さて、初めて日本橋に足を踏み入れた話だ。秋葉原などと同様に昔から行ってみたいとは思っていたが、何もないのに交通費1000円を払うのがばからしくて、行けずにいたのだった。

<前置きが長いですよ>

 堺で解散の後、どこかのショッピングセンターにはいった。ところが、手軽な料理屋が無い。そこでGPS機器を用いて現在地を調べた後、堺駅に向かって歩き始めることにした。ずんずんと歩き、川を渡ったあたりで、これはなんだかおかしいと気づいた。歩いた距離からして、本来居るはずのない場所にいたのだ。結果からすると、先ほどのショッピングセンターの隣が駅だったのである。友人の一人はこれに気づいていたようだが、僕が地図を持っていたことと、GPSを使っていたことから判断して、何も言わないことにしたらしい。GPSが狂っていたとはいえひどい話だ。仕方なく、その店で昼食をとる。

 食べ終わり、我々は地図を広げてプランを練った。日本橋に行くためには、そう遠出をしている時間はない。与謝野晶子生家跡や奥の細道関連の史跡はとくに"何も"なく、仁徳天皇陵は遠すぎる。貸し自転車の店が堺の駅にあったら、と思う。駅を出て川沿いのの道を歩いていると、雨が降り始め、風も強くなってきた。どこかから飛んできたビニール袋が足に絡みつき、またどこかに飛んで行く。これを追い回している友人が約二人。四人パーティーの後二人は、地図を見ながら彼らの後を追って行く。しばらく行くとチンチン電車の線路に行き着いた。花田口という駅らしく、近所に公園が見える。

 目指すは堺刃物伝統産業会館(HP)である。先どの駅から少し行ったところにあるようだ。施設の外にある顔出しパネルで遊び、その後中に入った。しばし見学の後、外に出る。横で友人がヴェネチアについて語っていた。刃物とどのような関係があるのかはよく分からない。

 チンチン電車(阪堺線)はどう乗っても200円だ。日本橋へは恵美須町という駅まで乗る。どの電車に乗っても住吉大社そばの駅で乗車券をもらって降りればよいらしかったが、友人の一人がもらい忘れていた。運転手さんに話して事なきをえ、そうこうしているうちに恵美須町に着いた。

 ここよりもう少し北のエリアを日本橋というのだろうか。地下通路を抜けると通天閣が見えた。思いの外小さい。このあたりは何故かエロビデオ屋(そんなに需要があるのかな……)ばかりで、目指すような店はない。時々メイカフェのビラ配りもやっている。電気屋も少なく、今思えば場所を間違えていたのかも知れない。さらにしばらく行くとアニメイトに出くわした。軽いオタクだがどうしてもそれを認めようとしない友人一人だけがここで帰ってしまい、三人パーティーとなった。

 アニメイトの中はかなりの人出だ。おっさんばかりというイメージがあるかも知れないが、そういうことはない。女子高生を含めた学生もかなりいる。(アニ)メイでのんびりとしても良かったが、とにかくオタロードがどのあたりだろうかと見つけるのが先だ。とりあえず行こう。隣の信長書店で文庫本セールをやっていたので「ボートの三人男」を探したが見つからなかった。ここまた、ラノベばかりというわけではない。

 さらにしばらく北に進むと、マジコンショップやDVD屋など怪しげな店が建ち並ぶ中に高島屋が見えてくる。ここを左に曲がったところの十字路が、いわゆる「オタロード(Wiki)」だ。我々三人ともここに来るのは初めてだ。そこで地図をここから(地図)もらってきていたが、ここにきてついにびりびりになってしまった。あたりを見てみると、なんだか学校の文化祭と似たようなものを感じる。

 そうして、我々はオタロードの真ん中で快哉を快哉を叫んだのだった。三人のうち、一人はイヤホンとSDカードを、もう一人はゲーム関連のグッズを、そして僕は○○○○を買おうと思っていたので、とにかく手っ取り早そうなイヤホンから手をつけることにした。このあたりのパソコンショップは多けれど、イヤホンまで売っている店は少ない。昔は想像できなかったような性能のパソコンが置いてあったりと面白かった。価格調査をするのを忘れていたので、残念ながら安いかどうかは判断できなかった。

