翠の匣

アニメや読んだ本(漫画・ラノベ)の感想を、徒然と書き綴っているブログです。

魔法少女まどか☆マギカ

魔法少女まどか☆マギカ #11「最後に残った道しるべ」/#12(終) 「わたしの、最高の友達」感想5

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回を進むごとに、次々と主要キャラは退場し、明かされる謎は絶望的なものばかり……と、これで本当にハッピーエンドで終われるのか、それともバッドエンドで終わってしまうのかといった感じの「まどか☆マギカ」でしたが、最後は綺麗にハッピーエンドで締めてくれました。

十話までを前提とした上でのハッピーエンドなので、さすがに誰も彼もが完全無欠に救われたハッピーエンドになることはありませんでしたが、それでもあの絶望的な状況からこのラストへ持っていったのは見事だったかと。

 

さて、久々の「まどか☆マギカ」だった十一話は、十話で明かされたほむらの事情から、キュウべぇがまどかの特殊性の理由の推測を話すところから。

ループを重ねるごとにまどかが魔法少女として強力になっていったのは、自分だけでなく他の人の感想でも疑問視されていたと思うのですが、その理由は予想通り、ほむらの魔法によるループの積み重ねがそのまま反映されていた結果だったと。

まどかを軸としたループだったため、彼女に因果律が集束して特異点となるまでになった、という部分はちょっと予想とは違いましたが、何にせよ、これでまどかが神レベルの魔法少女になる可能性の説明と、ほむらの絶望へのフラグが立てられた感じでしょうか。実際、この十一話のラストでは、キュウべぇに聞かされたその推測から、ほむらのソウルジェムがあと一歩のところで絶望に染まり切るところまでいってしまったわけですし。

 

ここのシーンは、やたらとキュウべぇの瞳や口許のアップが多用されたり、その瞳が二重に重なる円に見えるようになっていたりと、その台詞と演出の相乗効果で、キュウべぇ……インキュベーターという存在の性質の悪さが全開だったわけですが……そのキュウべぇ節を見て、改めて「まどか」の世界に戻って来たような気がした辺りは、我ながらちょっとどうかと思ってしまったところかも(汗)。

 

続くまどかとのシーンでも、無理矢理嫌な映像を見せつつ、インキュベーターにとっての人類は人類にとっての家畜と同義だと当たり前のように語るなど、改めて彼らが違う生き物であることを示しつつ、でもそんな彼らの介入がなければ人類のここまでの発展はなかったと更に追い討ちをかけてくれます。

しかも厄介なのが、この手の話ではお約束な、過去の偉人(「まどか」では少女限定ですが)がその偉業を成し遂げられたのは彼らとの契約があったからだという話が、彼女たちの悲劇的な最期がこれまで語られた魔法少女システムと見事に嵌ることもあり、納得できてしまうことでしょうか。古い時代においては少女が活躍していること自体が特異なこともあり、それがまた説得力を帯びてくる気もしてしまいますし。

 

しかし、十一話でも相変わらずキュウべぇがこうして畳み掛けてくれたからこそ、ラストから最終話へと続く怒涛のまどかの反撃が否応無く盛り上がってしまうわけですが(笑)。視聴者のほとんどが、まどかが何かキュウべぇたちの思惑を超えることをやってくれるのを期待していたと思うわけで、見事にその期待に応えてくれた感じです。

それが主人公の概念化というのはびっくりしましたが、これまでキュウべぇ自身が散々「まどかは神様レベルの魔法少女になれる」と繰り返してきただけに、今回の因果律云々の説明も含め、無理矢理な展開とは思えないから困るところ(演出部分でも、円や二重円が見られたり、主人公の名前が「かなめ」で「まどか」だったりと、そうなる要素はばっちりでしたし)。しかもそのことにより、十話で語られたほむらの事情もまどかが完全に把握し、ようやく二人が最終話のサブタイトルどおりの「最高の友達」同士になれたのだから、もう見事としか言いようがないような。因果律を書き換えるなんてとんでもないことを可能にしてしまう代わりに、まどか自身は過去にも未来にも存在しなかったことになる、なんて代償も払っていますしね。

 

このまどかの選択に関しては、まどかの自己犠牲の問題が、彼女の心持ちとほむらが納得しているか以外は解決していないようにも思えてしまいますが……自分の命と引き替えで終わってしまうのではなく、永劫にそのことに向き合い続けることになるわけだから、その辺の違いでしょうか?

……この辺は、なるほどと思えるような考察を誰かがしてくれていることを期待しておこうかな……。ようやく最終回まで観られたことで、先行放送地域のネタバレ踏むのを警戒してブログ巡りを控える必要ももうないですし(笑)。

 

全ての魔女をなくすというまどかの願いは、宇宙の法則そのものを変えてしまうようなものでしたが、あくまで魔法少女となっていた少女たちの絶望を受け取って希望を残しただけで、インキュベーターの介入そのものをなかったことにしなかったのは、キュウべぇの人類の発展の裏にはインキュベーターの存在があったことを考慮したからなのかなぁと思いつつ、絶望を受け取っただけなので歴史的には変化がないわけなんだけど、少女たちが最期まで希望を持ち続けられたままでいられたかは、彼女たちが幸せそうに死んでいった様子を見せられると、それだけ見れば些細なことなんだけど、やっぱり大事なことだよなぁと思ってしまうところでしょうか。

魔女がいなくなったことで、魔女に殺されたマミや杏子が生き残る未来に変わっているのを見ると、魔女に殺される運命だった過去の魔法少女の何人かも生き延びる未来に変わったんじゃないかという気もしますが、歴史が大幅に変わってしまうさやかの末路が、魔女化ではなくなったものの死亡は変わらないところを見ると、歴史が変わってしまうような改変はなかったのかな、という気も。それでも、最初の純粋な願いを思い出せたさやかが幸せそうに消えていったように、仮にそうだったとしても他の子たちもそんな感じだったのかな、とは思えますが。

 

魔女がいなくなったところで人の世界の歪みは消えず、代わりに魔獣という存在が現れている、というのは良いのか悪いのかは分かりませんが、少なくとも魔女の存在がなくなったことで、インキュベーターとの関係が良好になっているようなのは良かったところなのでしょうか。魔女がいないから希望と絶望のシステムを作る必要が無く、彼らは彼らの利害で動いているものの、互いに最後まで良いビジネスパートナーではいられるのかな、と。

……ソウルジェムの仕組みがどうなっているのかは語られなかったので、いつまで彼女たちが魔法少女であり続けるのかは分かりませんでしたが……そこも良いようになっている、と考えるところですかね。そこまでいくと都合良すぎかなぁとも思いますが、ゾンビ問題が解決されないのもそれはそれで片手落ちかなぁという気もしますし。

 

運命が変わったことで、キュウべぇとそれこそ魔法少女とマスコットキャラのような関係になっているほむら(主に、グリーフシード(?)をぽいっと投げている様子)に和んでしまうところでしたが、そんな彼女がちゃんとまどかのことを覚えていられたのは、彼女の魔法の特性故か、奇跡が起きたからなのか……。魔法の存在なしにまどかのことをおぼろげながらも覚えているっぽいまどかの弟が一番の奇跡のような気もするけど、魔法が原因の一端だったとしても、ほむらが覚えているのは、彼女の願い故かな、という気もします。

まあ、何にしても、ほむらがちゃんと報われて頑張って生きている様子なのは嬉しいところ。そして、まどかのリボンが加わった彼女は更に可愛いです(笑)。あと、武器までまどかと同じになっていたのは、それも受け継いだということなのか、それとも遺志を受け継いだのを形にしたということなのか、彼女のまどかへの執着が形になっているのか、といった感じもあるところでしょうか。

 

そんな感じでハッピーエンドで終わったものの、ED後の映像がどうとでも解釈できそうな辺りは、やはり一筋縄ではいかない脚本なのかなぁ、と思ってしまうところなのかも。そもそもあれは何処なんだというのもあるし、ほむらの背から生えた翼が禍々しくも見えてしまうのも気になるところで。

新たに構築された世界にも何かしらの欠陥があったということなのか、それとも、今もまどかはほむらと共にいるという演出の一つなのか……。綺麗に終わったため、続きがあるとしても見たいような見なくてもいいような……といった感じではありますが、ちょっと気になるところです。

 

 

魔法少女まどか☆マギカ #10「もう誰にも頼らない」 感想5

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地上波は放送休止ということで、ニコ動で視聴です。

ニコ動って会員登録しないと見られないものだと思っていたので、これまでは利用することもなかったのですけど、無料配信中の最新アニメなら普通に見られるようで、自分の環境では見られないアニメを放送していてくれた場合、これはありがたいですね。

