翠の匣

アニメや読んだ本(漫画・ラノベ)の感想を、徒然と書き綴っているブログです。

Fate/Zero

Fate/Zero #25(終)「Fate/Zero」感想5

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寸前でギル様に邪魔されるようなこともなく、セイバーによって無事(?)破壊された聖杯。

まあ、この機会を逃すといつ壊せるんだって話になるので、そこはたぶんすんなり行くんだろうなと思っていましたが、あくまで順調だったのは器を壊すところまでだったかというのか、その中身は破壊されても尚、溢れ続けて冬木市民会館(でしたっけ?)の周囲を火の海に変える結果に。

 

stay night」を知っている人間からするとお馴染みの光景となったわけですが、てっきりあの光景は、前回の切嗣vs綺礼がその途中で呑み込まれたときに、あの場所だけでなく外へも溢れ出して起こったものと思っていたので、あれが起こるのが聖杯を破壊した瞬間だったというのはちょっとびっくりしました。

とはいえ、破壊しても尚……あるいは、破壊したからこそ起こったのだとすれば、切嗣の絶望としてはこの上ないなぁとも思ってしまうところでもありましたが。聖杯が叶えられるのはあくまで本人が知る手段の延長線上だけと知らされて、そして、親子三人で幸せに暮らす別の道を示されながらも、これまでどおりにより多くの命が救われるほうに天秤を傾けて、聖杯の破壊を決めたはずなのに。しかし、その結果は、救うと決めたほうの命すら救えないというもので。

 

でも、逆に言えば、そこまで追い落とされて、初めて切嗣は、これまでとは違う生き方を選ぶことができたのかなぁ、とも思います。厳密に言えばもう一つ、どうしてももう一度イリヤに会うことはできなかった、というのもあるかもしれませんが(切嗣がちゃんとイリヤを迎えに行こうとしていたのにはちょっとだけホッとしました。それだけに、大人たち(主に祖父)の思惑に振り回されたイリヤが可哀想になるのですけど)、何にしても、そのイリヤを失ったのが最後だと言った切嗣は、たぶんその瞬間に、本当に「正義の味方」になることを諦めたんだろうな、と。いや、諦めたというより、「万人を救う正義の味方」ではなく、たった一人の「衛宮士郎の父親」になることを選んだ、選べたんじゃないかな、と。

 

そう考えると、士郎が切嗣の夢を引き継ぐことを宣言したあのシーンで締められたのは妥当なのかな、という気がします。初恋の人を失い、父親の命よりも見知らぬ大勢の命に天秤を傾けてしまった瞬間から走り出した衛宮切嗣の人生の終着点。夢を追っているはずなのに血と涙を流すばかりだった彼の人生が、たぶん最高に……そして最期に報われた瞬間。「Fate/Zero」が衛宮切嗣という人間の物語とするなら、確かにそこが物語の終わりで、夢の終わりなんだろうな、と。

個人的に、終わるとしたらこのシーンか、あとは十年後のセイバーが再び召喚されて士郎に問いかけるあのシーンかなと思っていたので(後者だと、いかにも「stay night」に続く感じでこれはこれで綺麗かなと思いますし)、予想通り綺麗に終わったかな、といった感じでしょうか。どうせなら十年後のウェイバーが観てみたかったなとか(笑)、士郎が宣言したところで、頭上に光差すセイバーのシーンが挿入されたことで、セイバーもまた切嗣が救えなかった者の一人であり、それが士郎に引き継がれたとするなら、EDロールが流れた後で、十年後のシーンが入って終わってもそれはそれで良かったかなとか思ったりもしますが。

 

セイバーといえば、ランスロットを倒したとき、実はもう少し会話があったことが明かされたわけですが。その最期の会話と、とうとう分かり合えないまま終わった切嗣との関係、そして第四次聖杯戦争で突きつけられた自身の至らなさが、こちらは悪い意味で彼女の考え……願いに影響を与えていたんだな、と(自分の駄目だったところの一部に気づけた点は良かったことなのでしょうが……でも、ランスロットの言葉の、アーサー王を肯定する部分はたぶん届いていない気がするので、そこはまだまだセイバーが至らないところですよね……)。

思えば、この「Zero」において彼女は「祖国の滅びの運命を回避したい」と言っていたわけですが、根本の願いは同じものの、十年後は微妙に違うことを言っていたのですよね。すっかり忘れていましたが、ランスロットの最期の言葉を思い出しながら呟いた彼女の言葉で、何だか納得してしまいました。

……そんな彼女を思うと、士郎との出会いのシーンで締められるとすぐさま「stay night」のゲームかアニメに手を出してしまいそうなので(笑)、一つの物語として締めるには、やっぱり切嗣と士郎のあのシーンで終わったほうが綺麗ですかね。……商業的には士郎とセイバーの出会いで締めたほうが良い気もしますけど(笑)。

 

切嗣−士郎とは別の意味で、これが運命の出会いだったんだなぁとつくづく思ってしまったのが、綺礼−ギルガメッシュでしょうか。「Zero」を観ているとホント、ギル様と出会わなかった綺礼を見てみたくなるところなのですが、最後の最後まで、綺礼はギル様に扇動(誘導)されていたんだな、と。

まあ、綺礼自身にある程度納得してしまう部分があるからこそ、ギル様の言うことを鵜呑みにしてしまっているのはあるのでしょうが、聖杯――アンリマユによるあの凄惨な光景こそが綺礼の望みだというのは、視聴者視点で見ると、ギル様の勝手な解釈に過ぎませんからね。そもそもギル様、直前で「万能の願望器として争っていたのがあんなものか」みたいなこと言っていたわけですし。

いやまあ、前回の「聖杯が叶えられるのは本人が知る手段の延長線上のみ」ということからすると、何だかんだ言いつつ笑顔の綺礼の望みは確かにこれなのかもしれないなと思わなくもないですし、描かれなかっただけで前回は綺礼もまた切嗣のように聖杯の中に取り込まれていたのかもしれないし、ギル様が受肉しているのを見ると、マスター−サーヴァント共に聖杯に何がしかの影響を受けたのはこのペアだけで、それを勝者とするなら、その解釈も間違ってはいないのかもしれないけど。でもやっぱり、綺礼が求め続けた問いの答えは、ギル様によってギル様の都合の良いように誘導された気がしてしょうがないです。ギル様の解釈で合っている部分もあるんだけど、同時に、そうじゃなかった部分を取りこぼしてしまった、みたいな。

 

余談ですが、実は生きていた葵さん(あの状態での生存が幸せかは分かりませんが……少なくとも凛にとっては、両親を同時に失うよりはマシだったと思いたいところ)と同様、まだ少しは生き長らえていた雁夜おじさん。最後の最後に桜を助けに行き、でもその桜に殺されたのか?って感じの最期でしたが……彼の望みどおりの夢を見ながら逝けたのは、聖杯戦争参加者としては報われた最期だったのかな……という気も。もっとも、あのシーンは、彼が足掻こうと既に桜が取り返しのつかないところまで臓硯に改造されてしまっていたことを嘆くところなのかもしれませんが。

 

ともあれ、全二十五話、これだけのものを見せてくれたスタッフの皆様には、お疲れ様&ありがとうございました、と言うところでしょうか。一期同様、Bru-rayでの補完(尺の都合でカットされた部分)があるのかなと思うと、本当の終わりはそれを観たときかな、という気がしないでもないですが(今からお金貯めておかないとですねぇ……)、全二十五話、毎週楽しませてもらいました。

 

 

Fate/Zero #24「最後の令呪」感想5

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一期が十三話まであったので、二期も同じで全二十六話構成かなと思っていたのですが、次回予告とサブタイトルを見ると、次回で最終回っぽいですかね。

 

そんなわけで、「Zero」しか知らない人なら「誰?」と思いかねないような予告でしたけど、それが誰の言葉か、どういう状況での言葉かを知っている身としては、次回予告で泣きそうになりました。

 

今回の内容を要約するなら、「遂に起動した聖杯。その真実に触れ、セイバーに破壊させることを決意した切嗣」といった感じで、己のやり方に限界を感じ、だから奇跡に縋るしかなかった切嗣が、聖杯が叶えられる願いは切嗣の内にあるやり方の延長でのみ――即ち、自分の願いは決して叶わないことを知る回だったわけで。

とはいえ、それだけ見ると悲惨ですが、同時にその絶望は切嗣にとって転機になるのかもしれない、とも漠然と思っていたのですよね。今までの切嗣のやり方ではもう行き詰ってしまっていて、奇跡ですらそれを叶えられないことを知ったとき、彼の中で何かが変わる可能性があるのではないか、と。

 

でも、決してそんなことはなかった――いや、そんなことがあってすらも容易に変えられるようなものじゃなかったと言うべきなのか。

聖杯に真実を知らされ、もう一つの己の願い(親子三人で幸せに暮らす)さえも切り捨てて、聖杯を破壊することを決めた切嗣。その彼の選択の根幹にあったのは、聖杯に改めて突きつけられてその絶望をまざまざと見せ付けられたにも関わらず、何一つとして変わらない、小を捨てて大を取るというもの。結局、切嗣は最後まで何一つ変わることはできず、最後まで大多数の顔も知らない誰かを救うために、己の大切なものを切り捨てた。最後の令呪まで使ってセイバーに命じたということは、聖杯破壊と同時にセイバーが消滅するのでなければ、その後に怒り狂った彼女に殺されることも含めた選択だったとも受け取れるわけで、それはつまり、彼の選択の中には自分自身すら勘定に入っていないわけで(まあ、切嗣の場合は最初から入っていなかった気はしますが)。

そんなふうに、ただ世界を救う装置でしか在れない彼の姿が悲しくて、そんな本編の後で、ひょっとしたら彼が一番幸せだった頃かもしれないEDを見せられて、でもそれすらも切り捨ててしまった切嗣を思うと何だかやり切れないような気持ちになってしまったところで流れたのが、あの次回予告で。本当に、切嗣がようやく救われたのはあの瞬間だったんだなぁ……と思うと、それだけで涙が出てきそうになりました。

……まあ、これはあくまで現時点での私の感傷で、まだその瞬間をアニメではやっていないので、次回本当にそんな感じになるのかは確定ではないのですけど。

 

前半の切嗣vs綺礼のシーンを見ているときは、その戦闘の凄まじさに興奮してその辺のことを感想に書こうかと思っていましたが、↑のような感じで、後半の内容ですっかり吹っ飛んでしまいましたね(苦笑)。まだ話数があるなら綺礼ともう一戦くらいあったりするのかなぁなんてことも思いましたが、次回で最終回だとすると、あれが最後の超絶バトルであり、「Zero」における綺礼の退場だったのかな、と。

 

今回ラストで聖杯破壊が叶っているなら、次回のセイバーやアーチャーはどうするのか、という辺りも気になるところですが、まずはそんなことよりも、前述の切嗣とは別の意味で、今回のセイバーの姿を見ているのは悲しかったな、と。

Zero」において、彼女が答えを得られないままなのは分かっていることではありますが、それでも、自分が間違っていたのかもしれないと気づきつつも、それでも聖杯を求めずにはいられない、そこになら救いがあると信じている(縋っている)彼女が、切嗣のシーンで聖杯がそんなものではないことを明かされているからこそ、その決意が哀れというか……。令呪を使って破壊を命じる切嗣との決定的な決裂が、視聴者的には切嗣のその選択自体は何ら間違ったものではない……というか、むしろ聖杯のもたらす災厄を思えば切嗣のほうが正しいことが分かっているだけに、余計に悲しく思えるもので。……「Zero」の最終回の翌週から、「stay night」をやって欲しくなってしまうところかも。

 

そんな感じで、「Zero」へと至るお膳立ては全て整ったような今回。この物語がどんなふうに締め括られることになるのか、次回を静かに待ちたいと思います。

 

◇次回「Fate/Zero

 

 

Fate/Zero #23「最果ての海」感想5

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全編ライダーvsアーチャーになるかと思いきや、意外とセイバーvsバーサーカーの様子も挟まれていた今回でしたが……それでもやっぱり今回は橋の上の戦いのほうが断然メインでしたねぇ……。

……と、書いていて気づきましたが、ライダーvsアーチャー戦の舞台って例の橋の上だったんですよね。「Fate」シリーズ通して重要な場所のイメージのある場所ですけど、だとすればそりゃあそっちがメインだよなぁと改めて思ってしまうような……。

 

vsバーサーカー戦では、ようやくその正体が円卓の騎士の一人・ランスロットであったことが明かされたりもしましたが、その辺のインパクトは完全にvsアーチャー戦に喰われた感じで。とはいえ、彼らの戦いの裏で明かされたことにこそ、その意味はあるのかなぁとも思えるところでしたが。

アイオニオン・ヘタイロイは勿論のこと、現代において新たにウェイバーという臣下を得て、そのウェイバーはアーチャーがその忠義に免じて(?)見逃してくれるほどのものを見せてくれたライダーに対して、かつての臣下に、狂気に取り憑かれてまで牙を剥かれるセイバーという構図は、二人の王の在り方のこの上ない対比であったように見えましたから。

