2014年04月21日

ソーシャルゲームだけがなぜ儲かるのか5



 2012年発行。著者は中山淳雄。
 きっかけは…ソーシャルゲームへの関心かな。224ページ。
今、日本が世界を圧倒する業界の現場を大公開!日本中が不況に泣いていた時期から右肩上がりを続けるソーシャルゲーム市場。テレビを見ていてもソーシャルゲームのCMが日に日に増えていくようだ。ユーザーでない人にとっては、一体なぜここまで儲かっているのか不思議でならないだろう。本書では、その秘密について、ゲームをしない人にもわかりやすく解説、他産業へのヒントとなるノウハウを可能なかぎり抽出した。

 趣旨は人が対価を払おうとするメカニズムと、特に日本で咲いたソーシャルゲームのビジネスモデルが成立している背景(インフラ、マーケティング)を解明して別業種に生かすヒントに、といったもの。

 話は面白いし、「なぜ日本なのか」の説明は筋が通っている。個人的には「既存の大手ゲームメーカーがソーシャルゲーム市場で苦戦しているわけ」に気が引かれた。経営者が生え抜きでないことも当たり前になったが、ゲーム業界においてはトップが技術畑なのか否かで制作スタンスすら変わる。もちろんビジネスである以上収益と無縁ではいられない。著者も含め、思想を垣間見ることができて参考になった。
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Posted by s_kuri2002 at 00:00Comments(1)TrackBack(0)ビジネス・自己啓発 

2014年04月20日

マグダラで眠れ 第03巻4

マグダラで眠れ (3) (電撃文庫)
支倉 凍砂
アスキー・メディアワークス
2013-04-10


 2013年発行。著者は支倉凍砂
 前回の続き。328ページ。最新刊は5巻。
 ついにカザンの町への入植を許されたクースラたち。鍛冶屋組合の少女イリーネと共に、グルベッティの町を出る準備を始める。
 しかしその最中、ウェランドが、“錬金術師ではない”という疑いを掛けられ、入植団に加われない危機に陥ってしまう。最初は放っておくしかないと思っていたクースラだが、「仲間を大事にしたい」というフェネシスの熱意に打たれ、ウェランドを助け出す決心をする。そして、“自分たちが錬金術師であること”を証明する方法を探り始めるのだが、これがなかなか難題で――?
 眠らない錬金術師と白い修道女が贈る本格ファンタジー、シリーズ第3弾!

 …この巻はまとめるの難しいな。クースラとフェネシスの間に溝が出来て、クースラがそれを意識している…というのが全体を通したポイントかな。人の振る舞いから思惑を量ることが得手のクースラさん。フェネシスだけは少し勝手が違うようだ。

 立ち位置がはっきりしてきたようでそうでもない。フェネシスを除いて「仲間?仲良し?はっ、何言ってんの」な面々なのでチームとしては危ういね。一時の邂逅。ここからどう物語を紡いでいくのか楽しみ。  
Posted by s_kuri2002 at 00:00Comments(0)TrackBack(0)ライトノベルその9 

2014年04月19日

わが家の母はビョーキです5



 2008年発行。著者は中村ユキ
 きっかけは忘れた。167ページ。

 すごい。もちろん「どんな病気?」という疑問にも答えているけれど、注目するべきはそこじゃない。コミックエッセイという形で2ページあたりに詰められた想いの深さがハンパない。さらっと書いてある内容でも、看病する側として実際には長〜い時間をかけた葛藤があったことを窺わせる。ここから何を掬い取るかは読み手次第だね。

 統合失調症の母親をもつ著者のコミックエッセイだけど、統合失調症という病気にかかわりなく読んでほしい一冊。  
Posted by s_kuri2002 at 00:00Comments(0)TrackBack(0)エッセイその2 

2014年04月18日

獣の奏者 完結編5

獣の奏者 4完結編 (講談社文庫)
上橋 菜穂子
講談社
2012-08-10


 2009年発行(読んだのは単行本のため)。著者は上橋菜穂子
 前回の続き。426ページ。全4巻+外伝1巻。
王獣たちを武器に変えるために、ひたすら訓練をくり返すエリン。――けっしてすまいと思っていたすべてを、エリンは自らの意志で行っていく。はるか東方の隊商都市群の領有権をめぐって、激化していくラーザとの戦の中で、王獣たちを解き放ち、夫と息子と穏やかに暮らしたいと願う、エリンの思いは叶うのか。王獣が天に舞い、闘蛇が地をおおい、<災い>が、ついにその正体を現すとき、物語は大いなる結末を迎える。

 限られた時間の中で、自分にできることを考え備えるが…ついにそのときはやってくる…。

 強いて言うなら描きすぎたかな。でもいい物語だと思う。エリンは色々なことに気づいていく中、自分の生きている間では解明されないこともあると悟るシーンは身につまされる。この世は広く、わからぬことばかり。それでも探求をやめることはなく、次の世代に引き継がれていく。著者の人間に対するまなざしが垣間見れて楽しい時間だった。  
Posted by s_kuri2002 at 00:00Comments(0)TrackBack(0)一般小説その3 

