翠の匣

アニメや読んだ本(漫画・ラノベ)の感想を、徒然と書き綴っているブログです。

アニメ感想(2009年1月〜)

「今期終了アニメ(6月終了作品)の評価をしてみないかい?5」

 「ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人」のピッコロさんにお誘いいただきまして、「今期終了アニメ(6月終了作品)の評価をしてみないかい?5」に参加させていただくことになりました。

 

 当ブログでは、「アスラクライン」「クイーンズブレイド 流浪の戦士」「けいおん!」「戦国BASARA」「鋼殻のレギオス」「宇宙をかける少女」の6作品の評価をしてみたいと思います。

 

 

続きを読む

2009年6月終了アニメ感想ァ岷宙をかける少女」4

宇宙をかける少女 Volume 1 [Blu-ray] 宇宙をかける少女 Volume 1 [Blu-ray]
MAKO, 遠藤 綾, 牧野由依, 福山 潤, 小原正和

バンダイビジュアル 2009-04-24
売り上げランキング : 2328
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 このアニメを見続けることになった決め手は第一話のレオパルドが面白すぎたからなのですが、結局のところそこに、つまりはAIキャラの面白さに終始した作品だったかなぁ……という気がします。

 

 第一話のインパクトが凄すぎて、あれ以上面白いレオパルドというのはなかなかなかったのですが(プリンス・オブ・ダークネスの中で目覚めて現状把握して焦るところや、躊躇い無く……どころか喜んでネルヴァルを撃った辺りは、乗っ取られた後はレオパルド自体の出番がなかったこともあって笑ってしまうところでしたが)、初登場時はただの嫌な敵キャラでしかなかったネルヴァル・クサンチッペ・ベンケイはその本性が明らかになるにつれてどんどん面白いキャラになりましたし、当初はマスコットキャラくらいの認識しかなかったイモちゃんなんかは、終盤になるにつれてキャラクター的にも役割的にもかなり面白いことになっていましたし、彼以外のキャラが魅力を発揮し始めたことで楽しめたところ。そんな感じで、人間キャラも個性いろいろでしたが、AIキャラは見ていてホント楽しかったです。

 

そして、それぞれ個性的ながらもAIキャラの前ではかすみがちだった人間キャラの中では、つつじがぶっちぎりで楽しいキャラでした(終盤で本当の自分に戻った神楽も楽しいキャラではありましたが、彼女はどっちかというと遠くで眺めているだけで絶対に近づきたくない感じのキャラだったかなぁ……)。彼女もネルヴァルたちと同じで、最初はただの敵キャラでしかなかったのですが、ベンケイと二人で行動するようになってからは、その独特の理論も含めてかなり良いキャラになっていたのではないかと。そんなつつじに翻弄されながらも何だかんだで良いコンビになっていたベンケイ含めて(思えば唯一ネルヴァルを言い負かした(?)つつじに、ベンケイごときが敵うはずがないですが)、この二人の組み合わせは好きでした。

最後に一人きりで放り出されてしまったナミがつつじに拾われたのは、そういう意味では一番良い人に拾われたのでは、という気も。自分の道は自分で切り開け、と言っていたように、つつじがナミに対してあれこれしてあげるというのはないと思いますが、そんなつつじのそばにいてその姿を見ているだけでも、ずっと誰かの存在に縋ってきたナミにとっては指針になるんじゃないかなー……と。

 

 ……というか、そうでもないと、ナミが可哀想過ぎることになりますし。結局のところ、秋葉にしてもナミにしても、獅子堂家に振り回されて摩耗させられたようにしか見えないところがありましたから。

 秋葉はイモちゃんがずっとそばにいたことと、いつきやほのかといった友達ができたこと、そして、「宇宙をかける少女」という期待される立場にいたことで、光ある場所に立つことになった感じですが、立場が違えば逆転していたのではと思えてしまうように、秋葉とナミは表裏一体だった気がします。

 物語の中で、二人はいろいろ間違えたりもしていたわけですが、そんな姿を見ていても彼女たちを非難する気になれないのは、共感できるとかそんなもの以前に、風音の存在があるからだよなぁ、と思ってしまいますし。獅子堂家のトップとして、(世界的には)最初から最後まで正しい存在として描かれてきたような印象があるのですが、秋葉とナミのそうした間違いは、全てこの人が起因に思えてしまうのですよね。だから正直、風音が正論を振りかざして二人を非難するようなことを言っても、あんたにだけは言われたくないって感じで秋葉やナミのほうに肩入れしてしまうというか……これが、この二人にそういう思いを抱いて欲しい、という制作陣の策略だったら見事に嵌っていたことになってしまいますが……。

 

 ストーリーのほうも、私は面白かったと思います。世間的には微妙なのかな?という気配を他の人の感想を見ていて感じたこともありましたが、少なくとも視聴を打ち切ろうと考えたことは、序盤の様子見期間を除けばなかったように思いますし。最終回がOPもEDもなしという仕様だったのを見て、やはり終盤は尺が足りなかったのかな……と最後のほうの怒涛の駆け足展開を思い返してしまったり、そういやハコちゃんってどうなったんだろう?などの投げっぱなしの伏線があったり、そうでなくても何か微妙に説明不足を感じてしまう部分があったりといったところもありますが(特にナミとか。ラスト2であの展開だったので、ナミ救済は特に期待していませんでしたが、本気で放り出して終わりましたからね)……まあ、そこそこ(納得できる感じで)ハッピーエンドで終わったかな、と。前述のとおり、放り出されて終わったナミも、つつじに拾われたことで何とかなるかなぁ、と思えましたし。

 

 キャラやストーリーとは別のところでは、レオパルド役の福山潤さんの演技にただただ感心しておりました。フォン博士役を兼任した時点でも驚きましたが、終盤ではプリンス・オブ・ダークネス役も兼任と、主要キャラを三人も兼任し、しかもちゃんと演じ分けている……レオパルドの人格はフォン博士のものを元にしているっぽいので(最終回のイモちゃんを「煮っころがし」呼ばわりのところにそれをひしひしと感じたり……というか、一応、彼についての説明があった辺りでそれについても明言されていましたかね? 既にうろ覚えなのですが……)、根っこの部分に同じものを感じても問題ないのはありそうですが、それでも似ているような似ていないような、あの微妙な三人を演じていたのは凄いと思いました。

 

 最後は多少強引に畳んだような気もしますが、半年間楽しめたと思います。

 

2009年6月終了アニメ感想「鋼殻のレギオス」4

鋼殻のレギオス第1巻 (通常版) [DVD] 鋼殻のレギオス第1巻 (通常版) [DVD]
橋本英樹 雨木シュウスケ 深遊

角川エンタテインメント 2009-03-27
売り上げランキング : 31059

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 レイフォンの物語としては、一つの区切りを迎えて綺麗に終わったのかな、といったところでしょうか。彼が物語当初から抱えていたものが昇華され、最後に巨大な敵を倒して都市を救う展開は、彼が大きく一歩前へ進めたことを示すものとしては分かりやすいものかと思いますし。それでいて、嫉妬したフェリに蹴られて終わる辺りは、成長してもそうした部分は変わっていないことを示すものであり、日常が戻ってきたことが伝わるシーンでもあったかなぁ、と(いろいろ見所はあったものの、このフェリを見て、やっぱりこの物語の最大の見所はフェリだったなぁ……と再確認した感じでしたが(笑)。原作既読者によれば時系列シャッフルもあったようで、そのせいかどこか微妙な部分もあって、彼女がいなかったらここまで見ていたか分からないですし)。そして、最終話でみんながそれぞれ見せたものから、レイフォン以外のキャラも、主に学生陣は、二十四話続いてきた物語のどこかでそれぞれ何かしら一山超えられたのかな、と。……まあ、つっこみどころも多かった気はしますが。

 

 ただ、そうした個人の物語の決着はついても、「鋼殻のレギオス」という物語自体はまだまだ大きく謎を残して終わった気がします。最終話以外は挿入されていた全編英語のシーン(結局最後まで説明されないのなら、ぶっちゃけあれはいらなかったと思うんですけどね……映像だけじゃ全然分からないし)、狼面衆にディクセリオといった正体がほとんど説明されないまま終わったキャラクター、裏で暗躍していた(?)サヤという少女の存在とその目的(レイフォンとリーリンに何かを選ばせたかった?)、レギオス以外の世界と、その世界から来たと思われる汚染獣。ディクの言葉によれば、最後にこれだけ派手にやっていたことすら、何かの序章でしかなかったようでしたので、やはり世界そのものの物語はまだまだこれからなのでしょうね。

レイフォンたちの物語は一応綺麗に終わったと思えただけに、平行して語られていたそれが中途半端に終わってしまったのは残念なところです。それがあるせいで、全体的にもどこか中途半端に終わってしまったような感覚がしてしまいますし。

 

面白かったところは面白かったけど、もやもやしたものも残ってしまったかなぁ……というのがアニメ版「鋼殻のレギオス」を最後まで見た正直な感想かもしれません。

 

2009年3月終了アニメ感想「スレイヤーズEVOLUTION−R」4

スレイヤーズEVOLUTION-R Vol.1 [DVD] スレイヤーズEVOLUTION-R Vol.1 [DVD]
リナ=インバース:林原めぐみ, アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン:鈴木真仁, ポコタ:小林由美子, ゼルガディス=グレイワーズ:緑川光, 渡部高志

キングレコード 2009-03-25
売り上げランキング : 1269
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 月曜日の放送は録画ミスしたため見るのがすっかり遅くなってしまいましたが、ようやく「EVOLUTION−R」の最終話を観ることができました。

 

 さて、「REVOLUTION」の頃は、久しぶりのスレイヤーズ!ということで、細かな突っ込み点などは割とスルーしていたのですが、さすがに分割二クール目ともなると、それだけでは誤魔化せなくなってきたものがちらほらと。特に感じたのが、アニメ版スレイヤーズではお馴染み(?)の、キーアイテム探し……の寄り道(空振り)エピソード。二クール一括でやっていたのなら多少の寄り道エピソードも有りだったかとは思うのですが、一クールずつに分けられた上でやられると、次第にうざくなってくるというか、分割二クール目がAT−Xのみの放送だったこともあって、だったら余計なエピソードを削って一クールでまとめてくれたほうが良かったんじゃ……と思ってしまうものがありました。今回は幸い視聴可能だったものの、観られない側だったら特にそう思ったと思いますし。又、そうした寄り道の分、本筋が進んだときのストーリーとのクオリティに差が感じられてしまったのも微妙だったところかも。

 

 

 「EVOLUTION−R」の物語を大きく分けると、ナーマ編、ズーマ編、レゾ編の三つに分かれると思うのですが、この三つでも落差があった気がします。

 

ナーマ編は、基本的にはナーマのキャラもあって面白かったのですが、上で「次第にうざくなってきた」と書いたように、ちょっと引っ張りすぎだったかと。もう少しコンパクトにまとめてくれたら、真の冥王の壷に辿り着くまでのエピソードとしては悪くなかったとは思うのですが。

