米中7年戦争

2020年相場の注目ポイント!(2)

■ 米10年債利回り2.0〜2.5%の厚い壁

世界的な金融資本の投資に対する強弱スタンスを計る上で、最も重要な指標は米10年債利回り。当方の「2018年10月の日米株価の長期調整トレンド入り宣言、2019年10月の長期上昇トレンド入り宣言」はともに、米10年債利回り動向の分析をベースとしています。※ ともに天底サインは1か月前に点灯。

金融資本にとって株式が短期運用対象であるのに対して債券は中長期スパンでの対応となるため、定期的に乖離は生じますが、大まかにはリスク回避ムードに際しては株式から債券への資金シフト(金利低下・株安)、リスクオンムードにおいては債券から株式への資金シフト(金利上昇・株高)が生じます。

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理論上、長期金利は「期待成長率 + 期待インフレ率 ± リスクプレミアム」で表されるため、米国の場合、平均的に2.0%水準を維持している実質GDP、ブルームバーグが集計している期待インフレ率(5年)の1.6%を加算すれば、リスクプレミアムがゼロと仮定しても 少なくとも3.5%以上が適正水準とされます。

よって、現在の米10年債利回りの1.9%水準という値は、リーマンショック後の世界的大規模金融緩和により“過剰流動性”が生み出した債券バブル(不可解に低水準な金利)といえるため、反動による金利上昇 ≒ 日米株高のポテンシャルは大きい → 米中融和ムードが続く限りは「2019年10月からの上昇トレンド継続」が本線。

ただし・・・、以下の3点を踏まえれば年初予想で多くのアナリストが期待するほどの上値余地は存在せず、看過しにくいリスクを内包していると言えます。

(1)米中関係 : 貿易交渉の合意レベルが上昇していく間はプラス寄与が期待されるものの、金融資本は冷戦状態の長期化が必至とみていますので、米長期金利の上値は限定的になりやすい一方、米中関係の急激な悪化に際しては「債券買い・株式売り」加速が警戒されます。

(2)トランプ政権の利下げ圧力 : 12月のFOMCで一旦は利下げ打ち止めを表明したFRBですが、トランプ氏からの利下げ要求に抗い続けるのは困難。

(3)米10年債利回りの「2.0%の壁」 : 繰り返しとなりますが、現在の金利上昇トレンドを踏まえれば、日米株価上昇がメインシナリオ。ただし、上記のように債券バブルの影響で米10年債利回りは2.0%以下が常態化しているだけに、当水準に接近する場合には(短期的なオーバーシュートはあっても)世界的金融資本は必ずや債券買い(金利低下)に動いてくるはずです。仮に2.0%をブレイクした場合も2.5%は岩盤となるでしょう。

よって、米長期金利上昇に伴う日米株高は「既に後半戦に突入している」感覚が非常に重要になりそうです。

<< まとめ >>
昨日お伝えしたようにファンダメンタルズ(米中関係の改善)、需給面(米長期金利の騰勢)の双方を踏まえれば、「2020年前半は株高トレンド継続」がメインシナリオ。ただし、米中7年戦争リスクの高さや長期金利の頭打ち見込みを考慮すれば、8月以降(早ければ5月くらいから)の数か月スパンの下落トレンド入りにも注意が必要と判断しています。

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2020年相場の注目ポイント!(1)

著名アナリストの2020年の日本株の高値予想は25,000円から26,000円が多く、中には27,000円との予想も散見されます。強気背景としては米中関係の改善や日本株の割安さの見直し、警戒ポイントとしては6月の消費増税に伴うポイント還元や東京五輪の終了後の反動、米大統領選に絡めた下押しなどが挙げられているようです。

★☆ 2020年の展望 : 米中関係と米長期金利しだい
スタートから曖昧ですみません。当方では通常3か月から6か月先くらいまでを考察範囲としていますが、例年に増して“不確実性”が高まっている現状での予想は当たるも八卦、当たらぬも八卦 ≒ 予想のための予想と考えます。よって、気は進みませんが、上記のように一般的な解説の大半が国内事情に固執していたり、現状を基準に考察しているものが多いので「1年間を通してこれだけは押さえておいてほしい」ポイントをまとめました。良かったらご参考にしてください。

先に結論をお伝えすると・・・、今年前半は昨年10月からの長期上昇トレンドの継続による(波乱含みの)上値模索 → 米中交渉の平穏な経過 + 米長期金利の「2.0%の壁」突破を背景とする25,000円トライが本線。年後半は「米国による中国への金融制裁リスク」の高まり → 20,000〜23,000円レンジへの軟化を想定しています。

※ 現値から3,000円高の27,000円トライに比べれ、21,000円付近までの3,000円安の方が可能性が高い環境と判断しています。また、リスクシナリオとしては2月ころからの調整トレンド入りも警戒しています。