2014年04月17日

獣の奏者 探求編5

獣の奏者 3探求編 (講談社文庫)
上橋 菜穂子
講談社
2012-08-10


 2009年発行(読んだのは単行本のため)。著者は上橋菜穂子
 前回の続き。484ページ。
あの<降臨の野>での奇跡から十一年後――。ある闘蛇村で突然<牙>の大量死が起こる。大公にその原因を探るよう命じられたエリンは、<牙>の死の真相を探るうちに、歴史の闇に埋もれていた、驚くべき事実に行きあたる。最古の闘蛇村に連綿と伝えられてきた、遠き民の血筋。王祖ジェと闘蛇との思いがけぬつながり。そして、母ソヨンの死に秘められていた思い。自らも母となったエリンは、すべてを知ったとき、母とは別の道を歩みはじめる……。

 サブタイトル通り、この物語の真相に迫っていく。とても後日談とは言えない内容w アクションシーンで緊張する部分も、語られる部分もいい感じ。

 著者の年齢からくるものか、エリンの想いやエリンに対するエサルの言葉に実感がこもっていて面白い。「もう若くないんだから自分がしんどい目をすれば切り抜けられるというような考えはやめなさい(意訳)」とか。
すべての無理に目をつぶって駆けぬけようとしていた、その勢いが消えていくと、自分がしようとしていたことは夢にすぎなかったことが、はっきりと見えた。
  
Posted by s_kuri2002 at 00:00Comments(0)TrackBack(0)一般小説その3 

2014年04月16日

獣の奏者 王獣編5

獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)
上橋 菜穂子
講談社
2009-08-12


 2009年発行。著者は上橋菜穂子
 前回の続き。488ページ。
カザルム学舎で獣ノ医術を学び始めたエリンは、傷ついた王獣の子リランに出会う。決して人に馴れない、また馴らしてはいけない聖なる獣・王獣と心を通わせあう術を見いだしてしまったエリンは、やがて王国の命運を左右する戦いに巻き込まれていく――。新たなる時代を刻む、日本ファンタジー界の金字塔。

 多くを語ることはない。面白い。伏線回収と終盤の盛り上がりは言うまでもないところ。

 本作は主人公であるエリンとともに時間の大半を過ごすわけだけど、それぞれ人物には背負っているものがあり、紡いできた過去がある。善役を割り当てられた人が常にいいことをし、悪役を割り当てられた人が悪さをしているわけではない。しがらみや情け、信念といったものに囚われて行動する。みんなそれぞれ賢い…だけど少しだけ浅はかなんだな。それが魅力でもある。

 『獣の奏者』は元々ここで終わった物語。文庫版あとがきにそのあたりのことが書かれているので気になる方はそちらを参照あれ。  
Posted by s_kuri2002 at 00:00Comments(0)TrackBack(0)一般小説その3 

2014年04月15日

マグダラで眠れ 第02巻4

マグダラで眠れII (電撃文庫)
支倉 凍砂
アスキー・メディアワークス
2012-10-10


 2012年発行。著者は支倉凍砂
 前回の続き。344ページ。最新刊は5巻。
 異教徒最大の鉱山の町カザンに、近々入植があると気づいた錬金術師のクースラとウェランド。それは、工房のある町グルベッティが戦争の最前線ではなくなることを意味していた。二人はなんとかカザン入植の波に乗るべく、手柄を立てようと画策する。
 そんな時、二人のもとに“伝説の金属ダマスカス鋼”の噂が舞い込んでくる。どうやら鍛冶屋組合の若き長である少女イリーネが、その金属の秘密を知っているというのだが――。
 眠らない錬金術師クースラと白い修道女フェネシスが紡ぐ、その「先」の世界を目指すファンタジー。シリーズ第2弾!

 前作のロレンスは、一人前の商人ではあるけれど格上の案件(ホロ含む)を相手にしていた(常に背伸びをしている状態)から、案件がいかに大きいか、障害が大きいかを一緒に見上げることができた。対して本作の主人公。組織(全容も把握できないくらい巨大な騎士団に所属)には勝ちようがないけど実力はあるみたい。そもそもどんな物差しを持って錬金術師の実力を量るのかわからないけど。それはさておき、俺様気質も加わって、本来は困難な案件なんだろうけど「やろうと思えば俺はいつでもクリアできるぞ」という風に読めちゃうのが損しているかなと。

 「良いか悪いか」ではなく、目的に向かうためにはこうするより他ない、という頑なさがいい。その頑なさが早熟を求められた時代のリアリティだと読めるから。フェネシスは…どうだろ。クースラに比べると地に足が着いてないし、決意の割にはまだかわいいマスコットの域を出てないな。あと表紙が1巻のネタバレじゃないですかあ〜><  
Posted by s_kuri2002 at 00:00Comments(0)TrackBack(0)ライトノベルその9 

