【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、中国公安省の杜航偉・刑事偵察局長は28日、一部日本メディアと会見し、製造元の天洋食品(河北省石家荘市)の元臨時従業員、呂月庭容疑者(36)が工場の冷凍庫に保管されていた製品に計3回にわたって注射器で有機リン系殺虫剤メタミドホスを混入したと供述していることを明らかにした。

 呂容疑者は動機について「正社員になる希望がかなわず工場に不満を持った。05年には出産休暇を取った妻(元同社従業員)にボーナスが支払われず、不満がさらに高まって報復しようと考えた」と供述しているという。

 杜局長によると、呂容疑者は93年から工場の食堂管理人として勤務。07年7~8月、工場衛生班からメタミドホスを盗み、工場診療所から廃棄された注射器数本を入手。同年10月1日と10月下旬、12月下旬の3回、冷凍庫内に忍び込み、注射器でメタミドホスを混入し、注射器を工場内の下水道に捨てた疑いがある。

 中国捜査当局は、内部犯行とみて工場とトラブルを抱え、冷凍庫に入った可能性がある従業員ら500人余りから事情聴取を進め、呂容疑者が妻や親類に「自分がやった」と話していたとの情報をつかんだ。

 捜査当局は今月16日、呂容疑者の聴取に踏み切り、殺虫剤混入方法について具体的な供述を得たことから危険物質投与容疑で同日逮捕した。21日に供述通り工場下水道内の泥に埋まっていた5ミリリットルと20ミリリットルの注射器2本を発見したという。

 杜局長はまた、「共犯者はいない。単独犯行だ」と強調。08年6月に河北省承徳市で同社製品を食べた4人が中毒症状を訴えた事件についても、呂容疑者が07年12月下旬にメタミドホスを混入させた製品だったとの見方を示した。

 呂容疑者は「日本や中国の消費者に迷惑をかけるとは思っていなかった。非常に後悔している」と話しているという。

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