何故ランスロットがそこまでアーサー王に執着し刃を向けるのか、という点に関しては明かされていませんし、明かされるのかどうかも分かりませんが、とはいえ、かなりうろ覚えですが一応昔にアーサー王伝説関連の児童書も読んだことありますし、そのうっすらとした記憶からすると、その構図自体は十分あり得るような気もするもので。それこそディルムッドとその主君の関係みたいに、何か恋愛沙汰でもゴタゴタがあった気がしますし。それに、そっち方面でなかったとしても、セイバーが彼を前にしてライダーの言葉を思い出していたことから、この物語で描いているのはそういうことなんだ、という解釈もできますしね。

 

……とはいえ、そんなセイバーvsバーサーカーの裏で、桜と葵さんの幻影を見ていた雁夜おじさんを見ると、王の在り方とか夢とか関係なしに、恋愛関係のもつれで恨みを買っていたとしてもおかしくない気もしてしまいますが(汗)。

 

そんな感じでセイバーのほうは悲惨さを帯びた戦いになっていましたが、ライダーのほうも、その圧倒的な力の差は別の意味で悲惨なものに見えてくる部分も。とはいえ、視聴者目線では、そんなふうに感じると同時に、“王の財宝”だけでなく、乖離剣や鎖まで披露するギル様は、どんだけライダーのこと気に入ってんだよ、って感じでしたが(笑)。エアを使うのとか、キャスター討伐のときはあれだけ嫌がっていたのに。

でも、ギル様がエアまで持ち出したからこそ、崩壊していくライダーの固有結界の姿には、どうしようもない二人の格の差を見せ付けられたような気もしてしまいましたけどね。仮に戦車が無事で、魔力の消耗もなかったとしても、この結果は変わらなかったんだろうな……と。まあ、ちらほらと弱気なところも見せていたライダーの姿を思うと、ライダー自身の心境の変化も何かしら影響したのかもしれない、とも思わなくもないですが。

 

しかし、結果としてはライダーの敗北ということになりましたが、最後に新たな臣下を得て、求め続けた夢の答えも見つけて消えていったライダーと、仕えてもいいと思えるほどの相手と出会えて、アーチャーに見逃してもらえるほど成長したウェイバーを見ると、やっぱりこのコンビは七組の中では最高の結末を迎えられたのかな、という気がします。ウェイバーの今後が描かれるかどうかは分かりませんが、描かれなかったとしても、彼がこの先の道は胸を張って歩き、ライダーのパートナーであったことに恥じない青年になるだろうことは想像に難くないですしね。

 

◇次回「最後の令呪」

ライダーvsアーチャーの次は、セイバーvsバーサーカー戦がメインかと思っていましたが、次回予告を見ると、早くも聖杯そのものにスポットが当たりそうというか、下手したら次回で聖杯登場となりそうな気配が。アイリ&イリヤの台詞があったのが不吉にしか聞こえないのですが、次回サブタイトルが何を示すのかも気になりますし、次回もどうなるのか楽しみです。

 

 

Fate/Zero #22「この世全ての悪」感想5

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最終決戦を目前とした、まさに嵐の前の静けさのような回でした。

 

そんな緊張感の中で心和ませてくれたのが、ライダー陣営……というかウェイバーのシーン。

騙していたはずの老夫妻にはそれでもいいと受け入れられ(おばあさんのほうもウェイバーが偽の孫と気づいていたのかは不明ですが)、ライダーとは令呪を全て手放して主従関係を解消しても友人関係は残り続ける。これまで脱落していったマスターやサーヴァント、そして今回のウェイバーたちを観ていると、因果応報という言葉がふと浮かんでしまったところです。

前回の雁夜おじさんの悲劇(?)も、なるべくしてなったといった感じではありましたが、たぶんこの物語の登場人物はみんなそういうふうになっているんだろうな、と。きちんと向き合って来なければ人間関係は破綻するし、誰かを殺していれば誰かに殺される最期を迎える。その最期も、これまでの行い次第で、最期まで救いのないものか、最期にわずかでも救いのあるものになるかが分岐する。だからこそ、彼らの結末がどんなものでも、大体納得できるものになっているんだろうな、と。

ウェイバーが聖杯戦争としてはともかく、一人の人間としては勝ち組に見えるのは、偽者として潜り込んでも老夫妻に対する態度は誠実なものであり、ライダーともあれこれ言いながらもちゃんと正面から向き合って、自ら戦場に赴き彼の覇道に同道していたからこそ、彼らとああいう関係を築けたんだろうなと思えるわけですから。

 

……とはいえ、そう考えるならライダー陣営の結末はそう悲劇的なものにはならないのでは、と考えても良さそうなものですが、次回予告からすると、次回はライダーvsギル様(それもたぶん決着)になりそうで、次回辺りにライダー組の別れが訪れそうなのが少し怖いところでしょうか。

聖杯戦争の仕組み的にライダーの退場はほぼ確定になってしまうでしょうし、ならばあとは、ウェイバーが生き残れるのかと、どういった形で敗北となるのか(完全に敗北するのか、試合に負けて勝負に勝った感じになるのか)。戦術的な意味では、勝利を目指すならウェイバーは令呪を残しておくべきだったのでは、と思わなくもないですが、でもあそこでああいった形で令呪を使ったウェイバーだからこそ、ライダーにとっては最高の激励になっただろうし、前述したことが全ての陣営に当て嵌まるなら、彼らの結末は救いのあるものになるんじゃないかな、と期待したいところなのですが……。

 

そんなウェイバーたちとは対照的に、とことん堕ちていく様子が見える気がするのが綺礼。今回はとうとうアイリまで手に掛けてしまったわけですが(とはいえ、アイリの意識は残っていそうな上に、聖杯……というか、その中身に汚染されてしまった感じなのがちょっと怖いところなのですが)……しかし、アイリの言葉で綺礼が何を得たのかは、実はいまいちよく分かっていなかったり(汗)。

アイリが語った切嗣の願いや信念を聞いて、彼は切嗣を倒すべき敵として認識したっぽいのですが……考えられるとしたら、綺礼自身が言っていた、切嗣の願い――全ての闘争の根絶は人類の根絶に等しい、という辺りですかね。綺礼の愉悦には人間の存在は前提でしょうし、聖職者としても人間を滅ぼすと言っているも同然な願いは許せない、みたいな? まあ、アイリや切嗣からしたら、滅ぼさずに平和を手に入れたいからこそ聖杯に縋ったんだ、ということになるのかもしれませんが、しかし、幸せしかない世界では結局幸せは得られない、みたいなフレーズも物語が違えば語られたりしますし、悲しみがあるからこそ喜びもあるみたいな話も分かる気はするので、そういう意味では綺礼の言うことのほうが現実的かな、という気もしますが。

 

……まあ、何にしても、綺礼が切嗣を徹底的に苦しめてやろう、と決意して、それをかなり楽しみにしているようなのは分かったので、取り敢えずそこを押さえておけば、二人が対峙したときに自ずと分かりますかね。ギル様の言っていたように、聖杯が答えを出してくれるという展開も考えられますし。

もっとも、ギル様の言葉からすると、その前にセイバーvsバーサーカーのカードが実現しそうで(次回がライダーvsギル様なら、その次がその話でしょうか)、まずはそっちの因縁が先になりそうですが。

 

◇次回「最果ての海」

 

 

Fate/Zero #21「双輪の騎士」感想5

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アーチャー組がいよいよ本格的に暗躍し始めたか、という二十一話でした。

 

やはり前回のライダーは偽者というか、偽装で正解だったみたいですね(ちょっとホッとしてみたり(笑))。とはいえ、その糸を引いていた大元が綺礼だったのは、そう来たか〜とも思うところで。

前回の感想で、犯人候補からアーチャー組を外したのって、

綺礼→セイバー陣営の拠点を知っており、更に動機・やり方の点に関してもいかにもやりそうな気がするけど、ライダーに偽装する手段を持っているようには思えない

ギル様→その手の宝具を持っていてもおかしくないけど、本物ライダーと同じく、御大が出張ってまでやるには彼の流儀ではない気がする。かといって、仮に持っていたとしてもそれを綺礼に貸すかは微妙

という理由からだったのですが、正解は、その手段を持っていたバーサーカーのマスターである雁夜おじさんを綺礼が駒とすることでライダー偽装を成功させた、でしたね。実行犯がバーサーカーだったことについては、未だにその能力が未知数なので予想の範囲内な感じでしたが。

 

さすがに綺礼が黒幕であることまではすぐに思い至れなかったものの(名目上は脱落している上に、遠坂との協定で排除を求めたことを考えれば仕方ないことですが)、ライダーが犯人ではないということに現場を見てすぐに気づいた切嗣はさすがといったところでしょうか。前回の遠坂邸侵入で時臣死亡もほぼ確信しているだろうことを考えれば、間桐が犯人という説に辿り着くのも容易いでしょうし。

……そう考えると、切嗣とセイバーに連携がないのがこの局面では痛いなぁとも思ってしまうところですけどね(苦笑)。二人が互いに連絡手段を持っていて、舞弥とのように密に連絡を取り合っていれば、すぐさまセイバーにライダーが犯人ではないことを伝えられて、アイリ誘拐犯に逃げ切られることもなかったかもしれないわけですし、ライダー相手に無駄な時間を使うこともなかったかもしれないわけですし。この辺はホント、うまく足を引っ張るように設定してあるなぁとか思ってしまうところなわけですが。

 

それはそれとして。現場検証なしにすぐさまライダー追跡に入ったとはいえ、そのライダーの行動に疑問を持たなかったり、アイリがいないことに気づきつつも仕掛けたりしたのを見ると、やっぱりセイバーはけっこう直情的な性格かなぁとか思ってしまうところでもありましたが、実際のところ、前者はともかく後者はどういう意図だったのかがちょっと気になったところです。

先に仕掛けた形になってしまった以上ただでは退けなかったのか、不審な点に気づきつつもああいう形で確かめたのか、それとも行きがけの駄賃のようなものだったのか。アイリ奪還を最優先とするなら、二番目の可能性以外だと余計な時間を使っているようにも思えてしまうところですが……いや、むしろ、勘違いだったと話し合いに持ち込めば事情説明で余計に時間が掛かるし(敵に余計な情報を渡す、というのもあるかもですし)、かといって無言で踵を返しては後ろから攻撃されるかもしれないから、手っ取り早く相手が追って来られないようにした、という可能性もあるのか?なんてことも考えてみましたが……こればっかりは今回の映像だけでは何とも言えないですね。

……まあ、そんなことより。あのシーンを見ていて一番印象に残った気がするのが、「あぁ、そうか。四次では切嗣がマスターだから、エクスカリバー何回でも使えるんだ」ということだったりしましたが(笑)。

 

話を戻して。アイリ誘拐の黒幕は綺礼だったわけですが、そんな彼と臓硯の接触シーンがあったのが、なかなか興味深いところでした。

雁夜おじさんを駒とし、彼の苦しむ姿を愉悦としているのは同じであることが明らかになった二人。他者の不幸が蜜の味、という嗜好が同じであるらしいことも。

ただ、同時に、身内でさえも……いや、ひょっとしたら身内だからこそ余計にその味を極上のものとしているらしい臓硯と、綺礼が本当に同じなのかは疑問が残るところでも。確かに綺礼は父親の死に時臣のような激しい感情を見せることはなかったけれど、それを見てニヤリとしたかというとそんな印象もないわけで(ギル様はそれっぽいことを言っていたような気もしますが)、綺礼のその嗜好が身内にまで適用されるものだったのかどうかは、意外と彼のこの先の分かれ目だったかもしれない、と思うと、ちょっと気になってしまうところかも。まあ、分かれ目も何も、父親が死に、ギル様に見込まれてしまった時点でもうどうしようもない気がしますが、もしこのとき彼にとっての身内に当たる人間が誰か生きて彼の前に現れていたら……というIFは見てみたい気もします。

 

黒幕相当の二人に同時にピエロとして愉悦の対象とされていた雁夜おじさんは……ああ、とうとう堕ちるところまで堕ちちゃったかなぁ……といった感じで。五次の内容を知っていれば、葵さんが死亡となったのは予定調和ですけど、ここまで見事なすれ違い三流ドラマな経緯なのは、これまでの脱落者の末路を見れば、これはこれで納得という気も。

正直なところ、釈明を一切聞いてもらえなかったどころか、罵倒された雁夜おじさんは自業自得としか思わないし(葵さんへの気持ちは一切秘匿したまま、時臣への憎悪だけ見せていたわけですし)、葵さんのほうも、表面的にはこれまでどおりに付き合いを続けながらも、心の奥底では雁夜おじさんを憎んでいたのかなぁ、と。それが単純に間桐に連なる人間を十把一絡げにしたものなのか、雁夜おじさんが間桐を出奔しなければ桜が奪われることはなかったのにという思いから生まれたものかは分かりませんが。

何にしても、もうこれで雁夜おじさんには戦う理由が無くなってしまったどころか、自分でそれを潰してしまったわけで……この先、綺礼の愉悦のために、最後の一滴まで絞り尽くされて捨てられるんだろうなぁという未来しか浮かばないのがいろいろと怖いところです。彼の末路もそうだけど、綺礼&バーサーカーとの因縁を考えれば、それに巻き込まれるだろうセイバー&切嗣も(汗)。