今回はそういうケースとは違いますが、TBS系列のアニメ(TBSとCBCだけのような気もしますが)は当分観られなくてもおかしくなさそうな感じなので、こういう形でも「まどか」が観られたのはありがたいし嬉しいです。

 

さて、そんな第十話は、OPもカットしての、ほむらのこれまでを描いたエピソード。

……というか、このエピソードを流した上で、OPをEDとして持ってくるは、OPの最初の歌詞のこともあり、これだけでも完全降伏しそうな構成だなぁと思ってしまうところなわけですが。私の記憶違いでなければ、その上更に、OPラストでは五人の魔法少女が集結した絵を見せられちゃいましたし。

是非とも実現したところを見たい絵ではあるけれど(ほむらとさやかがそっぽ向いていたのは気になるところだけど)、現在進行形の時間軸では既に三人が退場……。何らかの方法で復活する展開でもない限り無理だし、そもそもまどかが魔法少女になった時点でほむらにとっては詰んでいるわけで、そうなると、まどかの契約を阻止した上でほむらが一人で「ワルプルギスの夜」を倒すのか、それとも、再びループすることになるのか……。

 

ループといえば、ほむらの事情は特にひねってくることもなく、かつて大切な友人だったまどかを助けるため、何度も同じ時間をやり直していることが明かされました。今回描かれただけでも、今の時間軸は(数え間違いでなければ)五回目のループ。とはいえ、以前のほむらの台詞を考えると、もっと繰り返している可能性もあるのかな?とも。 そうでなかったとしても、彼女の見たバッドエンドはどれも悲惨なものなので十分な気もしますが。

やり直した数だけ出会い方や最終的に元の関係性に至るまでには時間が掛かったかもしれないけれど、それでも悲劇の結末を変えるために奮闘してきたほむら。その結果、もう誰にも頼らないと孤軍奮闘の道を選んでしまうのは悲しいものがありましたが……しかし、そもそもまどかとほむらの関係って、まどかが魔法少女になっていることが前提になっている部分があるので(双方の持つ情報に格差があるのでどうしてもそこですれ違いが生じてしまう)、まどかの魔法少女化を阻止することを最優先の目的とするなら、そうなってしまうのも仕方ないのかな……と。どうやらどの時間軸でも、さやかとは相性悪いみたいですし……。マミさんとの関係も、まどかという仲介者がいてこそ、というように思えましたし。

 

マミさんといえば、繰り返されるループの中に必ず登場していた彼女は、全てのループで魔法少女になっていたのでしょうね。彼女が魔法少女になった経緯を考えるに、ほむらが事故を阻止しようとしない限り、当然の結果なのでしょうけど。

……いや、そもそも、ほむらが戻るのが転校直前の時間であることを考えると、その時点で既に魔法少女になっているだろうマミさんの契約阻止は不可能なのかな。

 

逆に、三回目にしか登場しなかったさやかは、必ずしも魔法少女になるとは限らないのかも(というより、ほむらがやり直しているからこそ、さやかが契約してしまう分岐が生まれたとも言えるかもですが)。ほむらがさやかに関してはまどかほどには注意していなかったのは、まどかが最優先なのは勿論だけど、同時に、さやかが契約してしまう確率が低かったからなのかも?と。

……そう考えると、やっぱりほむらのループは今回描かれた分だけかな、とも思うところかも。もし、少ない確率で魔法少女化するさやかが、その上で毎回魔女化していたとしたら、さすがに警戒するのでは、と思いますし。……単に、魔女化したのはあの一回だけ、という可能性もありますが。

 

マミ以上に早い段階で魔法少女になったと思われる杏子は、マミ同様どの世界でも魔法少女になっていると思われるけど、五回目ではマミの死をきっかけに、キュウべぇにそのことを知らされて町にやって来たと思われる彼女が、以前のループでも接触があった様子なのはちょっと気になるところでしょうか。……やっぱり、キュウべぇが裏で何か画策していた、とか? 彼女も三回目のみの登場であったことを考えると、さやかの魔法少女化が何らかの引き金になっている可能性も否定できないかもですが。

 

そして、今回ようやく魔法少女姿が本編でも描かれたまどか。

今現在のまどかと、ほむらが最初に出会ったまどかが全然違う性格に見えてしまうくらい、最初のまどかはかっこ良かったわけですけど(もっとも、自己犠牲を選んでしまう本質は変わりないようでしたが)、これはやっぱり、魔法少女になることそのものが願いだと以前言っていたように、自分なんかでも何かができる力を手に入れて、実際に何かできていることが、まどかの自信に繋がっているってことなんだろうなぁ、と(とすると、出会った時点で既に魔法少女だったまどかは、マミさんが死亡しなかった場合のifでもあるのですかね)。四回目のまどか(第一話冒頭)が、現在のまどかに近い感じで、そしてそのコンプレックスから契約に踏み切ってしまったことを考えても。

 

ただ、ちょっと気になるのが、キュウべぇがこれまでも何度も言っているまどかの潜在能力の凄さ。四回目では確かに世界崩壊レベルの力を見せているわけですけど、それまでのループでは普通に魔法少女やっていたわけで、キュウべぇはいつそんなものを見出したのだろうと。それとも、魔女になってからが真骨頂で、それまでのループでは魔女化する前に死亡したりほむらが阻止したりしたから、キュウべぇの目論見通りにいかなかっただけなのでしょうか。

四回目のまどかはラスト直前まで契約していない、つまり五回目に近い状態なので、これまでの九話で描かれたくらいにまどかにストレスを与えるとより大きなエネルギーを生み出す、とかだと、キュウべぇがそのことに気づいたのは四回目のループのときだったとも考えられるけど、ほむらと違って以前のループのことを覚えていないはずのキュウべぇが、五回目の最初から積極的にまどかを勧誘し、その潜在能力の高さを語っているところを見ると、一回目のときからたぶん同じだったのだろうと思えてしまいますし……。やっぱり、まだキュウべぇには何か隠していることが残っていると考えておくべきですかね。

 

何にしても、視聴者にはこれでほとんどの手札が晒されたはずで、あとはこのループで決着がつくにしろ、つかないにしろ、どんな結末を迎えるのかを見守るところでしょうか。

もっとも、視聴者には明かされましたが、まどか自身はまだほむらの事情は知らないものと思われるので、その辺りがどうなるのかというのは気になりますし、既に退場となった三人に何らかのフォローがあるのか、それともまどかとほむらだけでラストを迎えるのかというのも気になるところではありますが……。

 

◇次回「最後に残った道しるべ」

 

 

魔法少女まどか☆マギカ #9「そんなの、あたしが許さない」 感想5

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さやかに続いて、杏子まで退場となった今回。ここまで来ると、この物語がハッピーエンドで終わるのは相当難しい……あるいは、ハッピーエンドでは終わらないのかもしれないと、覚悟を決めておいたほうがいいのかもしれません。

 

濁り切ったソウルジェムは、グリーフシードを生み出し、魔女を生み出して砕け散る。ほむらによって改めて前回ラストのさやかの状態、そして魔法少女の末路が説明されたわけですが、魔法少女の本体はソウルジェムだからこそ、死体は綺麗なまま残るというのは、救いなのか皮肉なのか……。この時点では、身体は無事=さやか復活の可能性?とも思いましたが、とてもそうは思えない展開で終わりましたからね……。

 

ただ、本当にその可能性がカケラも残されていないのかは、まだ分からないところなのかなぁとも思いたいところですが。さやかが生み出した魔女と戦っているとき、一瞬だけさやかのようなシルエットが映った気がしたので、それが、杏子たちが一縷の望みを賭けた、魔女に残されたさやかの心だとしたら……。

とはいえ、そのシルエットが剣を持っていたこと、さやかから生み出された魔女だけに、その空間で見られた光景が、さやか自身の記憶のカケラと、上條君を連想させる音楽で溢れていたことを考えると、そうしたものの一部でしかなかったかもしれないとも思うわけで。空間はそんな感じにも関わらず、魔女本体(?)が妙にごつごつとしたものだったり、車輪っぽいシルエットが主な遠距離攻撃の手段だったりした辺りは、何故そんなものが出てきているのか疑問ではありますが。もっとも、これまで出てきた魔女の前身がどんな少女だったのかなんてことは分からないので、推測するにも材料が少なすぎる感じですが。

 

