日本では採用がままならず、また、採算が厳しくなったのでベトナム進出を決断し、早や5年が経過していると言う。

 

一通りお話をうかがった後、工場内を案内して頂いた。

 

主には機械加工により部品を製造する会社であり、自動工作機械が何台も並び、見るからに立派な工場である。

 

180度の位置関係にある2台の機械の真ん中にベトナム人のワーカーさんがいて作業をしている。加工し終えた製品を外し、新たな材料とコンピュータをセットし、スタートボタンを押すことを繰り返している。

 

ある事が気になり質問をさせて頂いた。

 

「ワーカーさんの正面の機械は動いているが、背中側の機械は動いていないのは何故ですか?」

 

ワーカーさんを中心に配置された2台の機械のうち、動いているのは1台だけなのである。

 

「ええ、本来は2台動かして欲しいところだが、現状は1台しか動かせてない。今後、2台を動かせるように教育をして行きたい。」とのお話である。

 

確かにベトナムでは離職率が高く、技能教育には時間を要するものだと思いながら、

 

「では、日本では何台を動かしているのですか?」と、お聞きすると

4台動かしています。90度ごとに4台を配置しています。」と。ウン!?ムム…

 

「大変失礼ですが、ベトナムの事業は厳しいですよね。」

「ええ…、日本本社から早急な黒字化を要求されています。」

 

とのお話である。

 

同じ時間内での投入量に対する生産量(労働生産性)が日本の4分の1ということである。仮に賃金が10分の1であっても、売上価格、材料調達、物流コスト等々に+αコストを瞬間的にイメージしても厳しいだろう現状が見えてくる。

 

ベトナム人は総じて勤勉であり、真面目にコツコツ仕事を行うとの一般的な評価はあり、小職も同様に感じている。しかし“コツコツ”のスピード感には日本と誤差があるようである。

 

“ベトナム = 豊富な労働力 = 安い労働力”に強い魅力はあるが、“×(掛ける)労働生産性”を加味した生産量の視点も検討しておきたい。

“コツコツ”のスピード感は、日本の現場から大きく割り引いて検討する方が安全だろう。

 

また、今は“安い労働力”かもしれないが、2018年最低賃金の上昇率は約6.5%である。いつまでも“安い労働力”が継続するとは限らないこともイメージの中には入れておくべきだろう。

 

次回part2で、ベトナムの労働生産性を詳しくみてみることにしよう。

 

本日の佐分和彦でした。

ベトナムは日本より涼しいです。避暑にどうぞ。

ありがとうございました.