ジョヴァンニッキ2

即興演奏家が本業よりアート鑑賞に夢中になっているブログです。

2014年11月

「第41回 朝の会 展」(銀座洋協ホール)に行った。


お目当ては飯坂郁子と高井美穂の作品だ。飯坂郁子は以前からファンだった。高井美穂は、ニューヨークつながりの作家たちの展覧会「NEW YORK INSPIRATION」シリーズで作品を観ていた。気になった作家と作品について感想を列挙する(作家名の五十音順):

♪飯坂郁子
大作では「電気ケトルのある静物」が良かった。丸テーブルによる画面分割がちょうどいいというか、すわりが良い感じだった。「ペパーミントグリーンのキャミソール」は小品だが、一目で飯坂作品だとわかる。いつ観ても個性が光る画家だ。

♪川上弘子<招待作家>
静物を描いたいくつかの作品はどれもみな好きなタイプで、今回ゲストで出展してくれて良かった。いいと思ったポイントはセザンヌのような、絵柄の背後にある骨太な構成感だ。

♪高井美穂
「ウッドストックサマー」、「Gトレイン」、どちらも良かった。高井美穂の風景画は、風景画を好まない私でも一目置かざるを得ない魅力を放っている。特に水彩画は、さらっと描いているようなのに油彩に負けないインパクトがあるのが不思議だ。

♪高橋延彰
「夢、現、うつろいゆく刻の半ば」はこの展覧会では少数派の抽象画で、抽象マニアの私としては嬉しかった。

♪戸刈武宏
「光と音楽の静物」にはショパンの「幻想即興曲」の楽譜が描き込まれていた。リアリズム系も普段はあまり観ないが、これくらい達者だと魅力を感じる。

♪松本朋子
キュビズム好きの私にとっては、松本朋子の作品にみられるキュビズム風のたたずまいが心地よかった。

♪三輪さゆり<招待作家>
「春」、「秋」の対になっ魚の絵には趣があった。洋画中心のこの展覧会の中で日本画の味わいがより引き出された感じがした。

「中田太陽 陶展 -山暮らしの食卓-」(ジネタ:藤沢)に行った。


中田太陽の個展を観たのはこれが2回目だ。前回は2年前、同じギャラリーで開催され、タイトルは「夜長のはなし」であった。キャンドルシェードなどが展示の中心だった。感想は引っ越す前のブログ「ジョヴァンニッキ」に書いた

今回は山の別荘で自然に囲まれながらの食事をイメージしていた。季節柄、土鍋はひときわ目立っていた。

過去作品のアルバムを追うと、中田太陽は様々な技法とスタイルを模索しながら研鑽を積んできたことがわかる。初期の作品は別人が作ったような感じだった。

しかしそこには人々の目を楽しませるとか、使って喜んでもらうとか、そのような筋が一本通っているような気がした。

「第2回 小さな世界展 -CDケースを使って-」(アートギャラリー山手:横浜)に行った。


文字通りCDケースを使った絵画、アクセサリー等の作品を紹介する展覧会だ。そのジャンルは多岐にわたっていた。



この類の展覧会を観ると、CDケースのような身近な物でもこんなに多種多様な作品を生むことができることがわかる。そして自分も何か創作してみたいという気持が刺激される。作曲などのクリエイティブな活動のトリガーとなるのだ。

会場のアートギャラリー山手は元町から港の見える丘公園に至る坂道の途中にある。今では「アメリカ山公園」なるものが出現し、駅からエレベーター、あるいはエスカレーターを使うと、そこから公園まではあまり坂を上らなくて済む。つまりこのギャラリーがある坂道を迂回できるのだ。

人間は楽なほうになびく傾向がある。「アメリカ山公園」のために、同ギャラリーは来場者が減ったのではないかと推測する。私はそんな場に愛着をおぼえる。今後も楽しい展覧会を続けて欲しい。

「湘美会展 2014」(藤沢市民ギャラリー)に行った。


案内葉書をご覧いただくとわかるように作家の一人・向山武志にマルが付いている。顔なじみの彫刻家である彼からこの案内を受け取ったのだ。以下、作家名の五十音順で、ジョヴァンニとのつながり/感想を書いてみた:

♪北村和士
つきあいは無いが、知っている。
「海-雨」という作品が抽象構成みたいな味わいで良かった。

♪佐藤和彦
顔なじみ。ジョヴァンニと自宅が近所同志。
ギターの名手で、個展会場でリサイタルをやってしまう作家。
作品はいいんだけど、売れっ子なので金額的に高くて買えないのが難点。

♪菅谷一郎
「葡萄畑の中の街B」(銅版画、小さい)が良かった。

♪杉本直一
「七時限目の妄想」という鉛筆画が幻想的で良かった。

♪竹田あけみ
よく知っているが、ニューヨークに行ったので会う機会がない。
現地では布のアーティストだと聞いているが、今回は写真が展示された。

♪内藤範子
少し顔なじみ。
鎌倉の「ジ・アース」という画廊で個展を観て素晴らしいと思った。
長老の画家から「彼岸の絵」と評されているように色調が暗いが、訴える力がある絵が多い。
気功(?)か何かの達人でもあるらしい。

♪鍋島正世
よく知っている。
画家でスタートしたが、現在は何と呼ぶ?ミクストメディアアーティスト?

♪松本千鶴
よく知っている。
素晴らしい植物画を描く。
今まで観た植物画の中で最も好ましい作品を描く人。

♪宮原青子
よく知っている。
淡い室内風景で「半抽象」という感じがたまらなくいい。
人柄もいい。

♪向山武志
友人。(高校の後輩だと最近知った。)
今回、彼の作品が新聞で取り上げられたのが嬉しい。

♪吉岡淳子
付き合いは無いが知っている。
別の場での展示をよく観る。

以上、充実した展示だった。

「帰り道/鳥と猫|塚本 元 個展」(ギャラリー・art Truth:横浜)に行った。


在廊の作家から聞いたところによると、今回は帰り道が主題なのでほとんどの作品の水平線を中央付近に置き、帰宅者の目線に合わせたそうだ。何でもない風景のようだが、このように構成上の工夫がなされていたのだ。

展示作品はどれも私の地元・湘南地方の風景に見えた。しかしこれらの風景は想像上のものであり、実在しないという。架空の風景であっても、実際の場所を想起させるのは、絵に何らかの引力があるからか。不思議だ。

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