可能性をちらつかせながら、実際は魔女化した魔法少女の復活は不可能だと考えていたキュウべぇ。今回改めて、人間とは根本的に考え方の異なる、相容れない生き物であることが語られたわけですが(余談ですが、エントロピーという単語が出てくることに関しては、こっちでは放送が遅いために別番組の感想でネタバレを踏むというまさかの事態に(汗))、それに関しては杏子にも非があるところだよなぁと思ってしまうかも。

キュウべぇが、自分にとって都合の悪いこと……あるいは、黙っておいたほうが都合の良いことは意図的に伏せることは、これまで明かされた数々の事実から分かっているわけで、にも関わらずそれを鵜呑みにするのはどうかと思うわけで。ただ、杏子にしてみれば、それが分かっていても縋らずにはいられなかった可能性なのかもしれませんが……。

実際、前例がない以上、本当に絶対に不可能なのかは分からないわけで。キュウべぇ自身は不可能だと思っているようだけど、ほむらとの会話からすると、その確信は経験則っぽく聞こえたし、やらせてみても不都合はなさそうだから……それどころか、うまくすれば自分たちにとってメリットになりそうだからけしかけただけのようでしたしね。

 

死体は残っているさやかと、(私の見落としでなければ)マミほどには決定的なシーンが描かれたわけじゃない杏子。この二人がここで完全に退場だったとすると、その時点でバッドエンドが確定してしまう気がするので、逆転があることを期待したいところです。

 

杏子の退場によって、前振りされていた「ワルプルギスの夜」を倒すことが困難な事態になったわけですが。。

これに関して、キュウべぇが杏子退場を画策したのは、このまま魔法少女を続けても魔女になりそうにない(しかも魔法少女システムの真実を知ってしまった)杏子よりも、彼らが望むエネルギーを供給し続け、人間の敵として存在することで新たな魔法少女を生み出す勧誘手口(現在は主に対まどか)として使えそうなほうを残したってことなのかなぁと思うところですが、確かに状況はどんどん追い込まれている感じです。

 

今回は杏子が、幸せなことに引け目を感じて魔法少女になろうとするほうが傲慢だ、みたいなことをガツンと言ってくれましたけど、それでも今のまどかは危ういままに思えますし。

しかも、次回のサブタイトルからすると、ほむらはまどかを巻き込むくらいなら一人で特攻しそうで。そうなると、さやか・杏子と立て続けに失ったまどかが、ほむらの危機を目の当たりにしたとき(ほむらがまどかを巻き込まないように動いたとしても、キュウべぇが誘導する可能性大)、代償が分かっていても契約に踏み切ってしまう可能性は否定できないかと……。

 

事態がここまで来たら、そろそろほむらが彼女の知る全てを話してくれるような展開になるかなぁという辺りも気になりつつ、いよいよ「ワルプルギスの夜」到来が間近に迫っていることを示唆された次回がどうなるのか、静かに待ちたいところです。

 

◇次回「もう誰にも頼らない」

 

 

魔法少女まどか☆マギカ #8「あたしって、ほんとバカ」 感想5

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前回とは打って変わって、今回はかなりこの物語において重要な情報が出てきた感じでしょうか。

 

まずは、おそらく見ている人のほとんどが一度は考えたことがあるんじゃないかなと思う、ソウルジェムの穢れを浄化しないとどうなるのか。

魔力の消費以外にも穢れが溜まる理由があったという辺りには、相変わらずのキュウべぇの情報の秘匿を考えてしまうところですが、まあそれに関してはそういう生き物――というかそういうシステム、あるいは装置であるから置いておくとして。やはりその末路は魔女になる、ということでしたね。人間側からすると、ソウルジェムの正体と同じくそれを明かさないのは契約書に不備があるようなものですが、ここで気になるのは、そうした結果よりも、それによって見えてくる、魔法少女の使う魔力の源でしょうか。

 

キュウべぇの言葉によれば魔法少女とは魔女の前身であるらしいこと、祈りと呪いは表裏一体でそこには一定のバランスがあるらしいこと、魔力消費以外にも穢れが促進される場合があること。そこから考えられるのは、魔法少女の魔力とは、人間のプラスの感情――その中でも純粋さであるのかな、と。魔法を使うことで消費されたその心が、何故グリーフシードを使うことで回復されるのかは分かりませんが……。

 

同時に、魔法少女の魔力の源がそこにあるのなら、キュウべぇが常々語る魔法少女の資質とは、その時点でどれだけ純粋な心を持っているかということなのかな、と。そして、マミさんやさやかの願いと比較して考えると、そこにいかに自分の願望が入り込まないか――見返りを求めない、誰かを助けたいという気持ちが資質の差なのではないかと。

ただ、まどかの場合、自分への強烈な劣等感もあるのが見えるので、そこが気になるところではありますが。自己否定が強いからこそ、無私の心で他者につくせる……ということなのかもしれませんが。

 

しかしまあ、これまではあくまで物語の登場人物として彼女たちを見ていた部分が強かったと思うのですが、今回語られたまどかやさやかの嘆きには、初めて彼女たちに共感してしまったところかも。自分には何もないとか、役に立たなきゃ存在価値がないとか。

今度こそ危うくまどかがキュウべぇと契約してしまうところだったということで、ほむらがようやく本音をまどかにぶつけてくれたけど、そんなの言ってくれなければ分からないし、言うべきときを間違えたら届かない言葉でもある。少なくとも今回では、ほむらの望むように届いたかといえば……といった感じでしたし。もっとも、ここでその想いをちゃんと伝えたからこそ、後に実る可能性も残ってはいるのでしょうが。

 

そのほむらと言えば、これまでにも感想ブログで、彼女の使う魔法が時間操作の類であること、今の彼女は別の時間軸から来た存在であることなどが考えられているのを見かけていましたが、まさにそのとおりだったことが明かされたところでしょうか。本来なら統計なんか取れるはずのない“ワルプルギスの夜”の出現予測は確定前の駄目押しといった感じでしたし。そして、そんな彼女の目的が、まどかに集約されていることも。

まどかとほむらがどんな関係だったのか、ほむらが本来いた時間軸では何が起こったのか、彼女がこれまで何を見てきたのかについての詳細はまだですが、今回の彼女がまどかに叫んだ言葉を考えれば、これまでのことと合わせて何となく察せられるかな、と思うところ。とはいえ、今のまどかがかなり危うい状態であることを考えると、その辺もちゃんと話して欲しいな、と思ってしまうところですが。さやか曰く、(まどかのこと以外は)全てを諦めている彼女ですが、断片的な言葉でも諦めずにまどかを説得し続けてきたからこそ、ここまでまどかは契約に踏み切らずに済んでいたわけですから。

 

……これまでの世界では全て無駄に終わっていたかもしれないけど、それでも、最初から彼女が全てを話していたら、この世界のマミさんやさやかの末路が変わっていた可能性もゼロではなかったのかもしれないわけですし。

 

仁美が有言実行するかのように、上條君に何かの話をしていたシーンがありましたが、意図的に会話の詳しい内容が伏せられていた辺り、前回の仁美の告白は、さやかを焚きつけるためのものだった可能性が高くなったかな?とも思うところですが、だからといって今のところそれが何になるのかは微妙なようにも思えます。少なくとも今のところ、上條君はさやかほどには相手を想っているようには見えないわけですし。

とはいえ、わざわざああしたシーンが挿入されたのは、さやかの魔女化を後押しする要因の一つ以外にも意味があるとしたら、そんなさやかを救うための何かなのかな、とも思いますが……。でも、今のところ魔法少女関連とは一切関係のない(仁美は危うく殺されかけてはいましたが)二人が今更どう絡んでくるのかは何とも言えないところですかね……。

 

ソウルジェムの正体と人間にとっては同じくらい契約に際して重大なことを黙っていたキュウべぇは、人間とは違う生き物どころか、よりシステムに組み込まれた装置に近い存在――あるいはそのものであることが見えてきました。

ほむらが呼んだ正式名称と思われる「インキュベイター」……辞書で調べてみたら、孵化器とか培養器とかいった意味があるようで、まさにソウルジェムという卵を孵化させて魔法少女を生み出す存在――装置であることが相応しい名称があることに。問題は、彼が孵化させるのは魔法少女なのか、それとも魔女なのかといったところですが……。

というか、これまでの魔女も全て魔法少女の成れの果てだとするのなら、現在のさやかはまだ使い魔の状態といったほうが正確だったりするのか?なんて疑問が浮かぶと同時に、ますます彼が何のためにそんなことをしているのか――というか、何のために彼のような存在が作られたのかが気になるところでもあります。これまで出てきたキュウべぇはアバターの一つのようで、壊れれば即座に新たな端末が派遣されてくるようですし、本体が別にいるからこそ、壊れたほうを喰うことでなのか、情報の蓄積ができているようですし。……まあ、それにしては、ほむらの正体を直で知っているのではなく、推測の形で話していた辺りは気になるところですが……。