 

ズーマ編は、個人的には三つの中では一番微妙でした。ズーマ編全体がストレスの掛かる展開だった上に、非常に後味の悪い終わり方をしたので。正直なところ、ズーマは再登場させるのではなく、ジョコンダ城できっぱり退場にしておいたほうが良かったのではないかと思ってしまったほどです。それに、妙に既視感のあるエピソードだと思っていたら、実は原作をベースにしたエピソードだったことを他の人の感想を見て気づいたので、終了後に久々に原作を引っ張り出してきて該当部分を読み返してみたのですが、以前「黒執事」の感想でも少し書いた、個人的にメディアミックスでやって欲しくない改変の一つである「人格改変」に該当しそうなことをやっていて(ラドックがズーマになった経緯が原作とは違っていたので微妙なラインではあるのですが)、余計に評価が下がることとなってしまいました。

 

最後のレゾ編は、さすがにトリを飾るエピソードだけあって、ラスト一話前までは一番面白かったかと。肝心の最終回は、面白いと思えた部分と首を傾げてしまった部分が等分にあって、評価がし辛いことになってしまいましたが。

面白かった部分としては、やはりvs魔王という最終決戦の派手な戦闘と、その途中に挿入歌として流れた「Give a reason」が素晴らしかったこと。特にこの挿入歌は「スレイヤーズ」の主題歌の中では一番好きな曲でもあるので、流れ始めたときにはかなり燃えました。又、戦闘時、ゼロスが魔王と敵対してリナたちに味方したのにはどうオチをつけるのか不安になりましたが、不完全な復活はガーヴの二の舞になるかもしれないから、という理由をちゃんと説明してくれたので、これは良かったですかね。

逆に、首を傾げた……というか、観ながら思い切り心の中で突っ込んでいたのが、レゾの目的が自身の中の魔王を滅ぼさせることだと明かしながら、何故か復興が始まったばかりのタフォーラシアを戦場にしたこと。何処か別の場所へ行くか、せめて住人を避難させてからにしろと思ってしまいました。あと、個人的に微妙に思ってしまったのが、魔王を倒す最後の一撃となったのが重破斬だったこと。いやまあ、仲間の想いを背負って最強(凶?)の呪文を最後に見事制御して魔王を倒す、という展開は、物語の集大成としてはある意味王道で悪くないのですが、これまでに描かれてきた重破斬という呪文を考えると、そしてこれまでにそうなることが納得できるだけの伏線も前振りも何もなかったことが、妙にあっさりと成功されてしまったな、という感じがしてしまって。……まあ、原作者が、リナが重破斬を制御できたifとしての物語を紡ぐならこうなるよー、みたい感じで説明するなら、そういうもんかな、と納得するところではありますが。でも、レゾとポコタの存在があったことを考えると、原作最終巻のような展開のほうがすっきりしていて良かったかなぁ、と。……この辺は好みの問題な気はしますけど。

 

 そんな感じで、良かったところも悪かったところもいろいろあったわけですが……全部ひっくるめて楽しめたのは間違いないかな、とは思います。思い返してみれば、旧シリーズだってそんな感じですし。それに、全部見てきたからこそ、最終話のアイキャッチは懐かしさもあって何だか嬉しかったですしね。

続・夏目友人帳 第13話(終)「人と妖」感想5

続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD] 続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD]
井上和彦, 神谷浩史, 大森貴弘

アニプレックス 2009-04-22
売り上げランキング : 57
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 とうとう「続」も最終回となりました。そんな最終回で気になっていたのは、どうやって「続」の物語を締めるのかということと同時に、前回でアニメオリジナル展開として登場した田沼の扱いだったわけですが、そこそこ良い感じになっていたかと思います。

前回の顔合わせは微妙なところで中断されてしまい、今回は語られないところで協力体制を取ったらしい田沼とタキについてはもっと違う形で見たかったのはありますが、タキ・名取さんと、妖怪の存在を知っている人間が絡んでくる物語なのに田沼だけフェードアウトなんてことにはならず、影ながら夏目のサポートに回ったのは、何となく田沼らしくて良いかな、と。以前も、笹田に追い回されている夏目をそっと助けたことがありましたし、カイを探す途中の夏目と出会うことで(そしてその際ニャンコ先生とちょっと話したことで)そのための布石もできたということで、オリジナル展開で絡むものとしてはこれくらいがちょうどいいのかな、とも。……基本的に夏目は大切な人を危険には巻き込まない方向で動くので、こういう積み重ねで田沼がそういうときに感じる自分の想いを夏目にぶつけるような展開がきたら、それはそれでまた一つ夏目の成長に繋がるのかなーという感じで面白そうですしね。

 

◇夏目とカイ

原作のほうがけっこう後味の悪い(あくまで和解あるいは問題の解決した他の話に比べて、ですが)終わり方をしていた印象があったので、アニメ二期の最後の話にこのエピソードがきたのは、上記のとおりどう締めるのかという点でも気になるところだったのですが、けっこう希望が持てる終わり方になっていました。

タキのクッキーの行方についてアニメと自分の記憶に食い違いがあったので、原作のほうをちょっと読み返してみたのですが、やっぱり様々な部分がそんな感じに変更されていました。そのタキのクッキーがちゃんとカイの手に渡っているのもそうですし、夏目とカイが最後に交わした言葉なんかも、原作以上に、裏切られた悲しみよりも、それでも捨てることのできない夏目に寄せた好意のほうが強いように感じましたし、カイが消えた後の夏目も、自分からタキにカイの居場所を見つけて会いに行こうと言った辺り、今回はすれ違ったまま終わってしまったカイとの関係の修復により積極的で、今度はちゃんと言葉を交わして仲直りできる二人の姿が見えるような感じで。

 

時期的には原作もアニメもこのエピソードが来た順番としては大差ないと思うので、こんなふうにほんの少しだけど、それでもたぶん大きな意味のある違うラストを迎えたのは、アニメの夏目のほうが少しだけ先を歩いているからなのかな、と思いました。全部を比べたわけじゃないですが、原作とアニメの台詞や個々の人物の行動を比較してみると、確かにその分岐を感じさせる変更がいくつかありましたので。そもそもカイと出会ったきっかけが友人だったり、井戸探しに実は田沼が協力してくれていたり、そして最後は完全にアニメオリジナルの、夏目がこの物語が始まって手に入れた大切なものたちと一緒のお花見だったりして、視覚的にもその辺りが感じられるようになっていると思いますし。

……もしも三期がやるとしたら、夏目とカイの仲直りエピソードは是非入れて欲しくなるところですが、その場合、原作でやってからになるのか、それとも先にアニメオリジナルエピソードとしてやってしまうことになるのか……。上記のとおり、少しだけラストが違っているので、どっちにしても面白そうな気はしますけど。

取り敢えず一つだけ確実に言えるのは、原作のエピソードが溜まったら是非第三期を!ということですけどね(笑)。

 

◇人と妖

これまでにも、夏目と妖怪、夏目と人間の関わりの中で、心を通わせることができる妖怪もいれば、同じものを見ていても違う価値観を持つ人間もいるというように、大切なのは人か妖かというカテゴリーではないことが描かれてきたわけですが、今回はカイを通してそれが更に強調されたような気がします。

 

同胞を解放するため、封印の井戸の場所を見つけるために人間に混じったカイは、そこで触れ合った人たちの中に居場所を見出して、そこにいたいと思うようになって。同級生と共にいたときも、夏目やタキといたときも、カイは決して脅威となるような妖怪ではなく、淋しがり屋で心優しい一人の男の子だった。だけど、自分を退治しようとしており、そして友人(夏目)を傷つけた名取さんや、助けたにも関わらず自分を襲おうとし、そして自分を庇った夏目を傷つけた妖怪には、強い力を持った妖怪として牙を剥いた。

単純化して見れば、要は善意や好意を向けられれば善意や好意を返し、悪意や敵意を向けられたら悪意や敵意を返した、ただそれだけなんですよね。そこには、相手が人間か妖怪かなんてことは関係ない。自分の正体を知ってなお好きだと言ってくれた夏目には、今はすれ違ったまま別れてしまったけれど、それでも最後まで悪意を向けることはなかった。タキの手作りクッキーを嬉しそうに食べていたのだって、人間に対する不信が胸の中にあっても、人間を一まとめにして全てを切り捨てることはしなかったということだと思われますし。

 

以前のように人の輪から弾き出されるばかりでなく、そこにもちゃんと居場所を見つけた夏目がどちらかを選ぶようなことをしなかったのは、結局はそういうことなんじゃないかな、という気がします。言葉を交わして、心を通わせて、大切に想えるようになったのなら。そこには、人か妖かなんて関係ない。大切なものは大切なのだと。藤原家に引き取られるまでは何も持っていなかった夏目だからこそ、両手いっぱいに大切だと想うものを抱えてもいいと思うし、もしも夏目が“妖怪が視える”という異能を持って生まれたことに意味があるのだとしたら、人と妖の区別なく手を繋ぐことができるからこそ、本来なら触れ合えない者たちを繋ぐ存在にもなれるってことかなー、なんてふと思ってみたりもしましたし。

 

 

 そんな感じで、「続」の物語も終了。まだまだ課題を残しつつも、少しずつ進んでいく夏目の物語も、ここでまた一つの区切り。一期に劣らぬ素晴らしいものを見せてくれたスタッフさんには感謝しつつ、再び会える日を楽しみにしたいところです。

2009年3月終了アニメ感想「みなみけ おかえり」4

みなみけ おかえり 〔初回限定版〕 みなみけ おかえり 〔初回限定版〕
佐藤利奈, 井上麻里奈, 茅原実里, 水樹奈々, 及川啓

キングレコード 2009-04-08
売り上げランキング : 112
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 「おかわり」の最大の失敗はもう一つの南さん家を封印したことだったのでは……と、彼らが出てくるたびに思ってしまった「おかえり」でした。考えてみれば、無印のときに自分が特に面白いと思った部分は保坂や南三兄弟絡みのネタだったわけで、そんな彼らの出番が少なかった「おかわり」の評価が無印や「おかえり」に比べて落ちるのは当たり前だったのかも。特に春香は、ナツキが絡んだときが一番面白い気がしますしね。夏奈や千秋は他のキャラとの絡みでも、二人だけでも面白いのですけど。

 

 三期目ということで、キャラの関係やら、この作品がどんな感じかも大よそ把握しての視聴になっているためか、これまでのアニメ化の中では一番面白かったと思います。前二期に比べて、爆笑していた回数も多かったですし。ツボに入った回は、本当に観ていて楽しかったですね。

 そんな感じで、三度目のアニメ化は満足のいくものだったかと。最終話がほぼ南三姉妹で回っていたのと、少ししんみりした話が混ざったことで、最後まで爆笑といかなかったのが少し残念ではありましたが、それでも一クールの間楽しませてもらいました。

