ジョヴァンニッキ2

即興演奏家が本業よりアート鑑賞に夢中になっているブログです。

これはヴァイオリンとピアノの合同おけいこ発表会である。私は先生でも生徒でもゲスト出演者でもない立場でほぼ毎回出演させて戴いている。今回は出来は「うーむ」だったが、ピアノとチェロを弾いた。



関係者ばかりの集まりなので感想は別の機会に述べるとして、記録性保持のため私が演奏した曲目だけ書いておこう。

♪ピアノ
クープラン作曲「クラヴサンの為の組曲第13番」より、第2曲「葦」および第3曲「胸飾りのリボン」。
最初に弾いた「葦」の美しさは天下一品である。(上手な演奏であれば。)

♪チェロ
バッハ作曲「無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調」より第1曲「プレリュード」。

「内田繁 棚のデザイン」(巷房:銀座)に行った。パナソニック汐留ミュージアムで開催中の南部鉄器の展覧会では茶室が展示されていたので、相補う感じで内田繁の多様な味わいを楽しんだ。



地下の展示室では棚そのものが展示され、すっきりした構成美と触れることができた。そして3階会場では花器などとのアンサンブルがあり、より複雑化・有機化した世界があった。

以前の私なら地下会場で観たような純粋な抽象構成をより好んだであろう。しかし最近は多少人間的な側面を見せる作品の方に安心感をおぼえるようになってきた。例えばブランクーシの彫刻が純粋な幾何学的抽象と土俗的な手触り感の両方を具有しているように。

そういう意味で、今回は3階展示の方がより深い楽しみを与えてくれた。そしてそれはパナソニック汐留ミュージアムで観た茶室のたたずまいを想起させるものであった。

「メイド・イン・ジャパン 南部鉄器」(パナソニック汐留ミュージアム)に行った。F君から招待券をもらっていたのだ。F君、最近ご無沙汰だけど、いつもありがとう。



昨年、新橋界隈に転勤となり、会場(パナソニック汐留ミュージアム)に短時間で行けるようになった。これまで閉館時間が早い同ミュージアムにはあまり行く機会が無かったが、今後足を運ぶことが多くなりそうだ。

***

この展覧会で最も気になった作家は、既に高名であり、しかも南部鉄の伝統とは異質の存在なのだが、デザイナーの♪内田 繁だった。内田が気になった理由は2つある。その1つは展示された茶室「行庵」の圧倒的なオーラ、そしてもう1つの理由は画廊「巷房」などでの同時多発的な展覧会の開催だ。

茶室「行庵」は周囲を竹を編んだ立方体状の構造物で、ちょっとフラジャイルな構造をしている。この「軽さ」は「移設可能」という機能的特徴につながっている。(写真はチラシ裏面から借用)。



この茶室を観てまず思いだすのは藤森照信の茶室だ。不勉強で内田と藤森の接点についての知識を持っていないが、相互に影響し合っているとしか思えないほどそのスピリットは似通っている。

また小さな非日常空間という意味では、ル・コルビジェの個展で観た「カップ・マルタンの休憩小屋」にも通じるものがある。茶室の奥に置かれた花器とその周囲の雰囲気は、巷房での個展で観た作品を想起させ、センスの良さを感じた。

***

今回の展覧会のメインテーマである南部鉄器の範疇で最も印象深かったのは、♪宮昌太朗のオーナメントである。「鳥」の姿が愛らしい。(写真はチラシ裏面から借用。)



私はクリスタルグラスが好きなので、ガラス製のオーナメントには愛着を持っている。透明というだけでなく、光を反射して明るい。それに比べると南部鉄で創られたオーナメントの黒々しさは少々違和感がある。

それにもかかわらず宮昌太朗の作品がいいと思ったのは、恐らく宮昌のオーナメントの持つ素朴な美しさが普遍的だからだろう。いつ誰がどこで観ても心地よく、心が和むという普遍的な美しさを持っている作品には力がある。



いい展覧会だった。

このページのトップヘ