 

キュウべぇが事態を把握し始めたことで、情報面でのほむらのアドバンテージがなくなってきているように見えるのがいろいろと怖いところですが、取り敢えず次回は、いかにしてさやかを救うか、あるいは救えないのか、といった話でしょうか。

今のところ、まどかが魔法少女になればさやかを人間に戻すことは可能である(かもしれない)、という話は出ていますが、その選択肢はバッドエンドの気配しか感じないので、そっちに進んでしまうのか、それとも違う道を見つけるのかが、今後の展開の分岐になるのかな、と思うところですが。まあ、そもそも、さやかの魔女化はキュウべぇの台詞と状況からの推測なので、彼女が完全に魔女になってしまったのか、使い魔の状態なのか、それともそれ以前の状態なのかは分からないところでもあるのですけど。

何にしても、次回はそれぞれにとっての分岐点、正念場になりそうで、一体どうなるのか楽しみなところです。

 

◇次回「そんなの、あたしが許さない」

 

 そういえば、「まどか」の直後に「Aチャンネル」の番宣CMを見たわけですが、番宣CMが流れたってことはこっちでも放送するってことだろうから嬉しい反面、ここで流れたのが同じ芳文社作品だからでなく、「まどか」の後番だからだとしたら、6日遅れが確定となることに……orz。まあそれでも、「メリー」の後番(二週遅れ)よりはマシなのですが。

 

魔法少女まどか☆マギカ #7「本当の気持ちと向き合えますか?」 感想4

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本領を発揮し始めた(?)のがマミさんのアレだったので、血飛沫が飛び散るほうでの残酷さのある物語に進んでいくほうを予想したけれど、むしろこの物語、いかに少女たちをエグく精神的に追い詰めるかのほうをこれでもかと考えられて作られているような気がしてきました……(汗)。

無論、最初から奇跡の供給者であるキュウべぇが胡散臭いことこの上なかったわけですから、隠された残酷な真実が、とか、何か裏切られるような展開とかが来ることも予想してはいましたが、何かもう常に、予め予想しておいた最悪を上回るものが出てくるというか。

 

そんなわけで、今回はお話的にはあまり進んでいないような気がした分、前回明らかになった魔法少女の真実と、さやかと杏子がどう向き合っていくのかが一話使って描かれていた第七話だったかと思います。

 

これまでの奔放さから、おそらく自分のために願いを使ったのだろうと思ってきた杏子ですが、実は彼女も他人のために願いを使っていたことが明らかになりました。しかし、その願いが――願った相手に起きた奇跡が魔法によるものだったことがバレ、それが原因で彼女の家族は壊れて無くなってしまった。だから彼女は、これからは他人のためではなく自分のためだけに生きることを決めたのだと。

だから、魔法少女の真実を知っても、契約したのは自分なのだから自業自得だと割り切って、受け入れることにした。

 

自分のためだけに生きているのだから、責任は全て自分に跳ね返ってくる――彼女のようにそう考えることは、無理矢理にでも突きつけられた現実を自分自身に納得させるには一番なのかな、と思ってしまうところでしょうか。そんなことを言いながらも、自分のことを話して、自分がどうやって乗り切ることにしたかを教えて、さやかを励まそうとした彼女は、結局のところ自分のためだけには生きられていないのだけど……でも、あくまで他人のために戦うことを宣言したさやかが、結局は真っ先に壊れてしまった(?)のを見ると、そんなふうに思えてしまいます。

 

そして、そんな今回の話を観ていて怖かったのが、そうやって明かされた杏子の境遇が、さやかがキュウべぇと契約してしまった時点で予想したさやかの末路そのものだったことでしょうか。相手の願いを履き違えて叶えてしまい、たった一つの拠り所となるはずの願った想いそのものが否定されてしまう……。

そんなことがやはり実際に起こり得ること自体も、魔法少女システムの持つ負の側面を見せつけられたところではありますが、何より怖いのが、最悪だと思ったその結末さえも前振りに過ぎなかったこと。

 

自分はもう死んでいる。人間じゃない。それを突きつけられて、分かったつもりでいたけれど、この先もう普通の人間の人生は遅れなくて、魔法少女として死ぬまで魂を捧げるしかないことを自覚して。

それでもさやかが、ゾンビだっていいじゃないか、見た目は普通の人間と変わらないのだからと割り切って、だったら恋愛をしたっていいじゃないかと思えたのなら、まだ違ったのかもしれない(それはそれで、それがバレて化け物と罵られる展開が来る可能性を否定できませんが)。でも、さやかはそうは思えなかった。化け物の自分はもう大好きな人には近づけない。そう思ってしまったところへ、かつて助けた友人が、彼女の一番いたかった場所に、彼女を押しのけて座ろうとしていることを突きつけられる。

 

仁美はフェアな勝負のつもりでそのことをさやかに告げたけれど、さやかにとってはもうフェアでも何でもない。自分勝手な想いではあるけれど、それはもうただの裏切りでしかなくて。……けど、これが、マミさんの忠告を理解しないまま奇跡を行使してしまった代償でもあるのかな、と。

だからといってさやかを責められないよなぁとも思いますが……。大好きな人が目の前で苦しんでいて、そのときに自分ならそれを何とかできる方法を持っていたとしたら……その誘惑に抗える人がどれだけいるのだろうと。同時に、仁美なんて助けなければ良かったと思ってしまった彼女の気持ちも、当然だと思ってしまう。それをあっさりと割り切れてしまうようならきっと、さやかはそもそも願いを上條君のためには使っていないと思うから。事情を知らないから仕方ないとはいえ(知っていても同じ答えを出した可能性はありますが)、事情を知る第三者から見れば、仁美の宣言はどこまでも身勝手で残酷で空気読めないものにしか思えない……。

 

ここで、仁美がそんなことを言い出したところで、当の上條君自身の気持ちがどこにあるのか分からないじゃないか――とでも言えればまだ希望は見えるのでしょうが、その上條君が、奇跡が起こってからずっとさやかを放置しっ放しなので、どうにも絶望しかないわけなのですが。実はその奇跡はさやかが起こしたものだと知らされたところで、そんなのはさやかが勝手にしたことだ、で終わらせかねない気がしますし。

……そう考えると、やっぱり一番ひどいのは上條君なんですけどね……。いくらさやかの想いが一方通行だったとしても。

 

そんなこんなで自棄になったように見える戦い方をし始めたさやかがどうなるのか、次回の見所はそこでしょうか。思い切り敵対して出てきた杏子が、むしろさやかを助ける側に回っている展開は面白いところではありますが、それを本当に面白いままにするためには、このままさやかに壊れて死んで終わってもらっては困りますから。

ほむらの言っていた魔女の存在もありますし、未だ魔法少女にならないままのまどかが、普通の人間の立場のままさやかたちとどう関わっていくのかも気になりますし。

このままだと魔法少女として使い捨てられて終わるという結末しか見えない彼女たちに何らかの救いはあるのか、そのための鍵を握るのはやはりまどかなのか、それとも希望が見えないだけで実はすぐそばにあるのか……その答えの一端が見えるのが次回なのかな、と期待しつつ、次回を待ちたいところです。

 

◇次回「あたしって、ほんとバカ」

 

 

魔法少女まどか☆マギカ #6「こんなの絶対おかしいよ」 感想5

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これまでの展開からこの先も容赦のない展開が来ることも十分考えていたものの、それでもまだ自分はどこかで脚本を舐めていたことを思い知らされた話でしたねー……(汗)。

 

自分の思い描いていた魔法少女と現実とのギャップを納得させるためか、必要以上にマミさんを神聖視して、逆に他は全て敵視して、必死に自分を正当化しようとしているさやかを見ていたら、いつこの子にしっぺ返しが来るのだろうと身構えてしまうところではありましたが、それがまさか友達に殺されそうになる、って……。良かれと思ってしたことが裏目に出る展開自体は他の魔法少女モノだってあるだろうけど、その結果が本気で友人を殺してしまった……いや、既に死んでいたことを明るみに出してしまった、って……どんだけ容赦ない展開なんですか(汗)。

……そして何より恐ろしいのは、そんな展開になっても、外から物語を眺めている人間にとっては、良い意味でヤラレたと思えてしまうようなうまい展開に見えてしまうことのような気もしますが……。

 

そんなわけで、やっぱりキュウべぇは悪魔だったことが明らかになった第六話。

……そんなことは本編では一言も言われていないけど、もうその認識で良い気がします。契約と引き替えに魂を得る――人はそれを、“悪魔”と呼ぶわけですから。

 

