愚禿道化のえっちらおっちら

日常のよしなしごとを鈍い感性で綴る自称末期高齢爺の独り言のページ

カテゴリ: 芸術

昨日の昼時間、NHKラジオを聞いていたら、通常の番組の途中で「ここでニュースが入ってきましたのでお知らせします」と言ってそのニュースを読みだした。
お、何事かな、大事件でも起こったかなと思って聞き耳を立てていたら「タレントの中居正広さんは、」と言い出したので、ん、自殺でもしたのかなと思ったら、そうではなく、「芸能活動から引退するとSNSで発表しました」ときたもんだ。
おいおい、NHK、そんなのが臨時で入れるニュースかよ。

そうしたら今朝の東京新聞の一面にも中居が引退云々の記事が載っていた。
こんなのってまあ一応はニュースになるとしても三面記事だろうに。それを一面に載せる神経が分からない。
それぞれの担当者は彼の芸能界引退が日本国民にとって重大問題ととらえてニュースにしたのだろうが、自殺とか逮捕とかじゃなくて引退だよ、バカバカしいったらないね。昨日載せた認知検査と同じくらいバカバカしい。(個人の感想です)
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それに比べて昨夜開催された伝統芸能の落語会は、芸があるんだか無いんだか皆目分からない芸能人のニュースを聞かされるよりよほど有意義な時間だった。

新春恒例の商工会支部の落語会が昨夜入間市産業文化センター和室で行われた。
コロナやインフル禍であまり宣伝をしなかったのでどのくらい聴衆が集まるかと心配したが、例年と同じくらいの25人ほどがこれも例年通りの演者の春風亭柳之助師匠の熱演を楽しんだ。
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1席目は「夏の医者」。2席目は「家見舞」。
話の内容はここでは書かないので各自調べて下さいね。

終演後は師匠も交えての懇親会で、落語の裏話なども聞けてこれまた楽しいひと時を過ごしたのでした。
なお、落語会は毎年入場無料です。


世界の小澤征爾氏が亡くなった。
門外漢のそれがしが氏をあれこれ追悼するのは差し控えるが、確かその昔に氏のLPを買った記憶があるので探したら出てきた。
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小沢=武満’69。(小沢の沢は旧字体になっていない)
小沢征爾氏指揮、トロント交響楽団、曲は武満徹、ピアノが高橋悠治だ。
ベートーベンやモーツアルトのように気楽に聞けない曲ばかりという印象があったので、ほとんど聴いてなくて、お蔵入りだった。
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’69といえば今から55年前、それがしも学生時代にこんなのを聴いていたのか、思えば遠くへ来たもんだ。
写真の小澤氏も若い。
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武満徹氏は既に’96年に亡くなっている。

30年くらい前だろうか、小澤征爾氏を見かけたことがある。
それがしがある公務で松本のホテルにいた時、小澤氏もサイトウキネンフェステイバルでそのホテルに滞在していたのだ。
小澤氏はホテルのロビーで今の天皇陛下の妹?の清子?内親王と親しく話しておられた。
天皇家の人になど普通の人は近づくこともできないのに、さすがは世界の小澤だと感心したのを覚えている。
その時それがしはたまたま2階からお二人を見下ろす格好で見ていたので、さすがにホテルの係の人に下の階に降りてくれと言われた。
今ではいい思い出だ。

今夜はこのLPでも聴いて小澤征爾氏を偲ぶとするか。

合掌

JKTは閉鎖的な環境にある御三家だとどこかで読んだことがある。Jはジャニーズ、Kは歌舞伎、Tは宝塚だそうだ。確かに歌舞伎も猿之助事件であれこれ報じられているように、いまだに真相は不確かとはいえ、閉鎖的環境がパワハラ・セクハラを産みだすのだろう。