2014年04月14日

マグダラで眠れ 第01巻4

マグダラで眠れ (電撃文庫)
支倉 凍砂
アスキーメディアワークス
2012-07-10


 2012年発行。著者は支倉凍砂。最新刊は5巻。
 『狼と香辛料』シリーズに続けてチョイス。321ページ。
 人々が新たなる技術を求め、異教徒の住む地へ領土を広げようとしている時代。錬金術師の青年クースラは、研究の過程で教会に背く行動を取ったとして、昔なじみの錬金術師ウェランドと共に、戦争の前線の町グルベッティの工房に送られることになる。
 グルベッティの町で、クースラたちは前任の錬金術師が謎の死を遂げたことを知る。そして辿り着いた工房では、フェネシスと名乗る白い修道女が二人を待ち受けていた。彼女の目的は、クースラたちの“監視”だというが――?
 眠らない錬金術師クースラと白い修道女フェネシスが紡ぐ、その「先」の世界を目指すファンタジー、開幕。

 うーん。面白いんだけど。物語展開がライトノベルにしては難しくないかな。
 あと主人公は錬金術師なんだけど、本当に鉛から金ができると信じ込んでいるわけではない。これだけなら性格上のことで説明がつくけども、例えばピーマンを入れて目的のものに近い物質ができたとしたら、次はキュウリを試してみるという行動をとることがある。都合のいい部分だけ現代知識が通用するライトノベルに慣れていると、こういう今の感覚から見れば合理性のない発想(だが緑という共通点を持つのでこの考えは一定の合理性がある)に違和感を覚えると思う。前の『狼と香辛料』で扱ったのは経済なので見えづらかった、現代の感覚との乖離が表面化している。著者もそのあたりはわかっているようで説明が多めだ。それによる冗長感は否めず、物語構成はやや複雑、と。行動原理や感性が現代よりではない主人公から見た描写が続く点が理解を難しくしている要因になっているのではと思う。

 キャラクターはクセがある。主人公のクースラは乙女に人気が出そうな容姿(挿絵もそういうタッチ)にやや俺様気質で、ヒロインのフェネシスは小動物的だが成長要素がある。イチャイチャ要素は前作とは毛色が違うものの健在。  
Posted by s_kuri2002 at 00:00Comments(0)TrackBack(0)ライトノベルその8 

2014年04月13日

獣の奏者 闘蛇編5

獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)
上橋 菜穂子
講談社
2009-08-12


 2009年発行。著者は上橋菜穂子
 きっかけは著者の国際アンデルセン賞作家賞受賞。アニメ『獣の奏者エリン』があったのでこれをチョイス。全4巻+外伝1巻。360ページ。
リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが――。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける!

 うん。児童書ではないw
 アニメはほんのちょびっとだけしか観ていなかったけれど、先が気になる展開でページが進む進む。少女エリンが紆余曲折を経て獣ノ医術師を目指し、そこで運命の出会いを果たす。教訓めいた部分もあることにはあるけど説教くさくなくスッと入ってくる感じ。今はただ物語に浸っていたいと思わせる。  
Posted by s_kuri2002 at 00:00Comments(0)TrackBack(0)一般小説その3 

2014年04月12日

少し復帰

大暴落1929 (日経BPクラシックス)
ジョン・K・ガルブレイス
日経BP社
2008-09-25


ドキュメント住専崩壊
湯谷 昇羊
ダイヤモンド社
1996-04


犬の系譜 (講談社文庫)
椎名 誠
講談社
1991-01




わしらは怪しい雑魚釣り隊
椎名 誠
マガジン・マガジン
2008-02








 お久しぶり。長らく更新サボってました。サボっていたというより読書をほとんどしていなかったので書くこともなかったわけですが。ちょっと慣れないので少しずつ感覚を取り戻していこうかなと考えています。思い出すまで淡白になると思いますがよろしくお願いします。

 『大暴落1929』…バブル期の人々の考え方が見える。そして若干名ではあっても(そこにはもちろん自己の利益があるからだが)ノブレス・オブリージュを実践した人々がいたということ。
 『ドキュメント住専崩壊』…いわゆる住専問題について。銀行に対してお上からの強烈な圧力が垣間見れる。後にジャーナリストが書くだろうが、先の春闘における賃上げにも似たような形の圧力がどこかからどこかにあったんだろうなと思わせる。
 『犬の系譜』…吉川英治文学新人賞受賞作品。なかなか面白い。『アド・バード』…日本SF大賞受賞作品。時代を感じる。『わしらは怪しい雑魚釣り隊』…エッセイ。一番イキイキしている(笑)。
 『ベルクソン~人は過去の奴隷なのだろうか』…機会を見て再読するかも。
 『父・金正日と私』…見えてくるのは少しだけ賢い凡人。あとは環境に適応した結果としての語学であり投資スキルといったところ。
 『勝ち続ける意志力』…格ゲーマーウメハラの著書。シビアでかつ持続性を求められる勝負の場にいるだけあって考えの射程は狭くない。読み方しだいではあるものの、ビジネスにも応用できるかもね。  
Posted by s_kuri2002 at 19:42Comments(0)TrackBack(0)雑多なもの