランチには、とても素晴らしいものがたくさんありますので、ここで2年間にわたる実地調査の成果の一端をご紹介したいと思います。実地調査数約250店の中から厳選した、どれも自信を持ってお勧めできるお店です。価格帯はおおむね1000〜1200円、高くても1500円くらいまでです。あえてリンクは貼りませんので適宜検索してください。
「やげんぼり」
京風の和食の店。風情ある柳の小路を入った先にあり、民家のような佇まいの店。だし巻き卵がおすすめ。
「彩季」
ビルの上階は穴場、という私の持論を地で行くお店。ビルの4階という立地のため気づかれにくいが満足度の高い和食の店。
「瓢嘻(ひょうき)」
味もさることながら上品な雰囲気でおいしい和食がランチ価格でいただける。個室が必要な時におすすめ。
「會水庵」
赤坂通りをずっと行って、さらに少し脇に入ったとこ。ここの鰯丼は初めて食べた時衝撃を受けた。備長炭炭火焼とはこうやるんだ、という手本のような味わい。
「旬菜きらく」
赤坂通り沿い。上品なカウンターの向こうで寡黙な板前さんが作ってくれる和食はどれも手抜きなし。
「楽庵」
一見ふつうの居酒屋風の和食店なれど味のクオリティは高く、一品一品手抜きしない小技が多数繰り出される。
「貝作」
赤坂福吉町、坂の上の方。貝が専門らしくランチは貝のかき揚げが低価格で良い。和の雰囲気を堪能できるせいか外国人客の接待などにもよく使われているよう。ランチ価格でここまで楽しめるなら安いと思う。
「六波羅」
一ツ木通り沿い。串揚げではここが一番いいと思う。メニューはなく座るとすぐに熱々の串揚げが出てくる。
「もち豚しゃぶしゃぶ武蔵」
山王交差点近く。人気店なので混んでいることが多いが、気軽に豚しゃぶを楽しめる。
「鉄板焼さとう」
一ツ木通りから圓通寺通りに入ってずっと奥に行ったところにある。ハンバーグ一択だが目の前の鉄板で焼きあがっていく様を見るのは楽しい。13時以降はハンバーグが大きくなるらしい。
「俺の牛」
一ツ木通り沿い。知り合いの小堀さんが育てた牛を使った直営店。低脂肪牛を使ったハンバーグが絶品。
「BISTRO Q」
かつて赤坂福吉町と呼ばれた、赤坂からアークヒルズ方面に向かう坂の中腹。上質なフレンチをリーズナブルな値段でいただける。
「Poir Toi」
赤坂通り沿い。フランスで修業したという気さくなシェフが経営するカジュアルフレンチ。おいしいものを腹いっぱいというコンセプトらしく、前菜のサラダでおなか一杯になるほど出てくる。シェフが気まぐれで盛り付ける6種類のデザートがポイント。
「やさいや」
名前のとおり野菜がメインのお店だが実はここのハンバーグはとても美味い。
「オステリア宇田川」
赤坂福吉町。カウンターだけの小さなイタリアンだが腕のいいシェフがさっとおいしいものを作ってくれる。
「ドイツワインバーゆううん赤坂」
一ツ木通り沿い。ドイツワイン専門店だが昼はパスタ中心にランチ提供。ビルの5階という立地もあり静かな時間を過ごせる。
「ARENA ROSSA」
赤坂通りから奥まったところに入ったデザイナー建築風の建物。イタリアン。内装も明るいトーンで採光もうまく雰囲気がいいのでランチデートとかに向いているんじゃないか。
現在の赤坂の繁華街は外堀通りの西側に位置しますが、この外堀通りには江戸時代にはため池があって、ちょうど赤坂見附から内閣府下交差点のあたりまで池が広がっていたようです。その名残が今でも「溜池」の地名で残っていますが、これが江戸城の外堀の一角を形成し、情緒ある水辺の風景を作っていたと言われます。残念ながら江戸期を通じてこのため池は埋められていき、明治期になると完全に消滅しましたが、一方でそのため池の向こう側には江戸から西へ向かう街道の人馬継立所があり、やがて江戸期を通じて繁華街に成長していきました。今ある「一ツ木通り」は「人継(ひとつぎ)」が転じたものとも言われます。一ツ木通りから少し奥まったところに「うまや」という和食の店があるのもそれが由来でしょうか。ともあれ、溜池の東側に建てられた山王神社参拝と相まってこの地域は繁華街として発展したようです。