 

次回サブタイトルを見ると、そろそろ五次に繋がるイベントが起こるのか?なんてことも思ったりもしましたが、その前にそろそろライダー組とバーサーカー組の脱落が来ますかねぇ。バーサーカー組に関しては、雁夜おじさんはともかく、バーサーカー自身についてはまだほとんど明かされていないので、少なくともその辺のイベントは消化してからかな、とも思いますが、ライダー組はもういつ脱落してもおかしくないところに来ていそうで怖いところです。予告を見ると、そろそろギル様が決着付けに来てもおかしくない気配も感じてしまいましたし。

どうなるにしても、次回は再び戦いになりそうな気配があった気がしますし、観るのが怖い気持ちもあるような気がしつつも、次回も楽しみにしたいと思います。

 

◇次回「この世全ての悪」

 

 

Fate/Zero #20「暗殺者の帰還」感想5

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サブタイトルの「暗殺者」。どう考えても切嗣のことなわけですが、今回の話を観ていると、彼がその顔に戻った瞬間というのは、大切な人を失うことが改めて確定した瞬間であり、失った瞬間であるように思えてしまうのは、何とも悲しいものがあります。

 

そんなわけで、舞弥が退場となり、アイリが攫われて終わった第二十話。

綺礼が時臣を暗殺したのが致命的な情報の差として響いた感じでしょうか。協定結んだ気がするけど暗殺する気満々だった切嗣もどうなんだとか思うところなのかもしれませんが、何にしても初めて情報戦で遅れを取ったような印象があります。それを作り出したのが綺礼であることを考えると、改めて二人の相性の悪さ……というか、切嗣にとって綺礼が天敵であることを見せ付けられたような気もするところですが。

 

しかし、アイリにしろ舞弥にしろ、死亡フラグとしか言いようのないほど、遺言としか思えないことを喋っていた後だったので、ここで舞弥退場となったのは自然な流れのような気もしますが……ここまでの退場者の中では、キャスター組に続いて幸せな最期だったのかな、と。少なくとも、彼女にとって全てであった人に、最期に一目会えて、最後の言葉を伝えられて、そして看取られながら逝くことができたのですから。

……この物語、ホントに真っ当でないキャラほど報われた死に方していくなぁとか思ってしまうところですが……そうなると、ライダーとか悲惨な退場の仕方になりそうなのが怖いのですけど(汗)。

 

ライダーといえば、アイリを攫ったのはライダーとのことですが……キャラの知らない情報まで持っている視聴者的には相当胡散臭い気が。わざわざウェイバーとのシーンが挿入されていたこともあり、ここでライダーがそう動く理由が薄い気がするのですよね。そもそも、日中は魔力回復に努め、動くにしても夜だと話していたわけですし。ライダーがウェイバーに気を遣って、魔力を自前で何とかしたりそれを黙っていたりしたのが明らかになりましたけど、ここでそんな会話があったからこそ余計に、そこで独断専行に走るかが疑問だし、そもそもそのやり方はこれまで見てきたライダーらしくないな、と(まあ、逆にああいう状況であり、会話があったからこそ動いた可能性もありますけど)。セイバーとサシで勝負したいみたいなことも言っていたけど、そのための人質としてアイリを攫うのも、彼のキャラクターとしても、彼がセイバーに伝えようとしていることにしても、不自然に思えてしまうし。

……というか、セイバーにその間違いを指摘できるキャラが四次にも実はいたけど、それが敵陣営であり、このままだとそれも不可能になってしまうというのがここで見えてくるのも、何とも皮肉な話というか……まあ、ここでそれが成し遂げられちゃったら、続く物語がなくなっちゃいますけど。

 

……話が逸れたので戻して。で、この局面でアイリを攫う理由を考えたとき、怪しいのってどう考えても御三家の残り二家なのですよね……。特に今回の描写を見ると、間桐が怪しいかな、と。

これまでにも十分肉体的にボロボロだった雁夜おじさんですけど、今回のことで精神的にも致命傷を負っていてもおかしくなさそうですし、そうなると臓硯の都合の良い操り人形に、仮に本人はそのつもりはなくても、なってしまっていてもおかしくなさそうで……(汗)。次回予告とかも、最後の葵さんの台詞とか、雁夜おじさんがいよいよ致命的なことになっていそうな不穏な気配がありましたし。というか、次回タイトルが、消去法で考えるとここまで正体不明のまま来たバーサーカーを指しそうで、そうなると次回はバーサーカー組がメインとなるのかな、と。

 

……まあ、バーサーカー組に関しては、始めから破滅の気配のほうが濃いので、バーサーカーの正体がとうとう明らかになるのかなという点に関しては楽しみにしつつも、悲劇になる可能性が高そうなのを覚悟しておくところですが、気になるのはここでライダーの姿を騙ったことでしょうか。

単純にそれをどうやったのか(魔術で変装したのか、サーヴァントの能力なのか)も気になるところですが、選んだ相手が何故ライダーだったのか、そのことによってライダーたちが変な形で退場にならないかが心配というか。少なくとも誤解が解けないままでは、セイバーたちとの関係が決定的に決裂するのはほぼ確定な気がしますし。

……なんて長々と書いてみたけれど、実はホントに正真正銘ライダーだったらどうしよう(笑)。それはそれで、彼が何故こんな行動に出たのか気になるところですけど。

 

◇次回「双輪の騎士」

 

 

Fate/Zero #19「正義の在処」感想5

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アリマゴ島での一件……特にシャーレイとのそれは、切嗣にとっての正義の原点なんだなぁ……と、慟哭する切嗣を見ながら改めて強く感じたところでしょうか。

あのとき、請われたとおりにシャーレイを殺せなかったことが、惨劇を招いた。それが心に刻まれたからこそ、切嗣は放っておけば再び引き金となりかねない父親を殺したし、その後、ナタリアのもとで、そうした魔術師などを狩る道を選ぶこととなった。

ナタリアが言うには、切嗣は自分の気持ちは切り離して引き金を引くという、暗殺者としての素質を元から持っていたとのことですが……それを顕在化させるきっかけとなったのが彼の父親であり、初恋(たぶん)の人というのは悲しい話で……父親が魔術師である時点でもう駄目だったかもしれないけど、あの島での惨劇が無ければ、その素質は表層に浮かび上がってくることなく終われた可能性もあったのかもしれないと思うと、何ともやり切れないものがあります。

 

そして、父親を殺した後、師匠であり、新たな家族でもあったナタリアとも、自らの手で終止符を打つ形で別れることに。

彼女の稼業を考えれば、現在軸の切嗣が独り立ちしているとはいえ、それが真っ当な卒業ではなく、止むを得ないものであっただろうことは想像に難くなかったですが、ああやはりこういう結末だったんだなぁ……というのを見せられると、やっぱりやり切れないなぁと思ってしまうような。まるで遺言を告げるような、互いにそれが最後の会話であると分かっているような二人の通信は、やはり二人ともその結末を承知の上でのものだったわけで、「それでいい」と言わんばかりに口の端を笑みの形にして炎の中に消えていったナタリアの姿は、喜んでいいのか悲しんでいいのか困るところ。

 

ナタリアにとっては、弟子がちゃんと自分の教えどおりに育ってくれて、互いの考える最善が一致した上でその手で幕を引いてくれたのだから、名残惜しくはあっても満足できる生であり最期だったのかもしれない。でも、再び大切な人をその手に掛けざるを得なかった切嗣の姿を見ると、そういうやり方でしか事態を収束できない二人がどうしようもなく悲しく思えてしまうわけで。

そういう意味では、切嗣の目指す正義は最初からボタンを掛け違えてしまっているような気もしてくるところですが……だからこそ、彼の遺志を継いで、だけど切嗣にはできなかった道を選べた士郎の存在が尊く見えるのかなぁなんてことも思ってみたり。「Zero」の時間軸で切嗣の弟子的存在なのが舞弥ですが、この二人の関係もナタリアと切嗣のようだったのだろうか……と思うと、彼女を育て、仕込んだ切嗣はどんな気持ちだったんだろうなとも思うけど、“魔術師殺し”衛宮切嗣の後継機的にしか育てられなかった切嗣が、そこから切り離された世界で、自分の背を追いながらも違うように育っていった士郎をどんな想いで見ていたんだろうなというのは、今の切嗣へと至る過程を見た後だからこそ、知りたくなってくるところです。

 

◇次回「暗殺者の帰還」

次回からは再び現在へ。ライダー組に出番がありそうなのはわくわくするところですが、それに混じって雁夜おじさん絡みとしか思えない不吉な発言があったのが怖くなるところでもありますが(汗)、ここからラストへ向けて突っ走ると思われる残り四組となった聖杯戦争がどうなるのか、楽しみにしたいと思います。

 

 

Fate/Zero #18「遠い記憶」感想5

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前回・今回の次回予告からして特殊仕様でしたが、今回はOPカットに特殊EDと、とことん切嗣の過去……その原点を描くために作られたものといった感じでした。彼がまだ魔術の世界にどっぷり浸かる前の時間軸からスタートしたため、違う作品を観ているくらいにその雰囲気も違いましたし。代行者が出てきた辺りからは「Zero」……というか、「Zero」も含めたTYPE-MOONの世界に戻って来た感じでしたけどね。

 

そんな感じで、切嗣がまだ父親と共に南国(?)のとある島で暮らしていたところからスタート。

友達と無邪気に遊び、年上のお姉さんに淡い恋心(?)を抱き、瞳を輝かせて生きていた切嗣少年は、今と比べると「誰!?」となってしまいそうなくらいでしたが、それだけに、彼がこの先歩むことになる道の過酷さも感じられてしまう気がするところだったかも。

 

彼の人生を一変させる、その手始めとなったのが、初恋(たぶん)の人の使徒化から始まった村の大虐殺であり、その起点となった父親を殺すこと。

根源へ至るためという至上目的のためには他者を省みず……どころか、その犠牲すらも実験結果の一つとして片付け、人としての当たり前の思考は既に放棄し、しかし自身の後継者となる息子には厳しくも優しい父親だったように見えた彼の父親は、まさに“魔術師”らしい“魔術師”だなぁと思ってしまったところですが、それ故に悲愴な決意を固めた息子の心情には全く気づかなかった辺りは、何となく前回の時臣を思い出してしまったところでもあり。逆に言えば、こんな父親の下で育っていた切嗣が、シャーレイの身に降りかかったことや村での大惨事を目撃した後だったとはいえ、即座に父親を排除すべき元凶として判断したのは凄いな、と思ってしまうところでもありましたが。

正常な人としての価値観・倫理観については、魔術師の家系の後継者ということである程度の知識はあるもののまだ本格的に魔術の道には足を踏み入れておらず、普通の人の中で生きていた彼が持っていたのはおかしくないとは思いますが、そこで父親を庇ったり、せめて本人に問い質そうとしたりすることもなく(家に帰ったときの父親の反応次第では、また違った結末があったかもですが)、それどころか、元凶が自分の父親だったからこそ自分が手を下すのだと決意し、実行してしまったのは、今の切嗣の片鱗が見える気がするというか、まさに彼の原点だったのだろうなぁと思えてしまったところ。彼が元からそういう資質を持った人間だったのか、あの瞬間に歪んだのかは分かりませんが。……直前に出会った&助けられたのがナタリアさんだった、というのも、ひょっとしたらそこに一枚噛んでいるかもしれないですけどね。

 

ともあれ、村は滅び、父親を殺した切嗣は、ナタリアさんに連れられて、おそらくは彼の父親が脱出用に用意していたモーターボートを使って島の外へ。

島の外までは連れていってやると言っていたナタリアさんが、結局その後切嗣の面倒を見たようなのは、何だかんだで彼女は切嗣が言っていたとおり優しい人だったのかなぁと思いつつ……とはいえ、一期でちらりと出てきたシーンを思うと、あくまで“魔術師にしては”優しい人だったという気もしますが、とにかくそんな感じで切嗣の魔術師人生が始まった感じで。

今回ラストで締め括りのようにモノローグが入ったけど、今回だけじゃ、切嗣がその後何を見て、どういう経緯を経て、何を願うようになって今の彼になったのかは不明ですし、今回も次回予告が特殊仕様だったことを考えると、次回も切嗣の過去エピソードな感じでしょうか。サブタイトルもそんな感じですし、何より、衛宮切嗣というキャラクターを理解するためには、やっぱりそこは語られるべきかなぁと思うので。

 

◇次回「正義の在処」

 

 

Fate/Zero #17「第八の契約」感想5

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サブタイトルの時点で予想はしていましたが、今回また一人脱落者が出て、そして八番目の契約が結ばれる展開となりました。

これで、セカンドシーズンが始まってからは毎回誰かしら脱落者が出ていることになりますが……次回はさすがに一旦そういうのはナシですかね。予告からすると、とうとう切嗣の過去が明かされるのかなぁといった感じでしたし(予告で喋っていた中に、一期でちらっと出てきたナタリアさんらしき人がいた気がしますし)。

 

それはそれとして、今回はいろんな行動が……それも良かれと思ってしたことがことごとく裏目に出て行くという、端から見ている分には非常に胃の痛くなるような展開だった気が。