まあ、実際のところキュウべぇがどういう名前で呼ばれる存在なのかは分かりませんが、少なくとも、人間とは決して相容れない生き物であることは確かかと。魔女に孵化してしまうかもしれないものを自分の身体に取り込んだ時点で、もうこれ以上ないくらいに怪しさが爆発していたところですけど、敵とか味方とか以前に、もう考え方そのものが人間とは根本的に異なっている。

そういう意味では、これまでのキュウべぇの言動は、彼にとってはそれほど悪意のあるものではなかったということになるかもなのですけどね。どうも人間側の反発が激しいから、そこのところは黙っとくか適当にボカしておくかしよう――たぶん、彼にとってはその程度の認識でしかなかったのではないかと。……でも、ある意味それが、一番タチが悪い。

 

人間は何で魂の形に拘るのか――キュウべぇはそんな疑問を口にしていたけれど、それがもうどうしようもなく根本的に間違っている。

おそらく真実を知らされたときにキュウべぇを糾弾してきたのであろう歴代の魔法少女たちが拘ったのは、魂の形なんてそんなものじゃない。だって、命を懸けて戦わなければならない――場合によっては死を賭す必要があるかもしれないことと、最初から死んで……いや、殺されてしまっているのとでは全然話が違う。マミさんの例を見れば、結果的には同じことになるのかもしれない。でも、生き残れる可能性があるのと、最初から一欠けらも残されていないのでは全然違う。そこが違えば、もう前提そのものが成り立たない。最初から秤の一方に乗っているものの重さが違うのなら、それを見ながら賭けた願いが釣り合うはずがないのだから。

 

どちらも末路が同じマミさんなら、知っていたとしても、ひょっとしたら歪な形でも存在できることを選んだかもしれない(だからマミさんは人助けで動けたし、さやかに忠告することもできたとも考えられるけど……ほむらとの対立を考えるとやっぱり知らない可能性のほうが高いかな?)。

でも、さやかは自分の命と引き替えでも上條君の手を治すことを願ったかといえば……絶対にないとは言い切れないけれど、引き替えにするものと釣り合わないと手を引いた可能性もある。何を願ったかは明かされていないものの、杏子もあの様子を見ると、願いと対価が釣り合っていたとは思えませんし。

 

しかも、キュウべぇは魔法少女としてより適した形であり、魔力によって肉体がどんな状態になっても復活可能なソウルジェムのほうが便利だと考えているようだけど、そのソウルジェムは魔法を使えば使うほど濁ってしまう。その末路はまだ示されていないけれど、魂の濁りの結末が良いものであるとは到底思えない。

それは見ようによっては、知らないうちに賭けられてしまっていたものさえも、担保にされてしまっているようなものなのではないかと。契約成立となるにはやはり明らかに説明不足。それは、さやかよりも明らかに魔法少女の真実を知っていそうな杏子でさえ、ソウルジェムの正体については何も知らされていなかったことが余計に証明しているような気さえします。

 

……まあ、キュウべぇがそういう存在だったというのなら、ちょっと納得できたところもありましたけどね。

人の弱みに付け込むようなやり方は、騙して契約させるには都合の良いもので、これまでの経験からか、キュウべぇがそうした人の心の動きをパターンとして覚えて利用しているように見えながら、同時に、それにしてはまずい手を打っていないかと思えたところもあったので。

前回辺りから、まどか勧誘を隠さないどころか露骨になってきたことや、今回の自身の才能の低さに劣等感を抱いた様子のさやかに、まどかは逆にかなりの才能を秘めた存在であることを語ったところなど。うまくいけば思惑どおりまどかの契約に持っていけるだろうけど、同時に変にこじれてしまうとこれまで築いてきたものが崩れてしまうような博打的な手だなぁ、と見ていて思ったので。でも、キュウべぇが実は人の気持ちを理解できていなくて、単にこれまでの成功したパターンを利用しているだけなら、それも納得かな、と。

 

そんなわけで、ソウルジェムの真実が明らかになったわけですが、同時にまた浮かび上がったのがほむらの特殊性。まどかがさやかのソウルジェムを放り投げたのを見るや否や、それまでの全てを放り出して即座にそれを追った彼女は、明らかにソウルジェムとは何なのか、それが魔法少女の手元を離れるとどうなるかを知っていたわけで。

そしてそれは、視聴者にとっても、そしておそらくはまどかにとっても、ほむらがどうしてあそこまで忠告を繰り返していたのか納得できるところだったのではないかと。今回も、せっかく忠告を聞き入れてくれたかと思ったらしつこく関わっているまどかに相当苛立ったからか、相変わらず不器用にきつい言葉を投げかけていた彼女がいましたが、その真実を知ってしまえば、そんな彼女の行動はこれ以上なく真摯なもので、そのもどかしさも当然のものであったのだと分かるところ。甘い言葉で誘ってはいるけれど、それは命そのものを取られる――それどころか、魂さえも奪われるかもしれない契約なのだと。そんなもの、これ以上の被害者を増やしたくないと思うのは少しもおかしなことじゃないし、それがもしも大切な相手だったとしたら、尚のこと。

 

まあ、そこで疑問になるのは、ほむらが何故その真実を話さなかったのか――あるいは、話せなかったのか、ということですが。その辺、ほむらの特殊性に絡んでくるところなのですかねぇ。

彼女の使う魔法も、これまでの三人が武器を持って戦うタイプなのに対し、距離に制限はありそうなものの、瞬間移動……あるいは、ABの位置を入れ替えるといったような感じで、違うタイプのものと思われるわけですし……。他人のために願ったさやかと、おそらく自分のために願ったと思われる杏子・マミが同じタイプであることを考えると、少なくともそこで差が出たようには思えませんが……。

 

ともかく、ソウルジェムの真実が明かされたことで、今後の展開がまた分からなくなってきたところでしょうか。これでは話が違うと、杏子とさやかがキュウべぇと敵対してもおかしくなさそうですが、それくらいでどうにかなるような甘い契約を強いているとは思えないし、今回ちらりと明かされたほむらの目的も気になるところですし。

今回時間を割かれていた、まどかとその母親の会話シーンを見ると、彼女の言葉や生き方が鍵になりそうな気がしますが、だとしたら、それを見て聞いていたまどかがどんな答えを出すのかが、やっぱりこの物語の解となるのですかね……。その前に、ほむらがどういった存在なのかや彼女のしようとしていることが明かされるのが先かとは思いますが。たぶんそれも、まどかが答えを出すためには必要なピースなのではないかと思いますので。

 

◇次回「本当の気持ちと向き合えますか?」

 

 

魔法少女まどか☆マギカ #5「後悔なんて、あるわけない」 感想4

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これまでで一番緊張しながら観ていたかもしれない第五話。しかもその緊張感が、普通なら魔法少女モノを観ているときに抱くものでは全然ないのが……(汗)。

 

前回の感想で、上條君の怪我が回復したこと自体はポジティブに捉えた感想を書いていましたが、その後、他の人の感想で、「そもそも上條君の怪我の原因となった事故は、自分の才能の限界を感じた上條君が自分で起こしたものかもしれない」――つまりは、上條君は本当のところ怪我の回復なんて望んでいなかったかもしれないという可能性が示唆されているのを見て、確かにその可能性もある……というか、むしろここまでの脚本を考えるとその可能性のほうが高いかもしれない、と思いまして。なので、さやかが上條君に会いに行った辺りから、ずっとひやひやしながら見ておりました(汗)。

幸い、今回は上條君の回復を祝った人たちを含め、全員そのことを喜んだ感じで終わりましたが……まだひっくり返る可能性が残っているだけに、次回以降もこれに関しては気が抜けないことになりそうな。仮に前述したような真実があったとしても、奇跡でも起こらない限り駄目だった怪我が治ったならば、その奇跡には望んでいた才能の付与もあることを、上條君が期待しない可能性もないわけで。だとすると、わずかでも希望が見えた分、本当に望む奇跡が起こらなかった絶望がより深いものに……なんてことにもなりかねないわけですから。

上條君の絶望と、奇跡を起こしたのがさやかであることがバレるのが重なったりしたら……というか、もしもそっち方向の展開になるなら高確率でそうなりそうで、今から怖いです。

 