しかし、そんな裏側は見る由も気もない。我々が目にするのは華やかな表側の舞台だけだ。それでいいのだ。
大都会の真ん中にある異なる世界、それが歌舞伎(座)だ。
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開演前はずっと中島千波の「富貴花競苑図」の緞帳が降ろされていたが、幕間には他の緞帳も紹介される。
上の緞帳は「朝明けの潮」、原画は東山魁夷だ。LIXILの寄贈。

肝心の演目の方はどうかというと、もちろん撮影はできないから感想だけだが、前にも書いたが、歌舞伎というのはまあ壮大な学芸会という感じですかね。

物語の筋は一応はあるけれど、それほど重要ではないように思われる。演者の立ち居振る舞いなどのすべてが様式美と言われるように、その時々の演技や衣装や舞台装置やバックの演奏や化粧などを含めた演出を堪能すればいいようだ。

しかし、いつも家では寝っ転がってアメリカ映画の即ドンパチバンバンを見ているそれがしには、かなり退屈な場面がないではなかった。
だから、荒事や早変わり、早抜き、引き抜きなどの外連の場面は見ごたえがあった。

團十郎の演技は何となく元気がないように思えた。歌舞伎界の将来を慮っての心労があるのだろうか。声も演技も思っていたより迫力がないように思えた。

3幕目の鎌倉八幡宮静の法楽舞(かまくらはちまんぐうしずかのほうらくまい)は平成30年に新たな着想により復活上演された作を、九世團十郎没後120年という節目の年で上演だという。
河東節(かとうぶし)、常磐津、清元、竹本、長唄囃しの五重奏は見ごたえ、聴きごたえ十分だ。
なにしろ伝統芸能に疎いそれがしは、上の芸能の区別は全くつかない。それが5芸能が一堂に会して揃って舞台の上で演奏される競演は迫力十分だった。

歌舞伎、そのパラレルワールド、たまには鑑賞するのもいいと思った半日でした。




歌舞伎座、昨日の続きです。
電車に乗ることも都内に出ることもほとんどないので、それからして非日常の世界だが、それより、歌舞伎座に一歩足を踏み入れた途端、全く別世界の超非日常の世界に浸れるのであった。

赤じゅうたんを踏んで歩く館内は、自分がVIPになったような気分だ。開場に合わせて行ったので開演にはまだ間があり、混雑もしていなかったので、ゆっくり館内の名画も鑑賞できた。
係の人に聞いたら館内は開演前ならどこでも撮影可能だった。
歌舞伎鑑賞はその昔の庶民の娯楽だったせいか、座席での飲み食いも自由で、なかなか大らかなのが好ましい。

2階ギャラリーには日本を代表する画家の名画が飾られていたが、鑑賞する人はまばらだった。
撮影自由だったので、著作権云々があるかもしれないが、あえてそのなかの数点を載せさせていただく。
掲載不可の場合はすぐ削除しますのでご指摘ください。
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髙橋由一「墨堤櫻女」

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伊東深水「春宵」

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安田靫彦「神武天皇日向御進発」

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奥村土牛「鯉」

まだまだあったが省略。
これらの名画を堪能できるだけでも来た甲斐があったというものだ。

さて次は舞台の緞帳。
これまた原画は一流画家の作品だ。
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伊藤園寄贈のこの緞帳は中島千波の「富貴花競苑図」、製織は(株)龍村美術織物。

幕間に各緞帳の作者、寄贈者、製織者の説明が入る。以下作者と作品名のみ記す。
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これは上村淳之画「水辺の四季」。

続く。

昨日午後、臨時休業を敢行(自営業は意外に休みが取れない)して、久しぶりに電車に乗り上京、歌舞伎座に観劇に行って感激してきた。
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以前、国立劇場、明治座は行ったことがあるが、歌舞伎座は初めてだ。
歌舞伎座新開場10周年で7月大歌舞伎を興行中で、演目は昼の部が中車出演の「菊宴月白浪」、夜の部が「神霊矢口渡」、市川團十郎親子出演の通称「め組の喧嘩」、同じく「鎌倉八幡宮静の法楽舞」だ。
その夜の部(午後4時~20時45分)に行って来た。
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座席は1等席という2階の前から3列目だった。もちろんこんないい席、というより歌舞伎を観劇するためにわざわざ券を買ったりする余裕はない、友人から2枚いただいたので珍しく連れ合いと行ったのだった。
2階席からだったので舞台がよく見渡せた。しかし、遠かったので團十郎の見得のにらみは双眼鏡を通して堪能させてもらった。

