編集者である僕が
「ビジネスモデルをどうするか」「どうやって利益を出すんですか」
なんて言うと、
あからさまに眉をひそめられることが、いまだにあります。
 
「編集者たるもの、面白いコンテンツをどうやって作るか考えて、
読者に届けば、それでいいんだ」
 
そういう思いは、すごくよく分かりますし、
僕自身、そんな哲学に憧れて編集者になったわけですが、
 
でも、

やっぱり「そうじゃないんだよなあ」という気持ちになる今日この頃です。

 
「もうちょっと広い視野で見てみましょうよ」
この一言につきます。

 
この激動期に、
どんな座組で、どの層に向けて、どういうパッケージを作りこみ、
どんなコミュニティ、プラットフォームを作り上げていくのか、
それによって、どこからどのように収益を上げるか…
 
そんなふうに考えていくことって、
新しい雑誌を作り上げるために、必死に考えている過程と
同じじゃないですか。
 
出版の黄金期に新しく熱い雑誌を生み出していた人たちだって、
ただの「紙の商品」を作りたかったわけじゃないでしょう。
 
雑誌というかたちを通して、
「新しい価値観、文化を生み出したる!」
という気概で取り組んでいたわけでしょう。
 

なんだか最近、やたらと周りで
「原点に立ち戻って、面白いコンテンツを作ることに打ち込んでいくべきだ」
なんて声を聞くことがあるんですが、

本当にそれって、「出版の原点」なんですか?


面白いものを作って、それによって、世の中を…!!

僕は、これこそが出版の原点だと思ってます。

この「世の中を…!!」が欠けたコンテンツ作りなんて、
まったく魅力を感じませんし、
そんなものに読者が喜ぶとは思えません。

出版物単体では、なかなか世の中に影響を与えられにくくなった今、
出版という業態・ビジネスモデル・プラットフォームを徹底的に考え抜き、
再構築していくことは
僕は非常にクリエイティブな作業だと信じています。


なんか面白いことやって、
それで世の中動かしたい、
そんな子どもじみた衝動が、編集者の原動力だったはずです。


立ち返るべきは、そこじゃないかと
僭越ながら若輩者の僕は思うわけです。