 次に向かったのは、パソコンショップの向かいの緑色の本屋。中は一瞬ただの本屋かと思ったが、奥の方まで入っていくと、BL本を筆頭とした同人誌が多数詰んである。エロ関係は苦手なので、そそくさと退散して上の階のらしんばんに移動する。ここまた本+CD+同人誌+ゲームといった具合だ。いつかのけいおん!フェアの時のグッズがそれなりに高値で(お茶一本の二倍以上)取引されていて、ぼったくりだな、と思った。
 さらにビルの上の階に上ってみると、どうも女性向けコーナーとの表示があった。少なからず嫌な予感がしたが、それは的中し、ものすごい量のある種腐った同人本を目にすることになる。男女比はだいたい七:三ぐらいだった。

 頭に花を咲かせながらとらのあなへ。店頭のテレビがうるさい。中に入っても別のものがうるさい。(二次元)抱き枕(Wiki)の中身を見て、あの枕を普通に横に置いて使ったら便利だろうな、との話をした。結局あの中身の値段ははいくらだろう。この手の店は値札がとてもわかりにくい。事前に調べてこい、とのことかもしれない。
 
 店を出ると、また別の友人がこちらに向かっているという連絡があった。彼は今まで他のところで何か遊んでいたようだ。せっかくだから、ともう一度とらのあなに引っ込んで待つことにした。しばらく経って、そばに来たという電話があったので、店の外に出たが、待てど暮らせど奴は来ない。ああ、どこかの店に吸い込まれたのかな、と二十分ほど待っていると、やっと彼が来た。迷っていたらしい。
 
 日本橋初心者が四人(件の人も四回目だとか)になり、もう一度作戦を練り直す。まだイヤホンを買っていなかったので、とりあえず少し北のソフマップへ向かう。ソフマップもまたすごい人だ。先ほどから店内放送がフィギュアについてばかり触れているが、こういうところが日本橋らしいのかな?
 店頭の3DSの試遊台を試してみる。僕の感想は以前のものと同じ(3/10の記事)で、友人たちの評価をまとめると、絵がぶれているようにしか見えない、目が疲れるとのことだった。店内放送が「七階がホビーコーナーだ」と言っていたので、それに従って七階まで登る。道中の階はエロまみれだった。やっぱり需要があるのだな、とすこし思った。 

 どうやら『ホビー = フィギュア+プラモデル』という等式が成立しているようだ。壁一面に広がる美少女フィギュアの予約申込票を見ながら、"おもちゃ"売り場を物色する。友人がプラモデルを買っていたので、僕もショボーンクッションを購入することにした。学校で蹴られたりバレーボールにされたりしていたやつだ。どうして日本橋まで来てこれを買うことになるのかと思ったが、そういえばここ以外で売っているのはなかなか見ないから、まあいいか。友人がカードを作っているのを見て、「ああ、契約しちゃだめー!」などと言いつつ、外に出る。

 店の外で三方向に分かれる。一人はジョーシン、一人はゲーム屋、そして僕ともう一人はあてもなく。メロンブックスにもう一度はいる。友人は何か買っていたようだ。僕も何か買おうかと思ったが、良いものが見つからず諦める。その後もフィギュア吊し売りの店を見たり、タコ煎を食べたりしていると、いつの間にか外は真っ暗だった。時計を見ると、もう六時半。日本橋に着いたのが三時前だったから、もう三時間は居た計算になる。

 そうこうしているうちに、イヤホンを買いに行った友人から電話が来た。 「今アニメイトにいる。そろそろ帰らないか」とのことだ。さすがにそろそろ帰ろう。もう一人とも合流し、メイトへ向かっていると、途中で客引きに引っかかった。スリが多いと話は聞いていたが、こんな感じなのだろうか。繁華街は繁華街でも、少なくとも京都とは全く異なる印象を受けた。京都の方が何となく穏やかである。
 
 ちなみに、メイドカフェは聞くと結構危ないとか。先ほどの客引きもこの手の類だったのだろうか。お金がないなら立ち入らない方がいい、とのことだった。
 
 アニメイトはさらに混雑していた。少しだけ買い込み、外に出る。今日一日は負の意味でリア充だったのではないか、と思った。とにかく、午後七時を回る日本橋から抜けだし、地下鉄の駅からそれぞれの帰路についたのである。数多のオタクを包容する日本橋は良いところだった。こうして総行程16時間に及ぶ旅行は幕を下ろしたのである。それにつけても、うまく日本橋を抜け出した四人男に乾杯。そろそろ仕事帰りの人々が見え始めていた。
 

<思い出ぼろぼろ>
 いつの間にかキモオタ見聞録。本来目指しているのは「観光小説」なのに