アイリが……というか、アインツベルン陣営が綺礼を排除しようとしたが、結果的に綺礼の裏切りの最後の引き金を引いたような気がするし、息子を想って令呪を遺した璃正も、娘のために兄弟子役と後見役を綺礼に頼み、綺礼自身にも自らの弟子としてアゾット剣を贈った時臣も、凶器を与えると同時に、自らそうと気づかず獅子身中の虫を内部に招き入れてしまったようなものでしたし。

まあ、アイリたちのほうは仕方ないにしても(一番確実な方法を取るならあの場で綺礼を殺害することだった気はしますが、さすがにそれはいろいろな意味で駄目でしょうし。……この後に起こるだろう悲劇の数々を思えば、たとえ客観的には地獄に落とされても足りないくらいの外道行為だったとしても、それが一番後の世のためだったのでしょうが)、璃正と時臣は見ていて何とも悲しくなるところです。人を見る目がなかった……と言ってしまえばそれまでではありますが、綺礼やギル様が時臣の……というか、魔術師の考え方を理解できなかったように、人は自分の常識からあまりに外れたものは理解できないわけで、そこへ自分の息子であるとか弟子であるとか、身内意識があったら余計に見えにくくなってしまうだろうな、と。ギル様が裏で積極的に綺礼を誘惑していた、というのもありますし。

 

とはいえ、綺礼の裏切り自体はそう遠くないうちに来るだろうことが分かっていたので、アゾット剣を渡した瞬間は悲しいとかよりも、やっちゃったなぁ……的な感覚のほうが強かったわけで(汗)、だからむしろ悲しいというなら、凛と時臣のシーンだろうな、と。アニメではあのとき凛が何を考えていたのかは具体的に示されていないけど(一応、時臣が遺言めいたことを言っていましたが)、「stay night」をやっていると確か最期の別れであったことを悟っていたことが分かるので、勝手に脳内補完されて物悲しくなってしまうというか……。それに、綺礼を後見役に指名した遺言状含めて、凛に今後降りかかるアレコレが今から辛くなってしまいそうなところでもあります。

 

今後の悲劇を示すものとしては、アイリの状態が彼女の口から語られて、この聖杯戦争が終幕に向かうにつれて起こるだろう彼女の身体のことも明かされましたが……舞弥という理解者の存在と、その先に切嗣の夢があるのだという希望がまだある分、救いが残されている気がしないでもないような……? もっとも、これでアイリの死亡は確定したようなものだし、舞弥も(彼女のポジション的にも)生き残る可能性は低いだろうなぁと思うと、やっぱり悲しいシーンではあるのですけどね……。

 

何はともあれ、最後にとうとう綺礼&ギル様の最凶コンビ……しかも、綺礼がいろいろ吹っ切ってしまったということで、物語としては面白くなってきたのでしょうが、同時に彼らがその愉悦のために何をしでかすのか怖くなるところでもあります。何かホントに、これまで以上にライダー陣営だけが清涼剤になりそうな気がしてしまうところですが、残る四陣営がどうなるのか(どう考えても雁夜おじさんの末路は悲劇しか浮かばないけど)楽しみにしたいと思います。

 

◇次回「遠い記憶」

 

 

Fate/Zero #15「黄金の輝き」感想5

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vsキャスター戦、決着。

 

前回に引き続いてのギル様vsバーサーカーのドッグファイトも、テレビアニメとは思えないくらいの迫力で見応え十分でしたが、それ以上に今回目を引いたのは、vsキャスター戦における個々のキャラクターの行動だった気がします。

 

今回、一番思うように事を運んだのは誰だったかといえば、それはやはり切嗣で、思惑どおりランサーにセイバーの左手の呪いを解かせ、携帯電話越しにウェイバーとの接触はあったものの、それ以外は影に徹して、キャスター討伐を見事成し遂げました。……ということは、例の追加令呪は切嗣が貰うのか、それとも足止め役のライダーチームも貰うのか、そもそもちゃんとその報酬は支払われるのか……特に最後が一番気になったりするわけですが、それはさておき。

 

そんな切嗣とは相容れないものとして此処まで描かれていたと思うセイバーの姿が、今回初めて(?)重なったような気がします。

自分には対城宝具があることは当然知っているはずで、更に黙したままのセイバーに代わるように切嗣がそれをランサーに明かしても、自分からは呪いを解いてくれとは言わなかったセイバー。

この第四次聖杯戦争においてはセイバーの真名は既にあの場にいた他のサーヴァントにはバレているわけで(バーサーカーもあの異様な執着ぶりを考えれば、生前の関係者か何かで分かっている可能性が高い)、となると、彼女がそれを言い出さなかったのは、宝具の使用が真名バレに繋がるからではなく、他に理由があることになるわけで。とはいえ、あの場での会話から読み取れるのは、セイバーのプライドくらいのもの。騎士の誇りとして、自分から相手が実力でもぎ取った結果を危急時だから何とかしてくれと頭を下げることなんてできない……みたいな。でもそれって、これまでセイバーが切嗣相手に散々噛みついてきた、今後より多くを救うために今の少数を切り捨てる姿勢と何が違うのか?と思えてしまうもので。

いや、むしろ、このときセイバーが優先したのが自分自身の理想……それも、切嗣のように誰かを救うとしたものでなく、自身の誇りを守るためのものであったことを考えると(アーサー王の時代だと、上に立つものがそういう姿勢を見せること自体にも大きな意味があったのかもしれませんが)、切嗣よりも悪いかもしれない。セイバーがそこで頑なに騎士の誇りのほうを取るならば、それはすなわち彼女がこれまで言い続けてきた民への被害が出ることに繋がるわけですから。

 

そんなセイバーとは逆に、セイバーには海魔を速やかに倒せる手段があることを知らされた途端、あっさりと解呪に踏み切ったのがランサー。しかもその手段は、呪いを掛けた槍をへし折る……つまりは、己の切り札の一つを捨てるものであったにも関わらず。

そんなランサーの姿を見ると、“騎士の誇り“とは何なのかを考えさせられるところ。今回のランサー……そして、少し前の話になりますが、「境界線上のホライゾン」のネイトなんかを思い出すと、騎士とはすなわち民を守る存在と思われるわけで、ならば“騎士の誇り“とは、何を置いても民を守ることで、守り切れたときこそその誇りも守れたと言えるものなんじゃないか、と。

そう考えると、騎士を名乗る者としてはランサーのほうがずっとその誇りに準じているし、セイバーが自身の理想に焼き尽くされる者としてライダーやアーチャーに認識されてしまうのも分かるような気がするかな、と(この戦い、ライダーも自身の宝具を切っているし、共闘を約束したこととセイバー&ランサーの人格なら信頼できると考えただろうとはいえ、マスターを敵サーヴァントの射程内に単独で置いているわけで)。もっとも、セイバーがそういう人だからこそ、ランサーは躊躇いなく槍をへし折れたのもあるかもしれませんが。

 

まあ、そんなところが気になりつつも、セイバーのエクスカリバー解放のシーンは、「stay night」でも何度も聞いたあの音楽が流れ始めた瞬間から大いに盛り上がっていましたけどね(笑)。

 

セイバーたちがそんな感じでキャスター討伐を成し遂げている裏で、密かに戦果を挙げていたキャラがいたのも注目しておきたいところ(キャスターも最期にジャンヌに再会できたという意味では当て嵌まりそうですが)。

一人はバーサーカー。セイバーの姿を目にした途端、それまで競り合っていたギル様をあっさり放り出して彼女へと標的を変えたわけですが、そんなことをすれば当然ギル様は面白くないわけで更にバーサーカーに攻撃を仕掛けるわけですが……邪魔するなとばかりに撃墜されたという(笑)。まあ、その後きっちりやり返してもいましたが、ギル様のアレを落としてしまえるバーサーカーの能力は凄いと思うと同時に、それがセイバーへの執着から生まれたものだとすると恐ろしいものもあるわけで。未だに唯一正体不明のサーヴァントですし、バーサーカー関連が明らかになるときが楽しみであると同時に、生前のセイバーの関係者なら、彼女の精神的にきつい展開にもなりそうなのが少し怖いところでもあるでしょうか。

もう一人は綺礼。雁夜おじさんにとどめを刺そうとしたところ、ギル様の囁きを思い出してしまってむしろ助けていたわけですが……当然、それが親切心なわけもなく。笑みの形に歪んだ口許を見れば、「ああ……綺礼がとうとう時臣抹殺に都合の良い駒を手に入れちゃったかな……(汗)」としか思えないわけで。彼らの今後は「stay night」で垣間見えているだけに、こちらはこちらで先の展開を見るのが怖くなるところです。

 

◇次回「栄誉の果て」

タイトルといい、予告での台詞といい、セイバーvsランサー再びと、そして早ければ次回で決着となりそうな感じでしょうか。一対一の戦いとしては一番気持ちよく観られそうなカードですけど、果たして真っ当な決闘で終わるのか、嫌な横槍が入ってしまうのか。他陣営だけでなく、切嗣が二人の戦いを横目にランサーのマスター殺害に踏み切りそうなのがある意味怖いところですけど(※聖杯戦争の戦い方としてはむしろ常套)、ともかく二人の決着がどうなるのか楽しみです。

 

 

2012年4月新番組感想(4)「Fate/Zero」 #14 未遠川血戦5

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一期十三話からダイレクトに繋がったままスタートした「Fate/Zero」セカンドシーズン。三月中は無理だと思っていたBOXの視聴がギリギリ間に合ったので、そういう意味でもちょうど良いところで後半戦が始まった感じでしょうか。

 

vsキャスター戦の続きではありますが、今回のメインは海魔との戦いよりも、それが一般人の衆目にも晒されているほど大事になっていることと、その裏でキャスターのことそっちのけで始まったアーチャーvsバーサーカーと、そのマスター同士の戦いだったかもしれません。サーヴァント同士の戦いは、取り敢えずギル様が楽しんでいることが分かるくらいでしたが(笑)、マスター同士のほうはなかなか興味深い話をしていたなぁ、と。

 

平たく言ってしまえば、生粋の魔術師と一般人との感覚の断絶が浮き彫りになったシーンだったなぁ、と思うところでしょうか。

雁夜おじさんに問われて、桜を間桐家へ養子に出したのは、真実親の愛によるものであったことを語った時臣。彼が間桐家の魔術……特にその育成方法を知っているのかなぁというのが気になるところではありますが、ともかく彼が桜を養子に出すことを承諾したのは、桜が遠坂家の後継者となる凛に負けぬ魔術の資質の持ち主だったから。魔術師の家の後継者は一人だけなので、どれだけ才能があっても桜は、遠坂の人間である限り、その才能を埋もれさせるしかない。なら、別の家へ行ってそれを伸ばせるほうが幸せだと。

現実の桜を見ると、本当の家族からは引き離され、虐待同然の扱いを受ける彼女のどこが幸せなんだ、となりそうですが、それはあくまで引き取られた先が間桐の家だったからで、遠坂家を魔術師のスタンダードとして見るなら、時臣の考え方は別に間違いではない気がしてくるところ(だからこそ、時臣は間桐家で桜に何が行われているかは知らないんじゃないかなぁとも思うわけですが)。両親やお姉ちゃんと引き離されるのは悲しいけど、もしも引き取られた先の家で、ちゃんと家族として迎えられていたら、魔術の修行は厳しいのでしょうが、凛と時臣の関係のように適切に導いてもらえていたら。雁夜おじさんが言うほどには桜は不幸ではなく、それはそれで幸せを摑めていた可能性もあるんじゃないかな、と。桜自身が、魔術師としての幸せと、一般人としての幸せのどちらを望んだかは分かりませんが(今の桜だと後者だろうと思ってしまいそうですが、引き取られた先が間桐家でなかったら、真っ当な魔術師となって時臣の判断に感謝する日が来たかもしれませんし)。

だからたぶん、魔術師としては、時臣の考え方は間違っていないし、同じく生粋の魔術師であると思われるケイネスなんかは、時臣の言い分に全面的に賛成するくらいなんじゃないかと。

 

とはいえ、じゃあ雁夜おじさんの言い分が全くの間違いかというとそんなこともないわけで。魔術師としてなら時臣の考え方のほうが正しいのでしょうが、ごく普通の一般人としては、雁夜おじさんの考え方のほうがそれこそ一般的なもの。魔術の後継者云々を除けば、遠坂家は普通に仲の良い家族だったのでしょうし。

 

……ただ、こうして改めて見てみると、時臣の言い分のほうがより正しいものには見えますけどね。魔術師としての幸せを考える時臣と、一般的な幸せを考える雁夜おじさん。それ自体はどっちも正しく聞こえるけれど、今あの場で雁夜おじさんが時臣を非難することは、後出しジャンケンみたいなものというか。

魔術師の家系に生まれた以上、彼は魔術師がそういうものだと知っていたはずで。なら、葵さんを時臣に譲った時点で、この結末は覚悟していなければならなかったはずなのですよね。魔術師の家に嫁ぐということの意味、という点でもそうだし、何より時臣の言うとおり、間桐家の後継者不在という穴を開けたのは紛れもなく彼なのですから。それが嫌なら……葵さんが普通の家族の幸せを摑むことを願うなら、彼は何が何でも葵さんを攫うべきだったわけで。だから今更、私怨混じりで時臣を敵視するのはお門違いなんですよね。