続く。

いやはや、浜の真砂は尽きるとも、世にゴシップの種は尽きまじ、か。週刊誌やテレビのワイドショーのネタは尽きないね。

かなり前、歌舞伎を見る機会があったが、説明がないと何が何だか分からないということと、大掛かりな学芸会だというのがその感想だった。
そんな歌舞伎界に激震が走った。
歌舞伎界も我々が見ているのは表面だけで、裏にまわるとどろどろしたパワハラ・セクハラがあるらしい。歌舞伎界の常識は世間の非常識とか。

市川猿之助がらみ事件のニュースの中に、「いまこそJKTの闇を暴く時だ」というのが出ていた。JKTって何だと思ったら、ジャニーズ、歌舞伎、宝塚なんだそうだ。パワハラ、セクハラの御三家ということか。
しかし、それ以外にも、ある種特殊な団体にはセクハラ・パワハラはつきものらしいので、JKTだけでは略語が足りない。自衛隊を入れればJJKTだし、相撲界を加えればSJJKTだ。政界だって大いに参加候補なのでSSJJKTか、きりがない。

ハラスメントはもともと嫌がらせといったような意味だが、今や犯罪になる例が多いので、やはりその闇は暴かなければいけないということだ。

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さて、昨日は久しぶりに多くの人たちに会って来たので、自称末期高齢者としてはコロナの感染が心配だ。
入間市商工会の総代会だったのだ。
まだマスクをつけている人が大部分だったが、議事が終わって懇親会に移ると、当たり前だが、マスクがあると飲み食いができないので、今やコロナはなくなったかの如く全員が振る舞うのであった。
これでまた会員の中に感染が広がったらお笑いどころか悲劇だね。感染ゼロを祈るばかりだ。

総代会には入間市の政業界の主だった者はほとんど出席なので、たまにはそうした人にあって情報を得るのも必要だと思って出席したのだが、情報というより、久しぶりにいろいろな人に会えて、短い時間なりに旧交を温めたということが収穫かな。

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上の写真の実は木瓜、下のは蝋梅です。

*悼 ハリー・ベラフォンテ
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*三遊亭円楽師が亡くなったそうだ。合掌。
彼の落語は聞いたこともないし、「笑点」に於ける彼の回答・所作もあまり好きではなかった。どうでもいいけど、「笑点」でバカバカしくて面白いのは小遊三ですね。
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しかし彼は人気者だった。笑点メンバーの中では一番人気があったのではないか。

伝統芸の落語は、これはもう日本の貴重な文化で未来永劫大切に残していかなければならない。それを演じる彼らは日本の宝と言っても過言ではない。笑いは戦争とは無縁だし、健康にもいいのだ。

円楽は日本中に平和な笑いを届けはしたが、アベノリスクやアベノマスク、モリカケや戦争法や桜を見る会、国会での118回もの虚偽答弁、福島がアンダーコントロールなどとごまかした数々の負の遺産もない。
よって、円楽も国葬にすると閣議で決定すべし。

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亡き安倍氏によって定着させた閣議による決定というのはこの点便利だ。総理の「円楽を国葬にする」の一言で根拠理由薄弱でもなんでも、スンナリ決まってしまうのだから。

安倍氏の場合より反対は少ないんじゃないの?政権の支持率も上がるかもよ。

*pm1:08追記
燃える闘魂アントニオ猪木も亡くなった。
やはり閣議で国葬にすると決定すべきでしょうねえ。なにしろNHKニュースでも報道していたくらいだからね。
落語界とプロレス界の両巨頭の合同国葬挙行と閣議で決定、それしかない。
合掌。

