ベトナムのお客さんが、本社工場の隣地を取得し、そこに新たな工場を建設した。

日本の消費税の制度では、受け取った消費税より、支払った消費税の方が多ければ確定申告により払いすぎた消費税を還付してもらえる。

 

ベトナムにも日本と同様の制度があり、VAT(付加価値税)が日本の消費税に相当する。

上記の例、本社隣接に新工場を取得し、支払ったVATの方が多かったので還付の申請をして数か月。一向に還付にならない。「一週間後に来い」「もう少し待て」と言われ、弊社スタッフが何度も税務局に足を運び説明し、必要な資料はお客さんにご協力を頂き提出しても進展の気配すらない。

 

そこで最後の手段。

オフィシャルレター(最終回答を書面で求める)を提出して税務局の回答を待つ。

 

税務局の回答は、

「還付の判断ができないので、すべての資料一式をお返しします」と、レターへの回答を拒否され、申告自体が無かったことにされた。スゴイ!!

 

理由は次の法律に問題がある。追加投資に係るVATの規定の不整合である。

 

ベトナムの法人税法の規定

 〇:仮受・仮払いの差引をして、残ったVATが一定額以上であれば還付する、と規定。

  (投資場所に関する記述はない)

 

ベトナムの政令

 ×:本店所在地とは異なる省での新たな投資にのみ還付する、と規定 

 

ベトナムの通達

 〇:同じ省でも、異なる省への投資でも還付をする、と規定

  (投資場所は問わないとの記述あり)

 

「政令では、本店所在地とは異なる省での新たな投資にのみ還付する」との記載があり、今回は本店の隣接地(同じ省内)での投資なので還付できない、というのである。税務局は、法の不整合により還付の判断できないので差し戻した、という事である。

あとは、中央の税務局(日本の国税庁)の判断を待つしかない、と言う。

 

では、国税庁へ行きましょう。とハノイへ。

 

たまたま、某氏のお誘いで国税長官や国税関係者と会食する機会があり、資料を懐に入れて参加させて頂いた。

 

酔っぱらう前にと小生のつたない英語で、「We have been a tax trouble.」と話かけると、

 

“いいよ。いいよ、何でも協力してあげるよ。”、と頼もしい。

 

では、ではと、

about decree 100(政令100..」の件で相談したい、と言うと

 

Ah..Oh....わかっちゃいる」「でも駄目、整理をするのに時間がかかる。なんとかするので、待ってくれ。」と逃げの一手。

 

何でも協力して欲しいんだけどなぁ..と思いながらも、他に多くの同様な事例があり、その全て?が止まっていることが判り、「止む無しかぁ」と断念。

 

まぁ普通に考えれば、下位の法が,上位の法に反すればその部分は無効となる(法の階層性)ところ、そうならないのがベトナムのベトナムたる所以なのだろう。

大きな声では言えないが、やはり財政が厳しいのだろう。税金を返してもらうことは非常に難しく、「税金を返すなぁー」と、お達しが出ているのかと勘ぐってしまう。

 

とは言え、コーヒー代で解決すると提案されなかっただけ、汚職排除への健全化の流れは進んでいるのだろう。

久々の佐分和彦でした。
ありがとうございます。