君とのなくしもの / 涙色の翼君とのなくしもの / 涙色の翼
北沢綾香

Key Sounds Label 2013-11-05
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この十二話を観る前に十一話をもう一度観返していたのですが(本当はもっと早く観るつもりだったのですが、今週からはもう読書時間すら削られるほど忙しくて結局このタイミングに……(汗)。これも別に時間ができたというよりは睡眠時間を削っているのですが……しかしこのタイミングで再視聴したことで、十二話を観るに当たっての気持ちの盛り上がりは最高潮でした(笑))、改めて観ると、一度目では見落としていた(忘れていた)ところに気づいたり、他の人の感想記事を読んだことでより深く読み取れた気がするところがあったりと、二度目のはずなのに妙に新鮮な感じもあって、一度目はまた違った面白さがあった気がします。

まあ、一言で言えば、既に最高だったものが二乗されたかな、って感じなのですが(笑)。

さて、そんな感じで視聴となったラスト一歩手前の第十二話。

………。

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やりやがったな、アニメスタッフ〜〜〜〜!!!!!

 

ここまででも十分最高のものを観させてもらっていると思っていましたけど、何かもうそんなの軽々と飛び越えていきましたよ! 次回予告が終わった瞬間、アニメスタッフに向かって五体投地したくなるくらい、最高なんて言葉じゃもう物足りないものを観させてもらったというか。

前回の感想でも書いたとおり、今回は特に楽しみにしていたシーン(屋上で鈴が小毬さんに願い星を託されるところ)があるから、これまで以上に泣かされることをある程度覚悟してはいましたけど、もう今回はそこに辿り着く前からティッシュ握り締めながら画面観ていましたよ。

私が綺麗さっぱり忘れているのでなければ、鈴がその前に小毬さん以外のリトバス女子メンバーと順に会っていくシーンはアニメオリジナルだと思うのですけど、まさかこんなふうに演出してくるとは……っ。いや、それを言ったら、鈴のトラウマから始まる、恭介に手を引かれて外に出て、旧リトバスメンバーと出会って過ごした日々を思い返すところからしてそうなんですけど……何かもう、いろいろと反則すぎる……っ。

でも、ここまでの流れを考えれば、ある意味必然でもあって。一期の頃から、アニメでは理樹だけじゃなく鈴に関しても成長描写をしっかり描いていて、その流れからいけば、鈴がただ理樹に手を引かれて守られているだけでいいはずがない。

けどそれを、まさかこういう形で描いてくるとは。

こうなるともう、前回の虚構世界脱出の段階では、まだ鈴が全てを理解しないまま理樹に引っ張られていっているだけのように描かれていたのも、わざとだったんだろうなぁと。

それを踏まえて、前半(Aパート)のラストですよ。前回までの話で理樹は十分強くなって、現実世界に戻ってきた後には、恭介に言われたまま動いて終わるのではなく、その先に行こうとした。でも、改めてどうしようもないとしか思えない現実を見せ付けられて、再び心が折れかかってしまっている。

それは結局、理樹だけが強くなっても駄目だってことですよね。鈴だって成長しているはずだけど、この段階ではあくまで、理樹に守ってもらえば歩いていける程度の強さ。だから、事故現場からも理樹に促されるまま立ち去って、呆然と座り込んでいることしかできなかった。

だけど、それじゃあ理樹の願いは叶わない。一人だけでは限界があって、鈴も現実をきちんと理解して、そして彼女も自分自身で立ち上がって、願い、動き出さなければ、二人の願いは叶わない。恭介の叫びにみんなが応えたからこそ虚構世界を産み落とすことができたように、理樹と鈴の二人ともが立ち上がらなければ奇跡は起こせない。

そんなピースがもう見事なくらいぴたりと嵌っていて、そしてそれをそう思えるのは、これまでずっと見てきたリトルバスターズの絆があるからこそで。何より、そうして鈴も立ち上がってこそ、あれだけ絶望的な事故でも本当に奇跡が起こせるかもしれないと思わせてくれる気がするわけで。

この辺のくだり、原作とはけっこう流れを変えてきていると思うのですけど(私の記憶の中だと、確か理樹と鈴が病室で話しているくだり(つまり一度病院に搬送されている)とかあった気がするので)、個人的にはむしろ原作よりもすっきりとしたものになっているように思えるので、前述した諸々の演出含めて良改変だったなぁと思います。というより、これこそ、ゲームとアニメ、それぞれのメディアの違いをちゃんと理解した上で、その文脈に沿ったものを見せてくれていると言うべきでしょうか。

とにかくもう、そんな感じで特に後半戦。鈴視点に切り替わってからが今回は本番だったというか、鳥肌ものだったわけですが、そこから流れ出すEDが、「くそぅ、やっぱりこのスタッフはちゃんと分かっている!」と思わずにはいられないもので。ここ数週間は特殊EDでずっと別の曲が流れていたのに、この十二話ではばっちり「君とのなくしもの」ですよ。

前々回の感想で、OP(の歌詞)は恭介から理樹&鈴へ向けての歌だ、みたいなことを書いたけど、ED(の歌詞)はまさに、CDのジャケットがそもそも小毬さんと鈴の絵になっているように、小毬さんから鈴へ向けての歌になっていると思うのですよね。だから、この例の屋上での願い星のシーンをやる回のEDはこの曲以外あり得ない、この曲じゃなきゃ嘘だろう、くらいに思っていたのですが……まさか本当にこれを流してくれるとは。私が今更どうこう言うなんて本当に野暮なくらい、やっぱりちゃんとスタッフは分かりすぎるくらいに分かって全力で作っているんだということを再確認させられた感じですし、そう思えるってことは自分にもちゃんとそれが届いているのかなと思えるのがまた嬉しいかもしれないです。

……何だか言い方が回りくどくなった気がするけど、要はとにかく本当に素晴らしいものを見せてもらえて、大満足だし最高の時間を貰ったってことですね。

そんなところで、次回はとうとう最終回。この流れだと大団円以外のエンドはあり得ないだろうと思えてしまうわけですが、それが実際どんな形になるのか。ここまでを観れば不安は当然一つもなく、素直にわくわくしながら最高の最終回を楽しみに待ちたいと思います。

◇次回「リトルバスターズ」