書評2:『The Goal』

皆さん、いかがお過ごしでしょうか?こんにちは、Kです。

このブログは、経営関係の書評をテーマにして始めたのですが、最初の「ビジョナリー・カンパニー」の後、2冊目がなかなか書けないでいました。久しぶりの書評の対象として、「The Goal」を選びました。

「The Goal」は、著者のイスラエルの物理学者であるエリヤフ・ゴールドラット博士が、工場を舞台とした小説として、博士自身の「制約条件の理論」(TOC:Theory Of Constraints )を説明した本です。
日本では、2001年に翻訳版である本書が出版され、ベストセラーになりました。原書は1984年に出版されて大ベストセラーになっていたのですが、著者から17年間も日本での翻訳が禁じられていたといういわくつきの本です。


ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
エリヤフ・ゴールドラット
ダイヤモンド社
2001-05-18


その背景には、80年代当時の日本がバブルに向かう経済の最盛期を迎えていたことがあります。
日本の快進撃を前に、西洋諸国が日本の強みを徹底的に分析する中で、ジャストインタイムを前提にした「トヨタ生産方式」にたどり着き、これを分析、再理論化して「リーン生産方式」としてまとめ上げるのですが、それと歩調をあわせるように、対抗理論としてゴールドラット博士がTOCを世に問うたものです。
このような時代背景から、当時ゴールドラット博士は日本での翻訳を認めなかったものと思われます。

TOCとは、システム全体を鎖と考え、その鎖の強度を決めるのはその鎖の中の一番弱い輪だとする理論です。
その一番弱い輪を「ボトルネック」と呼んでおり、システム全体(例えば工場)のパフォーマンスは「ボトルネック」のパフォーマンスに制限されるため、全体のパフォマンスを上げるためには、「ボトルネック」のパフォーマンス向上に集中する必要があるとするものです。

小説の内容が工場を舞台としているため、生産現場の生産性向上の話と誤解させるかもしれませんが、TOCの凄みは、単なる製造工程管理にだけにとどまらず、あらゆる問題の解決手法としてTOCを理論化しているところです。

企業経営についても、TOCを当てはめて考えると、現在のボトルネックが営業施策なのか、開発工程なのか、製造工程なのか、それとも人事部門なのかと、制約条件を探すところから始めることができます。
工場の生産性向上を一生懸命やったとしても、実はボトルネックは他の部署であったということになれば、企業のパフォーマンスはそのボトルネックとなる部署のパフォーマンスに制約されるからです。

このあたりは私もまだ勉強中で、ゴールドラットの「The Goal」以降の著作を数冊読んだだけなので、もう少し深く掘り下げる必要があると考えています。

TOCの全体像が理解できたら、あらためてこちらで報告したいと思います。

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