前回の記事では、「因果応報」について解説しました。


因果応報とは、行いが返ってくるのではなく、相手に発生させた感情が返ってくる。という内容でした。


今回は、不理解感情(ふりかいかんじょう)について、詳しく解説したいと思います。


なお、「不理解感情」という言葉ですが、これはカルマ論独自の言葉になります。


聞きなれないうちは、違和感があるかも知れませんが、カルマ論の概念に最も適切な言葉として導かれたものだと聞いています。


カルマ(不理解感情)には、ポジティヴな面と、ネガティヴな面がありますので、両方の側面について今から解説してゆきます。


カルマ(不理解感情)とは・・・

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1)他者の気持ちで自分が理解できていないもの
2)自分の気持ちで他者が理解できていないもの
3)自分の気持ちで自分自身が理解できていないもの
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1)他者の気持ちで自分が理解できていないもの

【ポジティヴ】

1)例えば、あなたが誰かに対して「この人、親切だなぁ」という気持ちになったとします。


これは、過去にあなたが誰かに対して「この人、親切だなぁ」という気持ちにさせたカルマ(不理解感情)がある。ということです。


一般的に、良い行いが返ってくるを言われる内容ですが、実際には相手に発生させた感情が返ってくることになります。


【ネガティヴ】

例えば、あなたが誰かに対して「許せない」という気持ちが発生したとします。


その場合、過去にあなたが誰かに対して「許せない」という気持ちにさせたカルマ(不理解感情)がある。ということです。


あるいは、あなたの身近な誰かが、他者に対して、「許せない」という気持ちにさせられていたことを、あなた自身が理解できていなかった。とも考えられます。


では、「身近な誰かとは一体誰なのか?」ということですが、おもに、両親(養育者)、祖父母、兄弟など、3親等位までの影響を強く受けることが考えられています。


実際的に、身の回りに発生する出来事の多くが、あなたの両親(養育者)に対するカルマ(不理解感情)を理解する為の出来事である。とも考えることができます。


2)自分の気持ちで他者が理解できていないもの

【ポジティヴ】

あなたがAさんに対して「この人、親切だなぁ」という気持ちになったとします。


しかしAさんがあなたのその気持ちを理解していない場合、Aさんはあなたに対するカルマ(不理解感情)がある。という事になります。


理解できていない気持ちを理解するように出来事が発生するとすれば、Aさんも未来的に、誰かに対して「この人親切だなぁ」と思うような出来事を体験することになります。


【ネガティヴ】

あなたがAさんに対して「許せない」という気持ちになったとします。


しかしAさんがあなたの気持ちを理解できていない場合、Aさんはあなたに対するカルマ(不理解感情)がある。という事になります。


理解できていない気持ちを理解するように出来事が発生するとすれば、Aさんも未来的に、誰かに対して「許せない」と感じる出来事を体験することになります。


つまり、相手に対して不快な気持ちになった場合、あなた自身がその気持ちを相手に伝えないでいるほど、相手にとってはあなたに対するカルマ(不理解感情)が増えてゆく事になります。


3)自分の気持ちで自分自身が理解できていないもの

これは、自分の気持ちが、無意識に抑圧されてしまった結果、自分自身の気持ちに対してカルマ(不理解感情)が発生するということです。


たとえば、誰かに対して言いたい事が言えない状態で、ずっと我慢し続けているというような場合です。


そしてその状態が蓄積されてゆくと、「本当は我慢したくない、もっと言いたい事を言いたい」という、自分自身の本当に気持ちを理解するような出来事が発生するということです。


例えばですが、お酒を飲んで酔っ払うと、人が変わったり、お酒の力を借りて大胆になったり、言いたい事が言えたりする場合など、これに当てはまります。



今回の解説としてはここまでになりますが、「我慢する」「じっと耐える」ということは、自分にとっても、相手にとっても「不理解感情を発生させる原因」となります。


例えば、不理解感情を発生させないで、感情をぶつけ合う状態を「ケンカ」といいます。


互いに、自分の気持ちを冷静に伝え合う、話しあうことができれば理想的ですが、ケンカになるという事も、カルマの法則を前提に考えるならば、決して悪いわけではないのです。


互いに不理解感情が残り続ける方が、後々、もっと大きなトラブルに発展してしまう可能性が高い事が考えられるからです。


次回は、不理解感情にはどんな種類があるかについて、解説したいと思います。