DJCD「ひぐらしのなく頃に」猿回し編 第2巻/ラジオCD (中原麻衣、雪野五月)

<今回のあらすじ>

 「今度こそ袋小路を抜け出せるかもしれないという梨花の期待を嘲笑うように、風向きが

変わり始める。きっかけは沙都子の不在だった。いつまでも帰って来ない沙都子に嫌な予

感が拭えず家を飛び出して村中を探し回った梨花は、最も当たって欲しくない可能性を確

かめるために北条家を訪れる。そこでようやく沙都子を見つけるが、既に彼女の顔に生気

はなく、一年前の状態に逆戻りしていた。梨花が最も恐れていた、北条鉄平の帰宅が起こ

ってしまったのである。

今までの世界では、それは袋小路を示す出来事。しかし、梨花は諦めず、まずは赤坂

に相談しようとする。しかし、彼は妻と温泉に行っており、容易に連絡が取れる状態にはい

なかった。そこで梨花は最後の手段として、山狗に北条鉄平を始末させることを入江と鷹

野に頼み込む。二人は渋るが、一年前の沙都子をよく知る入江は最後には承諾し、鷹野

は山狗に連絡を取る。だが、北条鉄平帰宅のきっかけとなった間宮リナ殺しの容疑者とし

て鉄平は警察に目をつけられており、実行は不可能なことが分かるだけだった。肝心なと

きに何もしてくれないことに絶望した梨花は、二人に呪いの言葉を吐いて診療所を後にす

る。夜、いつものように羽入を相手に晩酌をしながら、梨花はもう何もかもどうでもいいと、

諦めることを告げるのだった。

 

 翌日、沙都子の欠席はすぐに話題になり、梨花は知恵に事情を聞かれる。全てを諦めた

梨花は聞かれるままに事情を話し、立ち聞きしていた仲間たちにも沙都子の置かれた状況

がすぐに伝わることになった。そこで、まずは知恵が家庭訪問に向かうが、門前払いを食ら

って終わる。それを聞いた詩音が、鉄平を殺してでも沙都子を助け出すと出て行こうとす

るが、レナと圭一が止めに入る。圭一が何とか詩音を沈静化させ、その日は知恵と校長が

児童相談所に通報するのに任せることになる。……その間、これまでの世界でも起こった

やりとりに、梨花は冷めた目を向けるばかりだった。

 

 沙都子が児童相談所の職員を追い返した話を聞いた圭一は、考えた末に両親に相談する。

正攻法でいくことの意味を教えられた圭一は、翌日の学校で、沙都子が助けを求めないのな

ら自分たちが窮状を訴えに行くことを提案する。放課後、早速みんなで児童相談所を訪れて

話をするが、圭一たちの意気込みとは裏腹に、相談所の対応は冷たいものだった。そのあま

りの反応の薄さに、圭一たちは意気消沈して諦めかける。だが、それまでずっと俯くばかりだ

った梨花が堪えきれずに洩らした「助けて」という言葉に、圭一は諦めかけていた自分を恥じ、

再び戦うことを決める。そして圭一は、策を思いついたと仲間たちに笑ってみせた」

 

 ここまで幸運続きだとそろそろ逆風が吹きそうでは……などと思ってしまいそうなところで終わった前回。タイトルから予想はできましたが、早速逆風が吹き始めました。前回の魅音のピンゾロ三連続がそのまま表れたような最悪の事態の発生です。わずかの間に萎縮してしまった沙都子も痛々しいですが、最大の希望を持ったところで最悪のところまで落とされた梨花の姿は見ていられないくらいです。特に診療所で入江と鷹野を罵ったところは……今まで狂気に侵された仲間たちが凄まじい表情をすることはありましたが、梨花はこれが初めてなわけで、それだけ梨花にとってそれが絶望的な状況であることを示しているようで、見ていてこっちも辛くなってきます。これだけ一気に転がり落ちると、希望を持っていた分余計に全てを投げ出したくなるのもむべなるかなという感じです。今回はコメディチックな崩し絵がなかったのも、事態の深刻さを物語っているようですし。

 ところで、物語が沙都子虐待へと移ってしまったため、余計に説明を差し挟むのが難しくなって今回もスルーされたあれこれが微妙に響いているような気がします。梨花が入江たちに言った研究協力に関する話とか、梨花が今までどんなことをどんなふうにどれだけ協力してきたのかがほとんど明かされていないので、原作既読者と未読者で、梨花の台詞に対する感想に温度差が出てないかがちょっと心配です。

 

沙都子の窮状を知って動き出した仲間たち。前回もそれぞれが以前の世界の記憶を持ち越しているのが語られていましたが、今回もそれが影響して最悪の方向へと行かぬよう働いております。どこまではっきりと把握しているかは分かりませんが、「罪滅し編」の記憶から詩音を止め、圭一を信頼するレナや、「祟殺し編」の記憶から詩音を止める圭一は良いですな。詩音は逆に、沙都子を大切に思うが故に暴走しそうになってはいましたが。でも詩音がそんな状態だからこそ、椅子の一撃を食らいながら止める圭一はかなりかっこよく見えてしまうわけですが(笑)。その後も圭一は、「祟殺し編」では考えられなかった、「両親に相談する」という過程を経て、今の自分たちにできる最善のことを導き出していく……この辺はもうかなりわくわくして見てしまいます。今回は手応えなく終わってしまった相談所訪問ですが、これがこの先どうなっていくのか……PC版、PS2版と見ているわけですが、それでも楽しみにさせてくれる展開なので、アニメでどう描かれるのか本当に楽しみです。

 

 早々に諦めてしまい、その後はひたすら静観していた梨花。それでも、「罪滅し編」の奇跡と、「皆殺し編」冒頭のゲーム大会の出来事があるからか、圭一の行動には多少でも反応してしまうところに、口とは裏腹な思いが見て取れます。本人は無自覚かもしれませんが、それでもどこかで圭一に期待しているのだと。それがとうとう噴出するのが、児童相談所での成果に圭一が泣き言を洩らした瞬間。諦めたと繰り返しつつも諦め切れなかった思いが溢れて圭一にぶつける梨花と、そんな梨花の言葉を聞いて再び奮起する圭一は……涙腺が緩んでいるにも関わらず、もう見ていて頬が緩みっぱなしです(笑)。PS2版「澪尽し編」でこの二人のコンビにすっかり転がり落ちてしまったので、二人のこういう関係は見ていてホント楽しいです。というか、それを踏まえてこのシーンをこうして改めて見てみると……これってこんなに良いシーンだったんだなぁ、と今まで以上に思ってしまいました。細々と省かれている部分も多いと思うのでそれが気になるのはあるのですが、それでもこれで帳消しになってしまいそうなくらい良いシーンでした。

 

◇次回「皆殺し編 其の四 交渉」

 

 次回は、タイトルと予告映像のとおりで、引き続き児童相談所との戦いのようです。沙都子が登校してきたっぽい映像もあったので、今までスルーされてきた話の一つがここで明らかになるのかなぁと思いつつ、個人的に期待するのは、やはり亀田君とのシーンでしょうか。圭一の固有結界がどこまで披露されるのかが楽しみです。そしてもう一つは、予告映像の最後に映った、物々しい雰囲気で歩く圭一たち。次回でどこまでいくかは分かりませんが、相談所との戦いの行方も楽しみです。