ジョヴァンニッキ2

即興演奏家が本業よりアート鑑賞に夢中になっているブログです。

2013年08月

仲間と四国・中国を旅行し、初めて大原美術館に行った。

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私にとって最も充実感があったのは工芸館だった。敬愛する♪河井寛次郎、♪バーナード・リーチなどのアーティストがそれぞれ1部屋づつ占有し、魅力あふれる作品が並んでいたからだ。この二人だけでも満足なのに、♪浜田庄司、♪棟方志巧まで揃っていたのだから素晴らしい。

大好きな近・現代アートに関しては、分館の地下が充実していた。実験工房のマドンナ♪福島秀子の作品に出会えたのは嬉しかった。その他♪斎藤義重、♪難波田龍起、♪山口長男、♪吉原治良など日本の新しいアートを切り拓いた重鎮の作品が並んでいて楽しかった。

本館では♪サム・フランシスの作品に出会えた。早速「ブルー・ボールズ」の絵葉書を購入。

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これはポロックの「ブルー・ポールズ」へのオマージュであろうか?特にカタカナで書くとその感が強い。しかし「ボール」と「ポール」は英語では「ball」と「pole」であり、スペリングが異なる。まあでも韻律は同じようだから、たぶんその仮説は正しいであろう。

個人の所蔵をベースとした美術館で、これだけの規模と内容があるのは素晴らしいと思った。

父と我が子のコラボの絵が「発掘」された近くでこんなペン画も見つかった。

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これは私がヨーロッパに旅行した時に描いたものだ。ヴィーンのベルヴェデーレ宮殿の庭に何体か設置されたスフィンクスの像の一つだ。

それにしても下手だな。父の絵と並べると、その差が歴然として恥ずかしい。そのまま物置で朽ち果てていたら安泰だったのに、よりによって父の絵と一緒に発見され、ご丁寧にブログに掲載するなど愚の骨頂だな。わざわざ世界中の人に向かって「ね、僕の絵はお父さんより下手でしょ?」と表明しているようなものだ。

でもなあ、数打ちゃ何とかで、もうちょっと上手な絵があったような気がするんだがなあ。これを機に物置などを徹底的に探索して、「どうだ、ウマいだろう!」と胸を張って言える絵を見つけたいものだ。たった1枚でもいいから・・・。

物置を片づけていたらこんな物が出てきた。

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上の鉛筆画は不思議な絵だ。人間に似ているが全身を毛に覆われ、尻尾が生えているのは類人猿であろうか?しかし両手に持っているのは壺やすり鉢といった器具である。何か物語に出て来るワンシーンなのだろうか?いずれにしても達者な筆捌きだ。

これは亡き父が描いたものに間違えない。父は絵を描くのが得意で、特に鉛筆画はプロの画家と同じぐらいのレベルに達していた。

一方、その下にはクレヨンで描いたと思われる抽象的な図柄がある。これはたぶん私の子供がいたずらで描いたのであろう。そのため父の遺した貴重な絵を損なってしまった。

ここで私は小説の一節を思い出した。ローレンス・ダレルがノーベル文学賞候補に挙がったときの作品「アレクサンドリア四重奏」四部作の第1作「ジュスティーヌ」の一部だ。それは作家志望の主人公(ダーリー)が自分の書いた原稿の一部を失ったときの嘆き節である。

「ぼくは今夜、原稿を読みかえしてみた。そのうちの何枚かは台所の仕事に使われていたし、何枚かは子供が破りすててしまった。こういうかたちの検問は気にいった。なぜなら、そこには芸術の構成に対する自然界の無関心があらわれているからだ。」(高松雄一訳:河出書房新社モダン・クラシックス)

この父と我が子の「コラボレーション」は、まさに上に紹介した内容に附合する。そして、そう考えることにより、この災難は芸術的営みに昇華されるのである。

「近代彫刻―オブジェの時代展」(横浜美術館)の回想。

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チラシに登場した女優の緒川たまきが素敵だ。このチラシに惹かれて展覧会に足を運んだ人もいるのではないか。私もこのチラシ、というか緒川たまきのポーズには引き寄せられるものを感じた。

しかし私はもともと抽象彫刻が大好きだから、今回の展覧会はチラシを見なくても行こうと決めていた。従って私の場合においては、集客面でチラシは不要だったわけだ。緒川たまきに支払われたモデル代はどれほどの額だっただろうか?それが1,000円の入場料に反映されていると考えると、こんな豪華なチラシを作るんだったら入場料を安くしてよ!ということになる。

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まあ上記は私自身の勝手な言いぐさだから、全体として緒川たまき動員の対投資効果がどうであったかを論じるのが本筋であろう。

あっいけない。緒川たまきの魅力のおかげで本来書くべきことをすっかり忘れていた。そうそう展覧会の感想だったよね。

もともと大好きなジャンルだったから、展示作品には既知のものが多かった。それが悪いということではない。好きな作品は何度観ても楽しいし、時には新たな発見もある。まずは既知作品の反芻(はんすう)をしてみよう。

♪コンスタンティン・ブランクーシ
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古今東西のあらゆる彫刻家の中で最も敬愛するのがブランクーシだ。今回も「空間の鳥」、「接吻」などの代表作と出会うことができた。ブランクーシはブロンズもいい。「うぶごえ」はシンプルな形状だが、周囲の景色を映し込んで複雑な表情を見せていた。

♪バーバラ・ヘップワース
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敬愛する彫刻家。大好きな作品「子午線」に出会うことはできなかったが、「ネスティング・ストーンズ」というブランクーシを想わせる作品を観ることができたので良かった。

♪オシップ・ザッキン
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ザッキンというと、キュビズムの彫刻家として刺々(とげとげ)しい人物像を思いだす。しかしこの「オルフェウス」は丸みを帯びて柔和な雰囲気だ。ブランクーシとヘップワースに怖れをなして作風を合わせたのか(笑)。

この他にも楽しい作品が沢山展示されていた。

♪ウラジーミル・タトリンの定番である「第3インターナショナルの記念塔モデル」と「コーナー・反レリーフ」、♪アレキサンドル・ロトチェンコの「円の中の円(No.9)」など、この時代、ロシアには活気があったなあ。♪ジョセフ・コーネルの箱は彫刻と呼んでいいのかどうかわからないが、幻想的な作品を楽しんだ。もはや古典と言っても過言ではない♪レイモン・デュシャン=ヴィヨンの「大きな馬」は、やはり存在感抜群だ。

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楽しい展覧会だった。

「出会い Encounter」(東京オペラシティアートギャラリー)の回想。

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「ゲンダイアート」に触れる格好の場であったはずなのだが、私はこの展覧会の記憶があまり残っていない。一人一人のアーティストと作品は興味深かったのかもしれないが、スタイルがまちまちなので(それは逆にこの展覧会の狙いでもあったと思うのだが)印象が拡散してしまったらしい。チラシの裏面の写真を見ても、一つ一つの作品を想いだせないのだ。

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仕方がないので、配布された「鑑賞の手引き」などをスキャンして貼り付け、記録性を高めることに専念しよう。そのうち出展したアーティストの他の個展などで作品を味わいなおすことができるだろう。

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♪ヤン・ファーブルと♪イリヤ・カバコフについては読売新聞の記事に写真が載っていた。

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♪ジュン・ヤンは飛行機の機内で配布される案内に模した作品を出していた。

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半券のデザインは良かったと思う。

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