続・夏目友人帳 第12話「廃屋の少年」感想4

続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD] 続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD]
井上和彦, 神谷浩史, 大森貴弘

アニプレックス 2009-04-22
売り上げランキング : 61
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 早いところでは既に最終回を迎えているでしょうが、こっちではまだギリギリ放送前ということで、第十二話の感想です。……といっても、タキに続いて前後編となっているので、十二話だけでは評価し辛い話なのですが。

 

 カイという少年との出会いにまつわるお話であるのは原作どおりなわけですが、「続」も終わりが近いこともあってか、けっこうオリジナル要素も入っているようで。友人二人に笹田、そして田沼までもが登場。もっとも、前三人はともかく、田沼が登場した意味は今のところ分からないのですが。名取さんも出てきてオールスター状態になっているので、彼一人だけ出てこないほうが不自然かもしれませんが(しかも妖怪の存在を知っている人間の出番が多い話ですし)、原作ではもう少し後に起こる田沼とタキの初顔合わせをあんな中途半端な形で終わらせてしまったのは何だか微妙な気持ちになってしまいます。しかも、タキの登場で田沼がハブられたっぽくなってしまっていましたし。次回で今回彼がこの件に少しだけ関わったことのフォローがあると良いのですけど……。

 

 相変わらずニャンコ先生を見るとまっしぐらなタキとか、小学生に悪口言われて地味に傷ついている夏目とか(ニャンコ先生始め、タキや田沼も笑いを堪えていたところを見ると、けっこう的を射ている悪口だったっぽい(笑))、笑いどころもあったわけですが、全体としてはカイとの交流描いた微笑ましいところと、誰かの命を狙っている妖怪絡みのシリアスなところで占められていた今回。妖怪が視えるらしいことと、妖怪に狙われているのではということから、カイを助けたいと関わり始めた夏目とタキ。夏目がそんなふうに思ったのには、いつものように困っている誰かを見ると放っておけない性分が発動したのもあるでしょうが、一人で強がっているカイがどこか昔の自分に重なるところがあったのもあるかと。そんなふうだからか、カイとは割とすぐに仲良くなっていった夏目たちなのですが……後半ではカイもまた妖怪が視えることがはっきりと示されて、夏目としてはますます肩入れしたくなるようなところで、現れた名取さんに告げられたのが、「カイは妖怪だ」という事実でした。

アニメを観ていてこのシーン、カイと出会った当初、うまく話せなくて「妖怪だったらもっと……」と考えていた夏目に対するカウンターのようにも見えてしまいました。これまで夏目は、問答無用で人を襲うなどの話の通じない妖怪は退治するなり何なりして終わったけど、逆に言葉の通じる相手なら、少なからず心を通わせてきた。自分の秘密を曝け出せる分、人間を相手にする以上に。そして、前回の呪術師の会合では、自分とは相容れない考え方を持つ人との出会いもあった。だからこそ、相手が妖怪だったらもっとうまく話せるのに、みたいな考えが過ぎったのでしょうが、そこに投げかけられたのが、その相手は本当に妖怪だ、ということ。しかもそれを知ったときには、人間同士として心を通わせ始めていて……。さあ、夏目はどうする――!?というところで今回は「次回へ続く」なのですが。

 

 しかしまあ、第十話から続く流れは、アニメで再構成されたものでありながらも非常に面白いです。十話で自分の居場所を見出して守りたいものを再確認して、十一話ではだからこそ何か自分にできることがあればと動き始めようとして、そうしたら、十二話で妖怪絡みで困っている少年と出会って助けたいと思ったら、その少年は実は妖怪で。くるくるとカードの裏表がひっくり返っていくように動いていく事態が示すのは、まさに名取さんが次回予告で夏目に問いかけていたことに繋がるようにも思えてしまうわけですが……。原作どおりでいくなら大よそ見当はついてしまいますが、それでもアニメスタッフがこのエピソードをどう締めるのか楽しみです。

 

◇次回「人と妖」

2009年3月終了アニメ感想Α屮泪螢⇒佑みてる 4thシーズン」5

マリア様がみてる 4thシーズン 第1巻 コレクターズエディション (初回限定生産) [DVD] マリア様がみてる 4thシーズン 第1巻 コレクターズエディション (初回限定生産) [DVD]
能登麻美子, 釘宮理恵, 池澤春菜, 清水香里, 加藤敏幸

ジェネオン エンタテインメント 2009-03-25
売り上げランキング : 297
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 紅薔薇姉妹……というか、祐巳と瞳子の物語に焦点を当てて描かれた4thシーズン。1クールという短い尺の中でまとめなければならないことを考えれば、思い切った構成ではあるものの成功だったと思います。

原作を読んでいるといろいろと省かれたところもあるのが分かるし(宝探しでの隠し場所を考える次期薔薇様三人の話と、松平の両親側の瞳子を引き取った理由については入れておいたほうが良かったような気がしますが)、二人の物語以外での補足部分は次回予告で該当キャラが喋るという手段で解決していたわけですが、祐巳と瞳子の物語としてアニメのみで判断するなら、十分良い出来だったと思います。その割を思い切り食っていた黄薔薇姉妹は可哀想なことになっていましたが……。逆に、少ない出番ながらもここぞというときの見せ場はきちんと確保されていた白薔薇姉妹は、スタッフに熱烈なファンがいるとしか思えないわけですが(笑)。

 

 作画レベルはかなり高く、ED曲は、映像は元より歌詞の本編とのシンクロ具合が凄まじく、本編も含めて上記のとおり、祐巳と瞳子の物語として見るなら素晴らしいものだったと思います。そして余談ですが、瞳子のCVが釘宮さんだったのは、実は十八番のツンデレキャラだったのか!?と今更ながら驚いてみたりもしたわけですが(笑)。

 ここまで映像化したからには、そのうち五期もやって原作全部映像化になるのかなー……と思いつつ、でもそれには四期で削った分の補完が必要になるよなー……とも思うわけですが、何にしても、4thシーズンの「マリア様がみてる」の物語、最後まで楽しんで観ることができました。

2009年3月終了アニメ感想ァ屮疋襯◆璽の塔−the Sword of URUK」4

ドルアーガの塔~the Sword of URUK~ 第1の宮(通常版) [DVD] ドルアーガの塔~the Sword of URUK~ 第1の宮(通常版) [DVD]
KENN, 折笠富美子, 櫻井孝宏, 堀江由衣, 千明孝一

エイベックス・マーケティング 2009-03-27
売り上げランキング : 13604

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 初心者パーティーから始まった「ドルアーガの塔」の物語も、「Aegis」のラストではパーティー戦ながらも邪神を倒すレベルにまで至り、「Sword」では高レベルスタートで、今度は主人公が一人で邪神クラスの敵を倒すまでになる。冒険物語としては、そうした部分だけを見ていても楽しいわけですが、ただの憧れから始まって、だから他の人のように明確な目的や理由を語ることはできなかったけど、芯にあった強さは変わらぬまま、だけど確実に成長したジルの物語として見ても面白かったと思います。

「Aegis」のラストがとんでもない終わり方をしたため、その後のキャラたちの行方から、離れ離れになっていた仲間の再結集、新たな仲間との関係の構築に、壊れた仲間との関係の修復と決着と、見所も沢山あって。幻の塔を登っていくところでは、階ごとのギミックも面白かったですし、次の階へ行くための扉を探すのなんかも、RPG的な面白さもあって楽しめました。

 

 ただ、ニーバの扱いに関しては、ちょっと不満が残ったかも? 彼のやろうとしたことも、彼が迎えた結末も。エピローグでは、サキュバスと何だかんだで幸せにやっているのか?とも取れそうな絵がありましたが、もしもニーバにも幸せな結末があったのだとしたら、個人的には生きてジルたちのいる世界で、が良かったかなぁ、と。できれば、ファティナたちとも仲直りして欲しかったな、と。個人的な願望というか好みではありますが、ちょっともやもやが残ったところでした。ジルとの決着も……ちょっと呆気なくて淋しさを感じてしまうものがあったような。

 でもまあ、その辺を除けば、上にも書いたとおり、概ね満足できたかな、と。楽しめた部分はホントに楽しめましたから。

2009年3月終了アニメ感想ぁ屬泙蠅◆Δ曚蠅辰」4

まりあ†ほりっく 第1巻 [DVD] まりあ†ほりっく 第1巻 [DVD]
真田アサミ, 小林ゆう, 井上麻里奈, 新房昭之

メディアファクトリー 2009-03-25
売り上げランキング : 141
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 序盤は、視聴を打ち切らない程度には面白い……といった感じだったのですが、後半になってどんどん面白くなってきました。基本的には大きなストーリー進行などはなく、毎回定番ギャグの繰り返し(可奈子の妄想&鼻血とか、鞠也&茉莉花の可奈子いじりとか)なので、面白さが加速していったのは、この作品の面白さを最大限に引き出す演出をスタッフ陣が見つけ出した、ということなのかなーとか思うわけですが(「絶望先生」などのシャフト(というか新房監督?)が手掛けた作品のパロも含めて)、何にしても楽しんで観ていました。

 

特にラスト二回は、鼎神父の登場によって、声に出して笑いながら観ていたほどでしたし(←一人で観ていたからできたことですが)。彼自身のキャラが面白かったのもありますが(+CVが杉田さんも大きかったかも(笑))、それまでは鞠也たちにいじめられながらも、見た目は美少女のためか、可奈子がどんどん耐性を付けていくというか、何だかんだで踏まれても起き上がってくるような印象があったのですが、鼎神父は見た目も中味も完全に男の人ということで、完全に可奈子が押される形になっていたのが面白かったのかも。そう感じたのは、それまでに散々妄想と鼻血を垂れ流している可奈子を見ていたからこそ、とも思いますが。

 

ラストは可奈子のロザリオに何かありそうなところで締めという、他のアニメだったら「何だそれは!?」と思ってしまいそうなところですが、これまで何か次週への引きがあっても冒頭でゴッドが解決して終わりなんて展開があったり、重大そうに見せかけて何でもなかったりなどがあった番組なので、ラストにこんなことやられてもそれほど気にはならないので何か許せてしまうところが(笑)。むしろ、この番組らしいなぁとか思ってしまうかも。

とにかくそんな感じで、楽しませてもらいました。

続・夏目友人帳 第11話「呪術師の会」感想5

続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD] 続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD]
井上和彦, 神谷浩史, 大森貴弘

アニプレックス 2009-04-22
売り上げランキング : 118
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 週遅れになる前に……と思っていたのですが、結局観る暇がないまま次の放送日が来てしまいました。そんなわけで、一週間遅れになってしまいましたが、「続・夏目友人帳」第十一話の感想です。

 

