ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫) ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)
川原 礫 abec

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OP&EDも一新され、新章突入となった第十五話。

取り敢えず、OPは新しくお目見えした仮想世界にわくわくとしたところ。やっぱりビジュアル的にはこっちのほうが映えると思うところですし、サブタイトル的に次回からは本格的にこの世界が観られそうで、まずはそれが楽しみなところでしょうか。


本編としては、まずはキリトの帰還後の状況説明からな感じで。

新OPで既に明らかになってしまっていましたが、ゲームをクリアしてSAOの世界からは解放されたはずなのに、アスナを含め、未帰還者が300人もいることが語られました。最後のメールでエギルについてはちゃんと帰還していることが明らかになったわけで、SAO時代と同じく、二人の付き合いが現実に帰ってからも続いていることが垣間見えたのは嬉しくなるところですが(あの世界で得た絆が現実でも続いていることにも、かつての仲間とはバラバラになり、最愛の人は戻って来ない状況でも、最低一人はキリトの味方が存在していることが分かることにも)、キリトとしてはアスナのことで頭が一杯かな……といった感じで。原因不明なまま眠り続けているだけでもきついのに、大人たちの思惑で勝手に結婚させられることまで知らされてしまいましたからね。


そのアスナの結婚話も含めて、今回はとことんキリトを落としてきたなーと思ったところ。

直葉との剣道の試合でも、様になってはいても、彼が仮想世界で身につけた剣術は、現実でひたすら技を磨いてきた直葉には通用せず、眠り続ける最愛の人は、まるで彼女の命を盾に取られるように、他の男に奪われようとしている。SAOという仮想世界では最強のプレイヤーであったキリトだけど、現実での桐ヶ谷和人という人間はちっぽけで無力な存在なのだと、これでもかと示してきた。キリトがアスナより年下であったというのも、年上の男である須郷がアスナを掻っ攫おうとしている現実においては、地味に効いているような気がしてくるところですし。

ここまで強調されてくると、新章におけるテーマはそこになってくるのかなぁ、と思うところでしょうか。それが、現実では無力な少年が現実でも戦う力を身に付ける話になるのか、それとも、再び仮想世界の強さに縋る話になるのか、あるいは……というのは、これから見守っていくところなのでしょうが。


そして、今回から正式に登場となった、キリトの義妹・桐ヶ谷直葉。EDを観ると、やっぱり今章のヒロインは直葉なんだなぁと改めて思ってしまうところですが、同時に、キリトと二分するくらいに彼女が視点となるシーンが多かった気がする今回を観ていると、主人公の一人でもあるんだろうなぁとも思えるところで。

キリト視点で見ると、キリトがいかにアスナを取り戻すかというお話に見えるけど、直葉視点で見ると、複雑な恋心にどう向き合っていくかというお話にも見えるわけで、この辺をどう料理していくのかは楽しみになるところですかね。何しても今回は、半身を失い精神的に打ちのめされているキリトと、そんな彼を複雑な思いで見つめる直葉を見ているだけでも楽しめたというか、そんな二人を見事に演じ切った中の人たちに感心したところでもあったかも。

今回のラストでは、そんなキリトが今のアスナの状況を解決する手掛かりになるかもしれない映像を手に入れたということで、次回でおそらく再び火を灯すだろう彼がどうしていくのか、冒頭で書いた新しい仮想世界共々、楽しみにしたいと思います。


◇次回「妖精たちの国」