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藍井エイル

SME 2015-02-17
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ここ二話ほど、面白いけど感想はどうにも書きづらいというエピソードだったのですが、今回はちょっと書きたい感じなので久しぶりの感想です。

 

個人的に感じた今回のポイントは三点。

一つは、伊奈帆の目的が彼自身の口からはっきりと語られたこと。

二つ目は、早速その目的のためにマズゥールカという火星側の味方を取り込んで動き出したこと。

三つ目は、レムリナ姫が自分の立場に疑問を抱いた(スレインに不審を持った?)こと、でしょうか。

 

まあ、伊奈帆の目的がアセイラム姫にあるだろう、ということくらいはこれまでにも大よそ察することは出来ましたが、それをユキ姉に向かってはっきりと宣言したこと(相手が相手なので本心なのだと確信出来る)は大きいですし、そのための手段として捕虜になっていた火星騎士を早速味方に取り込み、脱走させてまでまずは本物の姫様を捜させるところから始めた、という辺りに、彼の中では圧倒的にアセイラム姫>地球軍なことが窺えますし、そのために必要ならば手段も問わないことが示されたかな、と。

……韻子に見つかってしまっていた辺り、若干の甘さを感じてしまうところでもありますが。とはいえ、これで「あの辺の見張りは韻子になるだろう。そして韻子なら見逃してくれるだろう」とかまで計算していたとか言われたらそのほうが怖い気もしてしまいますけど(苦笑)。これが韻子との関係に亀裂が入る前兆だったとかだったら、それはそれでやっぱり怖いですけどね……。

 

しかし、そうした伊奈帆の思い切った行動自体も観ていて面白いところではありますが、視聴者としては、「とにかく姫様が第一、そのために必要ならば手段は選ばない」という点ではスレインと全く一緒なんだよなぁ、というところが更に面白いと思うところでしょうか。それなのにすれ違ってしまっているところとかね。

まあ、その辺は、姫様を“どう”助けたいかという辺りの違いなのかな、という気もしてしまいますが。それはそのまま、それぞれが捉える姫様像にも繋がっているんだろうな、と、眠る姫様の前で様々な鳥について語るスレインや、マズゥールカと姫様の志は同じだと語る伊奈帆を観ていて思ったところでもあります。……そして、一期の姫様を観てきた視聴者としては、今のところ彼女の意志に沿っているのは伊奈帆のほうなんだろうなぁと思ってしまうところですが……飛べない鳥に対して述べたスレインの感想にエデルリッゾが同意するような返答をしていたのがちょっと気になるところですかね。

 

さて、見事に伊奈帆に説得されて(笑)、スパイのような立場となったマズゥールカ。まあ、彼自身が言っていたようにヴァースは封建制度なので、本当に王族に忠誠を誓っているのなら彼の行動はむしろ正しいとも言えるかもしれませんが(伊奈帆が嘘言って騙していた場合は問題ですけど)、それはさておき。

彼の名前について、作中では民族音楽の話が出ていましたが、以前考察サイトで鳥の名前でもあることを書かれている人がいるのを見かけていて、それが頭に残っていたので、今回鳥の話が出てきたのにはニヤリとしてしまったところ(全然自分の功績じゃないですけどね(笑)。というか、そういうところから彼の役回りも含めて考察してしまう人はホント凄いと改めて思いますよ)。前回では伊奈帆とスレインの役割がオーディンとフェンリルになぞらえられていることが示されましたけど、鳥も引き続き重要なモチーフで在り続けていることが示された感じですかね。

 

ただ、一期では空飛ぶ鳥のイメージが強かった気がしますけど、今回はペンギンや籠の鳥など、地に足を付いた鳥や、自由を奪われた鳥のほうに焦点が当たる感じなのかな、という印象も。

特に後者は二人の姫様の今を象徴している感じで気になるところですかね。実際、今回レムリナ姫がそれを指摘されて、そこから勝手に動き出した感じでしたからね(ただ、これについては、彼女は籠の鳥であることを承知の上で協力しているものと思っていたので、意外とそうじゃなかったのは、認識を改めておかないと、と思ったところ)。韻子に目撃されたことが伊奈帆側のネックになる可能性を前述しましたが、スレインのほうでは彼女に打ち込まれたこの楔がそのまま大きなズレになっていきそうな感じでしょうか。

……スレインの場合、現状腹心の部下であるハークライトも、スレインの真の目的とはズレているという意味では今後決裂する可能性を秘めているのですけどね。逆に伊奈帆は、マズゥールカ脱走の協力者であるライエとは腹を割って話している感じなので(そのマズゥールカともきちんと彼なりに交渉して納得させた上で協力関係を結んだ感じなので)、そこだけは安心出来るかなぁと思うところではありますが。

 

……どちらも、所属する組織に対しては裏切りを働いているわけなので、バレたらどっちも危険なのは、これまた同じなのですけどね。……案外、その辺から最終的に、どちらも組織からは孤立し、姫様を救うために協力関係になる、なんて展開もあるのかなー、なんて。今のところは可能性低そうですけど。

 

何にしても、今回の件を経て、レムリナ姫とマズゥールカ、二クール目から登場の二人が面白い立ち位置になってきたなぁ、と。

個人的には特にマズゥールカですかね。状況に流されて、とかではなく、(仮に最初はそうだったとしても最終的には)きちんと自分の考えを持った上で、対立する組織を超えて動くキャラは観ていて面白いというか、魅力的に映りますから(主人公にとって致命的な障害にならない、という条件は付きますけど(笑))。今のところこの作品では、スレインやライエのように完全に反対陣営に行ってしまっているキャラはともかく、陣営は変わらないままで、なおかつ敵対ではない道を選ぶキャラはそれこそアセイラム姫くらいしかいなかったので、余計にそう感じてしまうのかもしれませんが。