◇呪術師の会

前回の話を受けて、夏目が何か自分にもできることを……と思うようになったのは良い傾向なのでしょうが、そこでいきなり足を突っ込むには明らかに危険な場所としか思えない呪術師の会合。そんな場所に、どうして名取さんは夏目を誘ったのだろう……?というのが、今回見ていて一番気になったところでした。

 

彼の的場一門に対する見解を見ても、夏目にとって良い場所だと考えたとはちょっと思えなくて。強い力を持った夏目を呪術師側に引き入れたい、という思惑を疑えなくもないですが、これまでにあった二人のエピソードを思い返すと、全くその気持ちがないとは言いませんが、少なくとも完全にそっち側の思考に染めてしまおうということは思わないと思いますし。妖怪が視えるという人は他にもいるのだ、という世界を夏目に見せるため……というのが一番しっくりきそうですが、視聴者としてはリスクが大きいような気がして仕方がなかったわけで。

……そうして考えながら見ていて思ったのは、まさに“それ”だったのかもしれない、ということでした。“リスクが大きいと感じてしまった”のは何故なのか……それは、夏目があんまりにも無防備に見えるから。名取さんも同じで、だから敢えて今回のような行動に出たのかもしれない、と。夏目の力の大きさ、不用意に妖怪に関わる危なっかしさ、同じように妖怪が視えるというだけで心を許しかねない無防備さ。そんな不安定さを持っているのに、気持ちだけが先走り始めた夏目を見て――そうした、今の夏目のままではいつか痛い目を見てもおかしくないところを、夏目本人に自覚させるために、敢えて汚い世界(夏目が考えていたように同じ世界を見られるから同じ考え方をするとは限らない、むしろ相反するものも含めていろいろな思惑やらが飛び交っている的な意味で)を見せたのかな、と。……同時に、今の夏目や先生の力だけでは対処できない妖怪と関わってしまったときのための対処法を万が一のときのために教えておきたい、というのもあったのかもですが。

 

◇自覚

正直なところ、こうして改めてアニメで見るまで、このエピソードがこんなにステップアップの要素を持っていたとは気づいていませんでした(汗)。的場一門は今のところ唯一悪役っぽいというか、夏目のカウンター的存在としてある気がするので、夏目と触れ合ったことで少し夏目側の考え方にも理解を示す名取さんと違い、完全に相容れない存在を登場させるものというか、そんな的場一門を代表例として、相互不理解は人間同士でも、妖怪が視えるという異質な特質を持つ者同士でも起こりうる、つまりはこれまでにも出てきた、分かり合うことに人間や妖怪といったカテゴリー分けは意味がないというエピソードの一つかと思っていたので。無論、そのことも夏目の世界を広げるという意味では十分意味のあることなのですが、それ以上に、夏目の無自覚な部分に目を向けさせるためのものだったんだな、と。

 

◇次回「廃屋の少年」

 実は十一話を観る前に次の話が何かを知ってしまったので、そのときは正直戸惑いました。「え、ここでやるの?」と。原作での次回の話、一応単発エピソードとしては(襲ってくる妖怪絡みの件では)解決しているものの、一番根本的な課題に関しては未解決のまま持ち越されているエピソードで、未だその解決編が描かれていないものなので。だから、今アニメ化したところで消化不良で終わってしまうとしか思えないこのエピソードは、「続」での映像化はないと思っていました。

……が、十一話とそのラストを観た後だと、具体的には夏目が名取さん以外の呪術師という存在に触れたことで少し認識の変わった直後にこれを組み込んできたことで、俄然興味が出てきました。アニメスタッフが、このエピソードをどう料理するのか。原作では話数の離れている話なこともあって、二つの話を繋げて考えることはなかったのですが、こうして並べて見ると、意外とこの順番でもしっくりくりエピソードかも、と思いましたし。

予想としては、アニメオリジナルでここで全て解決させるのではなく、要所にオリジナル要素も混ぜつつ、三期への課題に持ち越すのかなぁ、といったところですが(「夏目」の物語自体、少しずつ成長してはいるものの、長期的な課題は残っている状態で一期から二期に続いているわけですし)。どっちにしても、そろそろ終わる「続」の物語の終盤を飾るエピソードとして、どんなふうになるのか楽しみです。

続・夏目友人帳 第10話「仮家」感想5

続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD] 続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD]
井上和彦, 神谷浩史, 大森貴弘

アニプレックス 2009-04-22
売り上げランキング : 102
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 先週に引き続き、アナログで視聴しています(泣)。前回の記事を書いた翌日に電気屋さんが来てくれたものの、何故かそのときに限ってテレビ愛知がばっちり受信されていたという……。その後はまた受信状態が悪くなったり全く受信できなくなったりで……ホントに何でよりによってそのときだけ!?ってな感じですよ。相変わらずアナログだとテレビ愛知の録画状態悪いですし……(生視聴ならそれほどでもないのに)。

 

 この番組のアイキャッチはいつも楽しみにしているところですが、今回のは見た瞬間吹きました(笑)。いや、ニャンコ先生の顔がいきなり斑になるのは、よく考えたら怖いのかもしれませんが(クリオネの食事シーンみたいなものですし)、でも見たその瞬間に出てきたのは何故か笑いだったという。……ニャンコ先生だからかな?(笑)

 

◇レイコと夏目

これまでにも、容姿や境遇、妖力(?)の強さなど、夏目とレイコさんが似ていることはいろいろ挙げられてきましたが、今回のエピソードを見て思うのは、その本質もまた似ていたのかなぁ、ということ。性格的には、これまでのエピソードから、レイコさんのほうが攻撃的だったりずぼらだったりといった面が見えていましたが、自分を受け入れてくれた人には優しさを返したいと思ったり、でもそれ故に妖怪関連のことを知られるのを恐れたりといったところは、そっくりだったのかな、と。

滋さんの幼少時代の藤原家をレイコさんが救ったことは、レイコさんの強いところやずぼらなところしか知らない人から見れば、ただの気紛れかもしれない。でも、レイコさんの境遇や滋さんとの交流のことも知っていると、自分のことを風評で判断して疎むのではなく、その奇行を知っても話しかけてきてくれたことが凄く嬉しかったんだろうなぁ、とか、だからこそそんな滋さんが困っているのを助けたかったんだろうなぁ、とか、訪れた藤原家の温かさを見て、自分が持っていないものだからこそ守りたかったのかなぁ、とか、そんな部分も見えてくるわけで。夏目が今回、失敗すれば自分の死に繋がるかもしれないことを知りながらも、強い意志でカリメを追い払うことを選んだのは、やっぱり藤原夫妻の優しさに触れていたからで。そして、事を終えた後、レイコさんが滋さんとの交流を避けるようになってしまったのは、妖怪絡みのことで嘘をつくことの悲しさを夏目同様知っていたからで。

 

二人の結末が少し違っていたのは、レイコさんは近所のお姉さんだったから逃げることが可能だったけど、夏目はそこに住む者だからやり逃げはできなかった、ってのがあると思うけど、それ以上に、レイコさんが残した優しさが、ちゃんと滋さんに伝わっていたからかなぁ、とも思います。もともと滋さん、変な噂のあるレイコさんにも物怖じせずに近づいていくような子供で、今の彼を見る限り、そういうところを失わないまま大人になった人のように見えますし。夏目が珍しくレイコさんの話を聞いてきたこともあって、今回夏目のしたことが、レイコさんと同じものだってちゃんと察していたんじゃないかな、と。……まあ、それ以前の問題として、滋さんがかつてのレイコさんを優しい人と見抜いていたように、夏目のそうした部分もちゃんと見抜いていて(自分たちに遠慮していることも含めて)、その上でちゃんと家族になりたいと思っているのが前提としてあるような気もしますが。……ひょっとしたらそこには、結局疎遠になって終わってしまったレイコさんとの関係のようにはしたくない、という思いもあるのかもしれませんが……。

 

◇これから

 相変わらずニャンコ先生と二人きりで事の解決に当たろうとする夏目は、見る人によっては凄くもどかしいのかなぁ……とも思います。一人で気負って、自分がやらなければ、守らなければという彼の姿勢は、見ようによってはちっとも成長していないようにも見えますから(そう思えるようになっただけでも成長ではあるのですが)。

でもたぶん、こういうことの繰り返しは必要なんだろうな、と私は思います。今回滋さんとの最後のやりとりを見て、ますますそう思いました。人ってそう簡単に、一足飛びには成長できないと思うわけで。夏目に比べれば普通の悩みを抱えているだろう私たちだって、分からない人には分かってもらえないのだから、より特殊な事情を抱える夏目にとっては、普通の人なら三段くらいでてっぺんに辿り着く階段も、十段くらい必要なのかもしれなくて。あるいは、その段差がとんでもなくあって、上から少し手を貸してもらわなければ上れないのかもしれなくて。もしくは、そっちに進めばいいことは分かっていても、夏目にはその道が見えなくて、明かりを持って照らしてくれる人がいて初めて一歩を踏み出せるのかもしれない。今回の滋さんとのエピソードは、これまで様々な妖怪、田沼やタキの妖怪の視える友人、名取さんという祓い人と出会うことによって照らし出された道の、その先を照らすもので、照らしてくれたからこそ、夏目はようやくそちらへ進む一歩を手に入れられたんじゃないかな、と思います。

 

……とまあ、長々と書いてみたものの、夏目はどうすれば藤原夫妻に自分が貰って嬉しかったものを返せるだろう、と難しく考えていますが……視聴者の目から見ると、もっと単純で、彼が本当の意味で彼らの子供になることなんじゃないかな、なんて思うわけですが。藤原夫妻はきっと、恩返しなんて望んでなくて、夏目と家族として当たり前のように過ごせる時間があれば、それで十分幸せに見えますから。

……とはいえ、それが口で言うほど簡単にできるなら、とっくにそう収まっている話なのですけどね。やはりネックになるのは、妖怪か……。夏目が遠慮をなくして家族になるには、夏目の性格を考えると、どうしてもそこを解消しないと無理そうですし。これまでの藤原夫妻を見る限りだと、きちんと話せば理解してくれそうではあるけど、事が事だけにやっぱりそこを思い切るのは容易ではないですからね……。

 

◇次回「呪術師の会」

 「続」も終わりに近づいたところでこの話が来るのは、三期へ向けての布石なのかなぁ……なんて思っていたのですが(うろ覚えだけど、原作だともっと前の巻の話だったかと。いやまあ、今回の話もどの巻に収録されていたのかはよく覚えていないのですけど。ただ、次回の話がタキや人魚のエピソードより前だったのは確かだと思うのですが)、今回の話を見た後だと、この流れで繋がるのもそう不自然ではないのかなぁ、と思いました。妖怪の記憶で見たレイコが使った術でその妖怪を追い払った夏目としては、また今回のようなことになったときのためにも、そっち方面に興味を持ってもおかしくないですし。……ただ、だとすると、今回の本編中に、何でレイコさんはこういうことを知ってたんだ、って辺りに言及しておいたほうが良かった気はしますが。

