5月、ベトナム南部である地方の高級幹部がBMWで交通事故を起こした。この事故では、交通事故そのものよりも、その車両の運転者とは違う人物が車両の名義人になっていたことが注目された。

 

と言うのは、ベトナムに限らず新興国では汚職(贈収賄)は常態化し、政府は汚職防止に取り組んでいる。ベトナムにおいても汚職根絶に取り組んでいるところである。昨年来には、中央・地方省庁など公的機関の幹部に対する企業や個人からの自動車の寄贈が問題視され、フック首相が汚職根絶の一環として“自動車を受け取らない”(「自動車以外は良いのか?」と、突っ込みたくなるが、それだけ多いという事なのでしょう)よう指示していたなかで自動車名義の相違が発覚して注目された。

 

ベトナムでの贈収賄の刑罰は非常に重く、20億ドン(約100万円)以上の賄賂を受けた者は死刑の対象となり、提供した側は終身刑の対象となる。今回の自動車が便宜供与を目的としていたかどうかは定かではないが、寄贈された高級自動車を青ナンバー(公用車)にしてしまうことが多くあるようで、こうした不正を減らすため“自動車を貰うな”という首相のお達しが出た模様である。

 

 ベトナム駐在のある弁護士さんに聞いたが、“要求する側も誰が賄賂を出すか”は良く分かっていると言い、ターゲットとなり易いオーナー企業には、終身刑の嫌疑をかけられない為にも断固として受け入れない姿勢を求めている。

 

 この賄賂問題。もう少し幅広く取り締まる法案が今国会で議論をされている。いわゆる“商業ワイロ”と言われる、民間同士の、例えばリベートなども不正競争防止の観点から規制をするというものである。もし今国会で成立すれば、近い将来に施行されることになる。

 

「理不尽な手数料を要求された」という類の話は良く聞く話で、わが身のため毅然とした態度でのぞまれることを期待したい。

久々の佐分和彦でした。ありがとうございます。