「偽物語」 第三巻/かれんビー(下)【完全生産限定版】 [Blu-ray] 「偽物語」 第三巻/かれんビー(下)【完全生産限定版】 [Blu-ray]

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前半部分では家から抜け出した火憐との決着を、後半部分では貝木との決着を描いた、「かれんビー」最終話。

 

前半部分は案の定と言うべきか、阿良々木兄妹のバトルが凄いことになっていたな、と(笑)。

現実に道路が陥没したり立体道路が崩壊したりしたら大惨事なので、イメージ映像というか過剰演出というか、そういうものだとは分かっていても、その迫力には気圧されるものがあるし、だからこそ火憐の気持ちが伝わってくるものでもあるのかなー、と。同時に、それだけの気迫と実力を持って向かってくる火憐を、ボコボコにされながらも何度でも立ち上がり、最終的には言葉で諭してしまった阿良々木君の姿に、彼の言うところの“意志の強さ”を見るわけですが。

何だかんだでファイヤーシスターズはお兄ちゃん大好きなんだろうなーというのがよく分かるし、彼女たちのその活動が、そんな兄の背を見て育ったからなんだろうなーというのも容易に想像がつくような気がするところでもあったシーンでしたでしょうかね。

 

後半では、いよいよ貝木との決着が。約束どおり阿良々木君とガハラさんの二人で対峙したわけですが、専ら貝木とやりとりしていたのはガハラさんのほう。貝木が暴力に訴えてくるわけでもなく、「かれんビー」の半分はガハラさんの物語なのだろうことを考えれば、その決着のつけ方は妥当なところでしょうか。

……貝木との肉弾的な、あるいは超能力的なバトルを期待していた人がいたら、あっさり降伏した貝木も含めてがっかりしたかもしれないですが。とはいえ、詐欺師相手の言葉の駆け引きということで、これはこれで緊張感ある戦いではあったと思いますけどね。

 

そんな感じで本当なら貝木の嘘かホントか分からない言葉の真意を探りながら、こっちも手に汗握って見守るのが正しい見方のような気もしましたが、貝木が最後に残していった嫌がらせのような、過去のガハラさんは貝木に惚れていただろう?みたいな台詞を予め知っていると、詐欺師とその被害者の対峙というより、昔の男と今の彼氏同伴で向き合っているみたいに見えてくるからちょっと困ったところでしたが(笑)。

今のガハラさんを見て放ったつまらなくなったなんて台詞もそうだけど、てっきり妹の仇討ち的に同伴してきたのかと思っていた阿良々木君が、実はガハラさんの今の恋人だと知ったときの貝木の反応とか、脳内で妄想がぶわっと広がるところですからね(笑)。かつてガハラさんを襲おうとした男の末路とか、それこそ過去のガハラさんと自分の関係とか、敢えてそれを語っていく貝木を、そういう視点で見たほうが楽しいってのもありますけど。

そして、そんな貝木とのやりとりを見た後だからこそ余計に、そこで過去最高に(?)阿良々木君にデレるガハラさんがむちゃくちゃ可愛いわけですが(笑)。

 

貝木は町を去り、もともと瞬間催眠だった「囲い火蜂」も治り、裸で抱き合いながら眠るファイヤーシスターズなんてサービスカットを挟みつつ(笑)、元の日常に戻った阿良々木君たち。

正義の味方云々に関しては阿良々木君とあれこれあったわけですが、今日も元気に貝木の被害者のアフターケアに出掛けるファイヤーシスターズなんて姿も見られ、以前と全く同じ台詞を繰り返す彼女たちがいたわけですが、月火はともかく、火憐に関しては、前半部分での阿良々木君との兄妹バトルがあったからか、阿良々木君にその弱さを指摘されて尚、それでもそうしたいから駆けていくように見えたところかも?

 

何より大事なのは“意志の強さ”だと言った阿良々木君、二人がかりで詰め寄られてあっさり降伏した貝木(から始まる一連の会話)、そしてラストのファイヤーシスターズを見ていると、「偽物語」で語られていた“強さ”とは……というか、“強い人”というのは、自分の分を知りつつも、それでも自分の思い描く姿(理想)に近付こうとし続ける人のことをいうんじゃないかな、という気がしてきました。

まあ、それが貝木のようなベクトルになってしまうと、“強い人”というよりは“性質の悪い人”になるし(苦笑)、そうでなくても本物扱いされる羽川さんみたいな例もありますけど。でも、偽物だからこそ、ときに本物以上に本物になれる可能性を秘めている、なんて台詞回しがあったりするのは、そういうことなんじゃないかなー、と。

 

何はともあれ、これで「かれんビー」は終わり、次回からは「つきひフェニックス」。主に尺的にいろいろ不安はあったりしますが、取り敢えずは次回描かれるだろう(と信じている)阿良々木君と火憐のいちゃいちゃ(笑)を期待しつつ、次回も楽しみにしたいと思います。