 それはさておき。「続」に入ってからは二回目の名取さん登場。しかも呪術師関連。……原作を知っている身としては、あの人たちが出てくるだろうことを思えば、いつもとは違った空気のエピソードになるだろうことが予想されるわけですが……その中で見られる、夏目と名取さんの関係に注目したいところ、ですかね。

続・夏目友人帳 第9話「桜並木の彼」感想5

続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD] 続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD]
井上和彦, 神谷浩史, 大森貴弘

アニプレックス 2009-04-22
売り上げランキング : 87
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 数日前から何故か我が家のテレビではテレビ愛知(デジタル)がうまく受信できなくなりまして(数分間ならちゃんと映ることがあっても、すぐに横線が入ったり、真っ黒画面になったり……)、今回は泣く泣くアナログで視聴です。すっかりデジタルの綺麗な画像に見慣れてしまっているので、余計に粗い画面が気になる……(汗)。というか、録画だからか、一縷の望みをかけてW録機能でデジタル・アナログの両方で録画したからか、三重テレビ(アナログのみ)よりもひどい気が……。

 そして、こうして久々にアナログで見て再確認となってしまったのが、「夏目」のアニメの素晴らしさは、物語自体の良さもあるけど、画面から伝わってくる綺麗な世界があってこそ初めて完成するかもしれない、ということだったり。時に画像の粗さが頭の片隅に追いやられるくらい引き込まれている瞬間もあるけど、それでもどこか画竜点睛を欠いているような気がしてしまいました。

 

◇桜の季節

まだ九話と話数を残しているのですが、見ていて何だかこれまでの集大成のような話だなぁ、と思ってしまいました。

巳弥と八坂様の関係というのは、ニャンコ先生とレイコさん(前回の人と妖怪の生きる時間の違う者同士であり、逝ってしまった者と取り残された者同士)でもあるし、夏目と(今回の話でいえば)塔子さん(普通の人間と異質な存在)でもあるわけで。今回の作中では、夏目と巳弥が似ていると夏目自身が言っていましたが、もしも今ニャンコ先生が夏目と一緒にいるのが、かつてレイコさんにできなかったことのやり直しでもあるとしたら、八坂様の遺志を継ぐように絵と共に旅をしていた巳弥とニャンコ先生のほうがむしろ似ているんじゃないか、とか思ってしまうところですが。ニャンコ先生と夏目の出会いを思い返せば、互いに好意を持っていた相手の死を看取ってはいない(そうと知らない間に逝ってしまっていた)という点も共通していますし。

 

とはいえ、自身の正体(秘密)の秘匿という点では、やはり夏目と巳弥も似た者同士で。相手が好きで、嫌われたくないからこそ言えない。巳弥は言えないまま会えなくなってしまったし、夏目も今回塔子さんに一人で喋っている瞬間を見られたけれど誤魔化して終わったしまった。絵が元に戻ったことで、その日以来姿を消した巳弥は、ひょっとしたら八坂様と再会できて、そうした秘匿も打ち明けて共に旅をしているのかもしれない、なんて思いを馳せることはできますが、夏目にとってはまだまだ長期的な課題だなぁ、といったところ。もっとも、事が事だけに、端から長期戦覚悟の課題である気はしますが。

 

ただ、今回巳弥と八坂様の関係を第三者として見せられたことで思うのは、ひょっとしたら八坂様は気づいていたんじゃないかなぁ、ということなのですが。満開の桜の中で、ただ腕だけを見せて話しかけてくる相手、というのは、いくら何でもおかしいことには気づくのではと思うので。そうなると、八坂様は巳弥が普通の人間ではないことに気づきつつも、それでも彼女と言葉を交わす時間が、共に過ごす時間のほうが尊いから、彼女から言わない限りは自分も何も言わないでいることにしたんじゃないかなぁ、と。そして、もしも巳弥が思い切って打ち明けたなら、笑って受け入れてくれたんじゃないかな、と。そしてそれは、夏目の奇行を見ながらも執拗に追及しなかった塔子さんもひょっとしたら同じなのではないかと。視聴者から見れば、夏目のこれまでの行動って、いつバレていてもおかしくないような気がしますし、それに考えてみれば、これまで親戚中を盥回しにされてきた夏目の問題行動を塔子さんが全く知らないというのもおかしいわけで。妖怪が視える、ということまでは分からなくても、夏目が自分たちとは違う何かを見ていることくらいは感づいていて、でも塔子さんは敢えてそれを問い質すのではなく、夏目から話してくれるのを待っているのかもしれないし、そんなの抜きで夏目と過ごせる時間を尊いと思っているのかもしれない、と思いました。

 

◇次回「仮家」

 個人的には、タキのエピソードの次に楽しみにしていた話です。特に、「続」に入ってからの話で、成長した夏目の行き着く先には藤原夫妻などの妖怪の視えない人への秘匿の打ち明けがありそうなのが感じられたときがあったので、余計に楽しみになりました。それに、今回の話を見ていて、塔子さんは夏目の秘密に気づいているのでは、ということを思ったので、その旦那さんである滋さんのエピソードというのは更に楽しみです。

 あとは、来週までにテレビ愛知(デジタル)が無事受信できるようになっていることを祈るばかりです。電気屋さん、いつ来てくれますかねぇ……。

続・夏目友人帳 第8話「不死の想い」感想5

続 夏目友人帳 音楽集 いとうるわしきもの 続 夏目友人帳 音楽集 いとうるわしきもの
TVサントラ

Aniplex Inc.(SME)(M) 2009-03-18
売り上げランキング : 255
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 前半は夏目が友人二人と過ごす何気ない(でも夏目にとっては初めて?の)時間を楽しみ、後半はこれまでとはまた違った形の人と妖怪の関係を興味深く見守る……そんな第八話でした。

 

◇今週のニャンコ先生

先週はまるでボールのような扱いを受けていた一面があった(笑)先生ですが、今回の先生もびょんびょん弾んで何だか鞠みたいなところもあり、相変わらずその動きだけでも見ていて和んでしまいます。他にも、目を細めて丸まっている姿やら、鞄に入って顔だけ出している姿など、静かにしているときでもほわ〜となってしまうものが(笑)。相変わらずのタヌキ呼ばわりや、先週までのアイキャッチでのダイエットはどうしたと言わんばかりに、食べ物に釣られて即座に夏目のお節介に付き合うことを決める先生などのギャグ分もばっちりですし、後半の夏目のピンチには颯爽と斑の姿で助けに入るなど決めるところは決めて、……こうやって書き並べてみると、今週の話ってニャンコ先生の魅力が至るところに散りばめられていたのかと改めて思ってしまうところです。まあ、今週に限った話ではないですけどね(笑)。

 

◇人と妖

 夏目とニャンコ先生を始めとして、これまでにも人と妖怪を巡る話はいろいろ出てきましたが、今回の笹舟と千津さんのような関係は、実は初めてでしょうか? 一期の露神様のような人に信仰されて人を慈しんでいたような妖怪もいれば、一期の燕や二期一話の黒ニャンコ先生のように人に助けられて人を好きになった妖怪もいるし、蛍のように妖怪が視えた人と想い合っていたような妖怪もいて。逆に、前回までの額傷の妖怪や翠のように、人に傷つけられたことで憎しみに染まってしまった妖怪もいる。

今回登場の笹舟は、この二種類の妖怪の両方の要素を少しずつ併せ持つ妖怪だったのかもしれません。幼い頃の千津さんと仲良くなったことで好意を抱き、友達になりたいと思った。でも、その千津さんからこれまで自分を傷つけてきた人たちと同じことを言われて失望した。だけど、その後にレイコさんと勝負したり、今回は夏目に関わったりと(友人帳を寄越せと言うものの、それで他の妖怪を支配したいとかそういうふうには見えない)、失望が憎しみに転じたようには見えなかった笹舟。失望から千津さんに意地悪したものの、それを笑顔で素直に受け取られたことで、むしろ自分自身に失望したという彼女。憎しみに変わることがなかったのは、千津さんには他意も悪意もあったわけではなく、だからこそ自分の願いが笹舟を傷つけたとも知らずにお礼を言ったことで、逆に少しの悪意をぶつけた笹舟がそんな自分に自己嫌悪を抱いたのかな、とか思うわけですが……。

真実が明らかになってしまえば、ほんの些細なすれ違いだった、とも言えそうな笹舟と千津さんの関係。そういうところを見ると、人同士でも人と妖怪でも変わらないなぁと思ってしまうところはではありますが、今回出てきた「不老不死」の話を考えると、それでも人と妖怪の間には越えられないものも確かにあるのかなぁ、なんてことも思ってみたり。限りのある人に出来ることでは決して届かないものとして。でも、だからこそ、夏目の最後の独白に繋がるのかなぁ、とも。

 

◇次回「桜並木の彼」

続・夏目友人帳 第7話「呼んではならぬ」感想5

夏目友人帳 5 (5) (花とゆめCOMICS) 夏目友人帳 5 (5) (花とゆめCOMICS)
緑川 ゆき

白泉社 2008-03-05
売り上げランキング :
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 前後編の後編となる第七話。前回ラストで夏目が危険な妖怪に攫われたり、その妖怪との直接対決ではタキが今にも殺されそうになったりと、やはり内容は今までで一番くらいに危険度が高くシリアスなはずなのに、今回も何故か半分くらいは笑いながら見ておりました(笑)。……とはいえ、そんな危険度の高い妖怪絡みの話だからこそ、ただ怯えて終わるのではなく、笑い合える時間があるというのは大事なことなのかなぁ、なんてことも思ってみたり。夏目にとっても、タキにとっても、今まで独りで耐えてきたことだからこそ、共有して、そこに楽しい時間が加わるというのは、きっと二人にとってかけがえのないものなんじゃないかな、と。

 

◇妖怪探索行

冒頭から夏目が攫われて行方不明ということで、無事に見つかった途端、説教モードに入ったニャンコ先生が……何というか、つっこみどころが満載でした(笑)。夏目に対して迂闊だの隙だらけだの言っていましたが、「いやいや、先生も人のこと言えないよ!?」と(笑)。視聴者からすれば、今回のことは先生にも十分責任のあることにしか見えないわけですからね。そもそも、先生が池にはまっていなければ、例の妖怪が現れたところで対処できたかもしれないわけで。……でもまあここは、先生最大の照れ隠しと思っておくところですかね(笑)。無事だったからこそ、あれだけぽんぽんと言えるわけですから。夏目を探しているときの先生が必死だったからこそ、ああやって言い合えるのが嬉しくて仕方ないんだろうなぁ、なんて。

 

 先生を抱きしめたい衝動を必死に堪えるタキと、そんなタキの視線を眼付けと勘違いして睨み返す先生の図は、互いの思いのすれ違いが視聴者には語られていることもあって、見ていて非常に楽しいシーンでした。そしてそんな二人を見て、的確に仲良くなったと見抜いている夏目がまた良い感じで(笑)。

