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アニプレックス 2010-07-21
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これまで語られてきた物語がどう締め括られるのか楽しみで、だけど、ずっと毎週楽しみにしてきた物語だからこそ終わってしまうのが淋しくもあって、そんな気持ちでドキドキしながら放送を待っていた最終話。つっこみどころとかが全くないわけではないけれど、それでも今は余韻に浸っていたいような、そんな綺麗な終幕でした。

 

やはり大まかな物語は前回までで終わっていて、最終話で語られたのは、最後に残った五人の卒業式と、音無とかなでの別れ(ゆりとかなでの和解もあるかな?)。あの世界での物語は音無の慟哭で終わっていて、彼が旅立てた瞬間は描かれなかったけれど、ED映像でみんなと同じく最後には消えていって、無事に生まれ変われたと解釈できる最後の最後のエピローグが描かれたのを見ると、音無もあの後自分の心に整理をつけて旅立てたのかな、と思います。

 

さて、昨日は最終話を前に発売された、アニメの前日譚である「Angel Beats-Track ZERO-」の感想を書きましたけど、そこでちょっと書いたかなでについてのエピソードがここまでほとんど描かれなかった理由は、トリに取ってあったというのが正解っぽいですね。

ドナーカードの話はやはり一応伏線であったようで、音無の心臓はかなでに移植され、彼女は生き長らえることができたとのこと。といっても、あの世界にいて、あの世界で旅立っていった以上、彼女も既に死者ではあったのでしょうが。先に死んだはずの音無のほうが後であの世界に来ているというのは不思議な話ではありますが、そこはまあ、時間の概念が現世とは違うから、でしょうかね。

……かなでの未練がそこにあったことを考えると、ひょっとしたらそれこそ神様が、二人が出会えるよう手配した、なんて可能性もあるのかもしれませんが(でないとかなでが永遠に成仏できませんし)。……だとしたら、それはそれで面白い気はしますけどね。前回までで、システム上位者としての神の介入は否定されていることもありますし。

 

かなでの未練が「恩人にお礼を言えなかったから」ということだとすると、青春時代自体はまともに過ごせたのでは?と思うと同時に、ならばそういう心残りでもあの世界に来てしまうのか?という疑問も出てくるのですが、そこは今更言っても仕方ないところですかね。まあ単純に、心臓移植で生き長らえたけど、それは数年の話で結局青春時代の半ばで生涯を閉じた、とかかもですが。

でもまあ、最後にそれが明かされたことで(最後に持ってこざるを得ない理由でもあったなぁと思いつつ)、かなでがどうしてあの世界に留まり続けていられたのかは明らかになったところですかね。それでも彼女の不器用さだけでは足りないと思えてしまう彼女の説明不足っぷりは依然疑問のままなのですが……やっぱりこれも、そうなってしまったものはしょうがないと、今更追求しても仕方ないところでしょうか。

 

 

そんな感じで、最後は全員の卒業で終わった「Angel Beats!」。……そういや、タイトルの意味って、天使と呼ばれていたかなでの心臓の音(鼓動)ってことだったのかとふと思ってみたりするところですが、まあそれはさて置いても、綺麗に終わったかなと思えるところ。

生まれ変わって再会ENDはうまくいきすぎだろうという気もするけれど、ちゃんと音無も旅出てたことを示す意味があったのだろうなということと、二人の別れのシーンを思えば、まあそんなエンディングもアリかな、と思える気はします。

 

しかしまあ、途中ではもう1クールあればもっと良い感じになったのでは、なんて思うこともありましたが、最後まで見てみると、2クールは冗長になってしまったかな、とも思えるもので。早々に岩沢さんが退場したり、生徒会長が更迭されたと思ったら繰り上がった副会長はすぐさま敵対してすぐさま仲間になったり、天使が仲間になって成仏作戦がスタートした途端に影が発生したりと、立て続けにイベントが起こっているので急展開っぽくも見えますが、本筋の部分は非常にゆっくりと描かれていたと思うので。なので、基本的に最低限必要な分のことは描かれていたかと思うのですが……ただ、何ていうか全体的にもう一味が足りない気がしていたので、あと2、3話分くらい膨らませていたら、とは思ってしまうところでもあります。

人格融合時のかなでの心の中の戦いとか、NPCから人に戻ったらしい高松とか、今回残っていた五人以外の成仏の瞬間とか、その他もいろいろ、膨らませれば深みが出ると思われる部分はごっそり削られていましたからね(それこそ尺の問題かと思うところですが)。確かにそういうことがあったと語られるだけでも本筋の物語に支障はないんだけど、何か少し物足りない気がしてしまうというか。

(……単に、私が彼らの物語――それこそ戦い以外の何気ない日常をもっと見たかったというのもありますけどね。)

 

ただ、やっぱり日向×ユイの関係だけは、必要最低限にも達していなかった気がして、もう少しだけでも伏線を張っておいて欲しかったところ。ゆりも一話でいきなり悟ったっぽくも見えるけど、彼女の場合は早々に過去が語られたりと、個人的には、そうなるために必要な描写はされていたと思うので(だから、ゆりのエピソードは素直に泣けましたし、納得もできました)。まあ、それでも前日譚を読むと、もう少し戦線メンバーとの絆を思わせるものが挿入されていても良かったかなとは思いますが。……ゆりが敢えて仲間と距離を置いているキャラでもあるので、難しいところではありますけどね。

あと、音無とかなでが実は両思いだったっぽいのも、納得できないことはないけれど、博愛っぽく見えていた二人だけに、そこまでの想いになっていたのか、とちょっと意外に思ってしまったところではありました。特にかなでの側の想いは最後の最後に明かされることもあって、音無が現れて以降のかなでが何を思っていたのかは、個人的に見てみたくなってしまったところです。

 

割かれた描写の分量を考えると、主役は誰かという点では最後に残った五人の物語だったんだろうなと思うし、全体的なテーマとしては音無が主人公なんだけど、十二話・十三話を見ると、抱えていたものを乗り越える的な役割としては、ゆりとかなでが主人公だったんだろうな、と。

そういう視点で最初から見返してみたら、また違った感想が出てきそうです。演出の仕方が最善だったかはともかくとして、何だかんだでこの物語の本筋に必要なことは語られていたかなぁと思うのは上記のとおりですし。……うーん、そんなことを考えていたら、お財布と相談して見送ったDVDの購入を再検討したくなってきました(笑)。

 

最後まで見てみれば、意外とストーリーはど真ん中というか、予告どおり「死後の世界を舞台とした人生賛歌」の物語で、あれこれと考えていた身としては見事に一杯食わされたなぁ(笑)と思うところもありますが、それでも、こういう作品はそれが正解だろうとハズレだろうと、提示された情報のカケラからあれこれ考えている時間が非常に楽しいわけで、そうした時間も含めて楽しめました。ギャグパートも肌に合っていたようで、最後まで見ていて楽しかったですしね。あと、感想では触れたことなかったですけど、終盤とか特に、音楽が素晴らしくて物語をうまく盛り上げてくれていたのも楽しめた一因と思いますし。

 

死後の世界で登場人物たちが成仏するまでの物語なので、終幕を迎えたということは彼らとはもう会えないということになるので、それが他の作品以上に淋しさを感じるところではありますが、それでも1クール楽しめましたし、(もしあるなら)麻枝さんの次の作品を楽しみにしたいところです。