幼馴染
「ほらほら!急がないと遅刻しちゃうよ~?」

 じりじりと照りつける太陽の下、ボクは延々と続くアスファルトの上をひたすら走っている。
真夏にこんなにも走るのは、体力がかなりきついがやめるわけにはいかない。
走りながら、目の前にそびえるものを見上げる。
そこにあるのは、巨大なスニーカー。ボクを簡単に踏みつぶしてしまうであろう重量がある。
そして、そんなスニーカーを履いて何事もなく歩いている、それ相応の大きさを持った彼女。a1 パノラマ写真

今は歩みを止めて、こちらを見下ろしている。
ニコニコと、とても楽しそうだ。僕の幼馴染である彼女はいつもそうだ。
小さな僕が、苦労して様々な困難を乗り越えようとするのを上から見ていて、達成しようかという直前にその圧倒的巨体であっさりと僕以上のことをする。
消しゴムを持ち上げようとしたときは、ボクごとつかみあげ、お手玉にされた。
蟻相手に奮闘していた時は、勝てる、と思った瞬間に足を踏み下ろされ、吹き飛ばされた。
そして…今日は学校へ遅刻しないために一生懸命走っている。
しかし、小さい故たどり着けそうな気が全くしない。
本来、学校までの距離はそれほどない。
僕の家の3件隣なのだ。彼女だけで行けば、3分もかからないだろう。
けど、ボクをいじめるのが楽しいのか、さっきからずっと僕の前で見下ろしている。
学校では唯一の小人病だからなのか、死を感じることが何度もある。
多分、僕は20歳になるまでに誰かに潰されてしまうんだろう。