ジョヴァンニッキ2

即興演奏家が本業よりアート鑑賞に夢中になっているブログです。

カテゴリ: アート

「開館20周年記念 版の美Ⅲ 現代版画の可能性」(茅ヶ崎市美術館)に行った。
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白地で地味なチラシである。しかし真ん中に柄澤 齊(からさわひとし)が鎮座し、その勢いに負けて吸い寄せられるように会場に行った。
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中心作家のひとり♪柄澤 齊といえば2006年に(今は無き)神奈川県立美術館[鎌倉]で開催された大々的な個展で主立った作品は観ていた。感想は引っ越す前のブログ「ジョヴァンニッキ」の記事にまとめた。

鎌倉での展示作品の中で、今回の展覧会において肖像Ⅳ「アルチュール・ランボー」に再会できたので嬉しかった。

また、もう一人の中心作家である♪小野耕石は2009年に資生堂ギャラリ^で開催された個展を観ていた。その感想も引っ越す前のブログ「ジョヴァンニッキ」の記事に書いていた。

今回良かったのは多数の小野作品をパッチワークのように縦横に並べて展示されていた事である。一回りしながら作品を観ると、角度によってそれぞれの作品が異なる光を放ち、それが全体として複雑に変化する模様となって眼に入ってくる。

この展覧会は地元のミニコミ誌「タウンニュース 茅ヶ崎版」に案内が掲載されていて、小野耕石についても言及されていた。
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その他、小品だが♪駒井哲郎、♪恩地孝四郎、♪川上澄生の作品もあった。また、珍しいところでは♪牛島憲之の版画も展示されていた。
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楽しかった。

「空ばかり見上げて ― 林千絵 展」(art Truth:横浜)に行った。
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会場に置かれていた雑誌「版画芸術」に林千絵の特集記事があった。それを読み、これまで漠然としていた事がパアっと明らかになった。

幻想・ノスタルジーの世界に割り込んだ猥雑さ・・・しかしその一方で見せるメルヘン的おとぎの世界・・・その矛盾した個性がどこから来るのか、これまで理解できなかった。しかしこの記事を読み、そのバックグラウンドが氷解したのである。
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この展覧会は本日12/10(月)17:00で閉じる。林千絵のファンでまだ行ってない人がおられたら、駆け込みでもいいからぜひ足を向けて欲しい。そして行ったらこの雑誌記事を読んでもらいたい。

「駒井哲郎 ―煌(きら)めく紙上の宇宙―」(横浜美術館)に行った。
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大好きな版画家の一人なので楽しんで観た。特に「第3章 前衛芸術との交流」の展示室で紹介された「実験工房」時代の活動に関する展示が面白かった。

「フューグ・ソムナンビュール(夢遊病者のフーガ)」のシリーズはポリフォニー楽曲の形態模写というたたずまいで、私の好みだ。「絵葉書の世界:パウル・クレー」の記事で紹介した「赤のフーガ」に通じるものがある。
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クレーの絵画はこの展示室にも花を添えていたので嬉しかった。また大好きな北代省三のオブジェ、山口勝弘の「ヴィトリーヌ」なども加わっていた。
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この展覧会で不満だったのは、ミュージアムショップで駒井哲郎の絵葉書が販売されていなかった事だ。なぜだろう?発行枚数が少なすぎるためなのか?

そう言えば私が保管している駒井哲郎の絵葉書も1種類(2枚)しかない。これは後ほど「絵葉書の世界」で順番が回ってきた時に紹介しよう。駒井哲郎は、もともと絵葉書があまり制作されない作家なのだろうか?

新聞の折り込みチラシを見ていたら地元デパートの広告があった。
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左下に展覧会の案内があった。拡大する。
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入場料が書いてないから無料なのだろう。タダで若冲が観られるらしい。タダに弱い私は早速行ってみた。
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大作は無かったが、掛け軸など観て楽しい作品がいくつか展示されていた。そして広告に掲載されていた掛け軸の作品には、何と赤い札が付いていた!
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(会場は撮影禁止だったため、このシールは別の物です)。

悪く言えば、高貴なる芸術作品をスーパーの食品・雑貨と一緒に扱った、という事になる。

それに対し良く言えば、お高くとまることなく、日常生活に中にアートを取り入れてもらうようとの(いい意味での)啓蒙的な配慮があった、という事だろうか。
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街へ出ると、いろいろ面白い事が見聞きできるなあ。

とうとうクレーの番が回ってきたか。これは大変だ。クレーの絵葉書は山ほど持っているから、選ぶのが難しい。

私にとってのクレーの最高傑作は素描の「忘れっぽい天使」だ。絵葉書ではないが、グリーティングカードを持っていた。しかし愚かにも手元に残さず誰かに送ってしまった。悔しいので図版をコピーしよう。
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素描作品の絵葉書で保存してあったのは「Mechanik eines Stadtteils」。タイトルの定訳がわからない。「都市計画」というような意味だと思う。
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私はハワイ在住の頃、これを真似してドローイングを試みたことがあった。下手だが、クレー作品を愛する気持ちを込めて描いた。「Smokey」というのは当時のニックネームである。私はタバコは吸わないが、なぜかこのあだ名が付いた。
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私の基準で、天使に続く第2の傑作は「ゲルストフォーフェンの回想譜」。素敵だなあ。
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「魚の魔術」はある高名な人が「クレーの最高傑作」と褒め称えていた。私もこの作品が大好きだ。
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クレーの音楽との深い関わりは「赤のフーガ」によく表されている。この作品も大好きだ。
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版画作品では「綱渡り」がいい。シャープな直線の構成の背景にぼかしが加わって、独自の幻想世界を形作っている。
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「蛾の踊り」もまた好きなタイプの作品だ。
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格子状のグラデュエーションは、先日のコンサートで私が「シェエラザード」の楽譜の表紙に使った「船乗りシンドバッド」における波の表現に通じている。
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クレーの魅力は尽きない。

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