その可能性に気づいたとき、さやかの役割をもう一つ思いついてしまったのもありますしね……。

後述のとおり、第五話の段階では別のルートが示されましたけど、もしも魔女が魔法少女の成れの果ての存在であった場合、ほむらが言うところのたった一つの希望が否定された――グリーフシードのその名のとおり、悲しみに染まったものだとしたら、さやかはそれを説明するためには最適の人物ですからね……。そうでなかったとしても、さやかのように他者に願いを置いた人が、その願いそのものを、魔法少女になった理由そのものを否定されたときにどうなってしまうのか、ということを描くことも可能で……やっぱりさやかの末路は悲惨なものにしか思えないのが怖いです。

 

今回、杏子とキュウべぇの言動から、魔女と魔法少女について二つのことが分かりました。

一つは、使い魔が四、五人ほど人間を食えば魔女になる、ということ。それが全てか、魔女の側面の一つかは分かりませんが、ひとまずこれで、魔女の前身は使い魔である、ということが明らかになったわけです。そして同時に、グリーフシードの存在から、使い魔は放っておいて魔女になるまで待ってから狩ったほうがいいという杏子の考え方の合理性が分かるし、(まどかたちに対するパフォーマンスでなかったとすれば)人助けのために使い魔とも戦っていたマミの特異性が見えてくるところでもあります。……魔法少女のサンプル自体が少ないので、杏子のほうがイレギュラーでマミのほうがスタンダードの可能性もありますが。

もう一つは、個々の魔法少女のパラメータは、願いによって決まってくるということ。癒しの願いを使ったさやかが回復力に優れている、というように。こちらは今のところ、展開にどう絡んでくるかが分からないところですが、頭の隅には置いていたほうがいいのかもしれません。

 

まあ、それはそれとして。今回でキュウべぇはクロ認定しちゃっていいのではないかなー、という気がします。

彼絡みの演出がとことん邪悪なのはこれまでにもあったことですが、今回のキュウべぇを見ていると、さやかの魔法少女化が、「しめしめ。これで、まだまどかを勧誘する猶予を得たぞ」というようにしか見えないという(汗)。さやかのピンチにここぞとばかりに魔法少女化を勧める辺りも、もうその気を隠す気がないようにしか思えないですし。というか、この期を逃したらもう次はないとばかりに畳み掛けているようにも見えましたしね。

自分が少女たちを魔法少女にしておいて、その魔法少女同士の抗争には一切の責任を持たないというのは、意図的なものでなければシステムの欠陥としか言いようがない気がするのもありますし。そもそも、グリーフシードに確かな恩恵がなければ(杏子が単に手にした力に酔っているタイプという可能性もあるにはありますが)あんな台詞が飛び出すだろうかと考えると、どう考えてもキュウべぇは何か肝心なことを黙っているだろう、と思ってしまうわけで。

そして、それ以前に、杏子に対しては介入してくるかもしれない(・・・・・・)ほむらのことを警告しているくせに、確実にさやかをロックオンしている杏子のことは一切警告しなかったのがもう絶対的に怪しい。それが、魔法少女同士のバトルを推奨するものなのか、さやかのピンチをまどかの魔法少女化に利用しようとしているのかは分かりませんが……。

 

そんなわけなので、今回ばかりはラストのほむら登場は「待ってました!」と言わんばかりのものでした(笑)。

これまでは、彼女が肝心なことは何も喋る気がなさそうなことと、マミ&キュウべぇとは明らかに対立していたことから、戦場で出くわすことで事態が悪化することを懸念していましたが、今回の場合は、此処で登場しないのはあり得ないだろう、という状況でしたからね。何せ、これまでで一番、まどかの魔法少女化がかかっている。何よりもまどかに魔法少女になって欲しくない様子の彼女があの事態を見逃すのは、さやかを止められなかったこと以上の大ポカになってしまいますから。

 

今回はほむらが介入してきたところで終わったので、その介入によって魔法少女同士の戦いがどういう結末を迎えるのかが見所でしょうか。三つ巴になるのか、杏子が撤退するのか、それとも……。ほむらが出てきたことで、まどかがさやかのピンチを助けるためだけに魔法少女になる可能性は低くなりましたが、次回サブタイトルの台詞がまどかの可能性が高そうなのもあって、まだまだ不安は拭えないところです。

 

◇次回「こんなの絶対おかしいよ」

 

 

魔法少女まどか☆マギカ #4「奇跡も、魔法も、あるんだよ」 感想5

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前回のマミさん死亡で、彼女の蘇生を願いとしてまどかたちが魔法少女になることを選択する可能性も考えてはいましたが、安易にそういう選択肢を選ばなかったことで、ますますこの物語の――まどかの最後に選ぶ選択肢が何になるのかが気になってきた気がします。

 

そもそもまどかたちが、願いによってマミを生き返らせる、という選択肢自体を考えもしていない様子なのは、単に思い浮かばなかっただけ……というよりは、死者は生き返らない、という事実が彼女たちの中にはあるのかな、と思うものが。願いを使えばそれも叶うということは、魔法少女の説明のときにあった気がしますが、それでも、その選択肢が浮上しないのは、まどかたちがそれは無理だと……あるいは、やってはいけないことだと考えているから……。

もしくは、禁忌の度合いが高いと感じているからこそ、マミの蘇生と、そのために支払う代償を無意識のうちに天秤に掛けているのかもしれませんが……。

 

実際、まどかがマミの蘇生を願うどころか、だんだんと乗り気になってきていた魔法少女になるということすら忌避するようになってしまったのは、魔法少女の最期を見て、怒りややるせなさを感じる以上に、恐怖を覚えてしまったからだろうなと思うわけですが。今の彼女たちの持つどんな願いも――今の日常を幸せだと感じているからこそ尚更、自身が悲惨な最期を遂げるかもしれない可能性とは釣り合わない。――失った大切な人を取り戻すという願いさえ。

だからこそ、まどかは自身の選んだ選択肢に、過剰なくらいに罪悪感を覚えているのだろうな、とも思いますが。マミと最後に交わした会話がまさに、自分も魔法少女になって一緒に戦うというもので、なのに自分は彼女の死に怖気づいてその約束を放り出してしまった、と。

 

……視聴者目線で見れば、現実を目の当たりにして考えを改めたことは、それはそれで正しい選択だったと思いますけどね。

ほむらの言うとおり、一緒に戦う約束こそ果たせなかったものの、確かにマミという少女がそこにいたことを覚えていてくれるだけでも、これまで語られたマミの境遇を思えば、それは尊いことなのだと思いますし。

 

それはそれとして。その辺のくだりを話していたときのほむらを見ると、かつてまどかとほむらは知り合い(友達)で、だけど今のまどかはそれを忘れてしまっている、という説がどんどん現実味を帯びてきている気がしますね。そして、ちゃんと話せば友達になれるかもしれない女の子だと、視聴者的には既にほむらの忠告は真摯なものだと分かっていたことではあるけれど、まどか視点で語られることで、より確かなものとして示されたところでしょうか。

 

そんな感じで、一度は魔法少女になるという選択肢を選ばなかったまどかたち。とはいえ、それを決めた後のキュウべぇの立ち去り方などは、やっぱり台詞だけを見ればその行動に何らおかしいところはなくとも、まどかたちを引き止めようとするような作為を感じてしまうものが……(汗)。

さすがに慣れてきたからか、それともキュウべぇ一人にできる範囲を超えているように思えたからかは分からないものの、今回起こった出来事はさすがに偶然だったと思いたいところですが、それでも、さやかが強く願った瞬間に、ちょうど窓の外にいた様子などは、上条君が最後通牒を貰ったのも彼が仕向けたのではと疑いたくなってしまうというか。魔女によると思われる集団自殺に、まどかの友達が巻き込まれていたことも。

 

でも実際、キュウべぇが全てをきちんと語っていたかというと全然そんなことはなかったのは、今回で明らかになったところではありますしね。

マミのような――純粋に人助けを一番に置いているような魔法少女は少ない、と確かに言ってはいたものの、それが本当にはどんな意味を持っていたのかは、たぶんまどかたちには伝わっていないわけで。そしてそれは、たぶん意図的にぼかして喋っていたと思われるわけで。

マミと対立していたほむらが、まどかたちに見せていた部分が口論に徹していたのもまた誤解を助長させていたところかとも思うわけですが、何にしても、魔法少女になるということは、魔法少女vs魔法少女になる可能性もある――というか、あの町は良い狩場らしいので特に、ほぼ確実にそうなることを教えていないのは、どう考えてもフェアじゃない。仮に本人的には教えているつもりでも、まどかたちがそれを理解しておらず、また理解していないことを分かっているとしたら、やっぱりそこには欺瞞がある。そして、そこに欺瞞があるのなら、他の部分も怪しくなる。魔女やグリーフシードとは本当は何なのか、戦った報酬としてのグリーフシードが何のために必要なのか――そして、魔法少女になるというのは、どういうことなのか。