 

……そう考えると、時臣がとことん不遇なキャラに思えてきました(汗)。彼はとことん魔術師らしい魔術師であるだけなのに、雁夜おじさんには逆恨みされ、ギル様にはつまらない男だと蔑まれて、そんなギル様に唆された綺礼は腹に一物抱えていて……。こっそり控えながらも武器をしまった綺礼の姿は、自分の助力は無用と判断したというよりも、雁夜おじさんが時臣を殺してくれたらラッキーと考えて静観を決め込んだように見えてしまいましたし。というか、下手したら彼らの確執をその目で見て、この場を時臣が生き延びたとしても、雁夜おじさんをうまく利用すれば時臣を消せるかもとか思いついていたかもしれないのが怖いです。

雁夜おじさんを誅するとか言い出した時臣が、切嗣と戦ったときのケイネスを思い出させるのも不吉ですしね……。ギル様と組んだ時点で敗北が決定したようにも思えてしまう時臣ですけど、そんな彼を取り巻く状況を見ていると、ふと彼が組んだ相手がセイバーだったら……と思ってしまうところかも。少なくとも、時臣―セイバーのペアなら、今のペアよりもよっぽど噛み合っていたのではないかと。……あくまで、今のペアよりは、ですけど(セイバーの清廉さだと、裏で教会と手を組む時臣のやり方は、それはそれで許容できないかもですし)。

 

さて、その切嗣は、実に彼らしい活躍をしていてくれました。

まあ正直、無防備に騒ぐ龍之介の姿には、真っ当なマスターならここで彼を仕留めてくるだろうとしか思えないものがあり、そしてその手の手段を大得意とする切嗣がその手段に出ないのはむしろ不自然なほどなので、彼がここで退場となるのは予定調和な感じでしたかね。

一つだけ意外だった……というか、最後まで期待に応えてくれたなぁと思うのは、突然狙撃されて自分の死を身近に感じても、それで龍之介が臆することはなく、むしろようやく長年の探し物を見つけたように目を輝かせて死んでいったことでしょうか。本当に最後までやりたい放題やって、やり切って退場していってくれたなぁ、と。この感じだと、次週辺りでキャスターもおんなじ感じで退場となるのかも。

そして、ランサーを排除する方向ではなく、むしろ彼らの仲良しこよしを利用して、ランサー自身にセイバーの呪いを解かせようとしているんじゃないか……と思える切嗣が邪悪です(笑)。いやまあ、聖杯戦争を戦うマスターとしては正しいのでしょうけど。

 

セカンドシーズンのOP&EDを見ると、二期ではそんな切嗣の過去がいよいよ明かされ、彼についてより深く掘り下げられそうな気配がするのが楽しみなところでもあります。

とはいえ、次回はまずvsキャスター戦の決着かなぁ、といった感じではありますが。次回タイトルからすると、とうとうセイバーの代名詞のような宝具のお披露目がきそうで、それも楽しみなところです。

 

◇次回「黄金の輝き」

 

 

Fate/Zero #13(終)「禁断の狂宴」感想5

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強力なサーヴァントの一人の退場と、更にその際にセイバーが宝具を使用なんて展開だったとしたら、1クールの締めとしては盛り上がるしキリも良いなぁと思ったので、てっきりキャスター退場で終わるかと思っていましたが、そこへ行く前に終わってしまいましたねぇ。とはいえ、直後にセカンドシーズンの予告が入ってくれたので、本編そのままに大いに盛り上がったところで終わった感じで、続きが非常に楽しみになるところではありましたが。

……もっとも、更にその後に入ったBru-rayのCM担当が時臣&アーチャーで、アーチャーの台詞のチョイスが綺礼のことだったのは、駄目押しで時臣の脱落をこの時点から示唆されているようで不吉なことこの上なかったですけど(苦笑)。

 

それはさておき。1クール目最終回だったにも関わらず、相変わらず主役がライダー組だった第十三話(笑)。

冒頭からウェイバーがライダーの過去を夢に見るとか、出番の多さだけでなく、エピソード的にも完璧に主人公だよね、という(笑)。五次のことを考えると、描かれなかっただけでライダーもまたウェイバーの過去を見ていたのかもしれないなぁと思うと、買い物の帰り道の二人の会話というか、ライダーがウェイバーにかけた言葉の裏にどんな想いがあったのかを想像するのがまた楽しそうなところなのですが、仮にライダー側はそうした部分は何も知らなかったとしても、いろいろと興味深いところではあります。順調に良い関係を築いていっている二人というのもそうだし、ああいうライダーの教えを受けたウェイバーがこの聖杯戦争の終盤、あるいは終結後にどんなふうになっているのかというのも含めて。

……まあ、ウェイバーが生き残れるのかは、まだ分からないのですけど。でも、この二人のやりとりを見ていると、ウェイバーは生き残らないと面白くない気がしてしまいますけどね。もしも時系列どおりに「Fate」という物語が描かれていたとしたら、五次で成長した彼がさり気なく主人公をサポートしてくれるような立ち位置なんかで登場となると、大いに盛り上がること間違いなしなキャラクター設定ですから(笑)。そういうのは抜きにしても、他が軒並み悲劇で終わりそうなだけに、このコンビくらいは、そのくらいの救いは欲しいなぁというのもありますが。

 

もしも全コンビが悲劇で終わるのではなく、聖杯戦争に勝てなかったとしても一定の救い、あるいは一定の充足を持って終わりを迎えられるとしたら、ライダー組以外ではキャスター組かな、と思うと(主にやりたいことをやり切った的な感じで)、今回ピックアップされていたのがその二組というのはなかなか面白いところなのかも。少なくとも、マスター&サーヴァントの仲の良さという点では、この二組という感じですし。……まあ、そのベクトルは真逆ですけどね(笑)。

でも、キャスターの所業を尊敬の目で見る龍之介と、そんな龍之介の神に対する考え方に感銘を受けるキャスターのシーンは、そのマスターとサーヴァントの関係という点においては、ギスギスしているコンビが目立つ中においては安心して観られるというのも皮肉な話な気もしてしまいますが。とはいえ、龍之介が殺人鬼でさえなかったら、彼の語った神とはどういう存在かについての彼の考え方は、なかなか興味深いものな気はします。殺人鬼だからこそできた考え方かもしれないけど、そうでなくとも同じ考え方に辿り着けたとしたら、それはそれで龍之介というキャラの人物像が面白いことになりそうですし。

そういう点を含めても、このコンビは思うとおりにやり切って退場となりそうだなぁと思ってしまうわけですが、二期に持ち越されたそんなこの二人の最期がどうなるのか、楽しみにしたいところです。……退場すると決めてかかっていますが、さすがにこの二人が生き残る展開はまずないでしょうからね……。何故マスターも殺さなければならないのか、については前回で綺礼が説明してくれたところですし。

 

「聖杯問答」の回で決裂したかに見えたセイバーとライダーが普通に会話しているのにはちょっと驚いたところですが(特にライダーがセイバーのことを「騎士王」と呼んだところとか)、セイバー・ライダー・ランサーと、第四次聖杯戦争の良心(笑)なサーヴァント三人組によるキャスター戦がどうなるのかは素直に楽しみなところで、間に三ヶ月空いてしまうのが残念ではありますが、来年四月を楽しみに待ちたいところです。そうやってインターバルを置く以上、ここまでの十三話に負けない素晴らしいものを見せてくれるものだと期待するし、その期待に応えてくれるものと思って待っていますので。

 

 

Fate/Zero #12「聖杯の招き」感想5

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いよいよギル様が本格的に時臣排除を考え出した(汗)第十二話。時間を取って描かれた綺礼とギル様の会話は、その内容自体は興味深いものであるものの、同時に非常にヒヤヒヤとさせられるものでした(汗)。

 

セイバーの駒を手に取って興味を惹くものができたと語った時点からしてそうですけど、今回はマスターとサーヴァントを模したと思われるあの駒がギル様の内心をこれ以上ないほど如実に表していたな、と。既に聖杯戦争を脱落したということで、盤面から取り除かれたアサシンの駒。その隣に立つアーチャーの駒の前のマスターの駒を倒すギル様。……サーヴァントを失ったマスターと、現在のマスターを取り替えたいなぁと思っているサーヴァント――だったら、手を組むしかないんじゃね?という悪魔の囁きが聞こえてくるようでした(汗)。

綺礼がアサシンのマスターであり、何だかんだで早々にアサシン退場という流れがここに繋がるのかと思うと、なるほどなぁと思うところではあるのですが、時臣のあまりの不憫さに泣けてきそうになります。確かに、前回のアサシン乱入は私も無粋だなぁとは思いましたが、今回の冒頭であれがライダーの能力を探るためのものだったと明かされて、その上で振り返ってみれば、時臣の取った行動は別に間違いでも何でもないことが分かるわけで。言ってしまえば、切嗣とセイバーの確執とおんなじなんですよね。過程を重んじるか、結果を重んじるか。聖杯戦争を戦うマスターとしては、時臣の行動は間違っていないどころか、非常に正しいものじゃないかと。

……まあ、ギル様にとっては、その定石どおりで確実性を求める慎重さが、退屈なものとして映ってしまうのでしょうけど……。

 

高すぎる理想と現実の狭間で苦しむセイバーに、一般常識から外れた嗜好を持つが故にそこから目を逸らし続けてきた綺礼と、ギル様が好むのは、そんなふうに現実と相容れない部分を抱えながらもがく人間なのかなー、なんてことを楽しそうに語るギル様を見ながら思ってしまったわけですが、そんなギル様と綺礼の会話を見ていて分かったのは、十年後の綺礼がああなったのには、ギル様の影響が非常に大きいということ……というか、まさにギル様の育成あるいは誘導の結果だということ。他人の不幸にこそ惹かれる(?)嗜好自体はもともと綺礼が持ち合わせていたもののようですが、それを自覚させ、肯定したのがギル様だった、と。

……十年後を知っていると、何てことをしてくれやがったんだって感じですが(苦笑)。それが綺礼にとって良かったのか悪かったのかは分かりませんが、少なくとも彼以外の人間にとっては迷惑以外の何物でもないですからね。

しかしまあ、聖杯戦争という殺し合いであることを抜きにしても、ギル様に見放された時臣に、目を付けられた雁夜おじさん、そして引き続き綺礼の最大の関心事である切嗣と、この二人に深く関わった(あるいは関わることになる?)相手はどれもこれから更なる不幸が待ち受けているようにしか思えないのが何とも怖いところです……。

 

水面下で何か事態が進行していそうなのはセイバー陣営も同じで、アインツベルン城が拠点の意味を為さなくなったための引っ越しと、アイリの不調が描かれていました。

拠点の引っ越しに関しては、「stay night」を知っている身としては、衛宮邸が出てきただけで非常にわくわくとしてしまったところなのですが(笑)、ここで気に留めておくべきはそれよりも、アイリの不調のほうなのでしょうね。まあ、こちらに関しては、それこそ「stay night」を知っていれば大よそ見当がついてしまう感じなのですが、その考えが間違っていないのなら、アサシン脱落の影響、なのでしょうね。

……とすると、セイバー陣営(ただしセイバー除く)には、詳細は分からなくともどれだけのサーヴァントが脱落したということは分かっちゃったりするのかなぁなんてふと思ったわけですが……同時にアイリが戦力として機能しなくなるとしたら、プラマイゼロではあるのかな? とはいえ、ランサー・アーチャー陣営には既に真のマスターが誰かバレているし(あ、でも、ケイネスはともかくソラウは知らないかもですが)、ライダー・キャスター陣営はあんまりマスター狙いで来ないような気がするから、その辺はもうあまり関係ないかもですが。むしろそのアイリさんを手中に収めていることが一番重要なのでしょうし……。

 

話数的には次回が1クール目最終回かな、と思われるわけですが、タイトルと次回予告からすると(というかタイトルがちっとも最終回っぽくは思えないわけですが)、ここまで引っ張ってきたキャスター討伐が完了するところまでが1クール、ですかね。だとしたら、一応キリのいいところで終われるのかな、と思いつつ、次回も楽しみにしたいと思います。

 

◇次回「禁断の狂宴」

 

 

Fate/Zero #11「聖杯問答」感想5

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“王たちの饗宴”……なんて言葉が脳裏を過ぎってしまうような、今回の聖杯戦争で召喚されたサーヴァントの中でも、“王”の名を冠するセイバー、アーチャー、ライダーの三人による、「何故聖杯を欲するのか」「王とは何か」を語り合う会談を丸々一話使って描いてきました。

 

ライダーに誘われて、遅れて登場ながらもちゃんとアインツベルン城に来て一緒に酒を酌み交わしているギル様が、意外と付き合いがいいなとびっくりしつつ(笑)、まあそこは以前綺礼をけしかけていた他のサーヴァントの望みに興味があったのと、王様たちの会合となれば参加しないわけにはいかないプライド的な何かがあったのかな、と考えてみるところ。何にしても、全くタイプの違う三人の王が集結した様子は興味深いものがあったところでしょうか。

 