この物語は基本的に夏目と妖怪の組み合わせなので、夏目以外の人間と先生(妖怪)が同じ土俵で向き合っているという(そしてそれを夏目が眺めているという)図は、珍しくもあり、嬉しくもあり。夏目以外にも、先生のような(害のない)妖怪となら普通に接することができる人間キャラというのも良いですし(名取さんたちのような憎む側の人間がいるから余計に)、妖怪世界のことを共有している相手だからか、夏目が割と素で接しているというのも良いですしね。……まあ、今回夏目がタキ相手にいろいろぶっちゃけているのは、夏目が巻き込まれた側であり、同じ危険を共有しているから、というのも大きいのでしょうが。でも、普段は他人を巻き込むことを恐れている夏目だからこそ、意図せず巻き込んでしまったときの悔恨も理解できて、夏目を危険に晒したことで、一度は歩み寄ったものの再び遠ざかろうとするタキを引っ張り戻すところは今回のMVPと言っても良いところだったかと(※夏目を見た途端、目深に被り直したタキの帽子のつばを持ち上げるところの話です)。あとは、それが逆の立場になっても同じなんだよ、ということを夏目が気づくことができれば、というところなのですが。

 

◇友人帳

 純粋に人間に悪意を持っている、という話し合いの不可能な相手であり、その持つ力も強大と、かなり厄介だった額傷の妖怪。その妖怪と関わる物語の中、攫われたときに目を舐められたことで一時的に夏目が妖怪を視る力を失うという、作中人物にとっては一大事でも、視聴者的には大変おいしい(笑)イベントが発生しました。

 第一期八話の蛍の妖怪の話の感想でちらりと書いた、「妖怪が見えなくなる」こと関連で脳裏に浮かんでいたのがまさに今回の話だったりするわけですが、あのときは他の人に起きていたことを、今回は一時的とはいえ夏目が体験することに。タキという夏目の新たな友人(理解者)ができるという点で、このエピソードはちょっと特別かなぁと思ったりもするのですが、それ以上に、この夏目が妖怪の見えない世界を一時的に体験するというのもけっこう重要なことじゃないかなぁと思うわけで。ニャンコ先生と出会い、友人帳を介して様々な妖怪と触れ合うことで、夏目の中でかつては疎ましい存在だった妖怪に対する認識が少しずつ変化してきていることは、今まで描かれた話で分かるわけですが、それをよりはっきりと夏目が認識するきっかけとなったのがこのときかな、と。

人は、当たり前に持っているときは、その価値にはどうしても気づかない(分からない)ことが多くて。だからこそ夏目は、藤原夫妻を始めとする、ようやく得ることができた大切な人たちの存在がどれだけありがたいものなのか分かる。でも、逆に妖怪というのは夏目が当たり前に持っていたもの。しかも、それがあるせいで人間社会からは弾き出されて生きてきたわけだから、どうしても根本的なところでは負の感情が抜け切らないのではと思う。だけど、今回一時的とはいえ、妖怪のいない(見えない)世界というものを体験した。当たり前にあったはずのものが無い日々を。それが、ラストの夏目の独白に繋がるのかな、と思います。妖怪が見えるせいで人間の輪からは弾き出されてしまうという点では、やはりその存在は“雑音”で。だけど、これまで触れてきた妖怪の中にはいろんな奴がいて、それがきっかけで知り合えた友人たちもいる。触れ合うことのできた“声”はもう雑音なんかではなく、他の人には聞こえないものが聞こえる自分だからこそ得られた大切なもの。自分に視えるもう一つの世界が自分にとってはどんな存在なのか、一度それを見失ったことで、夏目は再認識できたのかな、と。

 

 再認識といえば、友人帳のことも今回はそれに当てはまるかな、と思います。ニャンコ先生が平然と話すものだから(笑)、タキにもばっちり聞こえてしまっていたわけですが、そのタキが言った「宝物」という言葉は、夏目が言った、「祖母の思い出を初めて良く言ってくれた」こと以上のものがあるかな、と。友人帳の存在は、肉親の縁が薄い夏目にとっては、唯一の肉親との繋がりという意味で「宝物」だったと思うのですが、今の夏目にとってはそれだけじゃないものになっているように思います。この物語のタイトルが「夏目友人帳」であるように、友人帳が全ての始まりなわけで、友人帳があったからこそ、夏目は沢山の妖怪や人と関わり、大切な人たちができた。又、友人帳を介して出会った妖怪たちは、自分と同じ境遇だった祖母の姿を知る手掛かりでもある。夏目にとっては、これまで以上にその存在はまさに「宝物」になっているんじゃないかな、と。……もっとも、夏目がそこまで考えているかは分かりませんが。

 

 事件が解決し、夏目に助けてもらったお礼を言い、今度は自分が助けると言ったタキですが、こうして友人として話していることこそが、夏目にとっては何よりの恩返しのような気がします。物語が始まったときに比べれば夏目の周りには人が増えたけど、それでも妖怪の世界のことも共有できる友人はまだまだ少ないですからね。事が事だけになかなか見えない人には話せないことですし、素の自分を出せる相手というのは大事かと。

 でも、そんなタキとの会話の後に、今回知り合った妖怪のちょびひげが出てきてニャンコ先生とケンカしたり、友人二人と笹田が登校途中で合流したりといったところは、上で書いた、友人帳から始まった物語の中で夏目が得たものを視覚的に見せてもらった気がして、良い演出だったなぁと思います。まさにそんな感じで夏目の周りに人が増えていくED映像は、今回は今まで以上にぴったりだったかなぁ、とも。

 

◇次回「不死の想い」

続・夏目友人帳 第6話「少女の陣」感想5

続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD] 続・夏目友人帳 1 【完全生産限定版】 [DVD]
井上和彦, 神谷浩史, 大森貴弘

アニプレックス 2009-04-22
売り上げランキング : 56
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 アニメ版「夏目」では初の前後編の前編である第六話。久々に命に関わる危険な妖怪絡みの話であり、ラストでは夏目がその妖怪に攫われて終了と、内容はシリアスなはずなのに、何故か笑いとときめきに満ちた回でした(笑)。危惧していた、期待し過ぎて肩透かしを食らうのでは……なんてのは全くの杞憂に終わりましたし、存分に楽しむことができました。

 

◇今週のニャンコ先生+……

雀を繋いだ紐を咥えて登場した姿からしてにやにやしてしまった先生ですが、その後のあと二匹捕まえて空中散歩だ〜の台詞には、その発想の珍妙さもあって声を上げて笑いながら見ておりました。何かもうホント、アニメの先生は動きと井上さんの声が付いたことで、その可愛さが鰻上りになっている気がします。今回は、そんな先生に「まずはダイエットが先だろ……」と視聴者も同じつっこみを入れそうなことを夏目が言ってくれたと思ったら、アイキャッチで腹筋やってる先生が出てきたり、「短い足ではしゃぐと落ちるぞ」と言われれば直後に池に落ちてみたりと、最初のも含めて笑いを伴った可愛さがあって、その丸い体が弾んでいる姿を見ているだけとはまた違った可愛さがあって非常に楽しかったです。やっぱりアニメで動いている先生は最高だと、もう何度目か分からない再認識の瞬間です(笑)。更には、「続」に入ってからも散々「ブタ猫」だの何だの言われ続けていたのがまるで今回のための仕込みであったかのように、タキに可愛いと言われてもの凄く嬉しそうな先生が何だかツボでした(笑)。後ろ姿だったけど、ホントに嬉しそうに見えましたよ。猫じゃなくて犬だったら絶対しっぽを高速回転しそうな勢いで振っていただろうというくらいに。

 

ニャンコ先生の姿に悶絶しているのはいつものことですが、今回は先生以外のキャラもその可愛さにときめいてしまいました。

 

鏡に映った自分に見えた文字を確かめようとしたら、塔子さんに自分を見つめていたと勘違いされて赤くなる夏目には、塔子さんグッジョブ!ってな感じでしたし(笑)、その塔子さんも、その勘違いした場面も、夕食で嬉しそうに夏目にその日あった出来事を話しているところも、年長者でありながら他のキャラにちっとも負けていない可愛さで。どこかでこのアニメで一番可愛いのは塔子さんなんじゃないかなんて意見も見かけたことがありましたが、その意見もよく分かるところです。

今回初登場のタキも、ニャンコ先生を全力で抱きしめた辺りから、彼女の表情が生き生きし始めたこともあって、ついでにその声の可愛さもあって(相変わらず、CVにも隙のないアニメです(笑))、原作に負けない魅力的なキャラに見えました。私が原作を集めるきっかけになったのが、まさにこのエピソードであり、そこで登場したタキという少女の存在なので(個人的に緑川先生の描くこういうタイプの女の子が好きなのと、原作では笹田が退場してしまっていてタキが唯一の人間の女の子キャラなこともあって、かなり自分の中でヒットしたのですよね)、余計にそんなふうに思えてしまうのかもしれませんが。……いや、アニメの場合、これまでの田沼や名取さんとのエピソードで、夏目が妖怪サイドに足を突っ込んだ人間キャラと絡むときが一番面白いような気がしてきているので、その分もあるかもしれません。

 

ついでに、事情を知ってからのタキと接する夏目が、今回は妙に男前に見えたのも良かったところですかね。ぽんと頭に手を乗せて笑ってみるとか、絶対天然でやってるんだろうなぁと思うのですが、それでもあれはときめいちゃうよなぁ、と(笑)。何か今回、笹田→夏目なのか?と思わせる描写も入っていましたが、今回のエピソードを見ていると、並んでいるのを見ていて楽しいのはやっぱり夏目とタキのほうだよなぁ、なんて思ってみたり。とはいえ、せっかくアニメでは笹田が残留しているので、残り話数のどこかで、笹田とタキが夏目を挟んで絡むような話(夏目絡みじゃない絡み方でもいいですけど)を、後の話に遺恨がないように作ってくれたりしたら、それはそれでアニメスタッフ最高と思ってしまいそうな気がします。

 

◇少女の陣

萌え分について長々と語ったところで(笑)、シリアス分の話を少し。

 

冒頭でも書いたとおり、今回登場の妖怪は、ギャグ担当(?)のちょびひげはともかく、額傷の妖怪のほうは、ただ姿を見てしまっただけで、自分を捕まえられなければ食うと言い、更には本人以外にも狙いをつけるという、これまで登場した妖怪の中でもかなり質が悪いタイプで。しかも、その本人以外の対象の選定方法が、最後に名前を呼んだ人から十三人分というものだから、タキは勝負の始まった日から極力喋らないようにしてきたという。ほんわかだったりちょっぴり切なかったりな話の多い「夏目」では、こうして改めて書き並べてみると、相当危険度が高いことが感じられます。

 