 

しかしまあ、ポジション的に、さやかの魔法少女化は死亡フラグだよなぁと思っていましたが、今回を見るとますますそう思えてきたところで。

今度こそまどかを魔法少女にするための生贄として魔女に殺されてしまう可能性が真っ先に浮かんではいたものの、それだけでなく、三人目の先輩魔法少女にロックオンされた時点で――そして、それをたぶんキュウべぇは警告しないだろうなぁと思えてしまうことから余計に――、魔女どころか同じ魔法少女に殺されてしまう可能性もまた出てきたかと。

 

そうした部分とは別に考えてしまったのが、さやかの契約の最後の後押しをしたのが上条君だったということ。

上条君はそんなことは知りませんが――というより、知らなかったからこそ、彼の願いを叶えるためにさやかが支払った代償が何だったのか、そして、その選択肢を選ばせてしまったのが自分の八つ当たりだったことを知ったときに彼がどう思うのかなと思ってしまったわけで。

無論、今回のマミと同じように、さやかが戦死してしまっても、上条君はそれを知らないまま、ただ行方不明になったと思って終わる、という可能性もありますが……まどかがここまで安易に魔法少女にならずに来ていることを考えると、そうした残された側が何を想うのかをまどかに見せる可能性は高いように思えてしまうのですよね。そしてその上で、それでもまどかは魔法少女になることを選ぶのか……それとも、ならないことを選ぶのかを突きつけるんじゃないかな、と。

とはいえ、物語的にはそのほうが面白くなりそうだと思うところはあるものの、こんな予想は外れてくれるに越したことはないんですけどね……。

 

◇次回「後悔なんて、あるわけない」

 

 

魔法少女まどか☆マギカ #3「もう何も恐くない」 感想5

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予想通りと言うべきなのか、予想以上と言うべきなのか……シビアな魔法少女の世界の現実が描かれた第三話でした。

 

今回語られたマミの魔法少女になった経緯、そして、まどかが仲間になってくれることを知って本当に嬉しそうにしていた彼女に嘘がないのならば(少なくとも、今回を観ている感じでは本当のように思えましたが)、マミは哀れな被害者の一人……もとい、純粋に魔法少女をやっていた、ということで良さそうですかね。

まどかの言葉に喜び、張り切って魔女に立ち向かう彼女を見たときは、あれ?これって死亡フラグ……とか思ったら、本当に退場になってしまったのには驚きましたけど。……そういう意味では、事前にマミの魔法によって拘束されていたほむらが自由の身になる=拘束魔法の使用者の消失、はうまい描き方だなぁと思ったところ。その瞬間のエグい描写がなくても(遠目では何が起こっているのか分かる描写ではありましたけど(汗))、どのような結末を迎えたのか一目瞭然となるわけですから。……まあ、あの世界自体がグロテスクだし、食われることが分かった時点で十分エグいのはありますけど。

 

逆に、まどかの部屋での描写など、相変わらず怪しげというか邪悪さを伴った演出がされているように思えるのがキュウべぇ。先入観抜きで彼の行動を見てみると、ごく普通の魔法少女のマスコットキャラをやっているような気はするのですが、その先入観込みで見ていると、本当に怪しいとしか言いようがないというか。

 

マミへの勧誘も、さすがに事故自体をキュウべぇが引き起こしたとは思いたくないところですが、最大に弱っているところに付け込むようなやり方に思えてしまうし、今回の病院でのグリーフシード発見も、(まどかの素質の高さを示すエピソードの一つかと思いつつも)さやかの願いの片鱗を見たからこそ、それを後押しするために仕組んだのでは……と疑えてしまいますし。……どっちも、これが日曜朝とかの時間帯にやっている魔法少女アニメなら、十分普通にあり得る展開なんですけどねぇ……(笑)。

更に邪推するならば、キュウべぇがあの場に残ったことすら、その後の布石のためとも考えられてしまいますし。……例えば、より優秀な、そして本命であるまどかが手に入りそうだから、その背中を更に押すために、あるいは用済みになったから、マミを始末するために。

 

まどかが魔法少女になることをほぼ決めたところでのこの展開は、彼女の理由も相俟って、二重の意味でまどかに現実を突きつけるようなものではありましたが。誰かの役に立てるかもしれないなんてだけの考えで踏み込むには甘い世界であることを、存分に見せつけるものでしたから。

でも、この先共に戦うこともほぼ決めてしまっていた憧れの先輩の死は、うまく作用すれば十分な着火剤になり得るもので。更にそこには、その先輩と敵対していたほむらというライバルの存在がある。グリーフシードを手にしたほむらに対するさやかの反応などを見ていると、もしもほむらのその反応すら計算に入れて今回の件を仕組んだ者がいるのだとしたら、まさにその企みは大成功なんじゃないかと思えるものですし(視聴者視点で見ていると、ほむらは、魔女に殺されることも、魔法少女になってしまうことの阻止という意味でも、まどかたちを助けてくれているのですが)。

……これで次回、マミが復活してきていたりなんかしたら、それこそ本当に仕組まれたことだったんじゃないかと思ってしまうところですが……さすがにそれはないですかね。

 

ほむらに対する対抗心というか……下手したら逆恨みでさやかは魔法少女になってしまうんじゃないかという危惧があるわけですが、それ以上に、まどかがどうするのかが気になるところ。目の前であれだけのシビアな現実を見せられても、今回固まりかけていた願いを貫き通すのか、それとも、マミの復讐という別の動機から魔法少女になってしまうのか……あるいは、やっぱりやめようと思い直すのか。

 

今回の流れのままに魔法少女になってしまうとしたら、どちらにしてもネガティブなことになりそうな気がしてしまいますが、「魔法少女」をタイトルに冠しながらも、まどかが変身するときがまだ先ならば、まだまだ分からないかも? 例えば、さやかが先に魔法少女になってマミと同じ末路となり、もうそんなことを繰り返させないためにとか、もしくは、ほむらの事情を知るエピソードが挟まり、全てを知った上でほむらを助けるために戦うことになるとか。

ここまで引っ張っていることを考えると、まどかが魔法少女になるそのときの状況や理由は非常に重要なものだと思えるので、やっぱりまずはそれが今後の展開においても、最大の注目ポイントかな、と思います。

 

◇次回「奇跡も、魔法も、あるんだよ」

 

 

魔法少女まどか☆マギカ #2「それはとっても嬉しいなって」 感想4

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相変わらず先入観を持ちつつ視聴しているわけですが、それ故に、これまでの「魔法少女モノ」を踏まえた上での面白さなんかもあったりして、これはもう完全にスタッフの策略なんだろうなぁと思ってしまうところ(笑)。マミやキュウべぇに感じてしまう黒さ(笑)も、たぶん意図的にやられていると思いますし。

 

特にキュウべぇは、そのビジュアルが胡散臭さを感じる原因だと改めて思ったところ。

見た目は可愛い、いかにもなマスコットキャラなのですけど、そのガラス玉のような瞳は瞬きもせず、猫のような口も一切開かない。可愛いのに、妙に作り物めいているというか。これ、せめて口だけでも動いて普通に会話していたら、また印象が違ったと思うのですよね。

 

とはいえ、そうした部分も含めて、一話・二話と観ていて思うのは、第一印象は大事、ということ。

 

私の場合、最初からキュウべぇとマミには疑念を持ちながら観ていたわけで、だからこそ二人の言動には胡散臭いものを感じてしまうわけですが、逆に、ほむらに対してあまり良い印象を持っていなかったさやかは、ほむらの行動全てをマイナスに捉え、憤りを口にしています。

逆も然りで、ほむらに対して何らかの事情がありそうだと観ていた私は、彼女の行動を割と肯定的に捉えていますが、哀れな被害者と頼もしい先輩として登場したキュウべぇとマミに、さやかは全幅の信頼を置いているように見えます。

 

魔法少女の導き手となる存在が、見方を変えるだけでこんなにも胡散臭くなるんだ(笑)、というのは面白い視点ですし、もしもそれすらも踏まえたファーストコンタクトだったとしたら、完全にマミとキュウべぇの作戦勝ちなわけです。

可愛いマスコットと優しい笑顔の先輩と、にこりとも笑わない得体の知れない転校生。どちらが信用しやすいかは一目瞭然ですしね。おそらくほむらが一番阻止したかったと思われるまどかとキュウべぇの接触が果たされてしまったことで、ますます説明する気がないようなのも拍車を掛けていますし。逆にマミは、頼れる先輩が目の前でピンチに→でも一発逆転でやっぱり頼りになる&かっこいいところを見せているわけで。

 