とはいえ、王としての格では、完全にセイバーが残り二人に後れを取った感じでしょうか。まあ、セイバーの抱えている問題に関しては、士朗と出会うまで解消されないことが分かっているので、「Zero」においてその辺は覚悟して観ないとな〜、といった感じでもありますが。

そして、その士朗のことを考えると、この物語における在り方(生き方)の正解はライダーの語ったものなのかな、と思うところ。特に反論をしなかったところを観ると、ギル様もその点に関しては同意なのかな、と思いますし。個人的にも、たとえ辿り着いた結末が悲劇的なものだったとしても、そこに至るまでの自分を否定しないライダーのほうがかっこ良く思えるところでもありますしね。

 

ただ、そうした生き方に関してはともかく、「王とはどう在るべきか」については、必ずしもライダーの言が唯一解ではないかな、とも思えましたが。大よその方向性は同じだったとしても、もしもギル様が聞き役に徹するのではなく何らかの答えを返していたら、彼の語る王の在り方はまた違ったものだったんじゃないかな、という気がしますし。その命題に関しては、「Fate」に限らず王様という身分を絡めた物語においては多様な解釈が見られるかな、と。

とはいえ、アーサー王の在り方がどこかで間違えてしまっていたのは確かかな、とも思いますが。一方的な救済者であってはならない、民にも自身が王であるという気持ちを抱かせるという辺りは、「十二国記」なんかを思い出すところでもありましたし。又、セイバーが思い出していた「アーサー王には人の心が分からない」という言葉が更に、セイバーの理想と現実に断裂があったことを示してもいるかな、と。ギル様はセイバーの在り方も認めるような発言をしていましたが、あれはどっちかというと、そうやって堕ちていく……あるいは泥沼でもがき続ける姿を眺めているのは退屈しのぎにはちょうどいいとかの、自分の娯楽のための発言にしか聞こえなかったので、それに縋るようなことをするのは更に泥沼に嵌るだけに思えてしまいますし……(汗)。

 

言葉で語るだけでなく、固有結界で視覚的にもそれを見せ付けるなど、まさにライダー回だった気がするエピソードでしたが、それを直接突きつけられていたセイバーだけでなく、そんなライダーの生き様を見せられたウェイバーが何を感じ取ったのかも気になるところ。というか、前述のとおりセイバーのほうは「Zero」では解決しないことが分かっているだけに、むしろそこからウェイバーが何を得るのかがより気になるところですかね。キャラの成長という意味では、彼を見ているのが一番楽しめるだろうなと思いますし、やっぱりこのコンビは今後も要注目だなぁと改めて思ったところでしょうか。

 

……それはそれとして。あの大量のアサシンの襲撃は一体何だったんだろうなというのが疑問の残るところでしょうか。

ギル様の呟いたとおり時臣が差し向けたのか、綺礼の独断だったのかという辺りも気になりますが(とはいえ、後者の可能性はまずないでしょうけど)、数で押せば、そしてそこにギル様の力が加われば勝てると思ったからなのか……。それにしては、アサシンをわざわざその姿を晒させたことが不可解だし、もしも本当にギル様のことも戦力として計算に入れていたとしたら、ギル様を見誤っている気がしていろんな意味で心配になってしまうところなのですけど……。前回でせっかく時臣の株が少し上がったのに、これはちょっと残念な展開だったでしょうか。あるいは、私が気づいていないだけで、あそこで仕掛けてくるだけの必然が何かあったのかもしれませんが……。

 

◇次回「聖杯の招き」

 

 

Fate/Zero #10「凛の冒険」感想5

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殺伐とした聖杯戦争の中での一服の清涼剤のような、凛のちょっとした冒険に焦点を当てたエピソードでした。まあ、そのちょっとした冒険のメインは、龍之介に攫われた子供たちの救出だったので、凛の可愛さに頬を緩ませて見ているだけでいいとはなりませんでしたが(笑)。

 

とはいえ、幼くても凛は凛だなぁと思わせてくれる様子に何となく嬉しくなりつつ、同時に、純粋に父親の役に立ちたいと思っていたりとか、ごく普通にクラスメイトに慕われていて、その中でも親友と呼べそうなくらい仲の良い女の子がいたりとか、魔術師というよりも普通の女の子としての顔のほうが大きな割合を占めていそうなこの頃の凛の姿を見せてもらえたのもまた嬉しかったところでしょうか。うっかり属性というより、この頃はまだ幼い故の危なっかしさで、凛の冒険が悲劇で終わらないかとひやひやしたところもありましたが、龍之介一人だったこともあり、無事に子供の救出までやり遂げたのにはホッとしたところでもありましたし。

 

同時に、そんな凛を見ていて思ったのは、これまで今ひとつ良いところのない時臣の好感度を上げるためのエピソードでもあったのかな、と。

ギル様の発言と、それに影響され始めている綺礼、そして典型的な魔術師的な意味では再起不能となってしまったケイネスと被る部分もあって、ここ暫くの時臣はどうにも微妙な印象だったのですが、凛視点で見ると、普通に良いお父さんであり、尊敬できる師でもあるんだな、と。まあ、父親の部分に関しては、どうしても養子に出してしまった桜のことが脳裏を過ぎってしまうのもありますが、もしも間桐家が後継ぎに恵まれ、養子など必要としなかったのなら、普通に二人の良いお父さんになっていたのでは、と思えるくらいには、凛が尊敬するのも分かるような人物に今回は描かれていたかな、と。

……これが最後の時臣の良いところで終わりそうなのが怖いところではあるのですが(汗)。

 

一つ気になったのは、前述のように時臣への裏切りフラグが着々と進行中に見える綺礼が、アサシンを通じて見た凛の行動をどう思っていたのだろうな、ということ。あのアサシンはバーサーカーのマスター、つまりは雁夜おじさんを追っていたようなので、綺礼が見たのは凛が彼と遭遇して以降だけかもしれませんが、それでも今後の二人の関係を考えると、綺礼がこのときどんな感想を抱いたのかはなかなか興味深いところかな、と。……特に何も思わず切嗣のことしか考えていなかった、という可能性も否定はできませんけど(汗)。

 

そういえば、ウチのテレビでは暗くてよく分からなかったのですが、雁夜おじさんと凛が遭遇したのは、凛がキャスター(?)の呼び出した怪物か何かに襲われそうになったのを助けた、ということで良いのでしょうか……。それとも、あのアイテムが反応したのも凛が見たのも雁夜おじさんの操っていた蟲だけ? まあ、あとで他の人の感想を見れば分かると思いますが、“凛の手に負えないモノ”が何を指していたのかによっては意味するものが変わってきそうで、ちょっと気になってしまいました。

というか、葵さんに聖杯戦争への参加と、遠回しだけど葵さんはちゃんと察してしまっていた時臣の殺害予告を告げた時点で、それが雁夜おじさんを指していてもおかしくないからこそ、いろいろと怖いところでもあるのですけどね……この後の凛の境遇を知っているからこそ余計に。久々に遠坂−間桐サイドの話が観られたのは良かったですけど、どちらもひたすら死亡フラグしか立っていないように見えるのは何とも今後が不安になるところです。

 

◇次回「聖杯問答」

 

 

Fate/Zero #9「主と従者」感想5

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どうやら次回は凛回であると同時に、これまであまりスポットの当たっていなかった遠坂−間桐回になりそうで、その期待でうっかり今回の本編の内容が吹っ飛びそうになりましたが(笑)、今回は今回でサブタイトルどおり主従関係を中心としたエピソードになっており、今後の展開への期待と不安が膨らんだ回でもあったところでしょうか。

 

切嗣の起源弾により、一命はとりとめながらも魔術師としては再起不能になってしまったケイネス。そんな彼に追い討ちをかけるように、ソラウが彼に唯一残されていた令呪を奪うという残酷な展開に。

聖杯を手に入れてケイネスを治す、というソラウの言葉が混じりけのない本心なら、倒れた婚約者のために戦う女性ということで、それはそれで一つの絵になる物語になるのでしょうが、どう見ても彼女の一番の目的はランサーを手に入れることにしか見えないのが……(汗)。彼のモノローグからすると、たぶんランサーもその辺のことには気づいていて、でもケイネス――主を救うことに繋がるのならば、とソラウの提案に乗ることになりそうで、それだけでもうランサーの今後の受難が見えてしまうような。

ケイネスの見た夢や、ランサー自身の言葉から、ランサーは聖杯なんかどうでも良くて、それよりも生前果たせなかった忠義を最後まで貫くことこそが望みであることが窺えるわけで、これは暫く(あるいは最後まで)ランサーにとっては苦しい展開になりそうです。せめて最後にケイネスと、ランサーの望んだ関係を築くことができたら少しは救われるのだろうか、とは思うものの、ソラウとのやりとりを知らないケイネスが結果だけ見たら、ランサーがあっさり鞍替えしたようにも見えてしまいそうで、ランサーは最後まで悲惨なまま終わりそうな気がしてしまうのが怖いところですが……。例の夢を見続けることでケイネスがランサーを理解できたら……とも考えてみたけど、魔力供給も令呪もソラウに移ってしまったとなると、ランサーの気持ちはともかく、システム的には完全にソラウが彼のマスターになってしまうのかなといった感じなので、それももう無理かなぁ、と。

 

ランサー組だけでなく、セイバー組も引き続き主従間の亀裂は進行中(汗)。とはいえ、今回ばかりは切嗣が正しいよなぁとも思ってしまいますが。キャスター討伐の優先度、ではなく、主を売ったサーヴァントを信用できるか、という意味で。そうさせた原因の一端は切嗣にもあるんだろうけど、もともと戦い方は相容れない二人だっただけに、結末を知っている云々以前の問題として、もうこの二人は修復不可能だろうなぁとも思えてしまうものが。

セイバー組ほどではないものの、時臣−アーチャー、時臣−綺礼も同じく進行中な感じで。まあ、綺礼の場合は、本来なら何とも思わなかったものを、ギル様が変に指向性を与えてしまったせいでそういう考えに誘導されているようにも見えるわけですが、何にしてもどんどん時臣の死亡フラグというか綺礼の裏切りフラグが立っているように見えるのは非常に不安になるところです。……次回は彼らにスポットが当たりそうなことを考えると、下手したら次回でもう何か起こってしまうかもしれないとも思うところですが……サブタイトルどおりなら凛が中心になりそうだし、まずは間桐家……というか、雁夜おじさんとの因縁が先ですかね。

 

そんなふうに不和が生じまくっている陣営が増えてきている中、逆に仲を深めているのがライダー組。そういう意味でも見ていて何とも安心できるコンビです(笑)。主人が結果を出したのだから自分も戦果を挙げるぞ、と張り切るライダーを見ると理想的な主従像がそこにはあるようにも見えてしまうところですが、そんな彼の言葉を聞いて赤くなるウェイバーが、それこそ主人に認められて喜ぶ臣下のようにも見えて、そのあべこべさがまた面白いところです。

ウェイバーがキャスターの拠点を見つけ出すのに錬金術を使ったということで、彼本人は魔術師としてはあまり褒められた手段ではないようなことを言っていて、vs切嗣戦を思えばおそらくケイネスもそう言うのだろうけど、魔術師であることに拘るわけでもなければ魔術師でもない人間からしたら、たとえ手段が真っ当じゃなくてもちゃんと結果を出したウェイバーは、ライダーの言うとおり十分認められるものかと。この辺、ウェイバーとケイネス、切嗣とセイバーで対比されているようにも見えて面白いところでもありますが(まあ、ケイネスもキャスター討伐に乗じて切嗣に襲撃掛けていましたが)、実際に結果を出したのはどちらも綺麗な(真っ当な)戦い方に拘らなかったほうなのを見ると、聖杯戦争というゲームを勝つために必要なのはどちらなのかが見えてくる感じでしょうか。まあ、生死を賭けた戦いである以上、生き残るためにあらゆる手を尽くすのは当たり前といえば当たり前だし、そこへ綺麗事を持ち込めるのは、これまでそんな必要のなかった強者だからこそという気もしますが。

そう考えると、やり方ではなく結果を重視したライダーの器が改めて分かるような気がするところだし、弱いからこそ自分にできることに手を尽くして挑むウェイバーを好ましく思うのだろうなと思うと、ますますライダーへの好感度が上がるところなわけですが(笑)。……今のところ、少なくともこのコンビだけは、結末がどんなことになろうとも、悲惨なだけでは終わらないんじゃないかなとも思えるところです。

 

◇次回「凛の冒険」

 

 

Fate/Zero #8「魔術師殺し」感想4

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vsキャスター戦を始めとしたアインツベルンの森での攻防が、それぞれ侵入者側の撤退で一段落となった第八話。

 

……さすがに、ちょっとセイバーにイラッとしてきてしまいました(汗)。

キャスター相手にランサーと共闘しているときは、この二人の信頼関係そのものは見ていて気持ちの良いものですし、そこは素直にかっこいいなぁと思える部分もないではないのですが、そんなふうにランサーに対しては敬意を払う反面、切嗣に対する扱いが酷いな、と。いやまあ、この主従の不仲に関しては、一切歩み寄りを見せない切嗣のほうにも非がないわけではないので、これが聖杯戦争でさえなければまた違った感想になるかとも思うのですが、その戦争という点においては圧倒的に切嗣のほうに理があるように見えてしまうので、さすがに積極的に自陣を不利に追い込むセイバーのやり方は駄目だろと思ってしまうわけで。