とはいえ。

はっきりとした命の危機がある、というのもあるでしょうが、特定条件下とはいえ同じ景色を見ることができ、妖怪のせいで苦しみ、淋しい思いをしてきた、というタキの存在があるためか、何だかいつも以上に夏目が力強く、積極的に立ち向かおうとしているように見えました。と、これだけだと、いつものように他の誰かのためにより力を発揮する夏目、ということになってしまいますが、今回はそれだけじゃなくて。自分にも降りかかった危機に、もう簡単に命を投げ出すことはできないと言い切る夏目の姿は、嬉しくもあり、眩しくもありました。前回の話のように、自分の体は二の次で誰かのために走っていってしまうような危うさもあるけれど(これはこれで長所と短所の両方を含むと思うので、一概に駄目なところとも言えないのですけどね)、これまで触れてきた優しさは、大切に想い、又、自分を想ってくれていると分かる誰かと過ごした時間は、着実に積み重ねられているんだな、と。……うーむ……そんな夏目の成長は、見ていて嬉しいものなのですが、何だかちょっと淋しいものもあるかもしれません……。何だか、凄い勢いで追い抜かれているような気がするというか……(汗)。

 

 まあ、私の感傷は置いておくとして。

 ラストが夏目ピンチ!なところで締められてしまったように、今回の妖怪はかなり手強いのですが、これまで培ってきたものもあり、そして、出会ってからずっと側にいた先生・新しく出会ったタキと力を合わせて立ち向かっていく夏目の頑張る姿が見られるのを楽しみに待ちたいところです。

 

◇次回「呼んではならぬ」

続・夏目友人帳 第5話「約束の樹」感想5

夏目友人帳 5 【完全生産限定版】 [DVD] 夏目友人帳 5 【完全生産限定版】 [DVD]
井上和彦, 神谷浩史, 大森貴弘

アニプレックス 2009-02-25
売り上げランキング : 78

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 風邪を引いている夏目を見ながら、画面の前で何となく親近感を感じてしまいました。そんな私も現在風邪を引いている真っ最中だったりするからなわけですが。まあ、鼻水と咳が主で寝込むほどではないので、それこそ冒頭での夏目が言っていたように、おとなしくしていれば治るだろう、といったところなのですが。冒頭から羊羹の一本食いをしている先生に早速精神的には癒されていましたしね(笑)。……とはいえ、さすがに脳みそフル回転させていたりすると頭がふらふらしてきたりはするので、もしも以下の文章の中でおかしなことを書いていたりしたら、生温かい目でスルーしてやって下さい。

 

◇風邪と探し物

レイコさんとヒノエの出会いエピソードこそ原作からのものでしたが、それ以外はアニメオリジナルだった今回。お話自体も期待を裏切らない良いものだったわけですが、「夏目」アニメのオリジナル話で個人的に嬉しく思うのは、夏目のクラスメイトをうまく話に絡めてきてくれることでしょうか。今回も、田沼が登場した時点でどう絡んでくるのかわくわくしたわけですが、更にはその後、笹田たちまで登場でしたからね。

 

さて、そんなふうに集まった友人たちから見えてくるのは、今の夏目の、他人に対する心の有り様あるいは距離、ですかね。最初の頃の夏目を思えば、自分の個人的な、それも妖怪絡みの探し物に彼らの協力を得ている、というだけでかなりの進歩に見えてしまうわけですが(笹田たちの参加は田沼が中継した感がありますが、そこは“妖怪絡み”という点をクリアするためには、事情を知る彼が働きかける必要があったのかな、ということで)、自分が風邪を引いていることについては一言も触れなかったのが、まだ彼らとの間に一線を引いている(というより夏目が一歩引いている)ところかな、と。最初のほうで、藤原夫妻に心配をかけまいと、何も言わないまま一人で治そうとしていた夏目に、ニャンコ先生が「そうじゃないだろ」と言っていましたが、そこがたぶん、夏目がまだ分かっていないところなのでしょうね。もしも、塔子さんが夏目に弱みを見せないまま一人で病気を治そうとしたり、友人たちが自身の体調不良を隠したまま少し無理して付き合ってくれたりしたら、それを知ったとき、夏目はきっと「何で言ってくれなかったんだ」と思うんだろうけど、それが逆の立場になっても同じなんだ、ということを。夏目の言う「余計な心配」というのは、まだ「迷惑」の占める割合が多いんだろうな、と。だから、霧葉の名前の紙が見つかった知らせを受けて、ニャンコ先生が止めるのも聞かずに(まあ、先生も何だかんだで口で言うだけで本気で止めようとはしてないのですが)飛び出して行っちゃうんでしょうね。……そういう意味では、夏目はあの後、塔子さんに思い切り怒られたほうが良いのかもしれません。

 

◇約束の樹

すぼらだったり強かったり優しかったりと、出てくるたびにいろんな顔が見えてくる気がするレイコさんですが、今回の話を見ていて、改めて彼女は夏目のifなんだなぁ、と思いました。

 

顔が似ていることは、霧葉がこれまでにも出てきた妖怪と同様に二人を間違えたことで改めて示されたわけですが、今回はヒノエの口からそれ以外の部分も似ていることが語られました。妖怪が見えることで他の人間から虐げられてきたらしいのは、これまでにも語られてきましたが、(ある意味)妖怪と対等に付き合って、時にはその妖怪のために動いてくれる(レイコさんの場合は、夏目と違ってかなり捻くれたものになっていそうでもありますが(笑))、そんなところもまたそっくりなのだと。

でも、そんなふうに同じものを持っている二人なわけですが、レイコさんのほうは妖怪いびりに精を出すようになり、夏目は彼女が遺した友人帳の名を返すと、それだけ見れば正反対の行動に出るようになるわけで。

けど、今回の霧葉のように、いじめ倒して名前を貰うだけでなく、五十年越しに願いを叶えてあげたように、それだけじゃないときもある。自分をいじめてきた男の子を返り討ちにし、自分を騙そうとしたヒノエに仕返し混じり(?)の提案をしたように、そして、今の夏目が、先生との出会いを経て、様々な妖怪との一期一会を繰り返し、養父母や友人たちと少しずつその距離を縮めているように、結局のところ、誰と出会い、どんなふうに付き合うことになったのか。分かれ目となったのはそこのような気がします(だからたぶん、霧葉はレイコさんと会ったときも今回の夏目と同じような感じだったんだろうな、とか)。人間との折り合いがつけられず、子分という形で妖怪との交流を深めた(?)レイコさんと、妖怪との触れ合いを通して人間との付き合い方も見つけていっている夏目と。だから、もしも夏目があのときニャンコ先生と出会っていなければレイコさんのようになっていたかもしれないし、一人でも自分の見ている世界を理解してくれる誰かがいたら、レイコさんも夏目のようになっていたかもしれない。こうして考えると、上でも書いたとおり、この二人はまさに互いのifの姿なんですよね。

……そんなふうに夏目とは違った道を辿ったと思われるレイコさんですが、最後の最後には優しい誰かに出会えたのではないかと思いたいところです。少なくとも娘か息子か、夏目が今此処にいることになったきっかけとなるそのときは、幸せだったのだと良いなぁ、と。

 

◇次回「少女の陣」

 「続」のOPにて多軌がいるのを見てからかなり楽しみにしていたエピソードがとうとう次回やって来ました。予告を見る前から、期待し過ぎて逆に肩透かし食らうのではと心配になるくらい楽しみにしていたわけですが、ニャンコ先生に頬ずりしている多軌を見たらそんなの杞憂に終わるかなぁ、という気もしてきました(笑)。何にしても、次週の放送が楽しみです。

続・夏目友人帳 第4話「雛、孵る」感想4

あの日タイムマシン あの日タイムマシン
LONG SHOT PARTY

DefSTAR RECORDS(SME)(M) 2009-01-28
売り上げランキング : 179
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 タマの服を短時間で作ってしまった夏目を見て、実は夏目って意外とあれこれできる奴なのか?なんてことを思った第4話。考えてみれば、二階の窓からしょっちゅう抜け出していたりと、運動神経も悪くなさそうですし、妖怪相手なら腕っ節も強いわけで。勉強の出来は分からないけど、容姿は悪くないはずですし。……夏目が不器用なのって、案外人間関係だけなのかもしれません。

 

◇今週のニャンコ先生+α

毎週毎週書いてもアレかなぁと先週はお休みしましたが、今週はニャンコと雛の姿にほわほわさせられたお話だったということで(笑)。

 

ニャンコ先生は、もう一挙手一投足全てが見ているだけでニマニマしたりほわわんとなったりな気持ちになるわけですが(笑)、今回の一番は、やはりめったに見られない姿ということで、卵を温めるニャンコ姿でしょうか。酔っ払ってふにゃふにゃしたり、いつものように(笑)ブタやらタヌキやらと言われたりするところも見ていて大変楽しいのですが、夏目に見事に丸め込まれて卵を抱えて寝ている姿は可愛かったです。

今回はそんなニャンコ先生に加えて、孵ったばかりの辰未の雛が加わり、画面を眺めているだけで癒された気分になりました。ちっちゃくて可愛い姿が無邪気に動いている姿だけでも微笑ましいものですが、個人的には、先生のまんまるしっぽに齧り付く姿が良かったかも(笑)。

 

◇そこに在るもの

 原作を詳細に記憶しているとどうしてもその違いに目がいってしまって思う存分楽しむことができないということで、「続」の開始前は敢えて読み返したりはせず、大雑把な粗筋は覚えているけど細かい部分は忘れている、という程よく曖昧な状態で視聴しているのですが、今回の話はそれでも覚えている部分が弊害になってしまったかなぁ……という感じが。原作未読で視聴している人がどう感じたかは分からないので、そればかりが原因かは断言できませんが、今回の話を見終えても消化不良感が拭えなかったため該当話を読み返してみたら、やはりけっこう変更されていました。その変更された&削られた中に、今回の話のテーマを読み取るためには必要なんじゃないかなぁ、と個人的に感じた部分があったため、消化不良感があったのかなぁ、と。これまでの三話は特に読み返しはしていないですが、そういった感じはなかったので、今回に限って、ちょっと再構成にミスがあったのかなぁ、と。……まあ、私の理解力が足りないからだと言われればそれまでなのですけど(汗)。

卵が孵るまでの物語の空気はかなり良い感じだと思ったのですけどね。でも、終わってから振り返ってみれば、そこでもうちょっと入れておけば良かった要素があったかな、と。

 

 とまあ、今回はそんな感じで、ただの人間と妖怪の交流とだけ見れば良い話ではあったものの(&ニャンコ先生とタマを愛でている分には十分満足できるものだったものの)、もう一歩踏み込んだテーマがいつも以上に読み取りにくかった(というか読み取るためのピースが足りなかったように感じた――タイ焼きのエピソードとか、ラストの夏目からタマへの語りとか、鼠が去っていくところとか――)ので辛い評価も混じってしまいましたが、原作を読み返しつつもう一度今回のアニメを思い返してみて思うのは、「絆」だったのかなぁ、と。