その根拠となる「2020年のマーケットを占う上で重要なポイント」は2点。

■ 米中七年戦争リスク

12月の貿易面での第一段階合意により米中関係の良化・世界経済への追い風期待が高まっています。今年前半、早くとも3月くらいまでは現状維持によるプラス効果が期待されます。

ただし、以下の複数の要因を考慮すれば「束の間の平和」演出に過ぎず、11月の大統領選にてトランプ氏が再選を果たすようなら2018年7月の米国による対中制裁関税第1弾からスタートした米中戦争は“七年戦争”へと発展する可能性が高いと判断しています。

(1)米中の覇権争い : 中国共産党の主目的である中国製造業2025 → 人民解放軍の世界最強化、一帯一路 → 冊封(従属)地域の拡大路線に対して、米国サイドのドル石油本位制、世界覇権の維持、アジア人軽視スタンスが相容れる可能性がない事。

(2)中国に対する本格的な金融制裁リスク : 米財務省は、19年8月に中国を為替操作国に認定。10月以降、中国共産党は元安誘導を修正していますが、為替操作国認定の解除は流動的。本来11月に発表される米為替報告書しだいとなるものの、仮に為替操作国認定を受けた後の1年間、2020年8月までに中国サイトに改善が見られない場合は、米政府は対象国に制裁する権利を(国内法で)与えられています。この場合、過去の関税面での制裁から踏み込んだ金融制裁へとシフトする可能性大。

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また、仮に最終的に解除する場合でも、中国共産党が屈服する様を米国民にアピールしたいがために、トランプ政権が無理難題を要求 → 朝鮮半島や南シナ海、中東などで米中の代理紛争が生じるリスクがあります。

(3)人権に対する見識の乖離 : 歴史的に(表面上は)人権を尊重する米国に対して、中国共産党にとって国民は支配されるべき人種。香港、ウイグル、チベットで顕著な中国の人権軽視スタンスへの抗議は、世界的に理解を得られやすい一方、中国共産党が受け入れる可能性はゼロな事案。

同様に、知的財産権の侵害や技術窃盗に関しても根本的な米中の認識は異なるため、世界経済にとって真にプラスとなる貿易交渉の合意は不可能であり、「次の衝突の時間稼ぎのための合意」止まりとなるでしょう。

(4)西側諸国内の不協和音 : NATOによる軍事同盟と活発な貿易により良好だった欧米関係も今は昔。米軍の欧州や中東からの撤退路線を利用してロシアと中国が政治経済両面でこの地域に入り込んでいるため、米国の対中制裁が抜け道だらけとなっており、結果として米中対立の長期化を助長。

以上

明日は米長期債利回りと株価の先行きについてお話します。

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米中貿易戦争と日経平均の経緯

2020年も米中関係が定期的に市場心理を揺り動かす環境が続きます。年末年始を使って経緯と日経平均の反応を再確認し、来年の売買戦略に生かしてください。

■ 米中貿易戦争と日経平均の経緯
2017年9月 ライトハイザー米通商代表が、中国の不公正な貿易慣習を批判。
2018年3月 米国が鉄鋼アルミの追加関税を発表。
2018年4月 米国がZTEの7年間の販売禁止を発表。
2018年7月 対中貿易制裁第1弾 → 中国逆上
2018年8月 対中貿易制裁第2弾 → 中国逆上
2018年9月 対中貿易制裁第3弾 → 中国逆上

2018年10月 ペンス米副大統領が、中国の不適切な貿易慣行、通貨操作、技術の強制移転、知的財産の窃盗し、不適切な補助金配布、南シナ海や尖閣諸島などでの軍事力行使、人権軽視、宗教弾圧、スパイ活動や宣伝工作、米選挙への干渉などを批判。(1)

2018年12月 米中首脳会談 〜 一時的な雪解けムード 〜
 〃     米政府の要請でカナダ司法省がファーウェイ副会長兼CFOの孟晩舟を逮捕
2019年前半 米中貿易交渉の進展(2)
2019年5月 中国側が9割程度完成していた米中貿易合意案を一方的に修正(事実上の破棄) → 米国は2000億ドル規模の追加関税引き上げ → 中国逆上 (3)

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2019年6月 G20大阪サミットでの米中首脳会談にて、貿易交渉再開とファーウェイに対する禁輸措置解除と第4弾の関税の見送りで一致(4)

2019年8月 トランプ大統領が中国サイドの合意不履行を理由に対中貿易制裁第4弾発動を表明 + 米財務省が中国を為替操作国に認定 (5)

2019年9月 対中制裁第4弾 → 中国逆上
2019年10月 トランプ大統領が米中貿易交渉が第一段階の部分合意に達したと表明(6)
2019年12月 米中両政府が米中貿易交渉が第一段階の部分合意を発表。

※ 2020年の相場の注目ポイントはこちらか、メルマガで年初にお伝えさせていただく予定です。是非ご参考にしてください。

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