騎士として高潔な戦いがしたい――そこまでならまだいいかなとは思うし、だからそれが叶わないことに対する苛立ちも分からないではないのですが、せっかく誤認させていた自分の本当のマスターが誰であるかを明かし、敵陣営のサーヴァントを単独で自分のマスターのもとへ向かわせるとか、作戦を台無しにした上に自分のマスターを危険に晒すとか、論外だろうと思ってしまうわけで。ランサーが、自分が切嗣を見逃すのはセイバーの高潔さ故だから感謝しろ、みたいな捨て台詞を吐いていきましたが、いやそもそもマスターが単独でサーヴァントを相手取らなければならないような危機的状況を作り出したのはセイバーだから、と心の中で思い切りつっこんでしまったところですし(汗)。感謝どころか、切嗣はセイバーを怒る権利すらあると思うのですけど……。

 

とうとう二人の不仲さが抱えていた爆弾が爆発した、と言ってしまえばそれだけなのですが、今回セイバーの行動が特に目に余るように感じてしまったのは、セイバーがキャスターと、切嗣がケイネスと戦っている裏で、アイリと舞弥もまた綺礼と戦っていたことも大きいかな、という気はします。

綺礼が脅威な相手であることは、一度対峙した舞弥は誰よりも分かっていたはずで、だけど彼女は、切嗣を守ることを優先したアイリの提案に乗って綺礼の迎撃……それが無理でもせめて足止めすることを選んだ。実際、舞弥は敗れ、アイリも頼みの魔術をあっさりと破られて、二人揃って完全に敗北してしまった。それでも、ボロボロになっても彼女たちは決して退かず、綺礼を足止めして切嗣には決して会わせない、という一番の目的は何とか成し遂げた。

……彼女たちがそこまでして守りたかった相手をあっさり売ったも同然なセイバーをどうかと思ってしまうのは、当然のような気がしてきてしまうところです……。アイリたちが阻止したかったのはあくまで綺礼だとか、セイバーにはランサーが切嗣を殺さないだろうという確信が(人柄的な意味でも、マスター殺したら決着をつけられなくなるという意味でも)あっただろうとかあるでしょうが、それでもやっぱり引っ掛かってしまうな、と。そのランサーとの対比ですら、マスターを守るために駆けつけたランサーと、サーヴァントが赴くことが分かっていながらマスターを放置したセイバー、というように見えてしまいますし。

 

そんなふうに感じてしまったからこそ、セイバーが側にいさえすれば相当の力を発揮する治癒宝具のアヴァロンをアイリが持っている、と今回セイバーがちゃんとそのことに気づいたならば、彼女がそれをどう思うのかは気になるところですかねー。そこから、切嗣の思いの一端でもセイバーが察してくれたら、ほんのわずかだけでも歩み寄れることができるだろうか……とか。

まあ、仮にそれでセイバーがある程度譲歩することがあったとしても、切嗣側にはそれが一切なさそうな気がしてしまうのが困るところではあるのですが。

 

その切嗣に関しては、前回ラストでも思わせぶりに見せていた切り札の存在が明らかに。切嗣の魔術の師匠なんだろうか、と思われるナタリアさんによれば、あの銃に装填されていた弾丸は、打ち込んだ相手に切嗣の起源を強制的に叩き込むような代物とかで、魔術師として優秀であれば優秀であるほど効果を発揮し、その魔術回路をズタズタにして、魔術師としても人としても終わりにしてしまうとか。つまりは、ケイネスにとっては最悪の相手ということなわけですが……逆にこれ、綺礼にはどれくらい効くんだろうというのが一番気になってしまったところかも。

既に人格的な部分では決して会わせてはならない相手だとアイリも舞弥も確信しているわけですが、戦闘面における相性でも最悪だとしたら、ますます接触を何としてでも阻止なければならない相手ということになるわけで。それなのに、その相手は切嗣にひたすら執着してくるという……(汗)。

実際、切嗣は自分と同じはずだ、同じでなければならないと呟く綺礼を見ていると、彼女たちの懸念は的を射ていて、いずれ二人が接触したときにどんな化学反応が起こってしまうのかはこっちも戦々恐々としてしまうところではあるわけですが……。とはいえ、アーチャーに漁夫の利を取らせるためにおそらく時臣&璃正は状況を見守っていたと思われるわけで、そんな彼らからしたら明らかに行きすぎな単独行動を取っている(と思われる)綺礼は、場合によっては行動を抑制されることになるかもしれないかも?と考えると、そのときはまだ先になるのかな、とも思いますが。

 

◇次回「主と従者」

 

 

Fate/Zero #7「魔境の森」感想5

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前回の宣言どおり、聖堂教会からキャスター討伐が発令された今回。ただ命じるだけでなく、令呪を餌……もとい、報酬として提示したのは、特に既に一つ消費してしまっている陣営がいることを考えるとうまい手だなぁと思ったものですが、案の定その手には乗らないマスターもいましたね。

 

イリヤのことや、前回の母親に泣いて縋り付く子供の姿なんかを考えると、子供の連続誘拐事件の犯人討伐ということで、切嗣がどっちを選ぶかは半々になるかなぁ……とも思いましたが、やはり彼はその機に乗じて他の陣営を仕留めることを選びました。もっともこれには、キャスターのセイバーに対する執着から、放っておいてもやって来る相手より所在の分からない相手を仕留めるほうが優先順位が高いとか、自分たちの陣地での戦闘になる可能性が高いので、有利な場所で他の陣営も潰せるならそれに越したことはない、というのもあったかもしれないし、何よりも、彼の持つ聖堂教会に対する不審が大きい気もしますが。

vsランサー戦において目撃したアサシンの姿、そして既に脱落したはずなのにおとなしく保護を受けているどころか、戦う気満々、切嗣を付け狙う気満々(笑)の綺礼の姿を見れば、アサシンのマスターとその保護をしているはずの聖堂教会が怪しいことは分かるし、となれば、初戦の相手であったアーチャー陣営も必然的に疑わしくなるわけで、実際切嗣の疑っているとおりなわけだから、ここはちゃんとその解に辿り着いている切嗣は凄いなぁとも思うところですが。とはいえ、キャスター討伐に乗じて他のマスターorサーヴァントを仕留めるという選択肢が正しいのかは、現時点では分からないところ。キャスターのように、魔術の秘匿云々には抵触しないので、要はその手段が他の陣営に認められるかどうかという話ではありますが。

 

ただまあ、切嗣が目論んだようには今のところ進んでいない、というのが現状でもありますが。

そもそもその作戦が成功するには、他の陣営がキャスターの所在を捕捉して仕掛けてくれないと意味がないわけで。その条件を今のところ満たしたのはランサー陣営のみでしたが、前回は工房ごと潰して戦闘回避したケイネスが今度は自ら攻めてきて、しかも自動防御の水銀みたいなものを従えており(ケイネスがちょっとでも危険を感じたらすぐさま展開できる能動防御の可能性もあるけど、ラストで切嗣が奇襲可能な状況でわざわざ声を掛けたことを考えると自動かな、と)、現代兵器やトラップではそれで防がれてしまうという、これまでの切嗣の戦法では通じない状況に。まあ、ケイネスも前回のことがあるから、その対策をしっかり立ててきたと思われるわけですが。

そのおかげで、固有結界で体内時間の操作を行えるという、切嗣の魔術がお披露目となったのは面白いところでしたが(笑)。とはいえ、それだけでは決め手に欠けるわけで、それを利用した駆け引きがまた面白いところでもありましたけどね。

 

今回は切嗣がワルサー(でしたっけ?)を構えてニヤリとなったところで引きだったので、ケイネスの命運は待て次回となりましたし、次回予告を見るとその一発で即死という展開にはならなさそうですが、いかにも切り札的なそれが何なのかは次回が楽しみになるところです。

ケイネスは、魔術を学びながらも現代兵器にも頼らないと戦えない相手と切嗣を見ているような気がするけど、むしろそう思わせておいて、現代兵器では仕留められなかった相手を魔術でズドンとやるのが戦法なんじゃという気もするので。まあ、ラストの切嗣の笑みが、今までの戦法からこの拳銃も同じと思っただろうけど、実はこっちは魔術的な代物なんだぜ、みたいなものを連想させたことからの発想なのですけどね(笑)。

 

……というか、ケイネスのことを書いていて気づいたけど、キャスターを仕留める裏で他のマスターを狙うという選択肢を選んだのって、実はケイネスも同じですよね。ということは、切嗣の選択もまた間違っていないことになるわけで……やっぱり前回の懸念どおり、聖堂教会の命令をほいほい聞いてくれるかというと、そんなことはないわけですね(笑)。ウェイバーはその辺素直に聞いてくれるっぽいけど(笑)、こうなると、雁夜さんがどう出るのかもまた分からなくなるところでしょうか。やっぱりそんな命令は無視して時臣を狙っていてもおかしくない気もしますし。もしも彼が切嗣同様に彼らの同盟に気づいていて、アーチャーで漁夫の利を掻っ攫うことまで読んでいたとしたら尚更。

まあ、そんなことは置いておいて、裏でそんな画策をするマスターたちとは裏腹に、セイバーを助けるために乱入したランサーがかっこ良すぎるわけですが(笑)。今回はセイバーを倒せという命令は受けていないと、嬉々として手助けするランサーを見ていると、こっちも嬉しくなってきそうなくらいというか。そんなランサーに即座に背中を預けるセイバーからは、彼女のランサーへの信頼も感じ取れて、この二人の好敵手っぷりが実に小気味良い感じで。お互いマスターには苦労している間柄同士ということもあり(今回の、自分に戦闘を任せてくれないことに苛立つセイバーの姿に、第五次での士朗に対する苛立ちも思い出されて、こういう経緯もあったからかと何だかにやにやとしてしまったところでもありましたが)、この二人が共闘してのキャスターとの戦いが楽しみになるところでした。

……ただ一点だけ、ランサーがキャスターにセイバーの左手の負傷をさらっとバラしたところだけは心の中でつっこんでしまったところでしたけど(笑)。

 

今回は参加の意志を見せただけで、まだキャスター討伐には参戦してきていないライダー組が次回どうなるかも気になるところではありますが……征服王イスカンダルの名前で通信販売を利用してみたり、自分も現代の服を着れば堂々と外歩けるんじゃねとノリノリだったりするライダーと、相変わらずそんなライダーに振り回されているウェイバーには思い切り和ませてもらったので、何かこのコンビにはこのままのほほんとやっていて欲しいような気もしてくるところかも。参戦してきたらしてきたで、ライダーとキャスターがどんなやりとりを交わすかなんかは興味深いところでもあるのですけど。

 

◇次回「魔術師殺し」

 

 

Fate/Zero #6「謀略の夜」感想5

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前回ラストでキャスターがセイバーに目を付けたことから、今回からはこの二組の戦いがメインになるのかなぁと思いきや、今回は取り敢えず接触しただけで、むしろメインはその影で暗躍していた切嗣・舞弥・綺礼・ギル様だった感じでした。

 

冒頭からノリノリで車を高速でかっ飛ばすアイリと、冷や汗掻きながらもそんな彼女に付き合うセイバーの二人は、何だかんだで仲の良い女の子同士な感じで、水面下でいろんなものが渦巻いている聖杯戦争においては数少ない清涼剤のような気がしてしまったものですが(笑)、そんな楽しいドライブも、キャスターの登場で中断。

てっきり最低限の策は巡らせているかと思いきや、本当にセイバー……というか、彼が勘違いしているジャンヌ・ダルクに会いに来ただけだったっぽいキャスターにはちょっと驚いたものの、それ以上に、セイバーが真名まで名乗ったのに、錯乱で片付けて一向に信じようとしないキャスターの思い込みの凄さが(笑)。相手が自分の敬う相手だと信じ切っているからか、自身がジル・ド・レイであることまであっさりバラしてしまいますし(後半でアーチャー=ギルガメッシュも明かされたため、これで真名の判明していないサーヴァントはバーサーカーとアサシンのみですかね)。

セイバーとしては、そんな見当違いのこと言われても……となるしかないので当然冷たい対応にしかならないわけですが、その結果、なら力ずくでとなる辺りは、キャスターの狂信ぶりが窺えるところなのでしょうか。どうも彼の願いはジャンヌの復活(&神からの解放?)だったようなので、それだけ聞くと、キャラと外見の割には真っ当なようにも思えてしまうところですが……今のキャスターを見ていると、生前のジャンヌの苦労が偲ばれる、としか思えないかも(苦笑)。

 

しかし、キャスターがセイバーとの接触を果たしたことで方針転換したことが、キャスター組の関係にわずかにひびを入れたように見えたのは気になるところかも。

龍之介が聖杯戦争についてはあまり理解していないこともあって、魔術行使を隠そうともせずに、就寝中の子供を誘拐して殺し、連続殺人事件を続行しているらしいのが今回窺えたわけですが、その龍之介はキャスターの彼曰くクールな殺し方に惹かれて協力しているわけで、セイバーに執着しそうな気配を見せた時点でまずいのではないかということがちらりと過ぎったものの、本当にそれが影響を与えそうになってきたかな、と。まあ、彼の場合はキャスターの行う殺しが彼の気に入るものであれば問題なさそうなので、まだ十分修復可能なものには思えますが。しかし同時に、派手に動きすぎていることから、璃正が全マスターに真っ先にキャスターをどうにかしろとの通達が出そうで、その辺がどう影響してくるかも気になるところかも。

