July 15, 2005

北海道マラソンへの道 〜疋田美佳〜

61cff109.JPG自己ベスト2時間34分22秒。

2002年名古屋国際での記録である。

2003年の同大会でも2時間34分台の
記録で走っている。


力が無い訳ではない。

いや、むしろ今まで『出し切れていない力』が今まさに開花しようとしている。

今年4月、UFJ銀行から移籍してきた彼女には北海道マラソンへ向けて強い決意がある。

『これが最後のチャンスかもしれない…』この想いが今の彼女を支えている。

移籍の条件は『一年間で結果を出すこと』。簡単な事ではないのは承知の上だ。

この厳しい現実を、毎日必死に走ることで、チャンスに変えようと黙々と走る疋田。

練習に打ち込む姿は、妥協を許さない。

ある日の練習で1000m10本というメニューが渡された。普通なら多少なりとも『エー』っと表情に出してしまう選手が多い中。疋田は臆することなく淡々とウォーミングアップを始めた。

決して速いタイムで走れる訳ではないが、正確に自分のペースを刻むのが彼女の持ち味である。

練習も後半に入り、8本目に掛かった所で競技場の閉館時間になってしまった。

監督の指示で8本で終わるように伝えに行くと『もう一本だけ走らせて下さい!』という返事が返ってきた。

正直、驚いた。普通なら『はいそうですか』と切り上げてくるのがおちである。

しかし、彼女はこちらの指示を待つことなく9本目のスタートを切った。

かなりバテテいたにも拘らず、それまでで一番速いタイムで走りきってしまった。

現在もその姿勢は変わらない。

初めてのボルダー合宿。慣れない環境での練習も淡々とメニューをこなしてゆく。

彼女に『北海道勝ちたいか?』と聞くと、迷うことなく『はい、勝ちたいです』という返事が返ってくる。その目には真剣に勝ちたいと思っている強い意志が感じられる。監督の厳しいメニューも信頼して取り組んでいる。

『これが自分に与えられた最後のチャンス』

今の疋田には、この想い以外の余計な雑念は無縁であるようだ。

出場予定者の情報が入ってきた。なかなかの顔ぶれである。スタッフの顔が曇る。

しかし、疋田の顔には全く不安は見られない。

『私はやるだけだから』そう言わんばかりに、今日も練習に向かっていった。

疋田美佳28歳。ランナーとして一番成長できる年齢である。

『ラストチャンス』が『新たなスタート』へと変わるかどうかは彼女自身の努力しかない。

北海道マラソンまであと44日。疋田美佳の挑戦は続く。

ガンバレ疋田。君なら必ず出来るから。自分を信じて明日へ向かおう。


第二話 〜ラストチャンス〜 完。

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1. 本日(7/25日)の「コレ読んどけ!」  [ at most countable ]   July 25, 2005 22:30
少し古い記事ですが・・・ で、スポーツ館で紹介すれば良い話ですけど、 あえてこちらの読者の方々にも読んでもらいたくて。 私、こういう話に弱いんですよねー。 ホント、頑張れって思う。

この記事へのコメント

1. Posted by まいはまん。   July 15, 2005 22:28
「やまない雨はないっ!」
がんばれっ!
2. Posted by 後輩   July 15, 2005 23:31
北海道、応援に行きます!!
笑顔でスタートラインに立ってくださいね。
3. Posted by BR   July 16, 2005 22:34
第二話 〜ラストチャンス〜
けっこうキました・・
頑張れ 疋田美佳! 頑張れ 佐倉AC!

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