(1)コロナバブル継続・・・新型コロナの感染拡大に起因する歴史的金融緩和と積極財政による過剰流動性を背景に、株式市場の上昇トレンドは(FOMCにより出口戦略が議論され始めるまでの)長期化が必至と判断。
(2)日経平均の高値目安は31,000円・・・日経平均の今期の予想EPS1,080円に対して、現況での来期予想は45%程度増加の1,560円がコンセンサス。コロナバブルによる上方バイアスを加味すれば、PERは平常時が15〜20倍、下振れ時が12倍水準、上振れ時が22倍水準までのブレが想定されるため、「23,000〜31,000円」をコアレンジとしながら、上下のオーバーシュートに際しては19,000円付近 or 34,000円付近までのブレが想定されます。
(3)GAFAMの解体(思惑)・・・現実味のある下振れリスクとしては、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフトなど巨大企業への規制当局の締め付け強化 → 解体思惑による大掛かりな需給調整 → 短期的かつ鋭角な下落に要注意。

(4)BATの膨張・・・業績不振かつ技術力のある中国企業が、中国共産党の指示のもとで次々とバイドゥ、アリババ、テンセントに吸収される流れは不変。結果として3社の勢力は今年も膨張し続けるでしょう。
※ 膨張は遅々として進むため、マーケットの需給波乱要因としての過度の警戒は不要ですが、GAFAMの停滞とセットになる場合には、ビジネスにおける主要ルールが中国共産党色に次々の塗り替えらる → 現代版奴隷制度の支配領域拡大に警戒。ドイツと中国関係の親密化にも要注意。
(5)米中対立の継続・・・中国が覇権国家となる凄惨たる未来を避けるためにも、トランプ氏に続いてバイデン政権も中国に対して厳しい対応を迫るはずです。その場合、自由主義経済は延命される反面、マーケットはネガティブな反応へ。

(6)デジタル化で格差縮小はしない・・・世界経済の規模はコロナ禍での急激な縮小後、マイルドな回復基調が本命視されますが、コロナ以前への回復には2,3年程度かかるとみるのが賢明。すなわち収穫できる果実が増えない状況にもかかわらず、企業による配当や自社株買いなどの株主優遇策が継続する結果、被雇用者層への配分が減るのが不合理かつ不可避な真実。主要国の財政支出がある程度カバーするものの、デジタル化をはじめニューノーマルに適合した一部の人々を除いては、収入面での貧富の差は解消されるどころか拡大傾向を続けそうです。
(7)おまけ・・・評論家さんたちがあまり触れていない事案としては、米中双方から恨みを買ったソフトバンク孫会長の失脚 → 米中企業によるソフトバンクの分割・吸収、衆議院選での敗退による菅政権の退陣 → 高齢のバイデン大統領誕生に類似した第2次麻生内閣の発足(→第3次安倍内閣への移行)、規制緩和による国内大手自動車メーカーと大手電機メーカー or 同業内でのM&A...などもマーケットの短期的なかく乱要因として個人的に注目しています。