昨日の続きです。

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会場正面には作品を大きく引き伸ばした画像が入場者を迎えてくれる。

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また、ドローイングした作品をあえて濃度をつけてプリントしてそれをさらに暗い照明で展示してあるコーナーもあった。
見る人が抱くイメージの違いを意識した展示といえそうだ。

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この日は作家の長沢秀之氏と甲南大学教授服部正氏、館の学芸員岡村氏とのトークも開催された。

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阪神淡路大震災の被災者から提供された写真と文章をもとに描いた絵とプリントされた分のパネルをバックに語る長沢氏。
氏の作品は大きな評価を得ているが、私めは絵とともに文章にも注目している。彼は人間の本質を見抜く哲学的な思考の文を書いている。
芸術家はしばしば複数分野でその才能を発揮している例が少なくないが、長沢氏もその例に洩れず、文章も秀逸だ。
後の参加者との質疑応答で、氏の文章についての評価を発言したら、彼個人の文章ではなく、寄せられた文章についての話になってしまった。
それはそれで感銘を受けたが、氏個人は自分の文章の発信力についてどう考えているんだろうか聞きたかった。

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丸木美術館には原爆の図の展示室とともに、企画展示室、展示室、新館などがある。
一階展示室から階段を上がると、丸木夫妻がアトリエ兼書斎として使用していた小高文庫があり、休憩室になっている。

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窓からは都幾川の流れが眺められる。春には満開の桜が景色を覆ってしまうかもしれないがそれもまた一興です。

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その桜の下の梅?の木に烏瓜が孤独を楽しんでいるかのように風に揺られていました。

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都幾川を見下ろす外の休憩所の脇にあるかなり大きいクヌギの樹皮に触れるのもよし。
私めが子供の頃はこの木のことを「ジンタンボウ」と呼んでいた。
調べたら一般的に「ジンタンボウ」はドングリのことらしく、木そのものではないようだが、でもクヌギの木をそう呼んでいた。
「ジンタンボウ」って「仁丹坊」って書くのだろうか。

原爆の図丸木美術館、長沢秀之展は2月16日まで開催されています。ぜひどうぞ。








昨日、埼玉県東松山市にある原爆の図丸木美術館に中学時代の同級生7人で行って来た。

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車一台がやっと通れる狭い田舎道を行くと美術館に到着する。駐車場もそれほど広くない。
その脇には、ここから出土した宋銭を供養するという宋銭堂と「ピカは人が落とさにゃ落ちてこん」の石碑、右の石碑は関東大震災の後、朝鮮人が虐殺された事件を悼んで建立された「痛恨の碑」。

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眼下に都幾川を望む場所にある原爆観音。合掌。

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昨年の台風で氾濫して大きな被害をもたらした都幾川が今は何事もなかったかのように冬の陽光を反射していた。

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ほとんど人が通らないと思われる河岸に続く小道のコンクリートには小石が埋め込まれていた。
アートと滑り止めを兼ねた趣向だろうか。

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同じ埼玉県に住みながらこれまでここへ来たことがなかった。原爆の図も目的だったが主目的はこれだ。
中学時代の同級生、現武蔵野美術大学名誉教授長沢秀之君の企画展が開催されていて、この日は氏のトークがあるというので出かけたのだ。
先日のNHKテレビ「おはよう日本」でも放映された。

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2015年から続いている「私が生まれたとき」シリーズの今回のテーマは25年の節目になる阪神淡路大震災だ。
被災者から提供された写真をもとにドローイングして消しゴムやドットで手を加えて表現する氏独特の絵画が展示されている。
写真撮影OKでした。

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下は写真をもとにモノクロでドローイングしたもの。上は同じ写真をカラーで描きその上からドットをランダムに載せたもの。
(絵の専門家ではないので描画の説明は正確ではありません、悪しからず)

続く

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