夏目が、自分とタマを重ねるように、血の繋がらない親と子である話をして、そしてその後、今の家に来ていろいろな人と触れ合うことで変化した気持ちを語ったのは、血の繋がりのような明確なものじゃなくて、目には見えないかもしれないけど、それでも確かに繋がっているものがあることを知ったことを、そしてそれは自分とタマの間にもあるんだってことを伝えたかったのかな、と。その繋がりが、明確な繋がりに劣らないことも。だから、巣立ちは悲しい別れだけではないのだと。夏目が最後に語った、何もない紙の壷の中にあった大切なものというのは、卵を温めて、孵化したタマを育てて巣立つまでの間に二人の間にできた“絆”のことだったんじゃないかな、と思いました。

 

◇次回「約束の樹」

 「LaLa」に載っていた情報によれば、次回は「続」では初のオリジナル話のようです。といっても、原作の話もあるようなので、第一期最終話のような感じかなぁと思いつつ。どちらにしても、第一期を見た限りでは期待が持てそうなので、楽しみにしたいところです。

続・夏目友人帳 第3話「妖退治 湯けむり行」感想5

夏目友人帳 4 [DVD] 夏目友人帳 4 [DVD]
神谷浩史, 井上和彦, 大森貴弘

アニプレックス 2009-01-28
売り上げランキング : 68

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 相変わらず、眼鏡を掛けているときは胡散臭い人(笑)、眼鏡を取ればかっこ良い人、な名取さんが登場。「続」が始まってからは初めての、人間との触れ合いのほうにメインが置かれたお話だったかと思います。同時に、人間・妖怪の思惑が飛び交う話でもあったせいか、興味深い話でもありました。

 

◇温泉旅行

 “みえる”人である名取さんとの温泉旅行。最終的な決定権を握っているのが先生なことに笑いつつも、夏目と同じ景色が見える名取さんと共に過ごす時間は、上記のとおり、興味深いものとして見ておりました。

 

 今回見ていてふと気づいたのですが、その興味深いと思ったのが、夏目の名取さんへの接し方、なのですよね。主に妖怪が絡んだときの。

日常的に何かしら妖怪と関わることの多い夏目ですが、そこに自分以外の第三者が現れた場合、それが妖怪の見えない人間なら何も話さないことを即断するし(その妖怪と何かしら関わりのある人の場合はまた違いますが)、妖怪そのものなら、相手に迷惑を掛けることで遠慮しなければ話すことにそれほど躊躇いはないでしょう。でも、相手が妖怪の見える人間なら。それも、一刻を争うような事態ではなく、何も話さなければ妖怪のことになんて関わらずに心穏やかに過ごせるようなときなら。最初から線を引いて締め出して終わるのでなく、相手との距離を測るんですよね。どう接するか(どこまで話すか)迷う、とも言えますが。

同じ景色が見えて、自分の言うことに耳を傾けてくれるから。少なくとも、今回夏目が見ていた夢のように、頭から嘘と決め付けて聞く耳を持たないことはないから、どこまで話すか、どこまで踏み込むか(踏み込ませるか)、どうするのが相手にとっても自分にとっても一番良いのか、考える。これって、夏目が他人とコミュニケーションを取ろうとしている、ってことなんじゃないかな、と。たぶん、彼が人間相手に接する中では一番踏み込んで、同時に踏み込ませた場所で。だから、見ていていつも以上に二人のやりとりに何だか緊張するというか、せっかく夏目が歩み寄ろうとしているのだから裏切らないでくれよ名取さん、と思ってしまうというか(笑)。田沼が相手のときなんかもそうだけど、そんな感じだから今のところは、妖怪のことを知っている相手と接しているときの夏目を見ているのが、人間関係に関する部分では一番面白く思えるのかな、と思うわけですが。……逆に言えば、先生とのやりとりを笑いながら見ていられたり、時にその関係にじーんとなったりするのは、まさに先生が夏目に一番近い場所にいて、互いに人より深い場所まで踏み込ませている同士だからですかね。

 

◇嘘

 ↑で、夏目の側の話を書きましたが、同じものが見える相手との接触で変化が見えて面白いのは、夏目だけじゃなくて、名取さんもなんですよね。名取さんは、祓い人の中ではどちらかといえば夏目よりの人だとは思うわけですが、それでも夏目自身が独白していたように妖怪を憎んでいる人なわけで。柊に対する二人の反応を見てもそこにある温度差が分かるわけですが。だから、たぶん夏目以上に、人間に対しても妖怪に対しても線引きがはっきりしていて、それが今回のように、嘘を吐いて夏目を連れ出すようなこともさらりとできるようになってしまっている。夏目が、妖怪を見ても、それが見えない相手にはとっさに誤魔化して何でもないように振る舞うことが習慣化してしまっているように。

 でも、同じように妖怪が見えても、それを使役するとか退治するとか、そういう殺伐とした世界とは少し違った位置に立っている夏目に出会い、接するようになったことで、ある意味彼も、人間との接し方を変化させ始めているんじゃないかな、と。柊が最後に、本人は語らない本音を明かしてくれたように。

 

 夏目も、名取さんも、妖怪が見えることで普通の人間とは隔絶されて生きてきたのが、同じ場所に立つ者同士出会って互いを介することで、隔てられてきた世界に少しずつ近づいて来始めている。そんなふうに見えたから、恐る恐るでも一歩ずつ踏み出していく二人を見ているのが今回面白かったし、今後が楽しみになりました。特に夏目は、現時点では完全に妖怪が見えない人サイドにいる藤原夫妻と腹を割って話せることが目標として掲げられたので、そこに辿り着く日が楽しみです。……もっとも、今の夏目にとってそれはかなり遠いゴールなので、「続」の間にそこに辿り着けることはないのでしょうけど。そのためには、まずは名取さんや田沼のような、自分と同じものが見える人とそういう関係になるのが先でしょうからね(笑)。

 又、今回登場した二人(?)の妖怪。片方は嘘をついて名前を取り戻した上に恩を仇で返そうとし、もう片方は夏目がした小さな親切の恩返しに彼の窮地を救った。これまでにもこうした妖怪はいろいろ出てきましたが、改めて提示されたような気がします。妖怪には襲われ、人間からは弾き出されて来た夏目たちだけど、結局のところ、他者との関係性はそこに帰結するのだと。妖怪は人間とは異なる生き物だけど、妖怪だから、人間だからという線引きではなく、優しくすればそれが返ってくるかもしれなくて、辛く当たればそれが返ってくるかもしれない。それはどちらでも同じで、だから大事なのは、相手とどう接するかなのでは、と。

 

◇次回「雛、孵る」

 次回予告の時点で、次週は萌え殺されそうな気がしてしょうがない(笑)。

2009年1月新番組感想「鋼殻のレギオス」 #1「意識を持つ都市」5

鋼殻のレギオス (富士見ファンタジア文庫) 鋼殻のレギオス (富士見ファンタジア文庫)
雨木 シュウスケ

富士見書房 2006-03
売り上げランキング : 124
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 こっち(東海)では、今夜あと一つ「黒神」も放送が始まるのですが、相変わらず深夜アニメ過密地帯の水曜深夜でものの見事に他の番組と放送時間が被ったので、見る前から視聴しない方向でいこうかと思います。……そもそも、多少なりとも興味があれば、とっくに雑誌連載のほうを読んでいますしね。

 

 さて、「鋼殻のレギオス」。興味がありつつも手を出しそびれていたラノベがまた一つアニメ化となりました(汗)。もっとも、原作のほうは既に巻数が今更手を出しづらいものになっていたと思うので、作品に触れる良い機会ではあるのかもしれませんが。

 

 で、本編ですが、開始数秒で汚染獣(?)の姿に軽く引き(←気持ちの悪い虫系の姿は苦手)、訳の分からん戦闘が続く展開にただぼけーっと眺めていましたが、舞台が学校に移ってからは俄然面白くなってきました。物語の中核になっていきそうなメンバーは、主人公のレイフォン含めてみんな良さそうな感じで、特にニーナは気に入ったかも? 最初は何とも思わなかったフェリも、悪態をつく姿を見てからは何だか気に入ってしまいましたし(笑)。ただまあ、この二人(どっちかというとニーナ?)がメインヒロインっぽく見えつつも、主人公には既に彼女がいるっぽいという、下手に恋愛に展開するとややこしいことになりそうな気配もありますが。

レイフォンのいきなりの転科も、主人公の意志を無視して無理矢理……というような展開は、見せ方によっては好きではないのですが、こういう感じならそれほど拒否反応も出ないし(主人公も何だかんだで受け入れたっぽいですし)、何やら重い過去のありそうな主人公は、過去・未来含めて楽しみというか。最後にもう一度冒頭の戦闘シーンが出てきたことで、ようやくあそこにいた一人が主人公だったことに気づきましたし(笑)。

 

そんな感じで、冒頭こそいまいちだったものの、物語が動き出してからはすっかり面白くなってきたので、これは視聴決定ですかね。時間的にも、シフトが変更しなければ大体生で見られますし。今のところ戦闘時の音楽だけがちょっと微妙だったような気もしましたが、他が良さそうな感じなのでまあいいかな、と。第一話ラストでは、早くも何やら企みが進行中のようで、次回早速一波乱ありそうな気配ですし。これからどうなるのか楽しみです。

Archives
Categories
最新トラックバック
プロフィール

祥雲

Amazon
Recommend


コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume02

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume03

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume04

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume05

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume06

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume07

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume08


感想

Blu-ray版はこちら→
コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 (Blu-ray Disc)

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume02 (Blu-ray Disc)

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume03 (Blu-ray Disc)

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume04 (Blu-ray Disc)

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume05 (Blu-ray Disc)

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume06 (Blu-ray Disc)

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume07 (Blu-ray Disc)

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume08 (Blu-ray Disc)




ef - a tale of melodies. 1

ef - a tale of melodies. 1(初回限定版)

ef - a tale of melodies. 2

ef - a tale of melodies. 3

ef - a tale of melodies. 4

ef - a tale of melodies. 5

ef - a tale of melodies. 6


感想

Blu-ray版はこちら→
ef -a tale of melodies.Blu-Ray 1

ef -a tale of melodies.Blu-Ray 1(初回限定版)

ef -a tale of melodies.Blu-Ray 2

ef -a tale of melodies.Blu-Ray 3

ef -a tale of melodies.Blu-Ray 4

ef -a tale of melodies.Blu-Ray 5

ef -a tale of melodies.Blu-Ray 6


主題歌・OST→
「ebullient future」ELISA
「笑顔のチカラ」 羽山ミズキ(後藤麻衣)
「願いのカケラ」 雨宮優子(中島裕美子)
ef - a tale of melodies.ORIGINAL SOUNDTRACK ~elegia~



ef a tale of memories. Blu-ray BOX (初回限定生産)
  • ライブドアブログ