2006年04月26日

塾の先生っていうのは勉強が出来るのかな

 今日も小学生、中学生たちの学習指導を無事終えました。しかし一つの単元を終えたところで僕たちは満足できません。なぜなら僕たちは教える仕事であるわけですが、本当は「教えるための授業」が目的ではないから。「理解させるための授業」をしなければなりません。要は、今日指導し終えた単元は、生徒さんが頭に定着させなければ意味がありません。だからこそ宿題があり反復練習があり確認テストがあり、もちろん再テストやペナルティーや再指導があったりするわけです。

 ところで僕たち塾講師というのは、そもそも「勉強が出来るほう」だったのでしょうか。
 もちろん、小学生・中学生以降勉強が抜群に出来ていた先生方も多くいらっしゃいます。テストも通知表も合格した学校も進学した学校も上位だった先生方も多くいらっしゃいます。人に勉強を教えているんだから自分自身もよく出来ていた、そういう方は多くいらっしゃいます。
 尊敬いたします。

 しかし僕は出来なかったです。
 小学生時代は勉強嫌いだったし出来なかったし、中学時代は逃げたかったし成績も悪かったし、高校時代は開き直ってしなかったし、浪人時代だけはちょっとしました。
 結果、勉強は出来なかったです。
 「自分は成績が悪かった」というスタンスで生徒さんと向き合い指導されている先生方もいらっしゃいますが、僕はしかしそういう立場はとりません。僕が勉強が出来なかったことを出来る限り生徒さんたちには伏せています。

 だけど僕は中学生くらいからでしょうか、勉強は嫌いでしたが、自分の成績や努力に対する成果に対して、執念が強かったです。意地で覚えたり意地で理解しようとしたりしていました。なぜなら結果があらわれるからです。
 僕は勉強するということに対して、強いコンプレックスを持っていました。劣等感という意味のコンプレックスもありますが、それだけではなく強い執着や反発心みたいなもの。反発心というのは形あるもの例えば○○先生や××君に対してというのではなく、世の中・社会・大人・自身・夢・日本・善・悪・死・生・性・過去・現在・未来といった抽象的概念に対する反発です。そこには理由などありません。つまり、思春期・青年期に経験する「何かよくわからない漠然とした内的エネルギー」をすべて勉強にぶつけていたように思います。
 ところが不器用で資質の乏しい僕は、それでも成績が良くなかったんですけどね。

 ちなみに・・・
 そんな僕も精神的に成長したのか時が経つにつれ、あまりその理由のない反発心は持たなくなり、いつしか(高校から大学進学ぐらいまで)僕は「教育っちゅうもの」に対して強く惹かれるものを持つようになりました。
 しかし、どうも僕が目指すものは「学校の先生」ではなかった。なんとなくピンとこなかったんですね。「教育っちゅうもの」には惹かれるんだけど、だから「教育者」って言われると何かが違う感覚。
 結局僕がピンときたのは『サービス業としての「教育」』教育産業というものだったわけですが、それはまた今度気が向いたら・・・。



 自分の職業というのは、それが自分自身の望むところだから、好きだから、向いているから選択するというのが理想的なのかもしれないけれど、深層心理としてはそれだけでなくて、職業というのは実は志望・関心・適合性というより、執着やコンプレックスの塊と密接に関連しているのではないでしょうか。
 極端に言えば、「甘いものなんて大嫌い。もう口の中ベタベタするし、喉はかわくし、胃はもたれるし。こんなものは世の中から消えてしまえば良いってず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っとおもってました」っていうパティシエがいてもおかしくないんじゃないでしょうか。甘いものに対してメチャメチャ執念深く思っているからこそ、その人が選んだ職業は甘いものを作る仕事。全然おかしな話じゃないように思います。

 僕は勉強が嫌いでした。でも勉強はやってやる、成績とってやる、1位になってやると強く執念深く思っていました(「1位になってやる」は思わないことも多かったんですけど)。
 その意地がおそらく今の仕事を選ばせたのだと思います。勉強が出来たから塾講師になったのではありません。


 ちなみに僕は中学時代、今となっては幼い思いですが、
 「勉強して金稼いで世の中見下してやる」ってずっと思ってました。学校の成績が良ければ世の中見下せると思っていたんですね。
 今はそうは思っていませんが、当時の自分が今の自分を作るきっかけになっていたんだと強く感じます。

sachi_livedoor at 23:01│clip!「仕事する人」として 
プロフィール
Sachi(さち)

◆関西在住、既婚、男性
◆2006年4月、独立。個人塾経営者および講師。
◆臨床心理学専攻の大学卒。学生時代4年間は家庭教師・塾講師のアルバイト。卒業後は個別指導の学習塾へ就職。小中高対象の学習塾にて講師・教室担当者として勤務。2005年3月退社。
◆独立して小さな小さな学習塾を創ることが夢でした
◇Sachi-netを通じて多くの方と意見交換をし、教育だけでなく様々な分野で情報を送受信出来れば、と思いブログを始めました。
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