でも、マミとキュウべぇがしてくれた説明だって、全てを信じていいのかはまだ分からないんですよね。

魔法少女が魔女を取り合う理由も彼女たちが語ったことが真実とは限りませんし、魔女の残したアイテムで魔力回復するのに何のリスクもないのか、そもそも回復しないとどうなるのか。ほむらが受け取らなかったのも、見ようによっては、それが危険な行為だったからとも取れるわけですし。

魔女が敵であるということも、ほむらが何のために魔女を追っているのかが彼女自身から語られたわけでもないことから、マミたちとは全く別の理由である可能性だってあるわけで。……というか、最悪、マミは魔女の手下で、まどかたちに見せていた魔女退治が自作自演である可能性だってあるわけですから(さすがにこれは疑いすぎかな、とも思いますが……)。

そして、もしも今回語られたことが全て真実だったとしても、彼女たちが意図的に何かを黙っている、という可能性はやっぱり残っていますからね……。

 

とまあ、キャラに関しては胡散臭く思いつつも、マミの魔法少女としての戦闘シーンに関してはけっこう好きだったりします(笑)。重く響く銃声とか、撃ったときの反動とか、魔法なのに銃器とか、何かいろいろツボを刺激されるような……。

 

二話目にしても主人公が変身しないというある意味斬新な展開だったものの、本当に魔法少女になるまでをしっかりと描いているのはなかなか興味深いところ。というか、前回はほむらでしたが、今回はさやかの台詞に注目してしまった部分が。

今の自分は幸せで、だから命を懸けてまで叶えたい願いは思いつかない。でも、自分はそうだけど、世の中にはきっとそんな願いを持った人がいる。なのに、何故そんな願いを持たない自分たちが選ばれたのか。

 

これも、歴代の魔法少女に対するカウンター……とまではいかなくとも、いろいろと考えさせられてしまうところ。

確かに、もし本当に何でも願いを叶えてくれるような万能の存在がいるのなら、何か満たされていないものがあっても現状幸せな主人公よりも、もっと切実な願いを持っている人間に手を差し伸べてやれよ、と思ってしまうわけで。又、頼まれただけであっさりと命懸けの戦いに身を投じてしまうのも、一つ見方を変えれば軽挙妄動とも捉えられるわけで。

 

とはいえ、そんな歴代の魔法少女たちの答えは、最後のまどかの想いに集約されるんだろうなとも思いますが。願いを叶えてもらえるとかじゃなくて、自分が誰かの役に立てるのなら……という想い。

それが善意に繋がるのなら、これまで観てきたような綺麗な物語になるのでしょうが、果たしてこの物語においてはどうなるのか……今回で動機付けが完了したと思われるので、今後はそこら辺も注目しつつ見守っていくところでしょうか。

 

◇次回「もう何も恐くない」

 

2011年1月新番組感想(4)「魔法少女まどか☆マギカ」 #1「夢の中で会った、ような…」4

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制作がシャフトだということをど忘れしていて、冒頭の演出を見ながらうっかりシャフトっぽいなぁとかボケたことを思ってしまったり、作中でまどかが「いってきます」と言ったまさにその瞬間、現実でも妹が「いってきます」と出て行ってその奇跡的なシンクロっぷりにビビったりしましたが(笑)、何はともあれ、ようやくこちらでも「まどか☆マギカ」が始まりました。

 

とはいえ、第一話の摑みとしては、「GOSICK」や「ゾンビ」に軍配が上がるかな、と思ってしまうところでしたが。完全にオリジナルな「まどか」に対し、その二つは多少なりとも原作を知っていて、ある程度作品の方向性を知っているからそう感じたのかもですが……。

あとはやはり、脚本担当が虚淵玄さんということで、放送前から真っ当な魔法少女ものにはならないだろうとか、どこかしら後味の悪い結末になるんじゃないかとか(それらを総合して「血だまりスケッチ」なんだろうけど)、そんな不安の声を目にしていたせいか、初っ端から主人公サイドに胡散臭いものを感じてしまっているのも一因なのかも(汗)。

 

日常が一変する直前に見た不可思議な夢、主人公がこれまで当たり前に享受してきた日常の風景、そこへ訪れる謎の転校生(直前の夢に登場)、そんな彼女からの不可解な警告、主人公にしか聞こえない助けを求める声、その声に導かれた先で巻き込まれる非日常……更にはそこに、主人公は選ばれてその非日常へ誘われたことが加われば、これらの要素だけなら魔法少女モノに限らず、その手の物語のテンプレートとしてはよくありそうなもの。

……にも関わらず、不穏な気配や血の気配を感じてしまうのは、その非日常の世界のダークさと、主人公の導き手となりそうな先輩魔法少女とマスコットに胡散臭さを感じてしまうからでしょうか。それに付随して、主人公が夢のせいで多少挙動不審な点を除けば、至極真っ当な反応をしている主人公とその友人の反応までウザく思えてしまうのが困るところではあるのですが。

 

勿論、そんなのはただの思い込みで、先輩魔法少女やマスコットが普通に善のキャラクターである可能性もあるわけですが。でも、現状で主人公に本当にためになる助言をしてくれているのはほむらのほうにしか見えないという(笑)。何と言うか、“魔女”とかいう存在(か、あるいは別の何者か)にほむら自身が騙されてそれまでの彼女の世界を壊されたからこそ、同じ目に遭いそうなまどかに警告してくれているんじゃないかな、と。

 

始めから不信感を持って観ていたせいか、最初っから名指しでまどかに助けを求めていたことからして、キュウべぇが怪しく思えて仕方ないんですよね。しかも、その友人が巻き込まれたら、ちょうど良いとばかりに彼女まで選ばれた者っぽいことを言い出していますし(単に彼女が覚えていなかっただけで、彼女もまた例の夢を見ていた可能性はありますが)。

……とはいえ、この手の物語のお約束として、親切心から警告してくれているキャラが中途半端に情報を小出しにするせいで逆に主人公にとっては怪しく思えてしまうという展開を地で行っているので、今のところは純粋な被害者&通りすがりの頼もしい先輩にしか見えないキュウべぇたちのほうをまどかたちが信じてしまうのは分からないでもないのですけどね。

 

まあそれはそれとして。そんなまどかに警告するほむらの台詞が、今回は一番印象に残ったところだったかも。

家族や友人が大切なら、無理に(あるいは安易に)現状を変えようとするな。何気に深い言葉だなぁ、と。ほむらが実際どういう意図で言ったのかに関しては、前述のようなまどかが変なことに巻き込まれないための警告の意味合いが大きかったのだろうとは思うけど、これって、よくある現状に不満や物足りなさを感じている主人公に対するカウンターのように聞こえてしまったもので。

 

家族や友人を本当に大切な存在なのだと、心から言える。それは、それだけでもう十分幸せなことなんだから、それだけ満たされていながら更に何かを欲しがるなんて贅沢だ。無いものねだりばかりしていないで、今持っているものをまずは大切にしろ、と。

……考えてみれば、物語の主人公は大抵それでも両方手に入れてしまうけど、現実がそんなにうまくいくとは限らないわけで。無論、だからといって現状を一切変えるなという話ではないけど、その新たに踏み出そうとしている一歩は本当に必要なものなのか、それは場合によっては今の自分にとって大切なものと引き替えにしても手に入れなければならないものなのか、それらを今一度よく考えてから行動しろ、と突きつけているものなんじゃないかと。

 

第一話にしてこんな台詞が飛び出したということは、後にまどかにそれらを天秤にかけなければいけないような展開が訪れる可能性は高いのではと思うと、それは楽しみになるところではありますけどね。……もっとも、おまえの安易な選択の結果が大切なもの(家族や友人)を失う結果を招いたのだ、というのを突きつける展開になる可能性もありますが(汗)。

 

キュウべぇたちに胡散臭いものを感じてしまうこともあり、今の段階では今後の展開には期待よりも不安のほうが大きかったりもしますが(汗)、第一話の段階ではキャラとキャラ相関の大雑把な構図が示されただけで、“魔女”とは何なのか、そもそもあの世界は何なのか、まどかたちが魔法少女に指名されたのには理由があるのかないのか、キュウべぇたちの行動に裏があるのか狙いは何なのか、分からないことだらけなので、少なくとも前二つが明らかになるくらいまでは観てみようかと思うところ。

まだまだ第一話ですし、せっかくのオリジナルアニメなのですから、これからどんどん面白くなっていくことを期待したいですしね。

 

 

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主題歌・OST→
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「笑顔のチカラ」 羽山ミズキ(後藤麻衣)
「願いのカケラ」 雨宮優子(中島裕美子)
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