明治以降になると国会や官庁街に近いという地理的特性から政財官を中心とする夜の舞台となっていったようで、古くからの方に昔の話を聞くと、芸者さんがたくさんいたというような話も出てきます。赤坂と言えば「料亭」という言葉が浮かぶように、外堀通りと一ツ木通りの間の狭いエリアに数多くの料亭が立ち並び、華やかな一時代を築きましたが、昭和が終わりバブルがはじけた頃から政官のこうした慣行に社会の批判が集まるようになると、料亭文化は廃れていきました。現在の赤坂エリアでは韓国系、中国系のお店も多く見られますが、こうした新興勢力が料亭が消えた隙間を埋めていったのでしょう、おそらく昭和までの赤坂とはずいぶん違った安っぽい街並みとなってしまいましたが、それでも高級店を連ねる繁華街としての地力から、今でも良質なお店の多いエリアでもあります。
こうした赤坂の街が提供するランチには、とても素晴らしいものがたくさんありますので、ここで2年間にわたる実地調査の成果の一端をご紹介したいと思います。実地調査数約250店の中から厳選した、どれも自信を持ってお勧めできるお店です。価格帯はおおむね1000〜1200円、高くても1500円くらいまでです。あえてリンクは貼りませんので適宜検索してください。
「やげんぼり」
京風の和食の店。風情ある柳の小路を入った先にあり、民家のような佇まいの店。だし巻き卵がおすすめ。
「彩季」
ビルの上階は穴場、という私の持論を地で行くお店。ビルの4階という立地のため気づかれにくいが満足度の高い和食の店。
「瓢嘻(ひょうき)」
味もさることながら上品な雰囲気でおいしい和食がランチ価格でいただける。個室が必要な時におすすめ。
「會水庵」
赤坂通りをずっと行って、さらに少し脇に入ったとこ。ここの鰯丼は初めて食べた時衝撃を受けた。備長炭炭火焼とはこうやるんだ、という手本のような味わい。
「旬菜きらく」
赤坂通り沿い。上品なカウンターの向こうで寡黙な板前さんが作ってくれる和食はどれも手抜きなし。
「楽庵」
一見ふつうの居酒屋風の和食店なれど味のクオリティは高く、一品一品手抜きしない小技が多数繰り出される。
「貝作」
赤坂福吉町、坂の上の方。貝が専門らしくランチは貝のかき揚げが低価格で良い。和の雰囲気を堪能できるせいか外国人客の接待などにもよく使われているよう。ランチ価格でここまで楽しめるなら安いと思う。
「六波羅」
一ツ木通り沿い。串揚げではここが一番いいと思う。メニューはなく座るとすぐに熱々の串揚げが出てくる。
「もち豚しゃぶしゃぶ武蔵」
山王交差点近く。人気店なので混んでいることが多いが、気軽に豚しゃぶを楽しめる。
「鉄板焼さとう」
一ツ木通りから圓通寺通りに入ってずっと奥に行ったところにある。ハンバーグ一択だが目の前の鉄板で焼きあがっていく様を見るのは楽しい。13時以降はハンバーグが大きくなるらしい。
「俺の牛」
一ツ木通り沿い。知り合いの小堀さんが育てた牛を使った直営店。低脂肪牛を使ったハンバーグが絶品。
「BISTRO Q」
かつて赤坂福吉町と呼ばれた、赤坂からアークヒルズ方面に向かう坂の中腹。上質なフレンチをリーズナブルな値段でいただける。
「Poir Toi」
赤坂通り沿い。フランスで修業したという気さくなシェフが経営するカジュアルフレンチ。おいしいものを腹いっぱいというコンセプトらしく、前菜のサラダでおなか一杯になるほど出てくる。シェフが気まぐれで盛り付ける6種類のデザートがポイント。
「やさいや」
名前のとおり野菜がメインのお店だが実はここのハンバーグはとても美味い。
「オステリア宇田川」
赤坂福吉町。カウンターだけの小さなイタリアンだが腕のいいシェフがさっとおいしいものを作ってくれる。
「ドイツワインバーゆううん赤坂」
一ツ木通り沿い。ドイツワイン専門店だが昼はパスタ中心にランチ提供。ビルの5階という立地もあり静かな時間を過ごせる。
「ARENA ROSSA」
赤坂通りから奥まったところに入ったデザイナー建築風の建物。イタリアン。内装も明るいトーンで採光もうまく雰囲気がいいのでランチデートとかに向いているんじゃないか。