2011年2月9日(水)

・出勤途上の事故の
ため
 会社に遅れた。

・午後の会議の
ため
 いったん会社に戻る。

「~ため」には

     
原因目的

を表す使い方があります。

     Aの+ため+B

とすると、
上のAとBとの時間的配列は
次のようになっています。

 
過去:A事故 ⇒B会社に遅れる

 B会社に戻る ⇒A午後の会議:
未来

つまり、

     AがBよりも
     時間的に先行すると、
     Aは「原因」を表し、

     BがAよりも
     先行すると
     Aは「目的」を表す

ということができます。

・事故が起こった
ため
 会社に遅れた。

・午後から会議があった
ため
 会社に戻る。

     A=「た形」の場合
     A=必ず「原因」を表す

・午後から会議がある
ため
 会社に戻る。

ところが、

     A=「辞書形/連体形」

の場合、はたして
Aが「原因」を表すのか
「目的」を表すのかわらなくなります。

・午後の会議に出席する
ため
 会社に戻る。

     A=「辞書形」

     AとBの主格が一致
     A=「目的」

     不一致
     A=「原因」

・子どもが遠足に行く
ため
 早く起きて弁当を作る。

・子どもを遠足に行かせる
ため
 早く起きて弁当を作る。

上の例でも、同じことが言えます。

・彼は事故を起こした
ため
 会社に遅れた。

・事故が起こった
ため
 会社に遅れた。

しかし「た形」の場合は違います。

     A=「た形」
     AとBの主格の
     一致不一致を問わず
     A=「原因」

この「~ため」に「~に」がついて

     「~ため+に」

になっても、
意味も使い分けも同じですが、
やはり「~に」がプラスされただけ、
話し手の気持ちに変化が起こります。

「A+に」につきましては、
もう少し先で考えたいと思いますが、
今はただ、

     Aという
     「場所・時間・範囲・状況」を
     「限定する/基準にする」

という意味と

     Aに近づく
     Aを目的とする

といった意味を表すとしておきましょう。

ですから

     「A+ために」は
     「A+ため」と比べて、
     Aという「原因/目的」を
     鮮明にしたい場合に使われる

ということができます。

いわば、AとBとの間に、
当然の因果関係があれば、
むしろ「~に」のないほうが
自然な響きになります。

・出勤途上の事故のために
 会社に遅れた。 

・午後の会議のため
 いったん会社に戻る。

上の例は、
一度も会社に遅れたことのない人、
営業に出れば
終業時間まで会社に戻らない人
の原因や目的を表しています。

・午後の会議+の/に出席する+ためには
 いったん会社に戻らなければならない。

ところが

     「A+ためには」=「目的」

しか表すことができません。しかも

     B=「義務・命令」

といった内容になります。

*午後から会議があるためには・・・

また、上のような
AとBの一致しない場合は、
非文になります。

・午後の会議に出席するには
 いったん会社に戻る必要がある。

・梅田へ行くには
 阪神電車に乗ってください。

・麺を食べるには
 フォークより箸のほうがいいですね。

「~ためには」から「ため」を省略した、
同じ「目的」を表す

     「A+には」

は、省略したぶん、
Bの表現が柔らかく穏やかになり、
命令とまではいかない

     「必要性」

などが来ます。