Boys be smile / 目覚めた朝にはきみが隣にBoys be smile / 目覚めた朝にはきみが隣に
鈴湯

Key Sounds Label 2013-10-22
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サブタイトルが示すように、冒頭から第一期第一話を再び辿るような展開が繰り返され始めた第七話。

ただ、これが完全なリセット&ループかどうかはぼかされた感じでしょうか。

というのも、どう考えてもわざと、再び始まったこの日の日付がぼかされていたから。……個人的には、一時停止してじっと目を凝らして確認した感じだと、5月13日ではなく、6月後半の日付っぽいように見えたのですが……とはいえ、現時点ではあまりこの辺は重要ではないのかもしれません。私の見間違いで日付が巻き戻っていて、理樹が何かの拍子にそれに気づいたらそれなりに意味を持ってくるのかもしれませんが、少なくとも現時点では、日付など関係なく、理樹も鈴も直前までのバッドエンドを覚えておらず、繰り返しに見える日々にも特に気づいていない様子ですから。


 だからきっと、注目すべきなのは、その繰り返しのような日々の、しかし完全な繰り返しではない部分についてなのでしょう。

大きな変化は三つ。

理樹以外の他人を極度に怖がり、養護学級のようなところにしか通えなくなってしまっている鈴。

かつての頼もしいリーダーの影はどこにもなくなり、むしろその影に同化しようとするかのように部屋に引きこもってしまった恭介。

そして、最初は無自覚に、事態を何とかしようとし始めてからはお手本として、かつての恭介をなぞるような行動をし始めた理樹。

視聴者として見ている側には割と分かりやすいですが、どれもその根本にあるのは、おそらく前回までの鈴シナリオにおけるバッドエンド。交換留学先での失敗と、警察に強制的に保護されたことが、おそらく鈴のトラウマ。そして、鈴をそんなふうに追い詰めてしまったこと、そうならないためにやってきたはずが完全に裏目に出てしまったことが、たぶん恭介を打ちのめしてしまった原因で。

ということはつまり、日付はともかく、そうしたエピソードがあったこと自体はリセットされたということになるわけですが、リセットされてもその記憶は完全には消えない――恭介・真人・謙吾の三人はむしろ完全に保持している?――ということでもあるようで、その結果、この繰り返しのようでどこか違う世界がスタートした感じで。


 そして、そんな世界の中で唯一ポジティブな方向へ動き出していたのが理樹。

それにはおそらく、アバンで流された、第一期でのリトバス女子メンバーを助けることができて、そして強くなろうと思うまでに至った記憶と、しかし鈴は助けられず(守り切れず)、かつての強くなるという決意を果たせなかった記憶が強く作用しているのではと思われるところ。かつての弱くて誰かに――恭介に手を引いてもらわなければならなかった自分ではなく、自分自身が強くならなければならないという思いが、蓋をされてしまった記憶の中に残っていたから、真人と謙吾のケンカに飛び込めたし、いつしか変わってしまっていた幼馴染たちの絆を修復(再構築?)しようと動き出すこともできた。

……とはいえ、今話においては、どちらも一歩踏み出すことはできたものの、その目標自体は未達成のまま終わっていて。もしもそれが、まだ理樹は恭介の行動をなぞることしかできていないから――お手本があるから動けただけ(恭介と理樹は違うので、恭介のやり方そのままじゃ駄目)だとするのなら、それは納得のいく結果でもあるわけですが。

しかし、だからこそ、じゃあその先の一歩をどうするのかが今後の鍵になるわけで。

そういう意味では、謙吾&真人の行動が意味深というか、ヒントなのでしょうね。

理樹がこれまでは踏み出せなかった一歩を踏み出したとき、どこかハッとしたように、そして期待するような言動を投げておきながら、理樹が野球という答え(?)に辿り着いた途端に背を向けた謙吾。

前述のとおり、彼ら三人はおそらくバッドエンドを迎えた記憶も保持しているものと思われるので、恭介の行動をトレースしているだけだという意味でも、リトルバスターズの決定的な決裂のきっかけとなったものであるという意味でも、謙吾が嫌な顔をするのには、そういう解釈で納得できてしまう部分もあって、彼の行動だけを見るのなら、理樹は不正解を選んでしまったようにも受け取れます。


 しかし、三人と違って前回までの記憶は持たないものの、理樹(たち)が何かしらの違和感や既視感を抱えていること、そこから世界の謎を知りたいと願い、以前恭介に問われたときよりも踏み込んだところまで推理を進めることができていることを見た真人は、降りるとは言いながらも、理樹のその選択自体はちゃんと正解のルートを進んでいるのだということを仄めかしていきました。

そして、だからかどうかは分かりませんが、そうしてこれまで頼りにしてきた幼馴染全員に背を向けられても、理樹はそこで挫けることはなく、むしろ世界の謎を解き明かしてリトルバスターズを再結成するのだという決意をより強く固めることになりましたし、そうして理樹が何とか前に進もうとすることで、それこそかつての恭介のように、本当の意味で鈴を引っ張り出すところまでは達成できたのではないかと思えたところで。

ここまで来れば、あとは今度こそ本当に「世界の秘密」を解き明かすのと、バラバラになってしまったリトルバスターズを“理樹(と鈴)が”再結成するまでが描かれていくことになるのだろうと予想できて、ここまでとことん落としてきた分、次回以降が楽しみになるところです。

◇次回「最強の証明」