……まあ、璃正がそんな通達を出したところで、他のマスターが従うかどうかは別な気がしますけど(汗)。この辺、監督役の権限がどの程度のものだったかはよく覚えていないので、それによってはまた変わってきそうな気もしますが。

 

そんな感じでキャスターがセイバーに接触している裏では、切嗣&舞弥によるランサー組への襲撃が。

案の定ランサーを叱責しているケイネスは予想どおりだったものの、逆にそんな彼の行動を咎める人物がいたことには少し驚いたものが。名目上か本当なのかは分かりませんが、切嗣同様に妻ソラウを同伴だったようで。取り敢えず聞いた感じではけっこう的を射た指摘をしているように思えたソラウに、ケイネスはいろいろ駄目っぽいけど、そんな彼にも軌道修正させられるような人物が付いているのかなぁと期待したら、どうもソラウはランサーの魅了にまんまと掛かっているっぽいのが(笑)。

まあ、理由はどうあれ、その指摘自体が正しいのならケイネスにとっては聞いておいて損はない気はしますが、本当にソラウが妻の場合、むしろ問題なのは愛する女をサーヴァントに奪われた状態なのをケイネスがどう思っているかかも。そりゃあ当然わだかまりがあるよなぁと、むしろランサーへの厳しい対応には納得してしまうものがありますが、そうなると、マスター−サーヴァント間の関係においてはほとんど致命的なんじゃないかなぁこのペア、と(汗)。

……というか、前回の感想で歴代ランサーはマスター運がないのかみたいなこと書いたけど、ケイネスはサーヴァント運がないのかも。前回を見れば分かるとおり、予定通りライダーを召喚できていたとしても相性は最悪で、代わりに召喚したランサーも、主に従順という意味では当たりだけど、もっと大事なものを奪われる結果になったとも言えそうですから。

 

話を戻して。そんなふうにこちらはこちらでいろいろ複雑っぽい事情を見せてくれたケイネスのところへ、切嗣たちが襲撃を仕掛けてきたわけですが、それを、呪いを解くためにセイバー組が仕掛けてきた、と即座に見抜いた(?)ところは見事でしたが、それ以外はことごとく彼の思惑を外れていたのが、視聴者的には大変面白かったところで(笑)。

まあ、まさかサーヴァント抜きで仕掛けてくるマスターがいるとは思わないよなぁというのもありますけど、自信満々に自身の魔術工房の素晴らしさを語るケイネスの後で、そんな厄介と分かっているものをまともに相手するわけないじゃん、とばかりにその空間ごと爆破して地上に落とす切嗣がマジぱないなぁ、と(笑)。やっていることは洒落になっていないのに、その豪快さにうっかり笑いが零れてしまったところですし。

とはいえ、ここはそんな切嗣の魔術師の裏を掻くやり方に感嘆しつつも、それ以上にそれを実行した切嗣の心中を考えるところかな、とも。事前に火事騒ぎを起こすことでホテル内の無関係の人間は全員避難させたことから、おそらく落下先においてもそれは完了していると思われるわけで、ホテル側の損害はとんでもないことになりそうだけど、少なくともあの場においての人命は全て守られたはず。でも、命は助かっても、その状況は子供に十分恐怖を与え、そして泣き喚く子供の姿に切嗣は表情を曇らせる。彼の抱える矛盾が垣間見えるシーンだった気がして、今後もこういったシーンには注目しておきたいなと思うところでした。

 

そんな切嗣たちの襲撃を唯一そのやり方まで含めて読んでいたっぽいのが綺礼。

前回の感想を書いた後、確かアサシンが見つけた使い魔はカメラを持っていた気がしたので、そこから切嗣の存在に気づいたかも、ということに思い至っていたのですが(逆に使い魔が捕まったことで切嗣側もアサシンの件含めて茶番を確信していそうですが)、そう考えると彼があの場に現れたことにも納得でしょうか。……と、書いていて、綺礼vs舞弥となったあのシーンの現場が同じだったかが急に不安になってきたのですが(←例によって例のごとく画面がアレでほとんど見えなかった(汗))、舞弥離脱を手伝ったのはたぶん切嗣だと思うので(あと確か切嗣も何かに気づいて警戒するような描写があったはず)、そこは合っていますかね。

まあそれはそれとして。ここは、前回・前々回はサーヴァント同士の超絶バトルを見せられたけど、今回は人間同士のバトルが見られるのか、とちょっと期待したところでもありましたが、それはちょっとお預けな感じで。それよりも重要だったのは、ここで綺礼・切嗣が互いに互いを認識したところなのかも。ラストの、何故聖杯に選ばれたのかも未だに分からないまま、又、それ以外にも何も持たないように描かれているように見える綺礼が、唯一切嗣にだけは関心(執着?)を見せていることからそんなふうに思ったわけですが。前回・前々回では他にスポットが当たっていたので印象が薄くなってしまっていましたが、考えてみればこれに関しては最初から示唆されていたわけで、やはりこの二人の関係が注目ポイントだと改めて示された感じですかね。

 

と、同時に、そんな綺礼と今回急接近(笑)したのがギル様だったのはなかなか興味深いところ。

既にギル様に見切りを付けられているも同然な時臣は、ケイネスに負けず劣らずチーム内の不和という点ではやばいものを抱えているように見えてしまうわけですが(汗)、その時臣と現状は協力関係にある綺礼に興味を抱いたらしいのは、展開としては面白いなぁと思うところで(このギル様との接触&会話が、綺礼の裏切りフラグをまた一つ立てたように見えなくもないですが(笑))。まあ、「stay night」を知っていれば、この二人の接触自体はある意味予定調和ではあるのですけど、今回の二人の会話なんかを聞いていると、この接触が二人にとってどんな影響を及ぼすのかは興味深いところで、この二人についても注目しておきたいところです。

 

 

Fate/Zero #5「凶獣咆哮」感想5

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レコーダーの不調で録画失敗してネット配信まで待つことになってしまっていましたが、ようやく第五話を観ることができました。おかげで本来ならもう少しゆっくり寝ていられるはずなのに早起きする羽目になってしまいましたが……まあそれは置いておいて。

 

セイバーvsランサーの戦いにライダーが乱入したところからスタートした第五話。その後、ライダーの呼びかけにそれぞれ応じるような形で、視聴者視点ではキャスター以外の全サーヴァントがあの場に集結するという、何とも豪華な展開に。その前には、ケイネスとウェイバーの因縁ある師弟同士のやりとりなんかもありましたが、その後のアーチャーvsバーサーカーが凄すぎてどこかへ吹っ飛んでしまっていたかも(笑)。

前回のセイバーvsランサーは、超人同士の戦いではあっても、まだ人間同士、騎士同士の戦いといった感じでしたが、今回のアーチャーvsバーサーカーは、まさに人外同士、サーヴァント同士の戦いといった感じで、その迫力と豪快さが凄いことになっていたかと。衆目に晒すことを意に介さず無数の宝具を次々と繰り出すアーチャーに、その宝具すらも己の武器としてしまうバーサーカー(ライダーによれば、その手に摑んだものは何でも己の宝具にできてしまうのがあのバーサーカーのスキルだとか。第五次といい、バーサーカーってかなり破格(反則的?)なスキルを持つクラスなのかも……)。ここはもう、その戦いを見られただけでも眼福と言えてしまいそうなものでした。

 

そんな感じで新たなサーヴァント同士の激突が始まりましたが、これ以上手の内を晒すのはまずいと、時臣が令呪を使用してまでアーチャーを退かせたことで、事態はそこからセイバーvsバーサーカー、それに令呪によってバーサーカーに加担せざるを得なかったランサー、そんな無粋な戦いをするなと止めに入るライダーと、目まぐるしく変化していったわけですが、そのライダーの仲裁が決定打となり、この場はお開きに。

マスターの制御を振り切ってまでセイバーを狙ったバーサーカー、セイバーとの正々堂々とした決着の続きを望むもののマスターがそれを許さないランサー、とにかく己の道を貫くライダーと、そんなサーヴァント同士の関係なんかも観ていて面白いところでしたが、この初戦において、サーヴァント同士の真名や手の内などがある程度明らかになっただけでなく、個々のマスターとサーヴァント間の関係にもいろいろと変化が見えたのがまた面白いところだったかと。

 

明らかに今後の関係に不和を残したと思われるのが、時臣&アーチャーと、ケイネス&ランサー。正々堂々とした戦いを望みながらもマスターがそれを許してくれない、という不遇っぷりを見ていると、第五次も思い出して、ランサーというクラスはとことんマスター運がないのかなぁ……とほろりときてしまうところですが、今回の互いの行動には、互いが不満を持って終わったことは間違いないだろうと思うわけで、それが今後どう影響してくるのか気になるところ。とはいえ、この組は何だかんだでケイネスが主導権を握って終わりそうな気もするところですが。

それより問題なのは、時臣&アーチャー組ですかね。アーチャーをうまくコントロールするために臣下を演じていたのに、王命に背いて撤退を命じざるを得なかった。……それ自体はたとえ彼らが本当に王とその臣下だったとしてもあり得ないことじゃないけど、その王様のほうが現状では、他の王すら下に見るほどのプライドの高さを持ち合わせているわけで。これはランサー組以上に今後の協力関係が難しいことになりそうです。

又、それとは別に、この二組は早々に令呪を一つ使ったというのも覚えておきたいところ。しかも、時臣はともかく、ケイネスに至っては完全に無駄撃ちだったわけで……ちょっと次回のランサーの処遇が心配になるところかも(汗)。

 

久方ぶりの出番だった雁夜おじさんは、相変わらず死亡フラグ立ちまくりなのが観ていてヒヤヒヤするところ(汗)。喀血した辺りではその身体が、時臣に一矢報いたことに歓喜していた辺りではその精神がいろいろと心配になってしまうところなのですが、そうしたところとは別に、この組はこの組でマスター−サーヴァント間の関係もまた心配なところかも。

セイバーに何か因縁を持っていそうなバーサーカーはそれで暴走してしまったようですが、そのことが彼の更なる負担になっていたようで。雁夜自身は、次はちゃんと制御すると決意を新たにしていた感じでしたが、何故そんなことになったのかを考えずにただコントロールすればいいという思考ではまた同じことの繰り返しになるのではとも思うところで。とはいえ、ではあのバーサーカーとの意思疎通が可能かというと……(汗)というのもあって、難しいところなのですが。でも、第五次を考えるなら、バーサーカーでも意思疎通が不可能なわけではないとも思うところですが……雁夜自身にその意志がないのか、意図的な狂化に問題があるのか、何にしても、この組も今後がいろいろと心配かも。

 

そんな三組とは違い、信頼関係を深めたと思われるのが、アイリ&セイバー組と、ウェイバー&ライダー組。

アイリとセイバーは、はっきりと言葉に出してその気持ちを確認し合っていたかと思うので、そういう意味では現状一番息の合ったコンビになったと言えそうで、パートナーとの信頼関係という点では一歩リードした感じで。ただ、結局ライダーの介入によって切嗣がセイバーに分かる形で何かをすることがなかったため、本来のマスターとサーヴァントの間の信頼関係という点に関しては一向に改善されていないのが問題ではありますが。

戦場で気絶するというオチを見せてくれた(笑)ウェイバーは、しかしそんな彼のことをライダーは気に入ってくれているようで、信頼関係ではこのコンビも期待が持てるところ。たとえ今は情けないところが目立とうとも、ライダーがウェイバーをちゃんとマスターとして認めているのは窺えるところですし、隠れて出てこないケイネスよりも怯えながらでも戦場について来るウェイバーのほうを評価したライダーの言葉は、ウェイバーにとっても嬉しかったはずと思うので。目を覚ましたウェイバーとライダーの関係は、表面上はたぶんまだ暫くは同じような関係が続くのだろうと思うけど、水面下では少しずつ信頼が蓄積されていくんじゃないかなと楽しみになるところです。

 

今回の戦いに直接関与しなかった二組は、それはそれでちょっとした事態の進行が。

綺礼のほうは、切嗣の放った使い魔に気づいたことで、それが切嗣の仕業とまでは分かっていないでしょうが、自分たちの茶番劇に気づいている……少なくとも疑いを持っているマスターがいることには気づいたはずで、それが今後にどう作用してくるのか気になるところ。

とはいえ、次回は遠方からの監視に留まっていたっぽいキャスターが動き出す感じなので、まずはそっちからかなと思うところですが。どうも、セイバーを彼が崇拝(?)する誰かと勘違いしたようで、その勘違いで暴走しそうな感じです。次回タイトルが既に「謀略」ですし、騎士と魔術師ではvsランサー戦のような高潔な戦いになるとも思えないので、サーヴァント同士の正面切っての戦いの次は何を見せてくれるのか楽しみになるところです。

 

◇次回「謀略の夜」

 

 

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