Xbox360ソフト「STEINS;GATE」オープニングテーマ「スカイクラッドの観測者」 Xbox360ソフト「STEINS;GATE」オープニングテーマ「スカイクラッドの観測者」
いとうかなこ

メディアファクトリー 2009-10-28
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ゴールへ向けて、これ以上ないくらい盛り上がってきた二十三話。

ここに来てOP曲が二番に変更されただけでも鳥肌ものだったのに(※原作を最後までやっていれば、二番の歌詞がまさにラストの展開を示していると分かる)、特殊EDだった前回に続き、今回は「スカイクラッドの観測者」が流れるとか、スタッフも全力で盛り上げようとしているのが伝わってくる気がします(「シュタゲ」の曲はみんな良い曲だと思うけど、個人的にはやっぱり「スカイクラッド〜」が一番だと思いますし)。

 

とはいえ、二十三話が始まった当初は、鈴羽再登場や、β世界線ではオカリン・ダル二人共に生存で鈴羽も仲良くやっていたらしいことに何だか嬉しくなりつつも、余計な説明やら何やらは省いている分、やや駆け足気味に感じた部分も。

もっとも、一度目のタイムトラベルを敢行し、紅莉栖と遭遇した辺りからはすっかり目の前の展開に引き込まれてそんなことは忘れていた気もしますが(笑)。

 

ここら辺から、第一話での未回収だった伏線が次々と明かされていくところで。会見前に紅莉栖が出会っていたのは未来のオカリンであり、α世界線の一つで会いに行こうと約束していた青森にいる紅莉栖の父親こそが中鉢博士で、あの日紅莉栖がラジ館に来ていたのはその父親と会うためだったこと。又、紅莉栖の死体を発見するきっかけとなった悲鳴も、(感想ブログを見ていると既にその声で気づいている人も多そうですが)実は未来のオカリンの上げたものだったことが明かされるわけで。

これらだけでも原作プレイ時驚いたところですが、まゆりのメタルうーぱまでもが重要な伏線の一つだったのにはそれ以上にびっくりしたところ。アニメではそれが分かっていたからこそ、敢えて再び挿入されたガチャガチャのシーンにはにやりとしてしまったところですが(笑)。

 

そんなふうに次々と明かされていく伏線には気持ちの良いものを感じつつも、紅莉栖を助けられるチャンスをちらつかされて計画に乗ったオカリンを待っていた結末は、彼自身が紅莉栖殺害の張本人だったという悲惨なもの。この辺、これまでにも何度かあった、希望が見えたと思ったら絶望に叩き落されるパターンだなとアニメで改めて見ていると思うわけですが、そんな最大級の絶望のどん底まで落とされたからこそ、最後の最後には最大の希望が待っているという展開へと繋がるわけで。

というわけで、この時点でもまだ残されていた伏線の、ノイズだらけのムービーメールがここで出てくる、と。それこそまさに、十五年後の未来のオカリンから送られてきた最後の鍵。紅莉栖救出の顛末を知りながらも黙っていたのは、一度失敗することでこの最後の鍵を生じさせるため。これまで何度も繰り返してきた過去改変と、それらを元に戻すために犠牲にした想い。まゆりも死なず、第三次世界大戦も起きず、紅莉栖も死なない世界線「シュタインズゲート」に辿り着くためには、ここに辿り着くまでに経験したそれらの何ひとつとしてなかったことにしてはいけない。――最初の世界線移動のきっかけになった、紅莉栖の死体の発見すらも。何故ならそれこそが、鈴羽を今この瞬間へと送り出すためのエネルギーになるのだから。

 

未来のオカリンのそんな台詞を聞くまでもなく、これまで描かれてきた物語の積み重ねが意味を持つのは、この二十三話を見ているだけでも分かったところですが。

これまで何度も失敗してきたからこそ一度の失敗でオカリンは絶望したし、でもその積み重ねがあったからこそ、事情を全て把握しているわけでもないのにさり気なくオカリンの背を押すまゆりやダルが違和感なく映るし、叩いてオカリンの目を覚まさせたまゆりの言葉もしっかりと響く。そして、その試行錯誤があったからこそ、未来のオカリンからのムービーメールが告げる真の作戦が意味を持つわけで。

三十三歳にもなって厨二病全開なオカリンを見て、十八歳のオカリンも晴れて(笑)ここで「狂気のマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真」が復活。この、過酷な現実に一度は厨二病を卒業しかけるも、何だかんだで一番彼らしかったこの姿に戻って来るところも、原作プレイ時には燃えたところの一つなので、次回への引きも含めて盛り上がったところでした。

 

◇次回「終わりと始まりのプロローグ」

これまではサブタイトルが切り替わったところで原作の章タイトルが使われ、その後は「○○の〜」の部分を変えたタイトルが続いていたため、最終話も今回のサブタイトルとの組み合わせで「○○のシュタインズゲート」になると考えていたため、雑誌のアニメ情報のページで最初にこのサブタイトルを目にしたときは、そう来たかと唸らされたところでした。タイムトラベルものであり、まさに今回最初の地点に戻って来て望む未来を手に入れようとしているこの物語にとって、これほど相応しいサブタイトルはなく、ストーリーだけでなく綺麗に第一話へと円環して、それでいながら違う未来へと踏み出そうとしていることを感じさせるものですから。

何にしても、次回で最終回。一週間楽しみに待ちたいと思います。