Boys be smile / 目覚めた朝にはきみが隣にBoys be smile / 目覚めた朝にはきみが隣に
鈴湯

Key Sounds Label 2013-10-22
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これまで見逃していただけかもしれませんが、OP冒頭の過去から今へと移り変わって行くところの理樹の絵の、途中経過がちょっと増えていた気がしました。そのせいもあってか、いつも以上に注視していたOP映像だったのですが、これまで微妙に感じていた違和感……は言い過ぎですが、ちょっとした引っ掛かりがようやく分かった感じです。


OPのヒロインズが次々と映っていくところ、何気に各ヒロインシナリオのクライマックスの部分になっているんですよね。砂浜の上で涙を流す西園さん、土手で手紙を抱きしめる葉留佳、50ノーティカルマイルの空を見上げるクド、そして、今回を最後まで観ると分かる、白い光の中で泣き笑いを浮かべる来ヶ谷さん。

……そして、そんなヒロインたちの中で唯一、個別シナリオに全く無関係ではないけれど、そういう意味では当て嵌まらない、夜空を流れる一筋の星に祈る小毬さん。



この先の展開を知っているなら、勿論それが全く意味の無い絵でなどあるはずがないことは分かるわけですが、逆に言えば、小毬さんだけ破格の扱いというようにも受け取れるなぁなんて思ってみたり。……もっとも、それは小毬さんに限ったことでもないのですけど。

又、現時点で深読みしてみるのなら、各々の抱えていたものが実は小毬さんだけ完全解消されていない……なんて考えてみることも可能ですが、今回の結末で果たして来ヶ谷さんは本当に救われたのかがそもそも分からない感じなので何とも言えないところでしょうか。Cパートの夏服で満面の笑顔を見せてくれた来ヶ谷さんを見ると、彼女にも何らかの救いはあったのだと見ることもできそうですが……六月二十日時点でまだ冬服なのになぜか夏服、その直後に塵のように消えて行くその光景……なんてものを見ると、ちょっとしたボーナストラック、叶うことのなかった、あるいはいつか叶うこともあるかもしれない(かもしれなかった?)夢の続きだったのかなぁ、なんて。



というか、今回のエピソードは、アニメが初見の人には、「世界の秘密」が明らかになってからもう一度観て欲しいなぁと強く思ってしまったものでもありました。たぶん、それを知っているかどうかで来ヶ谷さんの台詞の持つ意味が……というか、重さがかなり違ってくるんじゃないかと。いや、今の時点でも、来ヶ谷さんの台詞から推測することも不可能ではないかもしれませんが……。

でも、それを知っている状態で観ていると、今回の来ヶ谷さんの理樹への台詞も行動も、一つ一つが凄く切なくて、もう涙なしには見られないですよ。しかも、最後に鈴のことを託して消えていくとか……(涙)。
 これまでと違って恋愛要素も出してきたシナリオだったので余計に切ない……というか、そのために来ヶ谷さんのエピソードはそういう形になったんでしょうね……。そして、彼女のエピソードがこのタイミングというか順番になったのも。物語の核心に触れる部分があるからとかだけじゃなく、2クール掛けて描いたリトルバスターズの仲間たち、そして理樹との日々や絆があったからこそ、意味を持つ……というか、ようやく描けるものだったから……。



いろいろ意味ありげな来ヶ谷さんの台詞に限らず、他にも今後の展開を示唆(暗示?)するようなものがいろいろありつつも、それに触れるとネタバレになりそうで語れないのがもどかしいところではありますが……。

でも、この来ヶ谷さんのシナリオをこういう形でまとめてきたのは画面の前で唸ってしまいそうなところでしたね。彼女の抱えていたものが明確に明かされるのは最後の来ヶ谷さん自身による自分語りなので、他のヒロインたちのように、理樹が、あるいはみんなが尽力して解決したというものではないし、だからこそ、前述のとおり、ああいう形で来ヶ谷さんが本当に救われたのかは分からない。

……いや、来ヶ谷さんがずっと求めていたものが自分の居場所だったのなら、それはもう叶っていたし、救われていたとも言えるのか。とはいえ、それを手に入れたからこそ、もっと知りたい気持ちが出来て、これからもずっとその時間が続くことを願ったわけですが……。

何にしても、来ヶ谷さんのエピソードを分かりやすい形で描きつつ、この物語全体の謎も提示して……という点ではうまい具合に見せてきたなぁと思います。



そして、その来ヶ谷さん絡みでは外からそっと放送室(?)を見つめる姿が描かれただけで、ほとんど関わってこなかった……どころか、電話も繋がらないというこれまでにも二度ほど描かれた状態で姿を見せなかった恭介という不穏の種も。

何気に二期では恭介がずっと次回予告やっているんだよなぁ……なんてことも思いつつ、その恭介のことを思い出すくだりでは、理樹がまだまだ最後のところでは恭介を頼っているし、理樹の恭介に対する信頼が絶大であることが示されて、そういう意味でも恭介はやっぱりキーパーソンなんだろうなぁというのを改めて感じたところでしょうか。



◇次回「理樹と鈴」